カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
婿殿が横浜から来るので、今回も事前に個室での料理を予約してあった、松本市中町の“季節の郷土料理の蔵”「草菴」。
季節のコース料理も、事前に「7,150円コース(税込) / 9品」を次のコース内容で予約してあり、
・先付 / 2品
・前菜 / 季節の前菜盛合せ
・お椀
・お造り / 旬魚のお造り
・焼物肉
・焼物魚
・蕎麦
・デザート
この内、値段は当然アップするのですが、婿殿と娘の好物でもあるので、信州らしくお造りを馬刺しに、また〆の蕎麦をお椀からざる蕎麦に今回も変更して貰ってありますので、コースとしては概ね8000円位になったでしょうか。
やはり昨年10月末にも伺ったのですが(第1942話)、その時に後継者問題から事業継承のために銀行の仲介もあって、「草菴」が王滝グループ傘下に入ったと知りましたが、従業員の皆さんもそのままで、依然と比べて料理内容も殆ど変わっていなかったので、これからも県外からのお客さんを信州らしい郷土料理でおもてなしする店として、お連れするのに安心したことを覚えています。
その後、もう一度機会があって予約したのですが、その時は急に婿殿が仕事で来られなくなったた、め恐縮ながらキャンセルをさせて戴きました。
実は今回も婿殿が病院勤めのため致し方ないのですが、予定が変わり松本には来られなくなり、最後二泊三日で予定している軽井沢へ迎えを兼ねての合流となってしましました。しかし前回も直前でキャンセルしていたこともあり、今回はキャンセルせずに一名減でそのまま伺うこととした次第です。


先に子供たち向けに、玉子焼きとモロコシのかき揚げ、そしてトマト好きの彼等なのでトマトのお浸しをオーダー。子供たちも美味しそうに食べてくれました。
この日の季節の料理の懐石コースは、先付が二品で、先ずトマト豆腐など。続いて、夏らしく稚鮎の唐揚げとトウモロコシのかき揚げ。稚鮎の苦みがナントも言えません。




そして焼物として、先ずは信州牛のイチボ。柔らかくて塩とワサビが合います。

最後は〆のざる蕎麦。王滝傘下には小木曽製粉所という自社の製粉工場があり、以前より蕎麦が細くなった気がしましたが、市内の蕎麦専門の有名店にも劣らぬ美味しいお蕎麦でした。因みに最後のデザートは桃のジェラートだったか?梨だったか?で、奥さまへ。以上がこの日の9品の懐石コースでした。


予定が変わり、婿殿が松本には来られずに、迎えを兼ねて最後の軽井沢で合流となったことから、彼が行きたいとのことで当初予定していた「白馬岩岳マウンテンリゾート」は次の機会に回して、今回孫たちを連れて行ったのは、塩尻峠の山麓に在る農業公園「チロルの森」です。
チロルの森のH/P等から拝借すると、
『「信州塩尻農業公園チロルの森」は、ワールドインテックが運営する、欧州オーストリア・チロル地方をモチーフとした、標高1,000mにある総合テーマパークです。
ヨーロッパの牧歌的な景観や農業体験などを楽しむことが出来、主な特徴はラベンダー畑や牧舎があって、乗馬や動物とのふれあいなど自然に溶け込んだ施設となっています。
また、本場の製造を元に作った自家製のビールや濃厚なアイスクリーム、ジューシーなソーセージが楽しめます。また、石窯で焼いた本格的なピザやパン。豊富なメニューのレストラン、体験教室など、「見て・触れて・食べて」五感で楽しめる施設です。
しかし来場者の減少と新型コロナウイルス感染症の影響で2020年11月29日に一度閉園しましたが、2025年4月26日に再開園しました。』
再開については、
『長野県塩尻市にある「チロルの森」が、2025年4月26日(土)より営業を再開いたします。本施設は、2020年11月に新型コロナウイルス禍の影響を受け、閉園を余儀なくされました。しかし、多くの皆様から寄せられた温かい支援と期待の声に後押しされ、昨夏にはトライアル営業を実施し、一ヶ月間に約25,000人の来園者を迎えることができました。この結果を踏まえ、4年半ぶりの営業再開を決定いたしました。』

この日は夏休み期間中の平日で、従業員の方と思しき車を除くと、約2000台収容という広大な駐車場に、開園時間での来園は僅か10台足らず・・・。





このエリアには林の中にツリーハウスなどもあって、おとぎの国の様な雰囲気です。


しかし、この日は平日とはいえ、午前中の入園はせいぜい50人程(どんなに多く見積もっても3桁には届かず)ではないでしょうか。勿論、一度閉園しているので、施設やアトラクションの充実にはお金を掛けられず、当面は現状のモノを維持管理していく他はないかもしれません。しかし、信州の高原風の広大な森の中で雰囲気もイイし、都会から来れば避暑地感覚でも楽しめる。なのに、こんなに空いていてはナントも勿体無い。
例えば、入場料は無料ですが、週末になると親子連れで駐車場は満車になるアルプス公園に在るようなドリームコースターか、長い滑り台のロングスライダーなど様々な子供向けの遊具や、或いは安全な子供向けの最近はやりのボルタリングもイイ。園内の林の大きな木々を活かしたブランコやジャングルジムの様な遊具でもイイ。いずれにしても広大な敷地と傾斜を活かすべきだと思います。そして、白馬岩岳ではありませんが、チエとズクで何とか子供たちが喜ぶ様な、是非目玉となる様なアクティビティーを創造して欲しいと思います。例えば、上手く傾斜を活かして“日本一長い”ロングスライダーを設置出来れば、それだけで目玉として“日本一”を売り込めます。

何より、ここにはそうした「チエとズク」の要素となる明るい材料が、広大な森の中に幾つも潜んでいる様に感じるのです。是非頑張ってください!
【追記】
入園者が少なくコストを掛けられないのは理解できますが、園内を色々探しても閉まっていたりしているレストランや施設もあって、結局この日のランチは園内では取るのを諦めて車で戻り、松本IC近くのベーカリーレストラン「COCORADE」で食べました。その分も「チロルの森」は収入減となってしまっているのです。これも実に勿体無い!
何日も実家に居ると、松本での孫たちの“遊び”の材料が次第に“枯渇”して来ます。
都会であれば、動物園や水族館、キッズランドなど、そうした小さな子供たちが喜ぶ施設が幾つも有るのでしょうけれど、田舎ではなかなかそうはいきません。


孫たちの一番人気は、イオンモール松本のキャラクターカートで、特に二人共アンパンマンが大好きで乗りたがりますが、週末などは子供たちのためにパパママたちが競って“早い者勝ち”での奪い合いになります。娘に依ると、
「無料で乗れるなんて信じられない!有料にして貰ってもイイくらい・・・」
とのこと。
滞在中、私は用事があって行けなかったのですが、幼児連れのママさんに優しい「和み」でのランチを今回も個室で予約して、その前後にイオンモールの「キッズリパブリック」で買い物をするために、終末よりも混まない平日に家内と出掛けて行き、しっかりとアンパンマンのカートを確保して二人共乗れた様です。
また、食料品買い出しはスーパーマーケット「ツルヤ」の中南信地区進出1号店でもある「渚ライフサイト」内の「ツルヤなぎさ店」が、ナント1年4ヶ月も掛けて7月から改装休業中(歳を取っても歩いて行けるからと今のマンションに決めたのに、まだ運転が出来る我々は良いとして、そうした事情を抱えたお年寄りは「その間は他店へどうぞ」と云われても、では実際にどうすれば良いのか、余りに“ユーザー・アンフレンドリー”な対応と云わざるを得ません)のため、結果代わりに選んだのが、松本市内の本店を閉めた井上百貨店が運営する、松本市郊外山形村のショッピングモール「アイシティー21」です。今までは殆ど利用したことは無かったのですが、市街から郊外へ向かう道路は混んでいないので、渚からは15分足らずで行くことが出来ます。そして、こちらにも「ツルヤ」が敷地内に別棟で入っています。
たまたま行った日は夏休みということもあって、アイシティーの一階モールの中央ステージで日替わりのイベントがされていて、この日は子供向けの音楽ステージが無料で40分間実施されていました。
ステージ前には椅子席も用意されていて、今回は昼前後の2公演でしたが、出演は大阪市東淀川区に拠点を置く「スキップ楽団」とのこと。
こちらの楽団は1977年に結成された、幼稚園や保育所の遊戯室、高齢者施設のロビーや食堂等、小規模スペースを会場とする公演など幅広い活動をしている音楽集団とのことで、この日はメインボーカル兼アイリッシュハープの女性、3代目リーダーというヴァイオリン、他にキーボード、ドラムスの各々ボーカルも兼ねる男性3人の計4人編成。
ステージは、アイルランド民謡の「ダニーボーイ」や童謡「雨降りお月さん」、そしてジブリのトトロから「さんぽ」などなど。
皆さん音楽の専門教育を受けられたプロミュージシャンの様で、わざとふざけては子供たちを沸かせながらも演奏はしっかりしていますし、女性ボーカルも澄んだソプラノで上手でした。子供たちも手拍子をしながら喜んでステージも大いに盛り上がっていました。
今や音楽大学を出ても、演奏人口の多いピアノやヴァイオリンなどは、著名な国際コンクール優勝の肩書か、或いは技量は“そこそこ”でも余程の美形でなければプロ演奏家として売れることはありますまい。ですので、こうした形で毎日音楽を生業に出来るのは、例え王道ではないとしても、音楽家人生としては或る意味幸せではないだろうかと、へそ曲がりの斜視的な見方かもしれませんが、手拍子をしながらそう感じて私も聴き入っていました。


上の子が電車好きということもあって、“時間潰し”のイベント代わりに二度、マンションからすぐのアルピコ交通(旧松本電鉄)の上高地線の渚駅から二駅の松本駅まで電車で往復しました。
松本と上高地への入り口となる新島々までの上高地線は現在二両連結で、京王電鉄の3000系車両が引退し、現在は東武鉄道20000系車両3編成で運行されています(内1編成が、アルピコ社内の女性社員が描いた上高地線のキャラクター「渕東(えんどう)なぎさ」がCFなどに依って描かれた、2代目なぎさトレインです。因みに渕東も渚も上高地線の駅名)。


大人の我々からするとたった二駅、僅か片道4分の乗車時間なのですが、彼等幼い孫たちからすると立派な“大冒険”なのでしょう。
踏切がカンカン鳴って電車が近付いて来る時から嬉しそうにはしゃいでいて、ドアが開いて乗車し、たった4分間の沿線の様子を窓越しに靴を脱いで座席に正座して眺めながら、終点の松本駅では八王子から乗って来た特急あずさが多い時は4編成も停車していたりと、乗り物好きな子供たちは電車での行き帰りをとても喜んで乗っていました。


8月お盆前。予定通り、次女が孫たちを連れて松本へ帰省して来ました。
会社の先輩女性曰く、学生時代の仲間内では、このお盆の孫たちの帰省を“夏の陣”と呼んでいるのだとか。なかなか言い得て妙!我が家の“夏の陣”も、この老体に鞭打って、いざ“戦闘開始”・・・です。
病院勤めで松本へは来られない婿殿が休みの週末に八王子まで送って来て、八王子まで迎えに行った奥さまとそこで交代し、松本まで今度は家内が一緒にあずさでやって来ました。
会社によっては、今年最長10日間の長期お盆休暇のスタートとなる土曜日とあって、30分無料の駅駐車場は出迎えと観光の県外車で満車。早めに行って並んだこともあり、ギリギリで西口の「アルプス口」駐車場に停めることが出来ました。
今回はホームまで迎えに行かなくても大丈夫とのことで改札口で待っていると、二人乗りのベビーカーと一緒に孫たちがしっかりと歩いてやって来ました。
二人共口々に「ジィジ!ジィジ!」とニコニコ叫びながらやって来ます。
そして、毎月の“家政婦”業の甲斐あって、いつもは“バァバっ子”の下の孫も含め、二人共「ジィジと!」と言って私と手を繋いで車の所まで私と一緒に歩いて行きます。これには家内も娘もビックリです。
マンションに着き、家に入って暫しワンコたちを追い掛け回してから、早速松本用に置いてある二人のオモチャで孫たちは遊び開始です。
ずっと家の中に居て、オモチャとそれに飽きてのYouTube Kidsばかり視ていてもいけないので、夕刻涼しくなってから、マンション近くの公民館の広場にある滑り台とブランコの遊具で気分転換へ。
その時も、二人共「ジィジと行く!」と言って、家のドアからエレベーターに乗ってマンションを出て公民館まで歩いて行く間、二人共ずっと私と手を繋いで歩いて行きました。娘が「貴重な証拠写真だから!」と言って、それを後ろから何枚か写真に撮ってくれました。家内も、「良かったネ!!」。
5月に横浜へ行った時には、室内用の小さな滑り台でさえも怖がっていた下の子が、公民館に在る滑り台を上からスーッと滑り降りて来たのには娘も家内もビックリの様子。そして、その“成功体験”が嬉しかったのか、何度も何度も喜んで滑っています。
特に3ヶ月ぶりに孫たちに会った私からすると、二人のたった数ヶ月の間の成長ぶりにビックリです。上の子は、単語だけだった会話が長い文章の様になりました。4月から幼稚園に行ってお友達が出来て、一緒に遊んだりしているからかもしれません。

暫く遊んで、すぐ近くにアルピコ交通上高地線の渚駅が在って、一時間に上り下り一本ずつの電車が近づくと踏切がカンカン鳴るので、二両連結のその電車を楽しそうに見送ってから、次にお風呂に入るために家に戻りましたが、この時もしっかり私と手を繋いでくれました。
「ジィジ冥利に尽きるでしょ!?」
「えっ、イヤ別に・・・」
因みに、翌日になると、孫たちは私ではなく、上の子は娘と。そして下の子はいつものバァバとしっかりと手をつなぎ、それから滞在中に二人共ジィジと手を繋ぐことはありませんでした。
結局、そんなジィジ冥利に尽きた、たった一日だけの貴重な“ジィジの日”だったのでした・・・。
8月、久し振りに映画を見に行きました。それは2021年7月4日から9月12日までTBS系「日曜劇場」で放送されたテレビドラマ「TOKYO MER」。
放送終了後多くの反響が寄せられた結果、2023年4月に続編となる劇場版第1作目が公開されたのですが、今年その劇場版第2作がこの8月1日から全国公開されています。
予告編的に簡単にその劇場版の二作を紹介させていただくと、
『2023年4月に公開された劇場版一作目では、横浜のシンボル・ランドマークタワーを舞台として、爆発事故により193名が閉じ込められるという大災害に立ち向かう姿が描かれた。
映画ならではの壮大なスケール感と、仲間同士の熱い絆に、多くの観客が胸を熱くし、興行収入は45.3億円という大ヒットを記録。続編を求める声が多くあがっていた。』
そして、予告編に書かれている内容ですので、決してネタバレにはならないと思いますが、今公開されている劇場版第二作「TOKYO MER南海ミッション」は、
『TOKYO MERの活躍が高く評価され、全国主要都市に新たなMERが誕生するなか、沖縄・鹿児島では離島地域に対応できるMERの誘致活動が活発化する。指導スタッフとしてTOKYO MERのチーフドクター・喜多見と看護師の夏梅が派遣され、オペ室搭載の中型車両を乗せたフェリーで離島での事故や災害に対応する「南海 MER」の試験運用が始まるが、半年が過ぎても緊急出動要請はなく、廃止寸前に追い込まれていた。
そんなある日、鹿児島県の諏訪之瀬島で火山が噴火し、ついに大規模医療事案への出動が決まる。島では想像をはるかに超える惨状が広がっており、噴煙のためヘリコプターによる救助はできず、海上自衛隊や海上保安庁の到着も数十分後だという。噴石が飛び交い溶岩が迫るなか、南海MERは島に取り残された79人の命を救うべく高難度のミッションに挑む。』
という内容です。
この予告編に書かれている内容の範囲でネタバレにはならぬ様に、既に視聴した者としての感想を書かせていただくと、今までのTVシリーズと第1作目の劇場版も、最後の最後には「今回も・・・死者ゼロです!」が、同じTBSだからと云えるのかどうか分かりませんが、「水戸黄門」の「この印籠が目に入らぬか!?」的な決めゼリフと分かって安心はしていても、最後の最後まで見る者にハラハラと緊張感を与えるスリリングな展開で、「あぁ、もうダメか・・・」と一旦は思わせながら、最後の最後になって「えぇーっ!?そう来たか・・・!」という唖然とする様な解決策を(都度色んなネタを駆使しながら)見せてくれるのです。その意味で、監督や、出演者や、カメラワークや、特に今回はVFXが非情に良く出来ていて、本物の火山が噴火している様な臨場感があります。
そうした中で、個人的に今回一番良く出来ていると思ったのは脚本(黒岩勉)でした。
最後の最後まで、視ている方をハラハラドキドキさせながら、そのミッションがクリアされる度にホッとすると、しかしまだそれでは終わらせないで、更に次から次へと新たに困難なミッションが現れるという、様々なエピソードがストーリーとして描かれて行って、最後の最後まで飽きさせません。
そして、その最後は“水戸黄門”的で分かっている筈なのに、 「えぇー、じゃぁ一体どうやって解決するんだろう!?」と思わせてくれるのです。
例えば、視初めて最初、また途中でも・・・、
「南海NERって、一体何?」
「今回はスケールダウン?」
「TOKYO MERの他のメンバーは出ないの?」
・・・等々、南海MERの位置付けや背景等は映画の冒頭で理解出来るのですが、途中視ながらも色々疑問も浮かぶ中で・・・、でも、今回もいつもの赤塚東京都知事と白金官房長官との“女の確執”もちゃんと挿入されていて、まさか自衛隊のC‐2輸送機まで最後に登場させるとは・・・。
最後にネタバレ的ですが何卒ご容赦いただき、個人的に一番良かったシーンを紹介させていただくと・・・、
定員オーバーの全島民を載せ全速前進で島から脱出した南海 MERが燃料が尽きた時、漁船で持って来た予備タンクにあるだけの燃料を補給し、重症者を助けるために、病院のある島までその限られた燃料で船が行き着くようにと、船への負担を減らすべく、ケガ人や子供と老人を残して、女子中学生まで含めてまだ動ける男女の島民が皆救命胴衣を着て、喜多見チーフの制止を振り切って次々と海に飛び込むシーン・・・でした。
東日本や能登などの被災地を抱えるこの国では、事の大小こそあれ、きっとこうした住民らの行動が自然に行われている筈です。
実際に、2014年11月に白馬村を中心に発生した最大震度6弱の長野県北部地震(神城断層地震)で、多くの建物が倒壊しながら、住民同士の助け合いで建物の下敷きになった人を救出し、正しく「死者ゼロ!」を達成したという事例があり、「白馬の奇跡」と呼ばれています。
最後見終わって「いやぁ、良く考えたなぁ・・・」と、それこそ練りに練られた素晴らしい脚本だと心底感心した次第です。TV作品同様、今回も脚本を書かれた黒岩勉氏に一番の拍手を送ります。
以上、脚本の重要性を改めて再認識させられた中で、片や翻って思い出されるのは、それとは全く真逆の作品のことでした。
それは3年前に視た、水谷豊監督・脚本・主演作品「太陽とボレロ」。
この作品はご本人主演の人気シリーズを放映するTVでの前宣伝も大きく、しかも地元松本が舞台となったので、(地元民としては)楽しみにしていた映画だっただけに、その意味でそれ以上に個人的には過去一番ガッカリした作品でした。
それは映画を視ていて、あのクライマックスに向かってのワクワク感が全く湧いてこないのです。見終わった後、暫し溜息しか出なかったのです。
その理由は、映像(カメラワーク)はともかく、脚本が酷過ぎたからでした。
細切れのちっぽけなエピソードをパッチワークの様に継ぎ接ぎしただけで、他の見応えの在る作品の様な(例えあり得ないと思っても)二重三重に張り巡らされた複雑なストーリー展開の工夫も、またはムム、そう来たか!という様な唸らされる捻りも、思わず吹き出す様なウィットも無く、途中からはそうした興味も全く消え失せ、後はストーリー展開とは全く関係無く、映画に出て来る(地元ロケ故に)場所や街角がどこかという興味のみ・・・。
「出演者全員に吹き替えではなく、実際に自身でボレロの楽器演奏をするように求め」たという“厳しい監督”であるならば、自身には更に厳しく、もっと真剣に視る者をあっと言わせるような脚本を練り上げて欲しかったと残念でなりませんでした(最後は・・・期待して視たこちらがバカだったと思って諦めるしかありませんでした・・・)。
そんな映画もこれまでにはあった中で、今回の映画「TOKYO MER南海ミッション」は、練りに練られた(他にも、勿論洋画邦画問わず、そうした秀作はたくさんありますが)本当に視る価値のある作品でした。
余談ですが、最後の最後のエンドロールで、実際に各地の離島などで医療活動を行っている医療従事者の方々が皆笑顔で次々に登場していたのが、フィクションである本作品を実際に“現場”“現物”を感じさせて“現実”に近付ける意味でも実に良かったと感じながら、視終わってからも暫し余韻に浸っていました。