歯根破折~GBR その1

2009/03/19 7:58

半年ごとに定期健診にお見えになる患者さんですが、下顎の前歯部にかなり前からと思われる歯根破折が発見されました。
毎回プロービング(歯周ポケット測定)は欠かさずに行うのですが、初期の歯根破折(ひびが入った程度)ではプロービング値に変化が出ないことがあります。



今回明らかにプロービング値の増加と炎症所見が見られたため、レントゲン撮影を行いました。この感じですとひょっとしたら1年ほど前から亀裂が入っていたのかもしれません。
以前撮影したパノラマ写真を見ると、“そう言われれば見えないことはない”という所見です。パノラマ写真はやはり前歯部が苦手ですね。

歯根破折を起こすと、もう抜歯するしか方法がありません。





抜歯後のX線写真です。破折を放置してしまったのでだいぶ骨吸収が見られます。
反対側同名歯は少しでも破折防止になればと思いファイバーポストを入れました。
生活歯でも破折を経験することはありますが、圧倒的に失活歯の歯根破折が多いため、最大の予防は抜髄をしない、すなわち早期に虫歯の治療を行うことです。もちろん虫歯を作らない予防が重要であることは言うまでもありません。

患者さんは左下2番の健全歯を削ることに難色を示し、インプラント治療を希望されました。
そこでインプラント前処置として、吸収された骨を再生させるGBRを計画しました。




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