カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
長女が松本滞在中に、久世福と無印でNYのお友達へのお土産とNYで使う日用品を買いたいとのことで、パルコは2月末で閉店してしまったため、大混雑する週末を避け、多少はまだマシな平日にイオンモールに出掛けました。
ちょうど昼時だったので、買い物が終わってからそれぞれが好きなモノを選べるフードコートでランチを食べてから帰ることにしました。
イオンモールにはフードコート以外にも専門飲食店街もあるのですが、フードコートには色んな店もあるのでそれぞれ自分の食べたいモノが選べますし、時間が無い時などはセルフでささっと食事を済ませられます。また座席数が1000席と兎に角広いので、何より小さなお子さん連れにとっては、少し離れた席に座って子供たちが多少騒ごうが泣こうが周りに余り気兼ねせずに食べさせることが出来ます。ですから特に子育て中のヤングファミリーの皆さんには、市内では数少ない子供連れで安心して外食が出来る人気のエリアです。
こちらのフードコートで食べる時には良く利用していた(松本で長崎チャンポンは他では食べられないので)リンガーハットは残念ながら撤退してしまいましたが、10数店舗ある中から母娘は「小木曽製粉」のお蕎麦にするとのこと。しかし私メはせっかくの機会ですので、「凌駕IDEA」でラーメンを食べることにしました。こんなことでも無いと、独り以外の時にラーメンなど食べることが出来ませんから・・・。
(写真はH/Pからお借りしました)。


数組行列でしたが、ラーメンなら早かろうと思ったのですが、ワンオペではなく(但し、調理とトッピングは若い女性スタッフ一人で切り盛りされています)4人程スタッフがいるのに、結構時間が掛かりました。
選んだのは、イオンモール店限定という「松本ブラック」(800円)。大盛り無料とのことで、有難く大盛りでお願いしました。呼び出しベルを渡されて順番を待ちます。4~5番目だったかと思いますが、思いの外時間が掛かり、途中で家内が心配して座っている席を知らせながら見に来ました。
計った訳ではありませんが、サーブされるまでに10分以上掛かった様に感じました。

スープを先ず一口啜ると、凌駕らしくいきなり煮干し風味が感じられます。黒い色程スープは濃くはありません。麺はスープに良く絡む中細麺の縮れ麺。
「ウ~ン・・・」
個人的には、やはり煮干しは好みではない様です。やはり鶏と豚のスッキリしたガラスープの方が好きだなぁ・・・。
ラーメンで「松本ブラック」と称するのは、同じ松本の駅前通りにある「マルキ商店」にもあって、以前食べたそのマルキ商店の「松本ブラック」(第1717話)は、鶏と豚から摂ったガラスープをベースにした、焦がし醤油の真っ黒なスープで、色程に濃くは無く、勿論十分に塩気はありますが、むしろ塩味よりは甘味を感じました。一杯に盛られた九条ネギという青ネギの下の麺は細めのストレート麺でした。
但し、個人的に“ブラック”のイチオシは、「ブラック」と名乗っている訳では無いのですが、やはり“元祖”京都ラーメンの名店「新福菜館」の黒いスープの中華そばと、その醤油を使った黒いチャーハンでしょうか。

因みに、凌駕グループでは複数ブランドを展開する中で、最近松本市内の元町に、豚ベースの京都スタイルのラーメンという、黒醤油のコクと風味が香る「中華そば 焼きめし やま本(ヤマモト)」をオープンしたとのことですので、“京都ラーメン”を代表する新福菜館か第一旭のどちらか寄りかは分かりませんが、もし京都風のラーメンがここ松本で本当に食べられるのなら、行ってみる価値がありそうです。ですので、むしろ私メが食べるべきは「凌駕IDEA」の松本ブラックではなく、同じ凌駕グループの「やま本」の黒中華そばなのかもしれません。
昨年の2月に渡米してからちょうど一年振り、二月末に長女が久し振りに帰国して来ました。
NY本社のポストに応募し、社内外の志願者の中から見事合格したのですが、社内での移動になるため、東京支社からの“転勤”扱いで昨年2月に日本から渡米して丸一年。米国の会社ということが大きかったのでしょうが、予想以上に早くグリーンカード(米国永住権)が取得出来ました。
申請期間中は海外出国すると申請が無効となるとのことから、中には10年以上も国外に出られなかったという移民の人も多いそうですので、彼女の場合は何よりでした。しかも、夫人は26歳でNYに移民して来たスロヴェニア人ですし、また今回は南アフリカからの移民の実業家である民間人を自身は重用しておきながら、移民政策に否定的な某大統領就任前に取得出来たのはタイミング的には尚更でした。
実際に、昨年まで彼女が東京勤務の時に住んでいた麻布台のマンションに行った時に、偶然近くのコインランドリーで会った米国在住のインド人のITエンジニアは、グリーンカード所得までに10数年掛かったそうで(インドと中国本土からの移民申請には、永住権取得までにかなり時間が掛かるとのこと)、その時は10数年振りの海外旅行に念願だった日本にやって来たと言っていましたから。
その彼女が東京での仕事や友人との久し振りの面会を済ませてから、10日間程でしたが松本にも久し振りに帰省して来てくれました。
滞在中、久し振りの“母の味”は勿論ですが、その間“親子水入らず”(この場合のオヤコは“母娘”と書きます)で、美ヶ原温泉の我が家イチオシの料理旅館「金宇館」一泊して温泉と懐石コースを堪能したり(私メはコユキとクルミがいて宿泊出来ないので、今回は食事も断念)、他にも松本滞在中に外食を楽しんだり・・・。その間の彼女のリクエストは、お土産と叔父叔母への挨拶がてら「そば処 丸周」での十割蕎麦も含めて、勿論毎日和食オンリーでした。
その中の彼女のリクエストの一つが、最近の鰻の評判店という松本「うなぎ すっぽん 山勢」でした。
私が少なくとも知っている個人的な“極々狭い”ウナギの世界の中で云うと、例えば東麻布飯倉の「野田岩」や成田山参道の「川豊」、そして長野県内では諏訪の「小林」や松本の「まつ嘉」などといった老舗の鰻の名店に伍して、最近ネットのグルメサイトのジャンル毎の百名店に選出されるなどして富にその評判を高め、今では全国的にも鰻の人気店という評判を得ているのが、ここ松本の「うなぎ すっぽん 山勢」なのだそうです。
以前は松本駅からすぐの新伊勢町に店を構えていて、松本で開業してからまだ10年も経っていない筈ですが、そのグルメサイトの全国“うなぎ百名店”に選出されるなどして評判となり、2年程前に松本市大手の旧善光寺街道沿いの東町通りに面した元呉服店を改装して移転。
我が家でも、松本駅前に在った頃から娘たちの話題に挙がることはあったのですが、これまで一度も食べに行ったことが無く、今回長女のリクエストで初めて行ってみることになりました。
当初はランチに鰻重かと個人的には勝手に思っていたのですが、母娘曰く、「せっかく山勢に行くのならば・・・」と、“キヨミズの舞台”ではありませんが、鰻のコース(15000円+サービス料10%)にするとのこと。
そこで、平日の夕刻に(奥さまが)予約をして出掛けました。

松本は前日からの“上雪(カミユキ)”(注)がまだ道路の脇に残る中、上土のコインパーキングに車を停め、一筋東側の通りに歩いて向かいました。そこは旧善行寺街道の旧町名で“東町”という界隈で、和食とフレンチ「ヒカリヤ」の斜め対面にその店はありました。
「山勢」の新店舗は京町屋を彷彿させるような建物で、シンプルながら和モダンに改装された店内には、見事な欅の一枚板のカウンター5席と4名掛けの立派な無垢の樺材(カバザクラだそうです)で仕上げた特注のテーブル2卓という、シンプルながらもゆったりとした配置(H/Pからも写真を拝借しました)。
そして、大きなサッシからは中庭が望め、この日は昨日から今朝まで降り続いた今年初めての降雪で、窓越しの中庭は真っ白く一面雪に覆われていました。


この日の山勢の「うなぎコース」は、
・ボラの刺身
・たたき牛蒡の胡麻和え
・肝焼き
・白焼き
・うざく
・蒲焼
・御飯、鼈のスープ(味噌汁に代えてのサービス)、香の物



因みに「山勢」では、他のウナギの老舗が拘る様な備長炭での炭火ではなく、常に均一にムラ無く焼けることから、電気コンロを使用しているのだそうです。そのため炭の燻された香りが身に付かないので、味が“キレイ”に仕上がるのだとか。
また、鰻の白焼きも蒲焼も関東風に蒸さずに、ここ松本では珍しく関西風に地焼きするにだそうです。そのため、皮目はパリッしていて香ばしく、蒸していないので身は脂が溢れんばかりにとろっとする由。但し開くのは、関西風に腹ではなく関東風に背から。



蒲焼とご飯は別々に供されるので、お好みでご飯に載せて鰻丼風にしても食べられますし、ツヤツヤと粒が立ったご飯はお替わり自由とのこと。鰻丼や鰻重の様にタレをご飯にまぶすよりも、鰻そのものがかなり脂っこいので、却って白飯と食べた方がくど過ぎず良いかもしれません。
この日はサービスで、お好みで味噌汁を鼈のスープに代えていただきました。
コースに合わせてのこの日の飲み物は、家内はジャワティー、娘は店お薦めの赤ワイン、私メがビール中瓶と地元塩尻の美鈴々酒造の特別純米「みすず」を冷酒で。

それに、いくらコースとはいえ、一人2万円近く払うなら、松本だったら「まつ嘉」や「観光荘」で特上の鰻重を三回食べた方がイイかな・・・と、“庶民”の年金生活者にとっては「山勢」は少々贅沢過ぎるのでは・・・と思ってしまいました。
「山勢」のご主人は、料理人というよりむしろビジネスマンとして“やり手”の様で、中町に全くジャンルの異なる「と亀 」という、餅、おかき、おこわと中華ちまきの持ち帰りの店もオープンさせて話題になっていて、今回娘も寄りたがっていました。しかも、近々NYでも販売を開始するそうで、NYの店舗の場所を確認するなど、ご主人との話で盛り上がっていました。
因みに、娘は東京での外資系コンサル時代も含め、麻布台に住んでいた時にも、すぐ近くの飯倉「野田岩本店」で、会食やプライベートでもそれこそ老舗の有名店の鰻を何度も食べている筈ですが、終ってからの会話の中で、今回のコースの中で一番美味しかったのは・・・?という問いに、娘も私も選んだのが「たたき牛蒡」だったのにはお互い笑ってしまいました。
【注記】
日本海側の影響を受ける大町・白馬や飯山・野沢温泉と云った北信地方と異なり、同じ長野県でも太平洋岸の気候の影響を受ける中南信の松本諏訪地方は、冬型の季節配置が崩れて関東地方に低気圧が発達する春先になる頃に降る「上雪(かみゆき)」と呼ぶ降雪が本来。従って、上雪が降れば、“春の遅い信州”にも春がそこまで近づいている証拠。
信州版“餃子の王将”とでも云える、上諏訪発祥の「テンホウ」。
元々は「天宝 鶴の湯」という上諏訪温泉に在った小さな温泉旅館だったそうですが、大手の温泉旅館には太刀打ち出来ないことから、昭和31年に諏訪市末広で始めた飲食店「餃子菜館」がそのルーツとか。
創業年の昭和31年(1956年)は私たち夫婦二人共が生まれた年でもあるのですが、上諏訪出身の奥さまは子供の頃、その「餃子菜館」時代にも食べに行った記憶があるとか。
創業当時は餃子とチャーメン(炒めた麺)、タンメン(湯麺)などが主な商品で、昭和48年に社名を旅館の名前にあった「天宝」から取って「テンホウ」としたのだそうです(因みに、テンホウのマスコットキャラクターも旅館の名称からでしょう、鶴がデザインされています)。
その上諏訪発祥のテンホウは、今や諏訪・松本エリア中心に長野県下に33店舗を構え、県外に出たことがない地元の人の中には、テンホウを「王将」同様に全国チェーンと思っている人も多いとか・・・。
そんな地元民に愛されている、創業時からの八角を効かせた独特な餃子がイチオシのテンホウですが、では中華料理店かというと、中華丼はあっても(かたやきそばの餡を麺の代わりにご飯に掛けるだけなので)レバニラとか回鍋肉といった代表的な町中華のメニューは何故か皆無。なのに、駒ヶ根風のソースカツ丼があるという不可思議・・・。
ただ「餃子とラーメンの」とキャッチがついているので、独自メニューも含めて麺類はかなり豊富です。
前回(第1962話)は特製にんにくラーメン(760円)をご紹介したのですが、テンホウには他にも色々な麺類があります。その中で、私がこれまで食べたことがあるのは、醤油ラーメン、チャーメン、テンホウメン、おすすめ中華そば、濃厚中華そばとかたやきそば(皿うどん)です。

このチャーメン。漢字で書けば炒麺なのでしょうが、要するに塩焼きそばで、麺よりもむしろ野菜が野菜炒め並みにたくさん入っているので、それが多分に女性受けするのでしょう。シンプルですが野菜がシャキシャキしていて美味しい。途中で豆板醤や酢で味変させるのもおススメだそうですので、試してみました。


残念ながらリンガーハットが松本から全て撤退し、松本で長崎ちゃんぽんが食べられなくなってしまったので、初めて「テンホウメン」を頼んでみたのですが、確かに“風”であって、自分が知る長崎チャンポンではありませんでした。リンガーハットのチャンポンは、昔長崎に出張した時に「眼鏡橋」の近くの店で食べた様な、本場の長崎チャンポン独特のスープのコクを思い出させてくれるのですが、テンホウメンはスープの色は“らしく”ても味はあっさりし過ぎていてそれがありませんでした。


更にこれに豚骨系のコクを加えたのが「濃厚中華そば」(930円)。同じく厚切りチャーシューと味玉がトッピングされています。
因みに、テンホウのチャーシューは一本丸ごと各店舗でテイクアウト用に別売りされてもいますので、きっと自信作なのでしょう。


括弧して「皿うどん」と表示している通り、揚げた麺に餡が掛けられていて、これは上田や長野の町中華でポピュラーな餡掛けの固焼きそばと比べると、確かに長崎の皿うどんといっても決して過言ではありません。しかも、ウスターソースも(もしテーブルに置かれていなければ)ちゃんと一緒に運んで来てくれます。ただリンガーハットの皿うどんはパリパリに揚げられた細麺でしたが、テンホウのそれは中太麺が使われています。
ただ惜しむらくは、餡に使う水溶き片栗粉の量が店によって、また日によってマチマチで、トロミの濃さが食べる度に異なるのと、またその濃さには関係なく、水溶き片栗粉のトロミが食べ終わるまで持たずに、最後必ず水っぽくなってしまうのが“玉に瑕”・・・でしょうか。


でも、テンホウはラーメン専門店ではありませんが、前回の“ハルピン風”と個人的に勝手に思っている特製にんにくラーメンの他にも中華そばも結構イケますし、それ以外の麺類でも、逆に他のラーメン専門店では食べられない塩焼きそばのチャーメンや長崎風皿うどんも食べることも出来ますので、スパイスの効いた独特の餃子と併せて個人的には結構重宝しています。
あとはレバニラだけでも良いので、是非中華のメニューをもう少し増やして頂けると完璧なのですが・・・。
先述の通り、昨秋の二倍強というジュピターコーヒーの大幅値上げに伴い、我が家のコーヒー豆をこれまで定期的に購入していた同店のモカブレンドから、他の店の豆に変更することにしました。
スーパーマーケットには自分の好みに合う豆が無かったので、そこで先ずは地元の三澤珈琲で自身の嗜好に合う豆を探してみることにしました。

三澤珈琲が自らブレンドし自家焙煎した10種類近いブレンドコーヒーの中には残念ながらモカブレンドはありませんが、そのオリジナルブレンドや三澤珈琲が自ら生産地に足を運び選んで焙煎したスペシャルティや特定の農園から個別に契約して仕入れているシングルオリジンなど全部で30数種類の豆の中で、色々試してみて自分に一番合う豆を探してみることにしました。
三澤珈琲のオリジナルブレンドには、マイルド、レトロ、ビターなど10種類近くありますが、例えば生産地の種類別や特定農園のシングルオリジンまで、豆毎に常時30種類以上を取り扱っていて、その中で、例えばマイルドコーヒーの代表格であるコロンビアは100gで400円(以下全て100gの税込価格)、酸味の強い品種であるキリマンジャロが480円、エチオピア・モカは680円でした。因みに三澤珈琲は既に昨年7月に価格改定をしており、上記は改定後の値段です。
H/Pでチェックしてみると、コーヒーの味のバランス評価で、「苦み-酸味-コク」の5 or 4段階評価だと思われますが、個人的嗜好である酸味の強さから順に選ぶと、
・ エチオピア・チェルベサ(モカ) ・・・・1‐4‐2
・ キリマンジャロ ・・・・2‐4‐3
・ コロンビア ・・・・2‐3‐2
・ パナマ(バホモノ農園) ・・・・2‐3‐3
・ ホンジュラス(ミゲル・エンジェル農園)・・・・2‐3‐3
・ グアテマラ ・・・・3‐2‐3
・ マイルドブレンド ・・・・2‐3‐3
・ 浅煎りブレンド ・・・・1‐2‐1

因みに、店舗で酸味の強いブレンドを伺うと、浅煎りブレンド(同530円)とのこと。仮に同じ豆であっても、確かにエスプレッソに代表される焙煎時間の長い深煎りは苦みが強くなり、逆に焙煎時間の短い浅煎りは酸味が強くなるのですが、その反面コクが無くあっさりしているので、一般的には浅煎りはモーニングコーヒー向きと云われます。しかしそうした焙煎度合いの違いだけでなく、豆の種類や品質(生産地や農園の栽培方法の違いなど)に依って、良い酸味のコーヒーはベリーやオレンジなどの果実にも例えられる様なフルーティーな感じがすると云われています。

シングルの豆の中では、シングルオリジンのパナマ・バホモノ農園は販売終了で買えませんでしたが、同じシングルオリジンのホンジュラスのミゲル・エンジェル農園含め、上記のシングルの豆も全て購入して試してみました。
ただ、以前のジュピターコーヒーのモカブレンドの時は焙煎度合いが深かったのか、手動でのコーヒーミルを割と粗挽き気味に設定していたのですが、どうやら三澤コーヒーの豆は深煎りではなく中煎りから浅煎りに近い様な軽めの焙煎が多いのか、粗挽きでは軽めが好きな家内が「もう少し濃い目にして」と言うくらいにアッサリし過ぎていたので、色んな豆を試している途中で、少し細かくして中挽きくらいで(使っている手動ミルには目盛がありませんので、何度か試して)挽く様に変更しました。従って、飲んだ感覚(印象)は粗挽き気味のモノと、変更後の中挽き気味のモノと“ごちゃ混ぜ”になっています。
コーヒー好きの方はお分かりだと思いますが、細挽きにするとコクは増しますが併せて苦みも強まってしまい、個人的にはそれが好みではないので結果中挽きにしています。
因みに、昔会社勤めをしていた頃は朝忙しいこともあって電動ミルを使っていた時期もあったのですが、リタイアして“十二分”に時間のある今は、むしろじっくりゆっくりと挽く手動の方が何となく気分も落ち着きますし、何よりも、如何にも「これからコーヒーを淹れるゾ!」という気になれるので、カリタの手動ミルで“豆を挽く時間”も楽しんでいます。
勿論、手動の場合、電動ミルに比べて伝わる力が均一ではないので、どうしてもムラが発生しますが、喫茶店の様に淹れたコーヒーを商売にするならともかく、個人で楽しむ場合は気にする必要はありません。
(そこまで拘るなら、ハンドドリップで淹れたらと思われるかもしれませんが、一杯分なら良いのですが、家内の分も含め何杯分も一度にドリップしたいので、ずっとメリタのドリップ式コーヒーマシンを何台か続けて愛用しています)

また、同じく酸味が強い豆のキリマンジャロは「力強さとキレのある酸」とのことですが、個人的にはもう少しコクが欲しい気がしました。
コロンビアは確かにマイルドでバランスが良く、そういえば昔結婚して赴任するまでは、松本市内のコーヒー専門店である「斎藤コーヒー」でコロンビアばかりを買っていました。
グアテマラは、以前長女が麻布台に住んでいた時に連れて行ってくれた六本木の「VERVE COFFEE ROASTERS 」で飲んだ中にシングルオリジンのグアテマラがあって、それが酸味もあって美味しかった“舌の記憶”があったのですが、買った豆は残念ながら違っていました。
三澤コーヒーの幾つかあるオリジナルのブレンドの中では、薦められた先述の浅煎りブレンドよりも、むしろマイルドブレンドの方が酸味を感じられ、コロンビア同様にその名の通りマイルドでコクもあって全体のバランスが良い様に感じました。

この豆は標高1500mの高地にあるミゲル・エンジェル氏の農園で栽培されている豆で、2023年に三澤珈琲のメンバーがグアテマラに視察に行った際に、ホンジュラスのその農園も視察する機会があり、「ミゲルファミリーのコーヒー生産に取り組む姿勢やポテンシャルの高さに感銘を受けて、三澤珈琲として入荷することを決めた」のだそうです。
この豆の持つ「リンゴを思わせる、ジューシーで上品な酸味が特徴」という表現も納得出来る味でした。問題は常時入荷していない様で、何度目かで漸く出会ったのと、100gで600円という価格でしょうか。
「うーん、ちょっと高いなぁ。しかも、常時販売されていないしなぁ・・・。」
会社勤めだった昔ならいざ知らず、年金生活者となった今は毎日数杯飲むには少々贅沢かもしれません。
そのため、ホンジュラス(ミゲル・エンジェル農園)は、次女の婿殿から頂くゲイシャコーヒーと共に、自分にとっての特別な時用の、文字通り“スペシャルティ”コーヒーとして楽しむことにして、デイリーユースの豆は別に探してみることにしました。
因みにコロンビアとマイルドブレンドはどちらも400円、キリマンジャロが480円。モカのエチオピア・チェルベサは680円です。
因みにホンジュラスは別格として、三澤珈琲の中からコスパと好みから選ぶとすれば、やはりマイルドでありながら酸味も多少感じられてバランスの良かったコロンビアでしょうか。100gが税込みで400円という価格は出色です。

以前は松本駅前にも販売専門の支店があって、通勤用に駅近に月決めの駐車場を借りていたので、車を停めて歩いて買いに行っていました。しかしその店が無くなり、以前は大名町通りに面していて一階が駐車場で2階が喫茶店だった本店は、今は市営の大手駐車場の一階部分に移転して、喫茶店と豆の販売コーナーを併設しています。道路を挟んで店の対面には、2年前に松本城公園から移転開館した「松本市立博物館」があります。
斎藤コーヒーでは200gずつ真空パックにしてくれるので、当時はコロンビアばかりを豆で1㎏まとめて購入して冷凍保存していました。
今回は斎藤コーヒーの各種ブレンドも含めて20種類程ある豆の中から、モカブレンドと懐かしいコロンビア(スプレモ)も購入することにしました。因みにスプレモとは、コロンビアの基準をクリアした最上級の豆に使われるスペイン語の名称で、英語で言えば supreme です。

ただ、昔もそうでしたが、斎藤コーヒーでは常に(例え200gしか買わなくても)真空パックにしてくれるのは消費者としてはとても有難い。焙煎された豆は、挽いた粉程では無くても、やはり酸素に触れることで常時酸化していくからです。しかも、更に有難いことに、斎藤コーヒーの200gはサービスしてくれているのか良心的で、他の店の200gよりも15g程多いのです。
さて、斎藤コーヒーのモカブレンドは、モカシダモ40%、ブラジル30%、コロンビア30%という配合比率で、モカは渋味が出ない様に生豆を水で洗浄してから使用しているとのこと。焙煎も割と中煎りよりも少し深めな感じがしました。というのも、電動ではなく手動でミルで挽くと、浅煎りの豆は抵抗を感じないくらい柔らかく、逆に深煎りの豆だと力を入れないと挽けないくらいの抵抗を手に感じます。それだけ焙煎度合いの違いで、深煎りでは豆自体も水分が抜けて固くなるということなのでしょう。
味はマイルドでコクもありながら、モカらしい酸味もそれなりに感じます。ブレンドに用いたコロンビアも効いている様です。また焙煎度合いを深めにしているのも同じ配合でも味に深みを与えてくれるのでしょう。
続いて、昔これ一辺倒で購入していた、斎藤コーヒーのコロンビアを30年振りくらいに試してみました。こちらも割と中煎りから深煎りに近い感じがします。コロンビアらしいマイルドさもありながら、深いコクと酸味もモカ程ではないにしても予想以上に感じられました。ただ、先述の様に焙煎度合いが深煎りに近いせいか、当初は今までと同じ豆の量で挽いてドリップをしていたのですが、豆を挽いた段階で奥さまから「何だか焦げ臭くない!?」という指摘があり、淹れたコーヒーも「ちょっと濃過ぎる」とのこと。特にコロンビアスプレモはそう感じた様でした。従って、斎藤コーヒーは一杯分の豆の量を少し減らした方が良いかもしれません。

暫くは、三澤珈琲のコロンビアを我が家のデイリーユースの豆にすることにしました。ただ焙煎が少し軽めに感じるので、個人役な好みで少し豆の量は多めに挽くことにしました。
斎藤コーヒーのコロンビアスプレモもモカブレンドも個人的には好みで美味しかったのですが、残念ながらここで値上げしてしまいましたので、やはり三澤珈琲のコロンビアの100g 400円という価格は年金生活者の我が家にとっては魅力的です。そして、たまの“スペシャルティ”には婿殿から頂くパナマのゲイシャコーヒーと共に、三澤珈琲のシングルオリジンであるホンジュラスのミゲル・エンジェル農園(600円)を飲むことにしました。
なお、時には気分転換で酸味の強いモカも飲みたいので、家内が次女の所に行って不在の時が良いかもしれません。その際には、全体の焙煎度合いも割と中煎りよりも少し深めな感じで、味が濃い目で家内には不向きでしたが、斎藤コーヒーのモカシダモ40%、ブラジル30%、コロンビア30%の配合比率というモカブレンドが酸味も感じられて、私メの嗜好には合う気がしました。特にモカシダモ(注記)は渋味が出ない様に生豆を水で洗浄してから焙煎しているとのことでしたが、ブレンドの味も酸味だけでなく全体のバランスも良く感じられました。一方、三澤珈琲のモカ(エチオピア・チェルベサ)は、「比較的軽めに煎り上げている」というせいか想像していた程には酸味が感じられませんでしたし、値段も値上げ後の斎藤コーヒーのモカブレンド550円に対し、モカ(エチオピア・チェルベサ)は680円でしたので除外。
ということで、地球温暖化の影響による世界的なコーヒー豆不作に伴い、昨年秋以降の大幅な値上げを受けて、我が家も巻き込まれた“珈琲豆狂騒曲”でしたが、漸く何とか自分の中では決着することが出来ました。
(ヤレヤレ・・・)
【注記】
コーヒー豆のモカとはコーヒー豆の収穫産地を指す銘柄で、イエメンのモカ港から出荷されたコーヒー豆のことを云い、モカという名前は、この港の名称に由来。
このモカ港は嘗てコーヒーの積出港として栄え、コーヒー発祥の地であるエチオピア産のコーヒー豆もイエメンのモカ港から輸出されていた。そのため、モカにはイエメン産とエチオピア産の2種類がある。
モカは世界で最も古いコーヒー豆のブランドといわれていて、果実のような酸味や甘味、コクのある味わいが特徴。
現在、モカは生産地域毎に種類が区別されていて、イエメン産は「モカマタリ」という銘柄が有名で、エチオピア産には「モカシダモ」、「モカハラー」、「モカアビシニア」、「モカイルガチェフェ」などの銘柄があり、モカシダモはエチオピアの標高約2000m以上の高地のシダモ地区で多く栽培される豆で、 熟成した赤ワインのようなコクと上品さは「コーヒーの貴婦人」とも呼ばれ、 爽やかな酸味と華やかなフレーバーが特徴・・・とのこと。
【追記】
三澤珈琲は、この2月21日付けで概ね50円程値上げされました。
コロンビアが100g税込みで、400円⇒450円、ホンジュラス(ミゲル・エンジェル農園)は600円⇒650円でした。
一昨年の夏、本ブログの第1833話でご紹介した通り、
『我が家のコーヒー。ずっとUCCのモカブレンドを粉で買っていたのですが、このところの値上げラッシュの中でのコーヒー豆の値上げ後、UCCのラインナップが変わりモカブレンドが無くなってしまいました(豆の配合が変わった≒モカの割合を減らしたためか、値上げした上で“リッチ・ブレンド”とかに変更・・・)。
そこで、少なくともこれ迄10年以上は購入してきた筈の(ポイントも軽く1000点を越えていたのですが、その点数では特に欲しいモノも無く)UCCを止む無く諦め、松本にも全国チェーンのジュピターコーヒーが松本駅の駅ビル内に店舗があるので、それ以降定期的にジュピターのモカブレンド(勿論UCCよりもかなり高くなりますが)を豆で買って、自分でカリタの手動のミルで挽いて、ドリップ式のメリタのコーヒーメーカーで淹れて毎日飲んでいます。』
学生時代の昔から変わらない、ちょっと濃い目で酸味が効いたコーヒーが私好みの味。ただ苦いだけの(としか私には思えぬ)シアトル系コーヒーとは一線を画します。
恐らく30年近く前だったと思いますが、昔LAに出張した時に、「最近地元で話題なんですよ!」と言って後輩の赴任者がランチの後に連れて行ってくれたのが、当時LAに進出して来たばかりという「STAR BUCKS」でした。その後日本にも進出し、コーヒーのセカンドウェーブと云われる深煎りのこのシアトル系コーヒーが、地方の県知事が地元への進出を要望する程のブームとなって、あっという間に日本中を席巻してしまいました。
するとその後、今度は日本独特の「純喫茶」をモデルにしたというブルーボトルコーヒーに代表されるサードウェーブと云われるコーヒーが或る意味日本に“里帰り”してきました。これは、謂わばコーヒーの“原点回帰”とでも言えます。
そのサードウェーブのスペシャルティコーヒーやシングルオリジンまでいかずとも、個人的には我が家でのドリップコーヒーはモカブレンドで十分でした。
というのも、これまた以前にご紹介した通り、コーヒー用の水に「平成の名水百選」に選ばれている「松本城下町湧水群」の一つで、個人的には一番美味しいと感じる「源智の井戸」の水を隔週で汲んで来てドリップ専用に使わせてもらっていますので、その水の良さも手伝ってこのモカブレンドで十分満足していました。
また一方で、昨年渡米した長女もコーヒー好きで、我々が上京すると連れて行ってくれた飯倉片町の外苑東通りに面した「VERVE COFFEE ROASTERS (ヴァーヴ・コーヒー・ロースターズ六本木)」でシングルオリジンのコーヒーをご馳走してくれたり、また松本に帰省して来た時には丸山コーヒーや市内にも何軒かある拘りの自家焙煎のコーヒーショップでスペシャルティコーヒーを買ったりしていました。
そして、次女の婿殿もお酒はあまり飲まない代わりにこれまたコーヒーが好きで、家内が次女の育児支援で孫たちの世話に毎月行く時のお礼にと、自身も飲んでいる勤務先の病院近くの自家焙煎のコーヒーショップのシングルオリジンのパナマ産「ゲイシャコーヒー」を、いつもお礼に豆で持たせてくれています。
因みに、このコーヒー豆で云うところの「シングルオリジン」とは、
『「コーヒーを農場単位で考える」ことで、シングルオリジンコーヒーという言葉の意味は、生産国という大きなカテゴリーではなく、農場や生産者、品種や精製方法などの単位で一銘柄としたコーヒーのことを指します。 ちょうどワインと同じように考えていただければ分かり易い。』とのこと。
そして、スペシャルティコーヒーは「生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされている」ことがその条件とされるなど、コーヒー豆におけるトレーサビリティやサステナビリティの概念がその背景にあります。
こうした長女や婿殿のお陰で、我々も時々はこうしたシングルオリジンやスペシャルティコーヒーの美味しさも知る様になりましたが、年金生活者の身では毎日ゲイシャコーヒーを楽しむという訳にもいきません。
・・・というのが、我が家のこれまでの“珈琲事情”だったのですが、ここで“異変”起こりました。それは、昨年6月の日経新聞でも報道されていたのですが、
『コーヒー各社が相次いで家庭用製品の値上げに動いている。味の素AGFは9月に合計116品目で最大30%価格を引き上げ、ネスレ日本は一部の商品について内容量を増やしながら値上げする。背景には気候変動による世界的なコーヒー豆の不作がある。
キーコーヒーは8月、家庭用コーヒー製品を約2年ぶりに値上げする。店頭価格は20〜30%上昇する見込みで、全国に45店舗あるキーコーヒーの直営店での価格も順次引き上げる。
価格高騰の背景にあるのは世界的なコーヒー豆の不作だ。インスタントコーヒーなどに使われるロブスタ種は、最大生産国であるベトナムで高温や干ばつなどに見舞われた。国際価格指標であるロンドン先物(中心限月)は6日、1トン4400ドル近辺まで上昇し、過去最高値を更新した。19年末比で3倍ほどに急騰している。』
こうした状況下に、更に円安と人件費や資材価格の高騰も加わってでしょうか、我が家で購入しているジュピターコーヒーも昨年秋の9月末に遂に一斉に値上げ。これまで買っていたモカブレンドが、200gで670円から1370円(税込1452円)へと、ナント倍以上に値上げされてしまいました。
ジュピターコーヒーでは四半期に一度くらいの頻度で30%OFFでの期間限定販売がされていて、この時期にはモカブレンドだと200gが470円!で購入出来たので、年金生活者としては大変有難く、その時に纏めて1㎏購入させてもらっていました(ジュピターではちゃんと酸化防止で真空パックしてくれます)。
それがいくら円安と不作の影響でコーヒー各社値上げとはいえ、またその状況の厳しさを十分理解出来たとしても、いくら何でもまさか一挙に2倍以上とは・・・。唖然として、何かの間違いかと値札を二度見して確認したほどです。しかも「イヤイヤ、どう考えても2倍は無いだろう!?」と、後日念のため再確認したのですが、残念ながら見間違いではありませんでした。
従って、値上げ後は仮に30%OFFで購入出来ても、モカブレンド200gが1000円を超え、一般販売期間では200gが1500円にもなります。これでは、例え30%OFFの割引期間ですら100gが500円前後で販売されている他のメーカーと同じで、通常価格ではむしろ他社よりも高くなってしまうどころか、下手をするとブレンドではなくモカ100%の豆が買えそうです。ジュピターコーヒーの他の輸入食品は知りませんが、これでは少なくともコーヒーを購入する意味が全く無くなってしまいました。

ツルヤには他にも京都発祥の老舗である小川珈琲の有機栽培の豆が最近販売されているのですが、マイルド、リッチといったブレンドだけで、その中には残念ながらモカはありませんでした。
そこでスーパーマーケットでの豆購入は諦めて、今度はマンションからも近い征矢野に塩尻が本社の「三澤珈琲」の松本店があるので、時々家内が夜コーヒーを飲みたくなった時のためにデカフェコーヒー(カフェインレスコーヒー)を買いに行っているのですが、この三澤珈琲も軽井沢の丸山珈琲同様に、世界中から厳選したコーヒー豆を自家焙煎して業務用中心に家庭用でも小売りしているコーヒー専門店です。今度は、三澤珈琲で色々試して好みの豆を異探してみることにしました。
地球温暖化に伴う世界的なコーヒー豆の不作の影響で、どうやら“コーヒー豆狂騒曲”が暫く続きそうです。