皆さん、お元気ですか?
「財政再建」が選挙の争点になっていることに辟易している専務井上です。
今月は、地区フォーラム in 高岡やサマーカンファレンス2010と盛り沢山です。
さて、表題についてですが、思えばこの不連続の連続シリーズが始まったのも農業についてでした。
第1回不連続の連続シリーズその1 小麦価格高騰について
今月開催されるサマーカンファレンスの分科会で農業について取り上げられるようで大変興味深いです。
そこで、巷でよく聞く「食料自給率」について考えてみたいと思います。
農林水産省のホームページによると、平成20年度の食料自給率は、カロリーベースは41%、生産額ベースは65%、とのことです。
国内でことさら強調されるのはカロリーベース41%のほうですが、これによると消費した食料のうち国内で作られたのが4割、残り6割は海外から輸入している、つまり日本は世界の農産物貿易額の1割を占める食糧輸入大国で、「食料安全保障」という観点からも食料自給率を高めなくてはいけない、という論調が何となく世のトレンドです。
しかし、もう一方の生産額ベースという指標についてはどうでしょう?まだまだ100%いっていないから65%でも低いとお考えでしょうか?
月刊「農業経営者」副編集長の浅川芳裕氏がFAO(世界食糧機関)の統計をもとに調査した数字を見てみると、何と米国で61%、ロシア60%、農業強国と言われているフランスやオーストラリアはマイナスとなっています。日本が、ぶっちぎり世界で1位なのです!!
理由は簡単で、農産物の輸出額が国内農業生産額より上回っている国はマイナスとなります。また、日本がパーセンテージが高いのは、国内生産額より輸入額がずっと低く、かつ輸出額が少ないから、ということらしいです。
そして、日本の農業生産額(平成20年8兆4,736億円)は世界で5位、主要先進国の中で米国に次ぐ第2位であるそうです。
うーん、皆さん、カロリーベースで捉えると日本の農業は弱そうですし、生産額ベースで捉えると日本の農業って結構イケテルわけです。
聞くところによると、カロリーベース自給率を使っているのは日本と韓国の2カ国のみだそうです。
・・・世界で使われない食料自給率っていったい??