朝夕の冷え込みが一層厳しくなった令和2年10月30日午前7:30より、久保調整池にて「ため池再生イベント」が行われました。 本来ため池とは、農業用水の確保をするために水を貯え、取水できるよう利用されるものですが、この久保調整池は昭和34年、黒部ダムの建設に伴い骨材を洗浄するために設けられたものです。黒部ダムの工事終了後は大町市に寄贈され、現在は大蔵宮堰をはじめ野口や高根等の水利調整に大きな役割を果たしています。しかし、今日においてはその長い年月により老朽化し、また、その存在を人々から忘れられつつあります。 そんな中、この景観整備を通して、ため池の存在価値や災害時の危険性を肌で感じるとともに、後世に引き継げるようなため池をみんなで再生しようという趣旨によりこのイベントが開催されました。 早朝からのイベントとなりましたが、約60~70名の方のご参加をいただき、 開会式では水土里ネットおおまち地域用水対策協議会会長である牛越徹大町市長からご挨拶をいただきました。 事務局による日程説明の後、各分担個所へ分かれ作業を行います。 作業内容はというと、 ・フェンスのつる除去 ・ゴミ拾い ・ため池の堤体内外(フェンスの内・外側)の草刈り・伐採 ・沈砂池の土砂除去 などです。 朝露や堆積土などにより足場の悪い個所が多くありましたが、参加者の皆さんは安全にそして着々と作業を進めていました。 正直なところ作業前の段階では、このイベント内で終わることはないだろうと考えていましたが、 いざ終わってみると、ため池内の伐採が少し残る(イベント終了後1~2時間程度で完了)のみで、ほぼすべての作業を完了していただきました。 一人では到底できない「ため池の再生」という難題も、地元の方や、一般参加の方、また各関係機関との協働があれば、可能であるのではと改めて実感しました。 作業もひととおり終わり、最後にドローンによる空撮が行われました。 今後もこのようなイベントをとおして、ため池のみならず、各地域における農業用水に関した様々な施設を後世に伝えるべく、この活動を継続していければと考えています。 |
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