カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 前々から「一度食べに行ってみたい!」と思っていたおそば屋さんがありました。それは、木曽谷への入り口(注記)となる、塩尻市本山地区に在る「本山そばの里」というおそば屋さんです。
現在は麺として食されることが多いそばですが、古くは粒のままお粥にしたり、粉を挽いてお湯で捏ねて粘りを出したそばがきや、その捏ねて団子状にして焼いたそば焼きなどの方法で食べられていました。
麺としての蕎麦の発祥に関しては諸説あるものの、ここは冠たる“信州そば”の長野県ですので、地元長野県の県職員に皆さんに依る『しあわせ信州~長野県魅力発信ブログ~』中の解説記事から引用します。
『奈良時代に全国に山岳修験道を広めたとされる役小角(えんのおづぬ=役の行者)が修行中、信濃国の伊那谷を訪れた際、住民からのもてなしのお礼に携行していたそばの実とその栽培方法を伝えたのが、信州におけるそば栽培の始まりとの説が残っています。
そば粉で生地を練って薄く均等に延(の)し、包丁で麺の形に切る「そば切り」は、長野県木曽周辺で誕生し、全国へ広がったとされる説が有力です。
長野県大桑村にある木曽三大寺のひとつ「定勝寺」の改修記録である『定勝寺文書』には、安土桃山時代の天正2年(1574年)に「振舞ソハキリ 金永」との記述があり、これがそば切りに関する日本最古の記録とされています。
また、松尾芭蕉の門下生だった森川許六による1706年発刊の『風俗文選』には、「そば切りといっぱ、もと信濃国本山宿より出て、あまねく国々にもてはやされける」という記述が残されており、木曽路の宿場町・本山宿からそば切りが広がったといわれています。本山宿には殿様が泊まることも多く、「ハレものにそばをふるまった」との記録もあります。』
この「本山宿」というのが、中山道69次の江戸日本橋から32番目の宿場町として栄えた塩尻市の本山地区であり、当時この本山宿には10数軒の旅籠があり、多くの旅人にそばを提供していたそうです。しかし鉄道の発達と共に街道の宿場は廃れ、江戸時代の旅籠は一軒も無くなってしまいました。
そこで、「本山宿のそばにまつわる歴史や文化を絶やしてしまうわけにはいかない」と地元の有志の皆さんが集まり、地域の各家庭に伝わるそば打ちの技術や味を後世へ伝えるとともに、地域振興にもつなげるべく、1991年に「本山手打ちそば振興会」を発足させ、1994年には「そば切り発祥の地本山そばの里企業組合」を創設して、この「本山そばの里」が開店。原料も地元産にこだわり、近隣の畑で栽培される「信濃一号」という品種を自家製粉し、そのそば粉だけを使用しているのだそうです。
従って、江戸時代から続く様な老舗のそば屋さんではありませんが、信州に暮らすそば好きとしては、敬意を払って発祥の地のそばをやはり一度は食べておくべきかと思った次第です。

 松本から本山地区へは、幹線道路の国道19号線の渋滞と信号を避けて奈良井川沿いの堤防道路を走り、善行寺街道の郷原宿から中山道の洗馬宿を経由して、国道19号に本山地区で合流してすぐ。松本から45分で到着しました。因みに、県の奈良井ダムから取水して松本市や塩尻市などへ上水道を供給するための本山浄水場がこの地にあります。
 国道19号から旧中山道に分岐した集落への道を走り、JRの中央西線の線路沿いに踏切があり、その横に「本山そばの里」のプレハブ倉庫を用いた様なシンプルな箱型の店舗がありました。そして店舗の建物とは別に、そば打ちの小屋と、製粉する小屋が別々に店舗に隣接していました。
11時開店で、11時半頃到着すると先客が三組。6人掛けのテーブルが6卓と窓際には一人掛けの席で40席ちょっとと、思いの外広い店内でした。奥の厨房では地元の年配のおばさん方が5~6名おられて、調理を担当されている様です。本山集落も、山形村の唐沢集落同様に、嫁いで来たお嫁さんは姑さんから「ここでは、そばが打てて一人前」とばかり、何年も掛けてそば打ちを習得して来られたのでしょう。何となく、富士見町の乙事の地元のおばさん方が運営されている「おっこと亭」を思い出しました。
そばは、せいろの盛りが970円、大盛りが1200円、重ね(二段重ねの盛り二枚)が1500円というメニューの中から、重ね(二段)をオーダー。因みに、ざるそばを「せいろ」と称するのは、江戸時代の蕎麦でツナギをいれないとブツブツ切れてしまうために、切れぬ様に茹でずに最初はせいろで蒸していたことに由来するのだとか。その後、小麦粉をつなぎとする二八が工夫されたことで、蒸すのではなく茹でた方がのど越しの良いことから、今の様にそばを茹でる調理法が主流となったのですが、既に定着していた「せいろ」という呼び方が今でもそのまま使われているのだそうです。今回そば切りのことを調べる中で知って大いに勉強になりました。
 さて、本山そばの里の二八そば。素朴ながらそばの味がしっかりします。個人的には二八ということもあり好みのそばです。あっという間に二枚平らげて、そば湯もそば粉を溶いて作ったトロミのあるそば湯。そば湯に併せて、炒めた野沢菜と大根の甘酢漬けを頂きましたが、箸休め的でしかも古漬けの野沢菜漬けを良く油で炒めて出してくれた亡き祖母を思いださせてくれる様な、何だか懐かしい味でした。(写真の野沢菜炒めは一口食べてしまった後ですので、お店の名誉のため・・・)
  「ごちそうさまでした!」
外に出ると、結構広い駐車場には10台くらい停まっていて、中には県外車も数台ありました。
NYから奥さまが戻ったら、子供の頃の信州の田舎を感じさせてくれる様なこの店に、今度は新そばを食べにまた連れて来てあげようと思います。
【注記】
「すべて山の中である」とされる木曽路は、実際は本山宿の次の中山道33番目の贄川宿(にえかわ)が木曽11宿の北端とされ、本山宿と贄川宿の間に在る桜沢に「是より南 木曽路」の石碑が立っている。
この石碑は、「是より北 木曽路」という、旧中山道の落合宿(現岐阜県中津川市)と馬籠宿(長野県から2005年に岐阜県へ越県編入)の間にある石碑と対をなしている。

 今までのキュウリに代わって、今年初めてプランター栽培で挑戦したゴーヤ。これまでも何度かご紹介しましたが、これは猛暑対策での“グリーンカーテン”ではなく、飽くまで“食べる”ことが目的でした。
今回栽培した「沖縄ゴーヤ」(苦味を軽減させた種類ではなく、昔ながらの苦みのある品種)と書かれた2本の苗のお陰で、今年は幸い一度もゴーヤを買うことも無く、収穫した我が家のゴーヤで4~5回大好きなゴーヤチャンプルーを食べることが出来ました。その意味では、キュウリ栽培よりも実際の成果も満足度も高かったゴーヤ栽培でした。しかも最初の頃はせっかく雌花が咲いても人工授粉をそのままにしていたら、何本かは大きく成らずに黄色くなってしまって実らなかったので、もし最初から人工授粉をしていればもっと収穫出来たかもしれません。それとゴーヤは収穫時期の見極めが難しく、最初の収穫では苦味が少なめでした。

一方で、特に街中でも最近見掛ける様になった、世間での暑さ対策としての“グリーンカーテン”。その効果は、ネット記事に依ると、
『十分に葉が茂ったグリーンカーテンは日射の熱エネルギーの約80%をカットします。同じように遮蔽効果が期待されるすだれでは50〜60%です。また、横浜市や草加市がグリーンカーテンによる遮熱効果を検証したところ、グリーンカーテンを設置することで、窓の表面温度が約4〜5℃も下がることが確認されています。
さらに、グリーンカーテンには蒸散(じょうさん)効果も期待できます。植物は根から吸った水分を葉から蒸散させていますが、これは気化熱を奪います。そのためグリーンカーテン表面の温度上昇が抑えられ、室内への放射熱も減少します。打ち水の効果と同じ、生きた植物ならではの利点です。』
とのこと。
 我が家の場合、南側と西側の二ヶ所にバルコニーがあるのですが、マンションは上階のバルコニー部分が庇となって直射日光を遮ってくれるので、グリーンカーテンそのものは必要無いのですが、実際にゴーヤを栽培してみて、その茂り方を日々水遣り等で観察していると、分枝して弦もたくさん伸びるので、キュウリなどよりもゴーヤは葉の茂り方が多いことから、グリーンカーテンとしてもキュウリや朝顔、ヘチマなどよりもゴーヤの方が適している気がしました。
ゴーヤ栽培は、少し伸びた段階で親弦の先端を切る「摘心」をして、分枝させて子弦を何本か伸ばすのですが、それでもゴーヤはとにかく伸び過ぎるので、キュウリ栽培用の網を二つ折りにして、それに沿ってゴーヤの弦が折り返して下に伸びる様にもしたせいもあってか、まさに“ゴーヤジャングル”と呼べる程の茂り方でした。

 そのためか、茂みの中に隠れていたゴーヤに気が付かず、黄色く熟して初めて緑の茂みの中に隠れていたゴーヤを発見する有様。熟したのは2本程でしたが、オレンジ色に完熟したゴーヤを初め見ることが出来ました。しかも中の実がまるで大きなザクロの様に真っ赤になって光っていて、その実の周りの果肉が甘いのです。知識としては知ってはいましたが、このオレンジ色に熟したゴーヤは苦みが無く果肉もほんのり甘くなって、緑色のゴーヤの様なシャキシャキ感は無くなって柔らかくなるのですが、サラダなどにして生でも食べられるのだそうです。
個人的には昔の“苦瓜”と呼ばれていた名前通りに、苦みがあってこそのゴーヤだと思っており、レシピの中にはわざわざ塩揉みをしたり、水にさらしたりして苦味を取る方法までありますが、シャキシャキ感とその苦みこそがゴーヤチャンプルーの美味しさだと思います。
 今年最後のゴーヤ。大小2本と、最後プランターを片付けるために全部刈り取った時に見つけた極小のゴーヤ1本。
奥さまはNYの長女の元へ行っての留守中に全部ゴーヤチャンプルーにして、一人でしかも一夜で残さずに食べてしまいました。
次女が夏に孫を連れて帰省して来た時に作ってくれたゴーヤチャンプルーのレシピで、豚肉やベーコンだけでなく鰹節を入れるのがポイント。そうすることで更にコクが出て、実に美味しく感じられます。
 ごちそうさまでした。ゴーヤに感謝です。もうキュウリ栽培はやめて、また来年もゴーヤを栽培しようと思います。

 8月12日。この日の天気予報は曇り時々雨。
昨年4月に再開園した「チロルの森」。昨年も夏に孫たちを連れて行っているのですが、更に施設も充実したとの報道もあり、なかなか田舎の信州では子供たちを連れて行ける施設が少ない(例えば動物園や水族館は、松本エリアにはありません)ので、今年も孫たちを連れて行ってみることにしました。
生憎この日の天気予報は「曇り時々雨」。しかし、松本は降っていなかったので向かったのですが、「チロルの森」のある場所は分水嶺の塩尻峠の下で、塩尻の市街地から見ても結構山の方で標高1000mとか。ですので結構天候も変わり易いかもしれません、
平日の水曜日とはいえ(通常火水は休園日ですが、お盆前で開園していました)、お盆直前で夏休み。開園時間の10時直前に着いたのですが、10台程しかいなかった前回よりは多く、でも広い駐車場に20台程でしたでしょうか(帰る頃にはもっと増えてはいましたが)。

 今回もチロルの森のH/P等から拝借すると、
『「信州塩尻農業公園チロルの森」は、ワールドインテックが運営する、欧州オーストリア・チロル地方をモチーフとした、標高1,000mにある総合テーマパークです。
ヨーロッパの牧歌的な景観や農業体験などを楽しむことが出来、主な特徴はラベンダー畑や牧舎があって、乗馬や動物とのふれあいなど自然に溶け込んだ施設となっています。
また、本場の製造を元に作った自家製のビールや濃厚なアイスクリーム、ジューシーなソーセージが楽しめます。また、石窯で焼いた本格的なピザやパン。豊富なメニューのレストラン、体験教室など、「見て・触れて・食べて」五感で楽しめる施設です。
しかし来場者の減少と新型コロナウイルス感染症の影響で2020年11月29日に一度閉園しましたが、2025年4月26日に再開園しました。』
入園料は、大人1000円で4歳以上の子どもが500円。
 開園と同時に入園して、先ずは丘の上にある「ふれあいまきば丘エリア」と名付けられた動物と触れ合える牧舎を目指します。
前回は馬とポニーが傾斜地の放牧場を駆け回っていましたが、今回は降った雨でぬかるんでいるためか牧舎の中。放し飼いアルパカが牧舎の前で遊んでいましたが、人懐っこいとはいえ、気に入らないと唾を吐きかけるそうですので注意が必要です。

何匹かいるヤギたちに買った干し草のエサをあげたり、(生まれて数ヶ月の子ヤギ二匹の子ヤギは母親からの授乳中でまだ母乳以外は食べられません)、モルモットの小屋で触ったり、別の建物のジャンボウサギハウスに行って、室内でウサギたちとやはりエサの人参を買って触れ合ったりしました。
因みに、このジャンボウサギは「中仙ジャンボウサギ」という種類で、明治時代に農家の食生活改善などを目的に持ち込まれたウサギが、秋田県の大仙市中仙地区で独自の大型種へと改良され飼育・改良されてきた、体重10kgを超えることもある非常に大きな日本独自の白うさぎで、とても大人しいのが特徴だそうです。子供たちもとても喜んで人参をあげたり撫でたりして遊んでいました。
 「チロルの森」での孫たちの一番のお目当ては、何と言ってもシルバニアファミリーです。昨年来た時も楽しそうに、ハウスや乗り物のバスなど気に入ったモノを各自選んで、ママ&ババと一緒にそれぞれ思い思いにキャラクターを飾って遊んでいました。そのため、今回も新しくなった「シルバニアファミリーあそびのお部屋」で長い時間遊んでいたのですが、昨年は遊ぶ人間だけ料金を払えば、見ているだけの人間も入れたのですが、今年は入るだけでも料金が掛かるとのことで、私はその間部屋の外のベランダで一人待っていました。
ちょうどこの頃雨が降って来て、屋根下なので室内で遊ぶ分には濡れずに済んだのですが、問題は寒いのナンの・・・。多分20℃前後だったのではないでしょうか。
家内曰く、「半袖、短パンの人なんて誰もいないわよ!」(イエ、待っている間に一人見ました・・・)。
その後、彼らは「宝石探し体験館」に移動。こちらは、用意された大きな箱の中に一杯入った赤や黄色、緑といった天然石の小石の中から自分の気に入った石を集め、小さな透明なプラスチックの容器に入れて持ち帰ることが出来ます。ここでも楽しそうに遊んでいました。
 さて、それから昼食です。
昨年はあまり食指が動かず、松本まで戻ってカフェレストランに行ったのですが、今回はまだ雨が降っていたこともあり、園内の「街のレストラン」で食べることにしました。正直、あまり期待しないで入ったのですが、大変失礼ながらこれが予想外(スイマセン!)に良かったのです。
値段はそれなりながら、メニューの中心はワンプレートにチキン南蛮やハーブチキン、鶏唐揚げが主菜で、そこに十穀米とたくさんの野菜サラダが盛られているのですが、この野菜が山盛りでプレートの半分以上を占めています。
塩尻や朝日村など、この周辺はレタスを中心に洋野菜の栽培が盛ん。ですので、当然とはいえ朝採れなのか、この旬の野菜が本当に新鮮でシャキシャキで美味しいのです(ドレッシングは数種類から選択)。
因みに、娘はチキン南蛮、私たちはハーブチキン、子供たちは子供プレートをチョイスしました。    (メニューの写真はH/P等から拝借しました)
 雨降りで寒かった天候以外は孫たちもとても喜んでくれた、二度目の「チロルの森」でした。
帰る時には駐車場には来た時の倍くらいの車が停まっていましたが、これだけの施設なら県外からの避暑(この日は寒すぎましたが)を兼ねて、もっと多くの観光客が来てくれる様にPRした方が良いと今回も感じた次第です。

 前話でご紹介した、メリタにコーヒーメーカーのステンレスポットの修理依頼をしていた期間中の、我が家での朝のコーヒーの話題です。
そこはやはりインスタントではなく、ちゃんとしたドリップコーヒーが飲みたい。かといって市販のドリップバッグタイプは、旅行中ならともかく自宅で飲もうという気には今一つなりません。
ということで戸棚の奥から取り出したのは、奥さまが2年前にNYの長女の所に行った際に、お土産にとNYで購入して来てくれた「CHEMEX」のコーヒーメーカー(6 Cupタイプ)です。何でも、長女が連れて行ってくれたニューヨーク近代美術館(MoMA)にも、このコーヒーメーカーは“作品”として展示されていたのだとか。
 “ CHEMEX ”と云われても、余程の珈琲通しか分からないでしょうから、H/P等から引用させていただくと・・・、
『ケメックスのコーヒーメーカーは、1940年ドイツ生まれのアメリカの化学者ピーター・シュラムボーム博士によって考案されました。 シュラムボーム博士はベルリンで物理化学の博士号を取得した化学者で、三角フラスコと漏斗を合体させたようなデザインは、以前から実験室に転がっているフラスコをコーヒーメーカーの代用として日常的に使用していたことにヒントを得て制作された、まさに実験室から生まれたコーヒーメーカーです。
博士は化学者として持っていた知識を総動員させ、実験室にあったガラスの漏斗やフラスコを丹念に調べ上げ、そこに「注ぎ口」や「空気の通り道」を付け加えていきました。こうして修正したガラスの漏斗やフラスコを融合させ、一体型のガラスとし、そこに木の持ち手を加え、これを「CHEMEX」と名付けました。1941年のことでした。』
『ケメックスコーヒーメーカーは機能面だけではなくデザインの分野からも認められ、MoMAの愛称で有名なニューヨーク近代美術館(MoMA)やブルックリン美術館などのパーマネントコレクション(永久展示品)にも認定されています。』
 説明にもある通り、パッと見ての第一印象は、確かに学校の時に理科の実験で使った懐かしいフラスコそのもの・・・と言って良いでしょう。しかもデザインも機能的で確かに美しい・・・。
お土産に貰っていたものの(家内は同じものをコーヒー好きの次女の婿殿にもお土産に買って来て、以来婿殿は毎朝そのCHEMEXでドリップして楽しんでいるとか)、個人的にはハンドドリップは冷めてしまうのと、正直少々面倒臭いのも手伝って、コーヒー豆を挽くのは拘りの手動のミルなのですが、ドリップはメリタのコーヒーメーカーを愛用。片や婿殿は渡米に際し置いて行った長女の使っていたハリオのミルもあげたのですが、その手動のミルではなく挽いた豆を購入しているとか。
しかし今回の緊急事態で、メリタのポットが戻って来るまで、初めてCHEMEXのコーヒーメーカーを使ってハンドドリップでコーヒーを淹れることにしました。

 CHEMEXはコーヒーメーカーだけでなく、ペーパーフィルターも特殊なのです。コーヒーメーカーと一緒に100枚入りのCHEMEXの純正品フィルター(6 Cupタイプ)も奥さまはちゃんと買って来てくれてあります。その特殊なフィルターは、解説に拠れば、
『通常のペーパーフィルターより20〜30%ほど厚手で作られています。雑味や渋みの原因となる余分な酸味や脂肪分をしっかり取り除き、コーヒー本来のクリアで旨味のある味わいを引き出すのが特徴』。
しかも、正方形の紙を二度(開くと “田の字”になる様に)予め折りたたんであり、元の1/4の大きさの正方形の3枚折になっている部分を注ぎ口側にするようにフィルターを開いてセットします。因みに、コーヒーメーカーにはコーヒーを注ぎ易い様に溝が切ってあり、そちらが注ぎ口です。
いつも使っているコーヒーフィルターはカリタの台形。それに対して、CHEMEXのフィルターはハリオと同じ円錐形で、その効果としてはドリップしたコーヒーは一箇所に均一に落ちることになり濃さのムラが起こらないので、全体的にバランスの良い味わいに仕上がりになるとされていますが、CHEMEXの場合は3枚折になっている部分もあって、更に厚みのあるフィルターを使うことで雑味がしっかりと濾過されるため、味もよりすっきりと仕上がり、また油分などもフィルターにかけられるので重さのないさっぱりとした味わいになるとのこと。
 ハンドドリップの際は、先に一旦お湯を注いでフィルターを十分に濡らし、CHEMEXを温めて、注ぎ口からそのお湯を捨てます。その上で挽いたコーヒー豆をフィルターに入れて、先ずは蒸らすためにお湯を注ぎます。
その際は、一人用の小さなタイプですが注ぎ口が細長いドリップケトルも長女が置いて行ってくれてあるので、それだと容量的には300㏄のため、毎朝4杯分のコーヒーをメリタのコーヒーメーカー同様に淹れるために、ケトルでは2回に分けて4杯分600㏄のお湯を注いで抽出しました。
 今回、2年前に貰ったCHEMEXを使ってみての感想。
確かにいつものメリタ―のコーヒーメーカーと比べると、雑味が少ない気がします。家内は雑味が無く美味しいと高評価。
でもハンドドリップで淹れる側からすると、些か面倒臭い。確かにお湯を注ぎ、コーヒー豆がドーム型に盛り上がって来るのを見ているのは面白いのですが、一人分のコーヒーを楽しむならともかく、一度に4杯分を毎朝淹れている側からすると、しかも豆はその場で手動のコーヒーミルでじっくりゆっくり挽くのを楽しんでいるので、更にそこへお湯を注ぐ時間まで楽しむというのは、正直少々面倒臭い気が(私は)しました。どちらを取るかと聞かれれば、私はやはり手動のコーヒーミルでじっくりと豆を挽きたい。
CHEMEXが美味しいのは確かですし、それにデザインも確かに美しい。
しかしながら、“すがすがしい朝”にコーヒーを優雅に飲むのというのには些か無粋な言い方にはなってしまいますが、毎朝のコーヒーフィルターが1枚100円近い金額と言うのは、リタイアした年金生活者としては二の足を踏んでしまいます。それに、メリタだって個人的には十分に美味しく感じます。
 ・・・ということで、我が家では3日間はCHEMEXを使いましたが、交換いただいてメリタの新品のステンレスポットが返送されて来た4日後からは、また元のメリタのコーヒーメーカーに戻った次第です。
そうは言ってもせっかくCHEMEXがあるので“宝の持ち腐れ”にならぬ様に、二人共コーヒー好きでしかもシングルオリジンの豆を愛用している、長女がNYから帰国したり、また横浜から次女の婿殿が来てくれたりした時(但し、朝、孫たちがまだ静かに寝ていてくれたらですが)くらいは、戸棚の奥からまたCHEMEXのコーヒーメーカーを取り出して、チョッピリ優雅にハンドドリップを楽しみたいと思っています。

 12月に購入した二代目のメリタのコーヒーメーカー、ノアプラス。
後継モデルのノアプラスは保温機能のステンレスポットの蓋の部分が改良されました。その際、第2050話でご紹介した通り、

『メリタのコーヒーメーカーは、ノアプラスという製品で2021年に発売されたモデルですので最新ではありませんが現行モデルで、価格帯的に見ると、今まで使っていたメリタの機種の後継モデルの筈。勿論ペーパーフィルター方式で、容量が700mlでカップ2~5杯分。ポットは保温性に優れたステンレス製の真空二重構造。カルキ除去機能はありませんが、新たに蒸らし機能が付いていて、何よりもワンタッチ式の蓋に改善されて液漏れがしにくく、また蓋を分解して内部を掃除することが可能なので、前回の様な蓋の内部にコーヒー滓が詰まることを防げることが一番のポイントです。
今まで10年間使っていたメリタの旧モデルは、ポットは同じステンレス製なので保温性はあったのですが、フィルター部分はプラスチックだったのが、新しいモデルではこちらも外側がステンレス製に変更されています。
最大の改善点の蓋の部分。内部が分解出来て洗えるようになったのが耐久性の面でも一番のポイントかもしれませんが、蓋がこれまでは回して嵌める方式で結構力尽くで締めなければならず、また注ぎ口のゴムのパッキンの装着も何となく調整が微妙で、質実剛健ながら高品質な機能性といったドイツ製品のイメージからすると、10年持ったのですから確かに耐久性はともかくとして、造作は意外に大雑把で“原始的”に感じていたのですが、さすがに今回は10年も経っているので、新モデルはかなり改善されてスマートになっている点が個人的には一番のメリットだと感じています。』
・・・の筈だったのですが、最初からだったかどうか記憶が定かではないのですが、初期の頃から蓋のプラスチック部分とステンレスの結合部分から液漏れがするのです。
 そこで、メリタの「お客様相談室」宛に状況を記載して問い合わせをしたところ、すぐに次の様な回答がありました(写真も撮ったのですが、相談室宛てのメールは文章だけで写真添付は出来ませんでした)。
『ポットからの液だれについて
 ポットには仕様上つなぎ目(溝)がございますが、この溝はポットの内部とは連結しておりません。
 このため、内部のコーヒーが隙間から漏れることは、通常は構造上発生致しません。
 ポットを傾けたときにポット本体を伝って流れたコーヒーや、洗った際のお水がポットの溝に溜まると、
 次にご使用になられたときに、透明の液体やコーヒー色の液体が隙間から漏れてくることがございます。
 ポットを洗浄後に、縦に伏せず、横に寝かせて水を切っていただくことで解消される場合がございます。
 洗浄後、横に寝かせて乾燥後、内部に残った水分を拭き上げてのご使用をお試しくださいませ。
 不具合や劣化により漏れてくることも考えられますが、お問合せのお客様の多くがこちらで解決するケースでございますので、ぜひ一度ご確認ください。
 なお、お取扱説明書にも記載のございます通り、すすぐ際、ポットの外装に水をかけて洗ったり、ポット本体をお水に浸す(洗いタライにつけるなど)は避けていただきます様お願い申し上げます。
 ポットのステンレスとプラスチックの隙間にお水が浸水してしまいますと、上記の症状が出ることがございます。 
■ポット蓋裏のパッキンについて
 ポットの蓋の裏にはパッキンがついておりますが、以下の場合、コーヒーがポット内に適切に入らずに蓋から漏れてくることがございます。
 ・パッキンの表裏が逆になっている
 ・パッキンが装着されていない(紛失している)
 ・パッキンが軸からずれている等、しっかりと装着されていない
 ・パッキンが劣化や食洗器、ハイター、熱湯等の使用で硬化している。
パッキンの装着手順や、ご使用上のご注意点につきましては、付属の取扱説明書にてご確認をお願いいたします。
■ポットの装着について
誠に恐れ入りますが、SKT-55(ノアプラス)は、「ポットを最後に」装着いただくのが正しい手順です。
弊社のコーヒーメーカーは、ポットの蓋が、内部フィルターのしずく漏れ防止弁を押し上げて、弁が開きコーヒーが落ちる仕組みです。
このため、ポットが本体にセット(最初から置いてある)された状態で内部フィルターを装着/粉を入れるなどを行うと、弁の開閉が正しく行われず、ポットを外したときにコーヒーが垂れてくることがございます。
ポットは「内部フィルターをセット、粉をいれた後、最後に」本体にセットしてください。
(作り始める前に、必ず先に一度、本体からポットを外してください。内部フィルターをセットし、ペーパーを敷いて粉をいれた後、一番最後にポットを本体に置いてお試しくださいませ)
なお、ポットは通常、開封直後(購入日から7日以内)の初期不良等を除き、ご購入から1年以内の場合でもメーカー保証の対象外でございます。
お手数をおかけいたしますが、まずは、上記の点についてご確認をお願いいたします。』
 説明にある通り『開封直後(購入日から7日以内)の初期不良等を除き、ご購入から1年以内の場合でもメーカー保証の対象外』とのことですので、最初から液漏れ状態が続いていたとはいえ、既にもう半年近くも経っていますし、最初からだったというその状態を証明することも出来ません。
ただ、不満を感じていた先代モデルの蓋の部分がこの二代目で改善されたと評価していただけに、もしこうした状況が発生しているとすれば、メーカーに勤務していた身からすると大いに気になるところですので、念のため回答メールに
その液漏れ状態の写真を添付してお送りしましたが、その後“なしの礫”で
一ヶ月以上経ったので、再度「お客様相談室」宛てにその旨連絡したところ、回答メールは送信専用で、そのメールへは返信不能とのこと。
そこで今回ご案内いただいたメール送信先に再度写真を添付してお送りしたとこと、すぐに回答があり、
『以前ご案内した①ポットを横に寝かせて水切り、②ポット蓋裏パッキンの向き確認、③ポットの装着タイミングをご確認いただいても改善なく、添付画像の状態になるということでしたら通常の状態ではないため、ポット現品を弊社にお送りいただき、点検をさせていただけませんでしょうか』
とのこと。
しかし、その①~③のどの状態でも無かったので、もしダメなら新たにポットだけ買い替えたい旨を記載して、案内頂いたテクニカルセンターへお送りしました。すると送付した翌々日に返送されて来たのです。
送付先のメリタのテクニカルセンターは千葉県の柏でしたので、輸送時間を考えると、到着したその日の内に即チェック、状態を見極め、即断即決でその日の内に返送されたことになります。
しかも開封してビックリ!送られて来たのは修理品ではなく、全くの新品でした。まさか新品に交換してくださったとは・・・!?
というのも、購入から半年以上も経っており、『開封直後(購入日から7日以内)の初期不良等を除き、ご購入から1年以内の場合でもメーカー保証の対象外』という条件もあり、仮に初期不良だったとしても、7日以内の初期不良を証明する術が購入側に無かっただけに予想外でした。もしかすると、修理のプロが見れば一目瞭然で、初期不良だと認識が出来たのかもしれません。しかしそうは言っても、ユーザーからすると今回の対応には感謝しかありませんでした。
早速、お客様相談室宛てに迅速な対応と思いがけぬ新品への交換のお礼の言葉と、担当頂いて丁寧なお詫びの文書(それが例え定型文だとしても)まで一緒に送ってくださった、今回の修理担当の方への感謝の伝言も併せてお送りしました。
 正直、個人的には交換を期待したというより、修理して貰えればそれで良かったのと、何より製造段階の不良であれば製造現場へのフィードバックが今後の改善への参考になるだろうという、メーカー出身者の思いもあったのですが、予想以上の迅速かつ丁寧な対応を頂き、今回のメリタジャパンの姿勢を大いに感謝した次第です。
ありがとうございました。 “ Well Done!Melitta.”
【追記】
交換いただいたポット。驚く程の全くの別物で、液漏れが全然しないのはいうまでもありません。

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