私は生まれて今日に至るまで、この地を離れたことがありません。
「そば屋の四代目を、いつの日か継がなくてはならないのかなあ~」と、漠然と思っておりました。若い頃は、「自分には、もっと、違う道があるんじゃないか・・・もっと、可能性があるんじゃないか。」と、あがいておりました。でも。他に能もないので、結局後を継ぐ事になりました。
しかし、年を重ねて五十も半ばを迎え、今では、天職だったかな~と思えるようになりました。もちろん、長い年月の中では、自分の人生、間違っていたんじゃないか?と思うこともありました。
そんな中で出会ったり、お世話になった方から戴いた『シンプル イズ ベスト』『スモール イズ ビューティフル』『ベストワンよりオンリーワン』という、言葉が私の中で心に残り、仕事をしていく上でのキーワードになっております。
その上で、一番大切な『誠意』を忘れずに、毎日そばを作り続けて生きたいと思います。
この狭い店の中で、毎日同じ仕事をしているだけの自分ですが、「いつの日か空の高さ(深さ)を知る日が来ることを、夢に描きながら・・・。」