先日、以前勤務していた亀田総合病院を訪れる機会がありました。
現在は外来部門の「亀田クリニック」と入院部門の「亀田総合病院」の二施設に分かれ、併せて亀田メディカルセンターと呼ばれています。
風光明媚で温暖な千葉県鴨川市にあるこの病院は、370年の歴史を持ち、千葉県南部の基幹病院として機能しております。慶應義塾大学眼科より出向し、3年間眼科診療責任者として勤めました。
今は眼科だけで9名(非常勤含む)の医師が勤務しています。
先日、韓国で眼瞼手術、屈折矯正手術を見学、研修する機会がありました。
眼瞼手術では下記の3施設を訪問させていただきました。
Samsung Eye Expert Clinic
I-Line PLASTIC SURGERY & AESTHETIC CENTER
Dr. Jae-Ho Lim
MEPS Myoung Eye Plastic Surgery Dr. Woong C Choi
ドクターは皆さん経験豊富で米国留学などの経験もあり、第一線でご活躍されて方々でした。日本からも多くの先生方が見学に来られていると伺いました。
韓国では美容に対する意識が高いことから若年層の患者さんが多く、沢山の方が眼瞼の形成手術を受けています。訪問したクリニックでは、眼瞼下垂、重瞼などの手術を見学したり、レクチャーを拝聴したりしました。
また、Myeougdon EYE CENTERにて、屈折異常、また老視に対するレーザー手術を見学させていただきました。老視に対する手術に関しては、ますますの高齢化社会を迎える日本においても、今後少しずつ広まっていくことが予想されます。
I-Line PLASTIC SURGERY & AESTHETIC CENTER
Dr. Jae-Ho Lim(医学博士・高麗大学教授・仁濟大学教授)
I-Lineクリニックでは、眼瞼の手術および美容治療であるPRP療法-自己多血小板血漿注入療法-の見学をさせていただきました。
PRP療法とは…自己血液を使った再生医療のひとつで、本来人間に備わった自然治癒システムを最大限に利用する医療のひとつです。I-Lineクリニックでは、皮膚の若返りを図る治療として、こちらの療法が行われていました。
6月25日、26日と硝子体手術ビデオセミナーに出席してきました。このセミナーには毎年出席しており、硝子体手術のupdateな情報が得られます。
一般の方には硝子体手術は、白内障や緑内障手術などの他の眼科手術とくらべて馴染みの少ないものかもしれませんが、近年は適応が拡がり、多くの疾患の治療に用いられております。
簡単に言いますと、水晶体の後方にある硝子体内に細い器具を挿入し、硝子体を切除、除去した後、いろいろな操作を加えて網膜・硝子体疾患の治療を行う手術です。対象となる代表的な疾患には、糖尿病網膜症(硝子体出血、増殖性変化、黄斑浮腫を伴うもの)、網膜剥離(一部は強膜バックル手術が第一選択)、硝子体出血、外傷、眼内炎、黄斑疾患などがあげられます。近年では、黄斑円孔、黄斑上膜、黄斑浮腫など、黄斑と呼ばれる網膜中心部の病気に対する手術が増えてきています。
最近の硝子体手術では使用する器具がより細く、繊細になってきました。従来の20Gという器具の太さから、23G,25Gといった細い注射針程度の太さの器具の手術に移行してきており、より侵襲の少ない手術が可能になってきております。
20G:外径0.908mm
23G:外径0.600mm
25G:外径0.507mm
↑硝子体手術に使用する25Gプローブ
23G、25Gの器具を用いる硝子体手術は、小切開硝子体手術と呼ばれています。
11月15日、ラメルテオン製剤(ロゼレム)という新しい不眠症治療薬の講演会に出てきました。
睡眠リズムは夜に脳の松果体から分泌されるメラトニンというホルモンにより調節されており、ラメルテオンはメラトニンと同様の働きをして睡眠を誘導するお薬です。
講演会のお話しを聞いて興味深かったのは、体のいろいろな臓器、組織には時計機能があり、不眠症が高血圧、糖尿病、肥満、脂質異常、骨のリモデリング、発癌などに関連しているというデータです。
すなわち良い睡眠リズムには生活習慣病、骨そしょう症、発癌、また認知症発症にも予防効果があるというとのことです。
睡眠時間と寿命を調べた研究には、睡眠時間7時間の人が最も長生きしたというデータがあります。
ラメルテオンは副作用も少なく、高齢者にも比較的安全に使用できます。
従来の不眠症治療薬を日常お使いの方は、ラメルテオンに切り替えていくことが良いと思います。メラトニン自体は米国では不眠症、時差ぼけ対策のサプリメントとしてドラッグストアでも販売されております。
こんにちは。松田秀穂です。
このたびクリニックのブログを立ち上げることに致しました。
私、またクリニックスタッフが眼科の話題、アンチエイジングの話題、その他日常の話題も含めましてご案内したいと思います。
もうすぐ11月ですね。医学情報アップデートのためできる限り学会や講習会に参加するように努めております。
学会出張のため時に休診させて頂くこともありますが、どうかご理解お願い申し上げます。
11月はアンチエイジングに関する学会に2回、眼科の学会に2回出席予定です。土曜日の診療を1回お休みさせて頂きます。
今後、出来る限り新しい情報や話題を提供したいと思いますので、よろしくお願いします。
写真は日本抗加齢医学会(アンチエイジング)専門医認定証です。