| 印刷
三役ブログの火曜日担当、堀川です。
今から3年前の忘れられない出来事を書きます。
3年前、自社で製作したある商品のレンタル業務を始めました。あるきっかけでできあがったこの商品。まだまだ商品としての完成度は低く、試作と改善を繰り返していた日々であり、先も見えない時期でした。
まもなくして、その商品のレンタル依頼が、この長野県からはほど遠い、和歌山県の白浜という地域からありました。それも4台、そしてレンタル期間が6日間ということで、受けてはみたものの、どのように乗り切ったらいいのか不安も感じていました。
そして製品を大型トラックで運び込み、現地にて設置作業を行ったのですが、それを待っていた人達が地元商店街連盟の方々。 なんでも地元のお祭りで使いたいとのことで、オファーを下さったようです。
南紀白浜の海
初日、2日、3日とその製品が問題なく運転しつづけることを、常駐し見届けながら、日々がすぎていきました。地元商店街連盟の方々は、この業者である私に、最初から温かい対応をしてくださっていたのですが、4日目のあるとき、「夜は何してるん?今日の夜は空いてるのか?」と聞かれ、はいと答えると、「それじゃあいっしょに飯でもいこう!」と酒屋さんと広告屋さんが誘ってくれました。
いつものなじみの店にいくようで、夜の街をいわれるままについていきました。そしてついたお店が、地元の方々行きつけ感の漂う大衆居酒屋。中にはいってみると、さすが海に面した街、そしてそこにある居酒屋だけあって、様々な魚介類が並んでいて、それをカウンターの中にいるお兄さんが、黙々と料理し、お客さんに出しています。
山に囲まれた地域に住んでいる私を知っているそのお二人は、
「さあじゃんじゃん食え、これは○○、これは△△、ここがおいしいんだ。」と地元の人ならではの詳しい説明を加えながら、海の幸を勧めてくれました。
「ねぇ大将、海老だしてやってくれっ」 「あいよっ」
そんな会話の後、出てきたのが ぷりぷりの伊勢エビ!1尾6000円くらいだったかな。まあせっかく白浜まで来たしと、喜んで食べながら、いつしかこの出張が、旅行気分にも切り替わってきました。
3人で飲みまくり、酒屋さん、広告屋さんとも仲良くなり、楽しい時間を過ごしました。
「大将、お勘定!」と立ち上がる酒屋さんに、私も当然のように割り勘でお支払いをしようと立ち上がった時に、「いやいや、今日はいいから」と止められ、業者の身であるにもかかわらず、おごってもらいました。
翌日、昼間のイベントをこなし、5日目が終わりました。現場出張も明日が最終日。そんな夜も、酒屋さん、広告屋さんが、
「今日も空いてる?飲みにいこうよ」と連日のお誘い。和歌山県最後の夜でもあるので、お礼も言いたいし、喜んでお誘いをお受けし、3人で前日のなじみの店に行きました。
「まだまだ食べさせたいものがあるんだよー」と、次々に注文してくださり、刺身や貝、そしてお酒を堪能し、時間が流れていきました。
「大将、お勘定!」と前日のように立ち上がるお二人に、今日はお支払いさせてくださいと言う私に、お二人は、
「いいんだよっ 今日も払わせてくれ。おまえは、この白浜での いい思い出だけを持ってかえってくれ。それだけで嬉しいんだ。」
嬉しかったなあー。その言葉。業者じゃなくて、この街へのお客さんとしてもてなしてくれている。。長野までの帰路、ずっとその余韻の中にたたずんでいました。
その商店街連盟の方々のイベントは、この地域に旅行に来てくれた観光客の人々に、夜の散歩を楽しんでもらいたいと、商店街の人々が立ち上がり企画したものでした。そんな人たちの 「心からのおもてなし」 を受け、私はその人達を通して、その街が好きになりました。
まちづくりって、やっぱり人ですよね。
あの人達、あの出来事、あの言葉が今でもずっと忘れられず、またいつかあの街を訪れ、そしてあの人たちに会いたいと思っています。
不景気にも負けない“集客”とは何たるかを感じた日、それが3年前の出来事でした。
私をその街のファンにしてくれたお二人と常連さん
コメント追加