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こんばんは


このコーナーのUPも久々になってしまいました・・・

今日ご紹介するのは















『皇帝ナポレオン(上・下)』
著者:藤本ひとみ(角川書店)

以前ご紹介した 『逆光のメディチ』

と同一作者です

かなりボリュームのある作品ですが

飽きさせず、読み応えあります


ほぼヨーロッパ全土を敵に回した

「フランス戦役」に敗れ、エルバ島に追放された

ナポレオンが兵を従えエルバ島を脱出

民衆に後押しされながら再びパリに入城

そして、また戦争

「ワーテルローの戦い」に敗れ

最後にはセントヘレナ島に追放されて・・・


主人公は「モンデール」と言う新聞記者

チョッとしたきっかけでナポレオンの取材をする事になり

記者魂に火のついた彼は

ナポレオンについて徹底的に調べます

それこそ、ナポレオンの過去の女性関係から

病気について、戦場での彼の魅力と普段の彼のギャップ

に至るまで


その大きな情報元が

もと、貴族で怪しげな魅力を持つ女性「マダム・タリアン」

「フランスの歴史は夜女性が作る」

と言われるほど女性の力が強かったそうです

この二人の愛憎劇も絡みながら

モンデール君の取材であらわれてくる過去のナポレオンの

生身のイメージ


そして、エルバ島を脱出して

パリに向かう現在のナポレオンが行きつ戻りつ

緊張感を漂わせながら

進行していく作りは  いい感じです


それにしても

こういう作品書く人ってすごいですね

相当調べつくして書いてるんでしょうね

どこまでが史実で、どこまでがフィクションかは

ワタシなんぞにはわかりませんが


この作品の中のナポレオンは

チビでコルシカなまりの抜けない田舎者

異常な神経質さと、とんでもない女好き

でも、戦場ではとんでもない決断力と人心掌握の達人

ほかの国の軍隊にはまねのできないスピードを伴った

行動力、そして信じられないバイタリティーの持ち主

として描かれています


ワタシも知りませんでしたが

ナポレオンってエジプトやロシアでの戦争のとき

兵をおっぽり出して一人だけ逃げ出した事があるんですね

なんてひどい

でも希代の天才的な英雄ってイメージしかなかったので

親しみがわいたりして・・・


革命後のフランス・ヨーロッパの歴史の

大きな部分を占める「ナポレオン」


その時代の民衆の軽薄さや

王侯貴族の異常な感性や策略・謀略

くっついて離れてみたいな

時代の動きもうまく感じさせてくれます


こんな時代を通り抜けて

今や「ユーロ」の時代

うまくいくはずがない・・・

とはワタシのひそかな本心です



お勧めの作品ではありますが

いろんな意味でエグイ描写も多いですので

お子様にはお勧めしません。。。












 

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