大町市土地改良区「水土里ネットおおまち」越荒沢堰

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水土里ネット おおまちからのお知らせ

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    ~居谷里ため池(居谷里堰)について~

 大町市の中山山地居谷里地籍の湧き水を水源とする居谷里ため池は、1号~3号まで3つあわせると約11万ⅿ3の貯水量があり、管内ため池では最大級となっています。1号ため池の築造年は、明確ではありませんが、明治20、昭和40年代に大規模改修が行われ、今の規模・構造になったようです。2号ため池は、大町市の上水道水源の補償として昭和10年に築造され、昭和61年~平成3年に補強工事が行われました。3号ため池は、高瀬川上流総合開発事業で昭和27に築造されました。近年では、豪雨災害時のため池災害を防ぐために、国・県が主体となり取り組んでおり、平成29年度には3号の洪水吐周辺、令和2年度に2号の斜樋が改修され、本年度は1号で堤体の改築工事が行われます。
 1号、2号で貯水された水は、3号で調整された後、居谷里堰を介して三日町から社北部まで続く山麓沿線地域の受益地を潤しています。居谷堰沿線には、蝮沢から鳥谷沢まで8つの沢が交差しており、山麓沿線地域ではもともと不安定な沢水を利用して耕作をしていましたが、鎌倉から室町時代の仁科氏の時代に、居谷里堰が開かれ、渇水時期の貴重な補給水路が確保されたとようです。居谷里堰は、測量機器や建設機械がない時代、提灯の明かりをたよりに勾配をみて人力で開削されたと言われています。このため、居谷里堰は等高線に沿った平坦な勾配となり、時折不自然に蛇行し、三日町山沿いから社山下までの約5㎞の間緩やかな水の流れが続きます。
 居谷里ため池は、昔から子供達の遊び場や市民の憩いの場として重宝されてきました。家族でピクニックをした話や小学校の遠足、友達と釣りをした話などの思い出話をよく聞きます。
 またこのため池は、もともとの沢地形を利用して築造されたものであり、2号~3号の沢筋には天然記念物のカワシンジュガイが生息しているほか、地元組合が魚の養殖をおこなっていた名残で大きなコイや、最近ではあまり見かけない魚も生息しており、在りし日の風景を伝えています。

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