カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 遂にというべきか、いや、でも89歳であれば「長寿を全うされた」で良いのではないか・・・。
今朝飛び込んで来た突然の訃報に、そんな正反対の想いも交錯したのですが、思えば、20年前に脳梗塞で倒れ、普通の人間なら寝たきりになる程の容態だったのが、担当医師も驚く程の厳しいリハビリを自らに課し、その結果自身の脚で歩けるまでになって、時に球場に足を運びチームに激を送るなどするまで回復されて、この89歳まで生きられたのですから、“天寿を全うされた”と言ってあげても良いのではないでしょうか。
生前の長嶋さんのエピソードは、これから暫く色んな場面で数限りなく語られていくであろう中で、個人的に印象に残っているエピソードを再掲し、偉大なる故人への追悼に代えさせていただきます。

 それは15年前、2010/08/20付けのブログ記事『ちょっとイイ話-夏の甲子園に寄せて』でした。

『 夏の甲子園もいよいよ佳境を迎えています。
今年は終戦から65年。偶然にも8月15日終戦記念日の、恒例となった正午過ぎの黙祷のサイレンの時にグラウンドに立っていたのは、沖縄県代表興南高校の沖縄球児たち。本土防衛のために唯一の地上戦の戦場となった沖縄に対し、“大和ンチュー”の一人としては、出来れば、今春の紫紺に続き深紅の優勝旗も是非沖縄に渡らせてあげたいものだと願います。但し、既に沖縄県勢は、下手な同情無用の強豪県になっています。

 その甲子園大会開幕直前、8月5日の朝日新聞だったと思います。
時々、スポーツ欄に辛口ながら愛情溢れるコメントを書かれている、朝日新聞現編集委員の西村欣也さんの書かれた記事(「記者有論」)が載っていました。
 それは2002年、ミスターこと長嶋茂雄さんと一緒に夏の甲子園大会決勝を観戦した時の長嶋さんの言葉が、今も印象に残るという書き出しでした。
「このトーナメントではね、優勝チーム以外の全ての球児にただ一度ずつの敗戦が配られるんです。甲子園の決勝でも、地方大会の一回戦でも、ただ一度の敗戦が、野球の神様から配られているんです。壮大なトーナメントの、大きな意義がそこにあると思うんです。つまずくことで得るものが、若者にはきっとある。」
 そんな長嶋さんの言葉を引用した後、西村さんは最後にこう締め括っています。
「グラウンドにがっくりとひざを折ったあと、立ち上がる少年たち。試合前と試合後のわずか数時間の間に彼等は成長する。スーパースターの誕生や名勝負にではなく、敗者に注目しながら甲子園を観戦するのもいい。」
 今年の夏も、挫折から立ち上がり、やがてしっかりと前を向くであろう、
甲子園の48校を含む全国4027校の若き“Good Loser”たちに、心からエールを送ります。』

 全くの偶然なのですが、今回この記事を再掲するにあたり、この記事を探したら、記事のナンバーが「333」だったのです。
偉大なる“背番号3”よ、永遠なれ!         

 ありがとうございました。嘗ての野球少年の一人として謹んで御礼申し上げます。どうぞ安らかにお眠りください。       -合掌

 昨年は残念ながら、店舗ビル改装のための長期休業中で購入出来なかった、箱根の別荘族に人気の「相原精肉店」。
今回の箱根行では既に改装なって営業されていたので、行きと帰りと二度買いに行きました。

ワンコが居るので、駐車場でワンコたちと待っていたのですが、以前の外観は如何にも“町のお惣菜屋さん”風のお店だったのが、奥さまに依ると随分キレイに、そして箱根らしくオシャレな雰囲気に改装されていて、以前は表裏双方から入れた入口が表の一か所だけになっており、店内は一階に在った他のテナントが居なくなって、相原精肉店だけの売り場になっていて随分広くなったとのこと。
 今回は箱根に来た初日に訪問し、先ずはその日のホテルでの夕食用に、名物のローストビーフとミートローフを購入です。
奥さまに依ると、ローストビーフは種類が以前よりも増えて三種類になっていて、今回は脂の刺しが一杯に入ったモノと赤身のモノとの中間を購入したとのこと(それでも軽くグラム1000円越えです)。そして、「焼き」と「煮込み」の二種類あるミートローフは今回は煮込みを買ってみた由。
更に、今回は後日キッチン付きの部屋でホットプレートを借りてBBQをする予定なので、本来“精肉店”ですので焼き肉用の足柄牛のミニステーキなどの牛肉も併せて購入しました。
 その日の夕食。この日は移動で疲れたこともあり、またワンコたちも一緒ですので、早速買って来たローストビーフとミートローフと野菜サラダで、キッチン付きのドッグヴィラで部屋食での夕食にしました。
先ずはローストビーフ。機械切りで極薄ですが、柔らかくて美味!でも、出来ればもう少し厚い方が、もっと食べた時の満足感がUpする気がします。
そして煮込みミートローフ。記憶にある前回(焼きだったのか?)よりも味が濃くて旨!イヤ、これは美味しい、なかなかの逸品です!
箱根の別荘族だけでなく、遠方からも買いに来られるというのが良く分かります。
因みに、後日ホットプレートで焼いた足柄牛のミニステーキや焼き肉用の牛肉も、臭みも無く柔らかくて美味しかったこと!しかもグラムがナント400円台だった由。
 そこで、箱根から帰る最終日にまた「相原精肉店」に寄って、自宅での焼き肉用のミニステーキと、横浜の次女一家用にもローストビーフとミートローフを肉好きの家族4人なので少し多めに買って(〆て20000円也!)、松本に着いてから早速クール便で横浜へ送ってあげました。
因みに、前回の機械切りが薄かったので「もう少し厚く」と家内がお願いしたら、機械ではなく手切りで厚めに切って頂いたとのこと。グラムの価格は手切りでも変わらないので、その分手間を掛けさせてしまったと奥さまは恐縮しておりました。申し訳ありませんでしたが、おかげさまで次女一家にも大変好評だったことを申し添えます。ありがとうございました。

 箱根湿生花園周辺にはペットOKのレストランが無い(仙石原でテラス席がワンコOKのレストランでは、以前レストランでの飲食だけでも入場出来た星の王子様美術館は閉館、インド料理のアズール・ムーンは、味はともかく非常に不愉快な対応をされた経験あり)ことから、ワンコと一緒にランチを食べるために芦ノ湖へ下りました。
観光地である箱根もご多分に漏れず、ワンコOKというレストランは多くありません。
因みに、何度も繰り返しますが、飽くまで我々がこれまで経験した中ではありますが(長女や奥さまに依ると、米国はNYもLAもどこへ行ってもDog Friendlyで素晴らしいとのことですが)、この国では残念ながら軽井沢以外には“ Dog Friendly ”だと感じた観光地は今のところありません。

 さて、芦ノ湖周辺でペットOKというレストランの内の一つ、「ラ・テラッツァ 芦ノ湖」は芦ノ湖畔に在る人気のイタリアンレストランです。
ワンコとは芦ノ湖を一望できる開放的なテラス席で食事を楽しめます。しかし、この日は平日ですがインバウンドの観光客でどこも混んでいて、陽気も良いことからレストランのテラス席も30分待ちとのことだったので、一応名前を書いてから他の店も当たってみることにしました。
次の、こちらも湖のほとりにある「ベーカリー&テーブル」も行列が出来る人気店で、1階は自家製のパンが並ぶベーカリーとテイクアウトのドリンクなどが販売されているパーラー、2階がカフェ、3階がレストランになっているのだそうで、ペットを同伴できるのは1階のテラス席なのですが、こちらも満席。
そこで、家内を待たせて、昨年もコユキも連れて入った国道1号線沿いの「箱根唐揚げKARATTO(カラット)」へ席があるかどうか見に行ってみると、まだ空席があって大丈夫そうでしたので、家内を呼びに行って結局今年もこちらで食べることにしました。
 「KARRATTO」は箱根では貴重な、テラスではなく店内でワンコと一緒に食事を楽しむことが出来るレストランで、店内には店の看板犬(白い小型犬ですがこの日は寝ていたのか見当たらず)と看板猫の黒猫が居て、ニャンコは自由気ままにくつろいで時々店内をチェックするかのように歩き回っていました。
この日の店内は外国人観光客ばかりでしたが、カート毎入店して入口近くのテーブルに座ることが出来ました(その後、何組か来てすぐに満席、順番待ちになりましたので、我々はラッキーでした)。
店内にはワンコ専用の水のボールもありますので、コユキとクルミにおやつを上げてから、水も飲んでカートの中で休憩。隣のテーブルに座ったフランス人と思しき母娘(?)のから尋ねられて喜んで承諾すると、お母さんがコユキとクルミの写真を撮っていました。
注文は、昨年コユキと一緒に来た時は、他で既に食べた後で込み合うランチタイムにドリンクだけでは申し訳なかったので、夕食用にテイクアウトをお願いしたのですが、今回もそのチキン&チップス(1000円)とフィッシュ&チップス(1000円)、そしてドリンクには家内が神奈川県産茶葉100%使用した箱根山麓紅茶(ホットのみ)と、私メはメニューには記載が無かったのですが、お聞きしたらあったのでノンアル・ビールをオーダーしました。
この店の唐揚げは、ハーブと白ワインに漬け込んだというチキンの下味が独特で、またフィッシュフライも箱根らしくアジを使っているのか(?未確認ですが、通常の白身のタラとは違ったような)フワフワで、チキンは添えられてくる白ワイン漬けというクリームチーズを載せて、またフィッシュ用には自家製タルタルソースを付けて頂くのですが、どちらもとても美味しかったです。
お店はスタッフの女性二人だけで切り盛りされているので、小さなお店ですがサーブには少々時間が掛かります。でも応対は気配りもあり居心地の良い店ですし、何より箱根ではとても貴重なワンコと一緒に店内で食べられるレストラン。ワンコ連れには本当に有難い、そんな貴重な存在の「箱根唐揚げKARATTO」でした。

 初めて訪ねたのが7年前の秋。そして昨年の春に二度目の見学をしたポーラ美術館。この日は一日雨予報だったので、ヒメシャラの森の1㎞にも及ぶ木道の遊歩道散策は無理ですが、館内でじっくり名画を見て、その後でゆったりと雨に煙る外の森を眺めながら喫茶室でノンビリするのも良いだろうと、この日三度目の訪問になりました。
 これまで訪ねた美術館の中では、個人的にはこのポーラ美術館と山種美術館が一番のお気に入りなのですが、例えば広尾の山種美術館などは月曜日が定休日で、以前知らずに訪ねて休館だったことがあった(事前にちゃんとチェックしなかったこちらが悪い)のですが、ポーラ美術館は企画展の開催期間中は無休とのこと。
ポーラ美術館は箱根という観光地に在るので、都会の美術館と違い、箱根には観光で来て滞在日程が限られる観光客にとって(企画展の期間中)無休というのは本当に有難い限りです。その代わり、その企画展が終わると、次の企画展への展示作品の入れ替え作業のために10日間程休館するのだそうです。

 このポーラ美術館は創業家の2代目の方が数十年に亘って収集した美術品約9500点を展示するために、「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに2002年9月に開館した美術館で、モネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホ、ピカソといった西洋絵画を中心に、黒田清輝、岸田劉生、杉山寧など日本の絵画、東洋陶磁やガラス工芸から現代アートに至るまでの、世界的な評価の高い作品1万点を収蔵し、特に印象派のコレクションは日本最大級を誇ります。
しかし、この美術館の魅力はその収蔵作品だけではなく、箱根の国立公園の立地を生かして、ヒメシャラやブナなどの広葉樹林の中に全長約1kmにも及ぶ木道の遊歩道が設置されていて、林間に置かれた彫刻などのオブジェとその見事な大木のヒメシャラの林の中を、風の音と小鳥のさえずりを聴きながら、四季折々、例えばこの時期なら山桜や馬酔木の花と木々の芽吹きを愛でながら散策出来ることです。
ビル街の中に在る都会の美術館では決して味わえない、箱根の仙石原の森に在るからこその贅沢な癒しの時間であり、ここでは絵画鑑賞だけではなく素敵な森林浴をも楽しむことが出来ます。まさに“自然との共生”が実現されているのです。
 今回の開催されていたのは、「カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」と題した企画展で、その説明に依ると、
『近代から現代までの美術家たちが獲得してきた「色彩」とその表現に注目し、色彩論や色を表現する素材との関係にふれながら、色彩の役割についてあらためて考察するものです。チューブ入りの油絵具を巧みに扱い、さまざまな色彩によって視覚世界を再構築した19 世紀の印象派や新印象派をはじめ、20世紀のフォーヴィスムの絵画や抽象絵画、そして色彩の影響力によって観る者の身体感覚をゆさぶる現代アートにいたる近現代の色彩の歴史を、おもに絵画や彫刻、インスタレーションによって読み直します。』
とのこと。
モネやルノワールの印象派に始まり、新印象派、20世紀のフォーヴィスムや戦後の抽象表現主義など、近代から現代にかけて、3つの展示室に分けて3部構成により西洋美術の歴史を辿ることの出来る主要な画家の重要な作品が数多く展示されていました。
“色”については、19世紀になってフランスで誕生した色彩論の発展等もありますが、ピカソの「青の時代」の「青」やレオナール・フジタの「白」に関する現代科学に依る分析結果も大変興味深かったです。
 その中で特に印象に残ったのは、坂本夏子という方の作品でした。「タイル」と「シグナル」と呼ぶドットの有機的な「色」の組み合わせで描いて行く作品の、まるで日本画の花鳥風月にも通ずる様な、一瞬時が停まったかの様に無音の“静寂”を感じさせるその色彩の美しき緊張感・・・。

そして、スポットライトと組み合わされた「ステンドグラス」の背後の壁に映し出された色彩の不思議な幻影・・・。
「絵を描くことは、終わりのない課題を解き続けること」という坂本夏子女史。何だか“描く哲学者”と言ったら見当違いでしょうか・・・??
他の作家の作品でも「半透明な布を支持体にして、水を多く含んだアクリル絵具を布に沁み込ませた」というグオリャン・タンという作家の作品。「もしかしたら」と、何となく気になって会場に居たスタッフの方に尋ねるとちゃんと調べて下さって、結果は予想した通り「シンガポール出身の方だそうです」。
嘗てシンガポールに7年間暮らしてお世話になった身として、当時の現地の人たちは先ずは“衣食住”を豊かにすることに精一杯(と感じました)で、例えばシンガポール国立博物館に行っても作品は昔の中国や欧米の作家中心で自国の作家の作品などは無く、また毎月聴きに行ったシンガポール交響楽団(SSO)の定期でも聴衆は殆ど白人ばかりだった(因みに楽団員も殆どが欧米や中国出身の演奏家ばかりで、例えば当時のコンマスはシンガポールに移住したパヴェル・プラントル氏でチェコ出身。娘がピアノを習っていたマルチナ先生が奥さまでした)時代を知る者として、“衣食足りて礼節を知る”ではありませんが、2023年から日本フィルハーモニーの首席指揮者に就任したカーチュン・ウォン氏とこのグオリャン・タン氏も同様に、国が成熟してシンガポールでも漸く芸術分野にそうした才能ある人材が出て来たことを知って感慨ひとしおでした。
坂本夏子、グオリャン・タン始め、展示されている色彩のマジックの様な作品を見ていると、何だか不思議な色彩感覚に包まれるようでした。
その最たる世界として、今回の企画展の中にも草間彌生の「無限の鏡の間 ―求道の輝く宇宙の永遠の無限の光」と題された2020年の作品を展示した個別の部屋があり、時間限定、人数限定でその部屋に入室して鑑賞出来るとのことで、そこだけは順番待ちの行列だったのですが、松本市美術館でも見られる作品同様に、今回は特に息苦しくて耐えられる自信が無い様な気がして家内共々遠慮しました。
また企画展とは別に、今回のコレクション展として、ポーラ美術館が新たに収蔵したというピカソの版画芸術の最高傑作とされる『ヴォラール連作』全100点などが展示されていてこ、ちらも見応えがありましたました。
 このポーラ美術館で有難いのは、最近では他の美術館や絵画展でも少しずつ増えては来ましたが、多くの絵画作品がフラッシュ無しでの撮影がOKなこと。展示では撮影禁止の作品のみNo Photoのマークが付いています。
コロナ禍の影響もあったようですが、クラシックコンサートでも同様に(最近のコンサートでは、カーテンコール時のみ撮影OKという演奏会が都会では増えています)、SNS等で写真を掲載して貰うことで拡散して集客に繋げようとの狙いだそうですが、本当に良いことだと思います。
コンサートホールも美術館も上品ぶって“お高く”留まることなく、(モナリザさえも撮影OKのルーブルを始めとする海外の美術館同様に)お客目線に立って如何に喜んで足を運んでもらうか、更に子供たちも含めて今後のファン層拡大に如何に繋げるか・・・の方が、経営面においても遥かに重要だと思います。
この箱根には「ノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)」をはき違えた様な、二度と行く気にもならない成金趣味の“これ見よがし”の美術館もありましたが(どうやら有名作品を所蔵していること自体に意義≒自慢に感じておられているのか収集の中心軸がハッキリせず、また展示内容でも例えば重要美術品だという銅鐸や埴輪に考古学的に重要な情報である出土地が記載されていないなど、学術的な作品紹介や時代背景等の解説が不親切だったり、展示品リストの通し番号が展示作品自体には書かれていなかったりとお粗末の一言)、そことこのポーラ美術館とではその精神に雲泥の差を感じます。
 国立公園の林の中に佇む様に建てられたポーラ美術館。景観を圧迫しない様に、周囲の木々よりも低い地上高8mの高さに収められたという、地上2階地下3階という5層の建物で、建物そのものも作品でしょう。最上階である2階に入口があって、そこからエスカレーターで下って行く構造です。
地下2階の常設展の展示を見終わり、地下1階の「CAFE TUNE」へ。斜面を活かして、自然光も取り入れられた地下1階とは思えぬ開放的な空間で、天井までのガラス窓が開放的で、その向こうにはヒメシャラの森が拡がるオシャレで素敵なカフェです。
前回は1Fのレストラン・アレイで優雅にランチをいただきましたが、今回はしっとり濡れた雨の森を眺めながら、絵画鑑賞後ノンビリゆったりとカフェタイムを楽しみました。

 箱根二日目。この日は快晴で、朝ワンコたちと散歩に出掛けながら、
 「あぁ、今日金時山に登れば富士山がキレイに見えるだろうなぁ・・・」
と少々恨めし気。奥さまからは、
 「だったら、独りで登れば!?」
とつれないお言葉・・・。
 そこで今日は、ワンコもOKな箱根の観光スポットに行くことにしました。
キャリーやクレートに入れて顔を出させなければ、箱根登山鉄道もロープウェイもJRや他の私鉄同様に乗車可能なのですが、ホテルから乗るまでの移動が大変なのでパスして、車移動です。
まだナナが元気だった5年前には強羅公園へも行きましたが、公園からの景色や園内のバラなどの植生は見事だったのですが、ワンコ連れには階段が多くてカートだと大変でした。そして、箱根園は駒ヶ岳へのロープウェイも乗ってコユキと2年前に行きましたし、その後箱根神社にも一緒に参拝しています。また仙石原に在る箱根湿生花園には、ナナとコユキで4年前に行き、ドッグカートに入って園内を回りました。
ですので、ワンコOKの箱根のスポットはある程度行っているのですが、今回選んだのは二度目となる箱根湿生花園です。
この箱根湿生花園は箱根町の町立で、日本で初めての湿生植物園だそうです。場所は同じ仙石原の平地に在り、3万㎡の広さの園内の湿原や草原に、約1700種種の植物が四季折々の花を咲かせていて、広い園内には木道などがあって、抱っこするかカートに入れればワンコも入園OKです。こちらは平坦な湿地帯に拡がる植物園で整備された木道もあり、「強羅公園」の様な急坂の傾斜地を活かした公園ではないので、ここならコユキとクルミもドッグカートに入って一緒に散策することも出来ます。

 4年前の入梅前に初めて入園した「箱根湿生花園」では、その時はガクアジサイが見事でした。今回は4月下旬なのでまだ山桜が咲いていましたが、シャクナゲがとりわけ見事でした。信州で庭木や山で見るシャクナゲに比べ、株も花も見違えるほど大きくて華やかです。
また、残念ながら満開の時期はもう過ぎていましたが、可愛いカタクリやまた湿地らしくミズバショウ(水芭蕉)の株もあちこちにたくさん見られましたが、それにしても信州の栂池自然園や梓川の島々谷で見た清楚なミズバショウに比べて葉の大きいこと。まるで別の植物の様で、むしろ名前の由来の芭蕉布の原料となる南国の芭蕉を連想するくらい巨大な葉でした。
園内には湿地帯復元のために養生中という広い湿原があり、その向こうには煙を上げる大涌谷や、初めて来た時に見たすすき草原も望めました。その広々とした湿原は何だか雄大な尾瀬の様で、このままで木々を植えずとも良いのかもしれません。
他にもニリンソウがたくさん咲いている群落があったりして、カートにワンコたちのせたまま木道をゆっくり歩いて楽しむことが出来た、春の湿生植物園でした。

| 1 / 100 | 次へ≫