本年最後のインプラントオペ
先日今年最後のインプラントオペをさせていただきました。
47歳女性の患者さんです。
術前のレントゲン写真です。
約2か月前に左上の5、6番を抜歯いたしました。
ソケットリフトが必要なため、抜歯即時ではなく、歯肉の治癒を待った待時埋入とさせていただきました。
術後のレントゲン写真です。
リフティングドリルを駆使してソケトリフトを行っています。
抜歯窩上の歯肉が厚かったため、減張切開を入れて縫合しました。
出来るだけ腫れと痛みがなく治癒してくれることを望んでいます。
当院のインプラント治療は決して多いとは言えませんが、今年は合計32本のインプラントを埋入しました。
内訳は上顎14本、下顎18本で、使用したインプラントはストローマンインプラントが8本、スプラインインプラントが24本でした。
昨年からスプラインインプラントを導入したせいか、上顎への適応や抜歯即時埋入が格段に増えたと思っています。
まだまだ知識やスキルが足りないと自覚していますが、歯がなくて困っている患者さんのQOLを少しでも向上できればと思っています。
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インプラントオペ2件
昨日は休診日を返上して午前と午後にインプラントのオペを行いました。
午前中は34歳男性の患者さんで、右上4番にソケットリフトを併用した症例。
顎堤がだいぶ吸収していましたが、術前のCT検査で十分に把握していたためスムーズなオペができました。
午後は62歳女性の患者さんで、左下の567欠損に対して2本の埋入を行いました。
術前のCTで5番部の骨吸収が顕著であったため、67番部に2本埋入し、近心カンチレバーでの対応としました。
術前にCT撮影をすることにより、オペ時の術者負担が激減するとともに不測の事態への対応が可能となります。(不測の事態もあまりありませんが・・・)
現在は大学病院へCT撮影依頼をしているため、患者さんは様々なご負担を強いられていますが、安全・確実なインプラント治療のためご協力をお願いいたします。
当院ではインプラント用器材が一式しかないため、続けてオペ処置ができません。
今回初めて午前と午後に分けて2症例のオペを行いましたが、器具の滅菌など、準備、片付けを完璧に行ってくれるスタッフのみなさんに感謝いたします。
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スプラインインプラント ユーザーミーティング
昨日の午後、松本市歯科医師会館でスプラインインプラントのユーザーミーティングがありました。
東京都でご開業の櫻井淳先生をお招きして、参加者の症例を見ながらディスカッションをしました。
私は急遽参加が決まったので症例を持っていくことができませんでしたが、みなさん色々なことを苦労しながら日々の臨床を行っていて、とても共感できました。
また、ソケットリフトに対する目から鱗の考え方も聞くことができ、大変有意義な午後を過ごすことができました。
櫻井先生、遠方よりご参加いただきありがとうございました。
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片側遊離端欠損
昨年12月初診の当時65歳女性の患者さんです。
主訴は右下の歯茎が腫れたということで来院されました。
初診時のレントゲン写真です。
歯周ポケットが12ミリ存在していて、遠心根の歯根破折が疑われました。
メタルコアを除去すると、やはり遠心根の歯根破折が確認できました。
近心根のみ残すことも考えましたが、予後に不安が残るため抜歯を選択しました。
当初は義歯で補綴することを考えていましたが、患者さんとその使い勝手などを相談し、インプラント治療を選択されました。
抜歯から約4ヵ月、インプラントオペ前の口腔内写真です。(ミラー像)
オペ当日のレントゲン写真です。
6番部にはΦ3.75、長さ11.5mm、7番部にはΦ3.75、長さ10mmのスプラインインプラントを埋入しました。
その後、トラブルはありませんでしたが、様々な出来事がって先日最終補綴が終わりました。
術後のレントゲン写真と口腔内写真です。
インプラントの適応症は様々ですが、今回のように片側の遊離端欠損(奥歯がない症例)は第一選択といっても過言ではないように思います。
患者さんには色々なご負担をいただきますが、義歯を使うよりは確実にQOLの向上が望めることと思います。これからは定期健診を繰り返し、末永く快適に使っていただけるように努力したいと思います。
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抜歯即時埋入 ~その後~
以前紹介した抜歯即時埋入症例です。
オペから3カ月で二次オペをして、その後歯肉の治癒を待ちながら先日ようやく補綴が入りました。
ようやくといっても抜歯から4ヵ月です。
初診時(ミラー像)の状態です。
左上5番の舌側が深く割れていて、抜歯となりました。
最終補綴終了時です。
(右上のインレーがダツリしてしまい、この後修復してあります)
比較的短期間で治療を終了することができ、患者さんにも大変喜んでいただきました。
やはり患者さんの立場からすると、抜歯即時埋入即時加重というのは究極の治療なのかもしれません。
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90点(以上)いただきました
4年ほど前より通っていただいている67歳男性の患者さんです。
当初より右下4、5、6番が欠損していて部分床義歯で対応していました。
今年3月にお見えになった時の状態です。
遊離端欠損ではないので、それほど義歯に不満を持っているわけではありませんでした。
しかし、色々と話を聞いていると、食事は欠損の反対側(左側)でほとんどされているとのこと。
そのせいかどうか分かりませんが、鉤歯の左下6番が歯冠破折してしまい、インレーの下はカリエスが進行していました。
患者さんも義歯は煩わしいと仰ったため、左側の負担軽減も図るためにインプラントを選択しました。
5月にストローマンインプラントを2本埋入し、先日上部構造をセットしました。
患者さん曰く、「満足度は90%以上」とのことです。
義歯を使っていた時とは比べ物にならないほどご飯が美味しいとも言っていただきました。
減点の要因はやはり費用的な問題とのことです。
これからメインテナンスで末永く健康な状態を保っていただきたいと思います。
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ちょっと待ち過ぎの感もありますが・・・
以前にも紹介した右上7番のソケットリフト症例です。
先日ようやく最終補綴が入りました。
上顎の最後臼歯ということもあり、咬合面はメタル仕上げとしてあります。
インプラントの補綴への移行時期の判断の一つとして当院ではペリオテスト値を採用していますが、実は暫くペリオテストの調子が悪く、正確な値が測定できませんでした。
そのため補綴時期が遅れてしまい、患者さんにはご迷惑をおかけしましたが、これからメインテナンスを続けて末永くご使用していただきたいと思います。
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右下6番 抜歯即時埋入
昨日の午後はインプラントのオペでした。
患者さんは37歳男性で、右下6番のダツリでお見えになりました。
ダツリしてから長いこと放置してあったため、遠心根の齲蝕の進行が顕著でした。
術前のレントゲン写真です。
ルートセパレーション、ヘミセクション、エキストルージョンなど色々と検討しましたが、CT撮影の結果4根であることが判明したり、患者さんが両隣在歯を削合することに難色を示したりで、結局インプラントを抜歯即時埋入する計画となりました。
埋入後のレントゲン写真です。
初期固定もだいぶ取れましたので、3か月ほどで最終補綴が入る予定です。
抜歯時の痛みが多少あるかと思いますが、早く治癒してくれることを望みます。
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ソケットリフト
先日の土曜日に行ったオペです。
60歳女性の患者さんです。
初診時のレントゲン写真ですが、右上の欠損部の既存骨が上顎洞まで1.5mm~2mmほどしかありません。
ここにソケットリフトテクニックを用いて10mmのインプラントを埋入しました。
埋入後です。
もちろん初期固定は不良ですが、半年ほどすればHAインプラントの威力を発揮してくれることと思います。
減張切開を行いましたので多少腫れるかと思いますが、ラテラルアプローチよりは患者さんの負担も少ないと思います。
遠くからお越しになっていただいてますので、できるだけ早期に、少ない回数で補綴処置を行いたいと思います。
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抜歯即時埋入
先日の土曜日に行いました。
患者さんは38歳女性の方で、左上5番の脱離が主訴で3月にお見えになりました。
初診時のレントゲン写真です。写真では分かりにくいのですが口蓋の歯質が破折しており、保存不可と判断しました。
患者さんと抜歯後の処置を相談した結果、抜歯即時インプラントを希望されました。
術前に3DX撮影を行い、骨幅や方向などをしっかりと確認しました。
抜歯後、インプラントを埋入した際の写真です。
この後β-TCPを填入し、テルプラグで蓋をして縫合してあります。
およそ30分の手術でした。
術後のレントゲン写真です。
順調にいけば3~4ヵ月後には補綴が入ることと思います。
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長いことお待たせいたしました。
思い起こせば2007年12月初診の患者さんです。
初診時の写真です。
以前にも紹介した方ですが、右上1番、左上1、2番が抜歯となり、前歯部のGBRをさせていただいたのが2008年の9月。
それからなんだかんだで結局インプラントを埋入したのが2009年8月。
結果的に待ち過ぎです。というか、できたらストローマンのボーンレベルインプラントを埋入したかったので患者さんにも了解を得て待っていたのですが、日本での発売の見通しが立たずに結局Φ3.3mmのナローネックインプラントを2本埋入しました。
それから約6カ月、ようやく補綴の完成です。
ちょっとシェードが明るすぎる感もありますが、患者さんは以前より白い歯に憧れを抱いてらした様で、とても満足していただいております。
今ならおそらく埋入と同時にGBRをさせていただき、少なくとも1年以内には補綴が仕上がっていたのだろうと反省しています。
長いことお待たせしてすみませんでした。
綺麗な状態を末永く維持するよう頑張りましょうね。
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OJミッドウィンターミーティング
先日水曜日の夕方、診療が終わってから慌ててあずさに乗り込み、翌日のOJミッドウィンターミーティングに参加してきました。
その日の昼はお隣でランチをいただき、そのついでに車中でのおつまみも作ってもらいました。
もの凄く豪華です!!
ビールと酎ハイを片手に美味しくいただきました。
量が多く、食べきるのがやっとでした。
翌日は日本歯科大学富士見ホールで朝からOJに参加しました。
初めて参加させていただきましたが、若い先生方の情熱あふれるプレゼンテーションに驚きながら、自分ももっともっと頑張らなくてはいけないと刺激を受けてきました。
また有名所の先生方の貴重なご意見を聴くことができ、臨床における観点も少し見直さなくてはとも感じました。
華やかな発表や、歯周治療をメインに補助的にインプラント治療を行うといった基本に忠実な発表など多岐にわたり、とても充実した一日でした。
帰りのあずさでは新宿駅でおつまみを買い込み、電車の旅を一人楽しんでまいりました。
電車とホテルと会場のみの慌ただしい東京紀行でしたが、OJに参加させていただいて良かったと思います。
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ストローマン ワイドネック
かれこれ5年以上お付き合いさせていただいている患者さんです。
右下67欠損に対して今まで部分義歯で対応していましたが、今回鉤歯の右下5番が歯冠破折を起こしました。
幸いにも抜歯には至りませんでしたが、鉤歯にかかる負担などを考慮し、インプラント治療を希望されました。
骨幅がかなりあったため、今回はストローマンインプラントΦ4.8mmワイドネックの10mmを2本埋入しました。
患者さん曰く、義歯とは比べ物にならないほど良く噛めるそうです。
ブラキシズム対策にナイトガードも作らせていただきました。
これから定期健診で末永く使っていただきたいものです。
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下顎前歯 ~ストローマンイプラント~
以前にも紹介した患者さんです。
昨年の8月にようやくインプラント(ストローマン Φ3.3㎜、長さ12㎜)を埋入し、11月に補綴が入りました。
歯根破折によって吸収された骨にGBRを行って埋入した症例ですが、結果的には元々の欠損部にインプラントが流れて埋入されてしまいました。
ドリリングの難しさを再認識させられました。
隣在歯の失活歯にはファイバーポストを入れて少しでも歯根破折の予防になればと思っています。
抜歯から最終補綴まで1年近くかかってしまいました。辛抱強くお付き合いいただいた患者さんに感謝いたします。
これからメインテナンスで頑張りましょう。
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抜歯即時埋入 ~カルシテック~
44歳男性の患者さんです。
以前より左上6番の状態がよろしくないのはお互いに解っていました。
今回、骨吸収が進んだようなので遂にインプラント補綴を決断しました。
患者さんの理解も得られたため、抜歯即時埋入を計画しました。
術前にCTも撮らしていただき、万全の態勢です。
予想外に抜歯に時間がかかってしまいましたが、頬側の骨も破壊することなく行えました。
抜歯即時埋入では抜歯窩の掻爬が非常に重要です。これでもかというくらい掻爬には時間をかけました。
中隔部に骨が残っているのはCTで分かっていましたので、そこにΦ5mm、長さ10mmのカルシテックインプラントを埋入しました。
インプラントと骨のギャップには人工骨と抗生剤を混ぜ合わせて填塞してあります。
抜歯の痛みが出そうですが、初期の感染に気をつければ問題なく治癒していくものと思われます。
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カルシテックインプラント埋入
先日(といってもだいぶ経ちますが・・・)導入した“カルシテックインプラント”をようやく使うことができました。
今回の手術は右上7番部にソケットリフトを行ってΦ5mm、長さ10mmのインプラントを埋入しました。
術前のレントゲン写真です。半年ほど前、某医院で抜歯したそうです。抜歯に至った経緯は未だ不明です。患者さん曰く、痛いと言ったらわけもわからず抜かれたそうです。患者さんはその歯科医に強い不信感を抱いて当院を受診しました。
破折など何らかの理由があったことと思いますが、改めて患者さんへの説明が大事だと認識させられました。
上顎洞まで約7mmほどしかありませんでしたので、ソケットリフトを併用してインプラントの埋入計画をたてました。
術後のレントゲン写真です。抜歯窩の治癒不全も懸念されましたが、骨はしっかりと回復しており、予定通りにOpeを行うことができました。
術後の痛みや腫れがなく、早期に咬合の回復ができるよう望みます。
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インプラント講習会
宮下歯科医院では現在ストローマン(ITI)インプラントを導入しています。
ストローマンは他社と比較しても非常に優れているインプラントシステムだと思います。
しかし、症例によっては無理が生じる機会が増えてきており、新たなインプラントシステムを導入すべく、今日の午後の診療を少し早く切り上げて東京まで講習会に出かけます。
先日、松本市歯科医師会館にて行われた日本歯科大学校友会の学術セミナーで、林揚春先生の講演を拝聴いたしました。
先生が主として用いているカルシテックインプラントの有用性にとても感銘を受け、今回そのベーシックコースの受講をしてきます。
よりよいインプラント治療を患者さんに施すため、しっかりと研鑽してまいりますのでご迷惑をかけしますがよろしくお願いします。
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付着歯肉の必要性 その3
オペから2週間が経ちました。
昨日すべて抜糸が終了しました。
経過は極めて良好です。
ドナーサイト(供給側)も良好です。(まだ少し痛々しくは見えますが・・・)
とても柔らかい歯ブラシで少しづつブラッシングも開始いていただきます。
よりよい口腔環境を達成するために、患者さんには大変な思いをさせてしまいましたが、清掃性は確実に良くなることでしょう。
抜歯後は付着歯肉がなくなることがよくあります。今後はインプラント治療の説明時に歯肉移植の必要性をお話ししていこうと思います。
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付着歯肉の必要性 その2
先週のオペから1週間が経ちました。
もちろんまだ完全治癒というわけにはいきませんが、経過は極めて良好です。
口蓋の供給側です。接触痛が多少あるそうですが、自発痛はありません。
頬側の受給側です。新生幼若組織が形成されています。
触って少し出血があると安心します。
あと1週間ですべて抜糸予定です。
ブラッシングはしばらく禁忌ですので、含嗽でケアをお願いしています。
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付着歯肉の必要性
通常歯の周りには歯肉があり、歯槽骨としっかりと付いている“付着歯肉”が存在します。
この付着歯肉によって外敵(細菌や異物など)が体内に侵入するのを防いでいます。
しかし、様々な理由でこの付着歯肉が失われると、ブラッシングがしにくくなることで歯周病やインプラント周囲炎が進行しやすくなります。
そこで清掃性を高めるために、付着歯肉を獲得する必要性があります。実際には上顎の口蓋(裏側)から歯肉を切り取り、患部に移植する“遊離歯肉移植”が行われます。
この患者さんは半年ほど前に左上56部にインプラント補綴を行った患者さんです。わかりにくいのですが点線部の付着歯肉が不足しています。
ブラッシングを熱心にしてくれる患者さんなのでしばらく様子を見ていましたが、より確実な予後を達成するために遊離歯肉移植を行いました。
補綴物を外した状態です。ブラッシングによって炎症症状は顕著に見られませんが、気が抜けない状況です。写真ではわかりにくいのですが点線部が付着歯肉が不足している部分です。
口蓋(画面下の部分)から歯肉を切り取り、頬側に移植して固定します。
当院で行う手術のうち、最も痛い処置の一つです。
経験のある患者さんの話だと、2週間ぐらいは口蓋(歯肉を切り取ったほう)が痛い(しみる?)そうです。
この患者さんも多少の痛みは伴うことは承知していただいていますが、極力丁寧に行いましたので、1日も早い回復を願っています。
2週間後には抜糸をして、1ヶ月もすればよりブラッシングのしやすい環境になることと思います。
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ITI エステティックハンズオンセミナー
昨日は名古屋でITIエステティックハンズオンコースを受講してきました。
朝7時15分に“しなの”に乗って出かけました。久しぶりにしなのに乗ったのですが2時間で名古屋に着くんですね。意外と早くてびっくりしました。
さて、今回のセミナーは主としてエステティックゾーンにおけるインプラント埋入のセミナーです。
前歯部のインプラント治療においては、機能はもちろん重要ですがそれにも増して高い審美性が要求されます。
午前中は講義、午後は実習と内容の濃いセミナーでした。またボーンレベルインプラントの実習もあり、大変有意義な一日を過ごすことができました。
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パーフォレーション~ソケットプリザベーション
初診時に右上中切歯の歯肉が腫脹してきた患者さんです。
腫れた位置が根尖付近でなく、歯根の中央部付近であったためいやな予感がしました。
X線写真です。根尖にも若干透過像が見えます。
しかし、注意深くポストを除去してみると案の定舌側に大きなパーフォレーション(穿孔)が確認できました。
患者さんは抜歯した後にインプラント治療を希望したため、抜歯と同時にソケットプリザベーションを行いました。
パーフォレーションしていたのは舌側ですが、骨欠損は唇側にあります。歯冠は軟組織に治癒を少しでも促進させるため、術前に骨縁レベルまで削合してあります。
唇側の骨壁は非常に薄いことが術前のCTで分かっていましたので、それを壊さないように慎重に分割抜歯しました。
そして徹底的に不良肉芽を除去し、周りの骨に少し穴をあけて出血を促したあと、人工骨を入れます。
そしてその上に吸収性膜を置いて縫合します。
2週間で抜糸をし、約4ヶ月待ってからインプラントを埋入させていただく予定です。
先日消毒にお見えになりましたが、思ったほど腫れもなく、痛みはほとんどないとのことでした。
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1年半ほどかかってしまいましたが・・・
一昨年の10月から通っていただいている患者さんです。
初診時の状態です。主訴は前歯をきれいにしたいということで、歯科医院を受診するのは10年ぶりとのことでした。
口腔内には無頓着な方かと思いましたが、臼歯部にはサファイアインプラントが施術されており、補綴はゴールド冠が入っていますのでデンタルIQは決して低くはない患者さんです。
今思えば、なぜもっと早く受診しなかったのか不思議でなりません。
やはり歯医者に来る、特に初めての歯科医院に来るというのはとても勇気が必要なことなんでしょうね。改めて考えさせられます。
結局この患者さんは欠損部にインプラント治療を希望し、前歯部もメタルボンドで修復しました。
このきれいな状態を長く続けていけるようにメインテナンスをしていきたいと思います。
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歯根破折~GBR その3
順調に治癒しているかのように見えましたが、術後2週間です。
抜歯窩相当部の歯肉が裂開してしまいました。
裂開した歯肉の間から見える白い物がメンブレンです。
縫合する際、減張切開は十分に入れたつもりだったのですが、抜歯窩の窪んだ歯肉の閉鎖がうまくいかず、少しテンションをかけて縫合したのが原因だと考えます。
まだ感染は起こしていないようなので、しばらく様子を見ることにしました。患者さんにはとにかく頻繁にうがいをしていただき、1日おきに洗浄に来院してもらいまいた。
その後も疼痛や排膿など感染を疑わせる症状も出ずに、何とか術後4週を迎えることができました。
術後4週が経ち、早速メンブレンの除去手術を行いました。
注意深くメンブレンを除去しました。
幅、高さとも骨様組織が再生していることが確認されました。
今後は4ヶ月以上待ってからインプラントを埋入する予定です。
そのころにはストローマンからボーンレベルインプラントが発売されていると良いのですが・・・
ストローマン社の方々、よろしくお願いいたします。
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歯根破折~GBR その2
抜歯後のレントゲン写真から唇舌的に骨が吸収されていることは予測できましたので、チタン強化タイプの非吸収性メンブレンでGBRを行うことにしました。
歯肉を開いてみると予想通り骨が吸収されていました。抜歯窩をよく掻爬して、人工骨とメンブレンを設置しました。
テンションフリーで縫合できるように減張を入れ、注意深く縫合しました。
術後1週の状態です。心配された腫れや痛みもほとんどなく順調に経過してるように見えます。
が、しかし・・・・・
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歯根破折~GBR その1
半年ごとに定期健診にお見えになる患者さんですが、下顎の前歯部にかなり前からと思われる歯根破折が発見されました。
毎回プロービング(歯周ポケット測定)は欠かさずに行うのですが、初期の歯根破折(ひびが入った程度)ではプロービング値に変化が出ないことがあります。
今回明らかにプロービング値の増加と炎症所見が見られたため、レントゲン撮影を行いました。この感じですとひょっとしたら1年ほど前から亀裂が入っていたのかもしれません。
以前撮影したパノラマ写真を見ると、“そう言われれば見えないことはない”という所見です。パノラマ写真はやはり前歯部が苦手ですね。
歯根破折を起こすと、もう抜歯するしか方法がありません。
抜歯後のX線写真です。破折を放置してしまったのでだいぶ骨吸収が見られます。
反対側同名歯は少しでも破折防止になればと思いファイバーポストを入れました。
生活歯でも破折を経験することはありますが、圧倒的に失活歯の歯根破折が多いため、最大の予防は抜髄をしない、すなわち早期に虫歯の治療を行うことです。もちろん虫歯を作らない予防が重要であることは言うまでもありません。
患者さんは左下2番の健全歯を削ることに難色を示し、インプラント治療を希望されました。
そこでインプラント前処置として、吸収された骨を再生させるGBRを計画しました。
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遊離歯肉移植 ~その3~
歯肉移植から2週間ちょっと経ちました。
経過は良好で、抜糸しました。すでにブラッシングも少しずつ始めていただいています。
若干術後の炎症が残っていますが、問題なく治癒していると思われます。
術前と比べて付着歯肉が増えているのがお分かりいただけるでしょうか?
供給側の上顎もきれいに治癒しています。
あとは歯肉が成熟するのを待って、最終補綴予定です。
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遊離歯肉移植 ~その2~
先日ご紹介した歯肉移植の術後1週です。
まだ1週間しかたっていませんので、傷は痛々しく見えますが、経過は良好です。
患者さんには思ったよりは痛みが少なかったと仰っていただきました。
上顎はこんな感じで治癒しています。
重い火傷をした感じです。こちら側もそれほど痛くはなかったそうです。
もう1週間で抜糸予定です。しばらく歯ブラシが当てられませんが、含嗽剤で頑張ってください。
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遊離歯肉移植 ~その1~
歯やインプラントの清掃性を保つには堅くて動かない歯肉(付着歯肉)が必要です。
しかし、付着歯肉が何らかの原因で少なくなると、歯やインプラントの予後にも影響してきます。
そこで付着歯肉を得るために上顎の口蓋から歯肉上皮を切り取り移植する術式が“遊離歯肉移植術”です。
写真では少しわかりにくいのですが、左下7番部のインプラントと、6番遠心根周囲の付着歯肉が足りません。音波歯ブラシやワンタフトなどを駆使してセルフケアしていただいていますが、少し炎症症状も見受けられます。
そこで口蓋の歯肉を移殖させていただきました。
レシピエントサイド(供給側)はこんな感じです。
症状緩和と治癒促進のため、コラーゲンの膜をおいて縫合します。
当院で行うオペの中でも術後の痛みが強い部類の術式です。患者さんの話では2週間ぐらいで落ち着くことが多いようです。
感染防止に抗生剤の内服と含嗽剤で消毒し、2週間後に抜糸の予定です。
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インプラントの選択基準
インプラントは歯を失った場所に行う処置でとても有用な方法といえます。そしてそれを要望する患者さんも増えています。
勿論外科処置を伴うこと、定期的なメインテナンスが必要なこと(これはインプラントに限りませんが)、治療費が高額になることなど欠点もあります。
当院の選択基準として、最後臼歯欠損はインプラント治療の第一選択となります。また、ブリッジの適応であっても支台歯が健全歯であったり、予後が不安な場合はインプラントをお勧めします。
2007年10月初診、当時68歳の女性です。
主訴は欠損部補綴と前歯部審美治療でした。左上の56番は以前他院でサファイアインプラントをされていますが、少し動揺していました。隣在歯と連結されているのも好ましくありません。
結局インプラントを除去し、新しくインプラントを埋入することとしました。ブリッジも適応ですが、左上7番の状態があまりよくないので患者さんと相談した結果インプラントを選択されました。
2008年12月の状態です。
左上の6番部にはソケットリフトを行って埋入してあります。
時期は異なりますが、右下5、7番部、左下7番部にもインプラントを埋入させていただきました。
すべてインテグレーションしており、そろそろ最終補綴に入る予定です。
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歯根破折~ソケットプリザベーション~
先日再来でお見えになった患者さんです。
1年半前は何ともなかった左上5番ですが、ポケットが10mm以上ありました。あわててレントゲン撮影をすると思ったとおり、悪い予感的中です。
間違いなく歯根破折です。
抜歯してみると見事に根尖から破折しています。
写真では良くわかりませんが、抜歯窩を探ってみると頬側の骨が根尖まで失われています。
将来の処置に備えて“ソケットプリザベーション”を行いました。
頬側の骨欠損部に吸収性メンブレンを置きます。
そして抜歯窩に人工骨を填入します。
人工骨をメンブレンで包むようにして縫合します。
これである程度骨の吸収を防ぎ、再生することができると思いますが、将来インプラントを埋入する際、必要があれば再度GBRを行う予定です。
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ソケットプリザベーション その2
以前紹介したソケットプリザベーションです。
インプラント治療をする方に限らず、将来その可能性がある方やブリッジでもより審美的に、高い清掃性を希望する方などに紹介させていただいています。
抜歯した後、できた穴に人工骨を入れたところです。
その上にコラーゲンでできた特殊なスポンジを置き、縫合します。止血効果もありますので、傷の治りもとても早く感じます。少しでも歯槽骨の吸収を抑え、より良い予後を期待します。
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GBR ~経過~
先日紹介したGBRオペから2週間がたちました。
勿論消毒には何度か来て頂きましたが、経過は良好に治癒しています。
患者さん曰く痛みはそれほどなかったとのことです。
ただ腫れはかなりありましたね。減張切開を入れたのである程度は仕方のないことですが、術後4~5日が腫れのピークで、目元まで腫れあがってしまいました。患者さんには事前に説明してはおきましたが、驚かれたことと思います。
一次閉鎖がテンションフリーでしっかりできたおかげで歯肉の裂開などもなく、先日無事抜糸ができました。
今後定期的に経過を見させていただき、半年後を目安にインプラントを埋入する予定です。
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GBR ~インプラント前処置~
インプラントを行う際、最も重要なのは歯槽骨(顎の骨)の量です。
抜歯すると歯槽骨は幅、高さともに減少していきます。そこにインプラントをする場合、あらかじめ骨量を増やしておく必要があります。それがGBRです。
上顎前歯部にインプラント予定ですが、骨の幅が少ない患者さんです。既存の骨の上に人工骨を置き、特殊なGBR膜を設置して骨造成を図ります。
6ヶ月程待った後にインプラントを埋入予定です。時間も外科処置も通常のインプラントよりかかってしまい患者さんの負担も増えますが、より審美性に優れた処置にしたいためご理解を頂きました。
痛みや腫れが少ないことを願っています。
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ソケットプリザベーション ~抜歯したあとに~
不幸にも歯が抜歯となった場合、そのまま放置すると歯槽骨(顎の骨)は吸収されて縮んでしまいます。
将来その部位へインプラントを植立する場合、歯槽骨の幅や高さが足りないと処置が複雑になることが予想されます。
そこで抜歯した後の穴に人工骨を入れ、コラーゲンのスポンジで蓋をするのが“ソケットプリザベーション”で、歯槽骨の吸収を極力抑え、歯槽骨を保存、保護する目的で行われます。
インプラントに限らず、ブリッジのポンティック(人工の歯)の場合や、部分義歯にする場合でも歯槽骨は在るに越したことはありません。清掃性や審美性、義歯の安定性など、吸収した歯槽骨より良いことが多々あります。
すぐにインプラントはできなくても、将来のために歯を失ったあとの歯槽骨の保存、保護に努めましょう。
ソケットプリザベーションテクニックは保険適応外です。
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インプラント その1
患者さんは36歳の男性の方です。
右下7番の痛みで来院されましたが、カリエスが歯肉縁下深くまで及んでおり、しかも髄床底にパーフォレーションも認められたため予後不良と判断し抜歯となりました。
抜歯後の処置として以下の5つが考えられます。
①何もしない(経過観察)
②部分義歯(入れ歯)
③ブリッジ(延長ブリッジ)
④インプラント
⑤自家歯牙移植
どの方法にも利点欠点がありますが、この方はインプラントを選択されました。
今年の2月に抜歯をし、約5ヶ月間の治癒を待って昨日インプラントを埋入しました。
当院ではストローマンインプラント(ITIインプラント)を採用しております。今回はφ4.8 10mm スタンダードを埋入しました。心配された骨吸収も殆どなく、抜歯窩は良好な治癒をいていました。初期固定も問題なく、6週~8週後には仮歯が入る予定です。
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