こんにちは、歯科医師の小林です。
2月14日、第10回顕微鏡歯科研究会を行いました。
去年4月から始めた顕微鏡歯科研究会ですが、早くも10回目を迎えました。
よく院長より「わからないことをわからないままにするな」と言われています。
この院内勉強会はそんな「わからないこと」、「できないこと」を解決するよい機会となっております。
さて、今回の勉強会は3つのテーマで学習・トレーニングを行いました。
①歯科医師より、外傷歯への対応についての講義
転んでしまって顔をぶつけてしまった経験は誰しもが一度はあるのではないでしょうか?
今回は転んだ・ぶつけたことにより、歯が欠けてしまった、折れてしまった、抜けてしまった場合の受付での対応、歯科医の対応・治療法について伝えさせて頂きました。
大切な歯を守るため、緊急時でも慌てずに対応できるように学習を行いました。
②MTA充填からの2級コンポジットレジン充填
通常、虫歯が歯髄に達すると、歯髄を取る抜髄という処置が必要になります。
しかし近年、この抜髄という処置になる可能性がある歯でも、MTAセメントを用いることで歯髄を残せる可能性のある断髄という治療が可能になってきました。断髄とは虫歯が進行したところまでの組織を取り除き、MTAセメントによって蓋をすることにより、神経の生活反応を残したまま保存する方法です。もちろん、全てのケースに適応されるわけではありませんが、歯の神経を残す最後のチャンスとしての治療が可能となりました。
今回は、虫歯を削っていき、神経まで達してしまった時の対処法及び、コンポジットレジンにて隣の歯との接触点の回復を目的とした処置のトレーニングを行いました。
③歯科衛生士による顔貌・口腔内写真撮影
口腔内写真とは、診査診断の材料となる口腔内の変化を示す写真資料です。
主な目的として、(1)診査診断での活用、(2)かかりつけ歯科医院として継続した変化を記録に残し管理する、(3)患者さんに写真を提示し、モチベーション向上を図る、といったことなどが挙げられます。ただしこれらの目的を満たすためには、つねに一定の条件を保ち、肉眼で見えるのと同じように撮影された、規格性のあるものでなければなりません。
今回はどうすれば患者さんの苦痛が少なく、すばやく撮影ができるかを話し合い、実戦練習を行いました。
資料取りも治療も丁寧に、また効率よく短時間に行うことは大変高い技術が必要とされます。
今後もトレーニングを継続しさらに質の高い治療・メンテナンスを提供できるよう努力していきたいと思います。