カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 5月中旬、信州もさすがにもう遅霜の心配も無さそうなので、園芸店に行って野菜苗を買って来て、今年もマンションのベランダで夏野菜のプランター栽培に挑戦中です。

一昨年は葉が茂っても殆ど実らずで、
  「これなら、野菜を買った方が安くない!?」
そんな奥さまからの皮肉にもめげずに、昨年も再挑戦。
昔は果樹園の脇の畑で家庭菜園を楽しんで、妹や姪の家にもお裾分けする程たくさん収穫出来たのですが、そんなつもりで安易にベランダのプランターで栽培したのがそもそもの間違い・・・。
昔、集落の“オジサンやオバサン”から、我が家の果樹園や畑の土壌は、「リンゴ園の土が本当にイイだで」と羨ましがって褒められるくらいで、その分雑草も蔓延るのが凄かったのですが、一度も追肥せずとも毎年夏野菜が収穫出来たそんな畑と、プランターでは土の養分と水持ちが全く違うのです。
当然プランターの土には野菜用の培養土を使っているのですが、そこで昨年は野菜用の肥料を追肥として定期的に施肥することで、初めてキュウリもナスも収穫出来ました。でもその数は“多少”で、まだ満足する程(=買って来るよりもお得!)では全くありませんでした。

 因みに、今年は田んぼ近くの5年間貸していた畑が契約更新されずに返却されてしまったのですが、そこは日当たりが余り良くなく、祖父や父の代に果樹(桃)を植えても満足する様な出来では無かった様で、最後はネギを植えていたくらいの畑でした。
因みにその横の田んぼは、今まで通りJA関係の団体が更新して使ってくれていますし、他の田んぼも父の頃から借りて頂いている個人の方がそのまま借り続けて頂いていて、今年も既に田植えを終わられています。
しかしその返却された畑については、断捨離と終活に伴いトラクターや耕運機といった農機具も軽トラも全て処分してしまったため、返却された畑を耕す手だてがありません。
その畑を借りて頂いた方は5年間エゴマを栽培されていたので、一度耕さないとそのままではすぐには使えません。仮にトラクターや耕運機をレンタルしても運ぶ術がありません。
お隣の塩尻市には依頼を受けて田んぼや畑をトラクターで耕してくれる法人(NPO?)があるのですが、受託する範囲は塩尻市内だけ。松本市内は無理で、JAには残念乍らそうしたサービスはありません。
因みに、その畑の横には大門沢川が流れていて、上流に家畜場は無いので、水利の無い山の畑とは違って使おうと思えば水はあり、そこで来年に向けて誰かに頼むなり畑を耕す方策を考えることにして、一旦今年は今まで通りにベランダでのプランター栽培を継続することにしました。
 ベランダでの野菜栽培は、これがもし畑だったら春先にトラクターで起こして、苦土石灰や鶏糞などの肥料を混ぜておけば良いのですが、プランターではそうはいきませんし、家庭ゴミとして土を捨てることも出来ませんので難儀です。
そこで、先ずはプランターの土をリサイクルして活性化すべく、ホームセンターで再生材を買って来て培養土に混ぜ、数日間はそのまま置いて馴染ませます。
その上で、買って来た夏野菜の苗は、キュウリとミニトマトが二本ずつ。ナスが一本、そしてバジルも一鉢。そして、連作障害を避けるべく、キュウリとトマト、ナスの苗を昨年とは違うプランターに植えます。因みに、パセリは昨年の株が今年も元気に葉を茂らせてくれていますし(二年目の株は花が咲くので、花芽が伸びてきたら養分をそちらに取られぬ様に切り詰めます)、大葉(青ジソ)は零れ種でいずれ間引きしないといけない程たくさん発芽してくれました。
また別の日に、大葉を間引きして分散させるべく、もう一つプランターを購入。併せて、サラダ用にとハーブのルッコラの苗を探したのですがホームセンターや園芸店にも無く、その代わりに種を買って来て、大葉を移植した残りの半分に6ヶ所程小さな穴を掘って種を撒きました。すると種を撒いて二日目には早くも芽を出しました。

 我が家はマンションの高層階で、プランターを置くのは南向きのベランダなので日当たりは良好ですが、城山山系に遮られていた沢村と違い、ここ渚は風の通り道で結構強い風が吹く日があります。そのため誘引が遅れ、伸びたキュウリの主枝が風で折れてしまったことがありました。そこで、早目にキュウリとミニトマト、ナスは支柱を立てて誘引をしました。
5月21日にプランターに苗を移植して、毎朝しっかり水遣りをしていますが、6月に家内がまた長期で不在になるので、少しまだ小さいのですがその方がパリパリして食感が良いことから、6月9日に初物のキュウリを親指大の太さで収穫し、最初に仏様にお供えしてから二人でモロキュウで戴きました。
また間引きして植え替えた大葉と種で蒔いたルッコラも順調に育っています。最近、ナスの花が幾つも咲きました。そしてミニトマトが漸く赤く色づき始めました。
 狭いマンションのベランダでの野菜栽培では以前の畑の様には収穫は出来ませんが、それでも当家14代目の百姓としてのDNAの疼きを感じつつ、多少なりとも“庭いじり”的な気分で日々の成長を一喜一憂しながら、今年も自己満足的に夏野菜たちのプランター栽培を楽しみたいと思います。

 昨年、花の時期が過ぎていたためだろうと思いますが、半値に値引き販売されていたので買った、ミニ盆栽とも言えそうなボケの小鉢。
一本の木に紅白の花が咲く「東洋錦」という種類。この東洋錦は赤、白、そして白地に赤の絞りと咲き分けするボケの代表品種で、ボケは大正時代にブームが起こり、その時にこの東洋錦など“花ボケ”と呼ばれる様々な品種が生み出されたのだそうです。

 その後花が咲いた後に葉が出て来て、何本かの新しい枝も伸びて来ました。
ボケは昨年伸びた枝(二年枝)には花が咲かないそうです。リンゴも二年枝は実が大きくならないので、他の枝に養分が回る様に花を全部取ってしまいますが(摘花)、ボケも同様に三年目以降でないと使えない様です。
因みに、漢字では木瓜と書くボケはリンゴと同じバラ科の植物で、それぞれボケ属、リンゴ属と同じ科でも属が異なります。
品種改良を繰り返したリンゴ程ではないかもしれませんが、バラ科なので病害虫には弱いのかもしれません。でも鉢植えで室内に置いているので、庭植え程は気にする必要はないかもしれませんが・・・。
秋になって葉が落ち、伸びた枝の中で3年目に花を付けさせたい枝以外は剪定で切り戻して、冬の間も土が乾かぬよう定期的に水を遣りながら部屋の中で管理して、早春にまた花が咲くのを楽しみに待っていました。
 ところが、年が明けても一向に花が咲かないのです。
3月中旬、一輪も花が咲かないまま葉が芽吹き始めました。そして、そのまま葉だけが次々に開いて来て、新しい枝やひこばえ(蘖)も伸びて来たので、他の枝に養分が回る様にとひこばえは切り落としました。
本来ボケはサクラと同じで葉が花の後に出て来るので、今年はどうやら花が咲かない様です。かといって、葉は出て来たのですから、木自体が枯れている訳ではありません。そこで、ネットで調べてみました。すると・・・、
『ボケは適度な寒さで花付きを良くすることが必要です。適度な寒さにさらすことで花付きを良くするのです。ボケは陽樹ですので、なるべく日に当てて夏の間は枝を伸ばし放題にします。そうやって来春の花芽を定着させ、葉が落ちたところで、花芽が表に出るように剪定をして春を待ちます。』
とのこと。
どうやらボケは、冬の間に或る程度の寒さに当たらないと花が咲かないのです。また、我が家の様にずっと室内に置いて置かずに、ちゃんと戸外に鉢を置いていたとしても、もしも花芽が膨らむ前に家の中などに取り込んでしまうと、逆に花が咲かないなどの弊害が出てきてしまうのだそうです。
知りませんでした。どうやら植物も、“温室育ち”ではちゃんと育たない・・・ということなのでしょう。
 そこでやはり思い出されるのは、春にその開花が毎年注目される、同じバラ科のサクラです。
サクラが開花するという現象には、春の暖かさに反応して花が咲くというために、必ず冬の寒さを過ごさせることが必要です。
サクラは前年の夏頃に翌春に咲く花芽を形成し、休眠状態に入ります。秋から冬にかけて低温(氷点下の様な余り低い温度ではなく、 5℃前後と云われています)に或る一定期間さらされると、休眠状態から覚めます。これを「休眠打破」と呼び、この「休眠打破」の後に春先の気温の上昇に合わせて花芽が発育して開花に至るのですが、それは「休眠打破」以降の期間における気温の積算値が一定の基準を超えると開花すると予測する経験則、「600℃の法則」や「400℃の法則」などが一般的には知られています。
ボケにはそうした経験則的な記述は見当たりませんでしたが、ボケも「冬の寒さ」を経験することが、春を迎えるために必ず必要なのだと知りました。

 ですので、今年はしっかりと冬の寒さも経験させて、来年こそはまたキレイな花を見たいと思います。

 戸建てに住んでいた時に、自分で張って作庭した15坪の芝生ガーデンを含め、奥さまと二人で丹精込めて世話して来た“庭”の中で、特に奥さまが一生懸命丹精込めて毎年世話をしたのが、零れ種で60株にまで増えたクリスマスローズでした。

我が家のアパートの敷地内の道路脇に亡き父が物置を設置して町会に寄贈した、我が家も含め町会内の10軒用のゴミステーションが在ったので、ご近所の皆さんがゴミを捨てに来る度に我が家の前を通るのですが、早春に満開を迎える“雑木林風ガーデン”の樹下に咲く色とりどりのクリスマスローズの群落を愛でられていた様で、時々お会いすると口々に我が家のクリスマスローズの見事さ褒めてくださったものでした(余談ながら、触発されてご自宅の庭にもクリスマスローズを植えられた方が数人おられた程でした)。
 4年前にマンションへ引っ越した際、さすがに丹精込めて世話して来た“庭”を持って来ることは出来ないので、せめてもと鉢に移植して持ってきたのがそのクリスマスローズでした(第1719話)。
色や花弁も一重八重と色々種類があった中で、黒と赤紫で一鉢、そして原種に近い白い品種の一鉢。それぞれ一鉢に5~6株ずつ移植して持って来てマンションのベランダに置いて、また家内が一生懸命世話をしています。その年は、僅かばかりでしたが頑張ってそれぞれ花を咲かせてくれました。

 それから3年目の今年は、白い花の鉢の方がたくさんの花芽が出て来て、最初に開花したのが3月2日でした。黒と赤紫の花は、移植後かなりの株が枯れてしまいました。昨年位になって漸く新しい芽が出て来たので、昨年よりも葉は茂って来たのですが、花芽は今年一つだけ。その蕾は少し遅れて3月16日に漸く開花したのですが、どうやら花が咲くのは今年はこの一株だけでしょうか。白い花の方は鉢から溢れんばかりに茂ってたくさんの花芽も付け、次々に花が開き3月下旬のお彼岸には満開になりました。
 三寒四温を繰り返して3月になって二度程“上雪(かみゆき)”が降った松本も、“暑さ寒さも・・・”の例え通りお彼岸を過ぎて漸く暖かくなり、4月1日には松本城のお堀の桜も開花。この週末には満開になりました。
クリスマスローズは、当初花芽が一つだけだった黒紫の花の鉢は、小さいですがその後3つ花芽が出てきました。片やたくさん咲いた白い花の方は、花弁が緑色に変化して来ました。但しこれは、花びらの様に見えているのは実は「萼」(がく)で、実際には花弁ではなく「萼弁」なのだそうです。本当の花はおしべ周りにある小さな突起の様な部分。この部分から蜜が出て、蜜線(ネクタリー)と呼ぶのだそうです。
花弁の様に見えた「萼」(がく)は、花の時期が終わって葉と同じ緑色に変化したのだとか。蜂や蝶の眼について、呼び寄せる役目が終わったということなのでしょうか。小さな花も、こうして良く見てみるとなかなか面白いですね。

 これまで何度もご紹介してきた、15年以上奥さまが大切に育てている我が家の蘭のシンビジウム3鉢。
株が増えすぎて鉢が狭くなってしまって、それに鉢が耐え切れずにひび割れが入って来ていたり、或いは枯れた株も出てきていたりしたので、戸建てに住んでいた時に庭のメンテナンスを毎年春秋の二回お願いしていた同級生の経営する園芸店「ナカツタヤ」に頼んで、一昨年増え過ぎた株と鉢の更新をお願いしました。
奥さまに依ると、それぞれの株には寿命があって、花を何年か咲かせるとその株は寿命を終えて枯れ、次の新しい株にバトンタッチして行きながら全体に成長していくそうなのですが、将来を見越して古い株を取って新しい株を残して、全体をダウンサイズしていただいたのです。
その結果、素人目には「やり過ぎでは?」と思えるほど大分スッキリしたので、昨年は花は咲かないだろうと思っていたのですが、それぞれ僅か一本ではありましたが、二鉢から花芽が出て来たのです。ミルキーウェイも、たった一輪ですが、しっかりと咲いてくれました。
 シンビジウムは例年だと12月前後に花芽が顔を出し、12月末から1月くらいに咲き始め、長い時は6月になるまで半年近くも咲いています。
東京で開催される「世界らん展」に毎年ブースを出展するという華道家の假屋崎省吾氏曰く、
『一般的に蘭は高価というイメージがあるが、咲いている期間がとても長いので、その期間の日数で割れば、花が楽しめる一日当たりのコストで考えると、むしろ他の花よりも安くなる位コスパが良い!』
まさにその通りなのです。















 さて今年は、ミルキーウェイはこれまでも隔年で咲いていたので、ダウンサイズした昨年、僅か一輪でしたが花を付けてくれたので今年は花芽はありませんでした。他のシンビジウムでは、一鉢だけしかも一本だけでしたが立派な花芽が伸びて来て、全部で16個ものたくさんの蕾を付けてくれました。
途中、花芽が折れないように支柱で支えるために、中に針金が入っている結束紐で括り付ける際、過って先端部分の花芽を折ってしまいました。

そこで止むを得ず小さな瓶に水を入れて折れた部分の花芽を咲かせてあげることにしました。
残りの蕾は順調に成長し、2月3日に最初の蕾が開花。そして13日には満開を迎えました。
花の少ないこの冬の時期ですが、シンビジウムが咲いて、外の寒さとは別に家の中だけは少し暖かな春の雰囲気になった様に思います。
華道家の假屋崎さんの言われる通り、これからまだ先、6月頃まで咲き続けて、私たちの目を楽しませてくれることと思います。
そして栄養を蓄えて、来年はもっと多くの花芽が出て来ることと、ミルキーウェイも来年は絶対に花芽を付けてくれる様にと願っています。

 以前ご紹介したインテリアグリーンとしての観葉植物のミニ鉢植え。ガジュマル、パキラ、コーヒー、クチナシ、そしてアジアンタム。
毎朝の水やりがささやかなルーティーンではあるのですが、買って来た時と比べ随分大きく成長したので、ここで少し大きめの鉢に植え替えてあげることにしました。


 そこで幾つか大手のホームセンターの園芸用品売り場を見て回ったのですが、別に値段は高くても構わないのですが、これといってピンとくる鉢は見当たりません。
そこで諦め掛けたのですが、すぐ近くの100均ショップもついでに覗いてみることにしました。すると、ホームセンターに在った様な如何にも安物のプラスチックという風な植木鉢ではなく、むしろオシャレで品の良い感じの鉢が並んでいて(さすがに大きな鉢は100均にはありませんでしたが)、その中から良さそうな鉢を二つ購入しました。
一方で、100均ショップには観葉植物用の土は種類が少なかったので、またホームセンターに戻って、酵素入りの観葉植物用の土を2ℓの袋で購入しました(これでも多いくらいですが、2ℓが最小でした)。
 家に戻り、クチナシとパキラを植え替えます。
クチナシは8㎝から10㎝、パキラは7㎝の丸い鉢から一辺が9㎝角の四角い鉢にそれぞれ一回りから二回り大きな鉢に変更です。
クチナシは枝も随分伸び、根本から新しい芽も伸びて随分窮屈そうです。そこで鉢から土が付いたまま株毎抜いて、竹串で少し伸びて固まった根をほぐします。そして植え直す鉢の真ん中に移して、周りに少しずつ観葉植物用の土を注いで、最後に株がぐらぐらしない様に土の表面を突き固め、更に土を補充して平らにならしました。
パキラは、挿し木栽培で育てたと思われる本当に小さな5sm足らずの苗を買って来て、自分で鉢に赤玉土を入れて育てたモノ。小さかった枝葉はすくすくと成長し、何本もの新しい枝葉を伸ばして5倍にも10倍にも成長しましたので、もっと大きな鉢に今回も赤玉土で補充して植え直しました。
そして、上手く育てられず殆ど枯れてしまったアジアンタムが、数本だけ芽を出しているので捨ててしまうのは可哀そうで、ちゃんと育ってくれるかどうかは分かりませんが、周りの枯れた部分をそぎ落としてその芽の部分だけを残して空いた小さな鉢に移し替えました。ガンバレ、ガンバレ!・・・です。
 これで随分見た目がスッキリしました。窮屈そうだったクチナシとパキラも何となくのびのびと気分良さ気に見えます。これで、また暫くは大丈夫でしょう。
そして他のガジュマルやコーヒーの鉢と併せて、また成長して窮屈そうになったら、更に大きめの鉢に植え直してあげようと思います。

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