カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 信州版“餃子の王将”とでも云える、上諏訪発祥の「テンホウ」。
元々は「天宝 鶴の湯」という上諏訪温泉に在った小さな温泉旅館だったそうですが、大手の温泉旅館には太刀打ち出来ないことから、昭和31年に諏訪市末広で始めた飲食店「餃子菜館」がそのルーツとか。
創業年の昭和31年(1956年)は私たち夫婦二人共が生まれた年でもあるのですが、上諏訪出身の奥さまは子供の頃、その「餃子菜館」時代にも食べに行った記憶があるとか。
創業当時は餃子とチャーメン(炒めた麺)、タンメン(湯麺)などが主な商品で、昭和48年に社名を旅館の名前にあった「天宝」から取って「テンホウ」としたのだそうです(因みに、テンホウのマスコットキャラクターも旅館の名称からでしょう、鶴がデザインされています)。

 その上諏訪発祥のテンホウは、今や諏訪・松本エリア中心に長野県下に33店舗を構え、県外に出たことがない地元の人の中には、テンホウを「王将」同様に全国チェーンと思っている人も多いとか・・・。
そんな地元民に愛されている、創業時からの八角を効かせた独特な餃子がイチオシのテンホウですが、では中華料理店かというと、中華丼はあっても(かたやきそばの餡を麺の代わりにご飯に掛けるだけなので)レバニラとか回鍋肉といった代表的な町中華のメニューは何故か皆無。なのに、駒ヶ根風のソースカツ丼があるという不可思議・・・。
ただ「餃子とラーメンの」とキャッチがついているので、独自メニューも含めて麺類はかなり豊富です。
前回(第1962話)は特製にんにくラーメン(760円)をご紹介したのですが、テンホウには他にも色々な麺類があります。その中で、私がこれまで食べたことがあるのは、醤油ラーメン、チャーメン、テンホウメン、おすすめ中華そば、濃厚中華そばとかたやきそば(皿うどん)です。

 先ずは、創業時からのメニューという「チャーメン」(740円)は、諏訪人にとってはソウルフードの様で、オリラジの藤森慎吾さんも「秘密のケンミンショー」だったかで激賞していましたが、それは奥さまも同様で、テンホウに行くと昔から必ずと言って良い程チャーメンをオーダーしています(他にはご飯を小盛でお願いしての、定食という名の「定食」でしょうか)。
このチャーメン。漢字で書けば炒麺なのでしょうが、要するに塩焼きそばで、麺よりもむしろ野菜が野菜炒め並みにたくさん入っているので、それが多分に女性受けするのでしょう。シンプルですが野菜がシャキシャキしていて美味しい。途中で豆板醤や酢で味変させるのもおススメだそうですので、試してみました。
続いての社名を冠した「テンホウメン」(800円)は、“長崎チャンポン風”と謳っているのがイイ。というのも飽くまで“チャンポン風”であって、チャンポンでは無いからです。ですので、これを長崎ちゃんぽんだと思ってオーダーすると些かガッカリします。でも最初から“風”と言っているから納得出来る(或る意味許せる)んです。
残念ながらリンガーハットが松本から全て撤退し、松本で長崎ちゃんぽんが食べられなくなってしまったので、初めて「テンホウメン」を頼んでみたのですが、確かに“風”であって、自分が知る長崎チャンポンではありませんでした。リンガーハットのチャンポンは、昔長崎に出張した時に「眼鏡橋」の近くの店で食べた様な、本場の長崎チャンポン独特のスープのコクを思い出させてくれるのですが、テンホウメンはスープの色は“らしく”ても味はあっさりし過ぎていてそれがありませんでした。
 醤油ベースのラーメン類では、先ずは「醤油ラーメン」(520円)。こちらは極々普通のラーメンで、あっさりしたガラスープの醤油味。個人的には、味噌も含めラーメンにコーンは不要だと思っているのであまり好みではありませんが、500円ちょっとという値段は評価されて良いと思います。
個人的嗜好である醤油系ラーメンの中では、テンホウのスープ麺で「特製にんにくラーメン」以外で気に入っているのが「おすすめ中華そば」(820円)。昔ながらの鶏がら主体の澄んだ醤油スープで、テンホウでは一般的な白コショウではなく粗挽きのブラックペッパーがテーブルに常備されているのですが、それが良く合います。また厚切りのチャーシューが二枚トッピングされていて、これがホロホロと柔らかで美味。
更にこれに豚骨系のコクを加えたのが「濃厚中華そば」(930円)。同じく厚切りチャーシューと味玉がトッピングされています。
因みに、テンホウのチャーシューは一本丸ごと各店舗でテイクアウト用に別売りされてもいますので、きっと自信作なのでしょう。
 さて、昼テンホウに行くとラーメン等を食べるのですが、夕食に頼めるメニューはレバニラとか中華のメニューがテンホウには無いので、止む無くほぼ一択で頼んでいるのが「かたやきそば」(800円)です。
括弧して「皿うどん」と表示している通り、揚げた麺に餡が掛けられていて、これは上田や長野の町中華でポピュラーな餡掛けの固焼きそばと比べると、確かに長崎の皿うどんといっても決して過言ではありません。しかも、ウスターソースも(もしテーブルに置かれていなければ)ちゃんと一緒に運んで来てくれます。ただリンガーハットの皿うどんはパリパリに揚げられた細麺でしたが、テンホウのそれは中太麺が使われています。
ただ惜しむらくは、餡に使う水溶き片栗粉の量が店によって、また日によってマチマチで、トロミの濃さが食べる度に異なるのと、またその濃さには関係なく、水溶き片栗粉のトロミが食べ終わるまで持たずに、最後必ず水っぽくなってしまうのが“玉に瑕”・・・でしょうか。
 麺類のメニューの中で、テンホウの押しの一つであるタンタンメンは個人的に好みでは無いので食べたことはありません。またテンホウに限らず、味噌系もどちらかというと私メの嗜好からは外れます。
でも、テンホウはラーメン専門店ではありませんが、前回の“ハルピン風”と個人的に勝手に思っている特製にんにくラーメンの他にも中華そばも結構イケますし、それ以外の麺類でも、逆に他のラーメン専門店では食べられない塩焼きそばのチャーメンや長崎風皿うどんも食べることも出来ますので、スパイスの効いた独特の餃子と併せて個人的には結構重宝しています。
あとはレバニラだけでも良いので、是非中華のメニューをもう少し増やして頂けると完璧なのですが・・・。

 先述の通り、昨秋の二倍強というジュピターコーヒーの大幅値上げに伴い、我が家のコーヒー豆をこれまで定期的に購入していた同店のモカブレンドから、他の店の豆に変更することにしました。
スーパーマーケットには自分の好みに合う豆が無かったので、そこで先ずは地元の三澤珈琲で自身の嗜好に合う豆を探してみることにしました。

 三澤珈琲も軽井沢発祥の丸山珈琲同様に、自分たちで生産地に飛んで豆を探し自ら焙煎して販売しているコーヒー専門業者で、長野県塩尻市に本拠を置き、カフェを併設している松本店がマンションから車で数分の所に在ります。
三澤珈琲が自らブレンドし自家焙煎した10種類近いブレンドコーヒーの中には残念ながらモカブレンドはありませんが、そのオリジナルブレンドや三澤珈琲が自ら生産地に足を運び選んで焙煎したスペシャルティや特定の農園から個別に契約して仕入れているシングルオリジンなど全部で30数種類の豆の中で、色々試してみて自分に一番合う豆を探してみることにしました。

 三澤珈琲のオリジナルブレンドには、マイルド、レトロ、ビターなど10種類近くありますが、例えば生産地の種類別や特定農園のシングルオリジンまで、豆毎に常時30種類以上を取り扱っていて、その中で、例えばマイルドコーヒーの代表格であるコロンビアは100gで400円(以下全て100gの税込価格)、酸味の強い品種であるキリマンジャロが480円、エチオピア・モカは680円でした。因みに三澤珈琲は既に昨年7月に価格改定をしており、上記は改定後の値段です。
H/Pでチェックしてみると、コーヒーの味のバランス評価で、「苦み-酸味-コク」の5 or 4段階評価だと思われますが、個人的嗜好である酸味の強さから順に選ぶと、

・ エチオピア・チェルベサ(モカ)     ・・・・1‐4‐2 
・ キリマンジャロ               ・・・・2‐4‐3
・ コロンビア                   ・・・・2‐3‐2
・ パナマ(バホモノ農園)           ・・・・2‐3‐3
・ ホンジュラス(ミゲル・エンジェル農園)・・・・2‐3‐3
・ グアテマラ                  ・・・・3‐2‐3
・ マイルドブレンド              ・・・・2‐3‐3
・ 浅煎りブレンド               ・・・・1‐2‐1
 先ずは安い方からで、モカ同様に酸味が強いキリマンジャロ(100g 480円)とマイルドコーヒーの代表格コロンビア(同400円)を試飲のために100gずつ買ってみました。そして、それが終わってから他の豆も順番に買ってみました。
因みに、店舗で酸味の強いブレンドを伺うと、浅煎りブレンド(同530円)とのこと。仮に同じ豆であっても、確かにエスプレッソに代表される焙煎時間の長い深煎りは苦みが強くなり、逆に焙煎時間の短い浅煎りは酸味が強くなるのですが、その反面コクが無くあっさりしているので、一般的には浅煎りはモーニングコーヒー向きと云われます。しかしそうした焙煎度合いの違いだけでなく、豆の種類や品質(生産地や農園の栽培方法の違いなど)に依って、良い酸味のコーヒーはベリーやオレンジなどの果実にも例えられる様なフルーティーな感じがすると云われています。
店独自のブレンドの中で、マイルドブレンドはコロンビアとブラジルという或る意味ブレンドコーヒーとしての定番で、「ほど良い酸味とコク」と謳われています。
シングルの豆の中では、シングルオリジンのパナマ・バホモノ農園は販売終了で買えませんでしたが、同じシングルオリジンのホンジュラスのミゲル・エンジェル農園含め、上記のシングルの豆も全て購入して試してみました。
ただ、以前のジュピターコーヒーのモカブレンドの時は焙煎度合いが深かったのか、手動でのコーヒーミルを割と粗挽き気味に設定していたのですが、どうやら三澤コーヒーの豆は深煎りではなく中煎りから浅煎りに近い様な軽めの焙煎が多いのか、粗挽きでは軽めが好きな家内が「もう少し濃い目にして」と言うくらいにアッサリし過ぎていたので、色んな豆を試している途中で、少し細かくして中挽きくらいで(使っている手動ミルには目盛がありませんので、何度か試して)挽く様に変更しました。従って、飲んだ感覚(印象)は粗挽き気味のモノと、変更後の中挽き気味のモノと“ごちゃ混ぜ”になっています。
コーヒー好きの方はお分かりだと思いますが、細挽きにするとコクは増しますが併せて苦みも強まってしまい、個人的にはそれが好みではないので結果中挽きにしています。
因みに、昔会社勤めをしていた頃は朝忙しいこともあって電動ミルを使っていた時期もあったのですが、リタイアして“十二分”に時間のある今は、むしろじっくりゆっくりと挽く手動の方が何となく気分も落ち着きますし、何よりも、如何にも「これからコーヒーを淹れるゾ!」という気になれるので、カリタの手動ミルで“豆を挽く時間”も楽しんでいます。
勿論、手動の場合、電動ミルに比べて伝わる力が均一ではないので、どうしてもムラが発生しますが、喫茶店の様に淹れたコーヒーを商売にするならともかく、個人で楽しむ場合は気にする必要はありません。
(そこまで拘るなら、ハンドドリップで淹れたらと思われるかもしれませんが、一杯分なら良いのですが、家内の分も含め何杯分も一度にドリップしたいので、ずっとメリタのドリップ式コーヒーマシンを何台か続けて愛用しています)
 さて、その結果上記に挙げた豆を飲んでみて感じたのは、一番酸味が強い筈のエチオピア・チェルベサ(モカ)は想像していた程には酸味が感じられませんでした。それは、三澤コーヒーがこの豆を「比較的軽めに煎り上げている」せいかもしれません。
また、同じく酸味が強い豆のキリマンジャロは「力強さとキレのある酸」とのことですが、個人的にはもう少しコクが欲しい気がしました。
コロンビアは確かにマイルドでバランスが良く、そういえば昔結婚して赴任するまでは、松本市内のコーヒー専門店である「斎藤コーヒー」でコロンビアばかりを買っていました。
グアテマラは、以前長女が麻布台に住んでいた時に連れて行ってくれた六本木の「VERVE COFFEE ROASTERS 」で飲んだ中にシングルオリジンのグアテマラがあって、それが酸味もあって美味しかった“舌の記憶”があったのですが、買った豆は残念ながら違っていました。
三澤コーヒーの幾つかあるオリジナルのブレンドの中では、薦められた先述の浅煎りブレンドよりも、むしろマイルドブレンドの方が酸味を感じられ、コロンビア同様にその名の通りマイルドでコクもあって全体のバランスが良い様に感じました。
 こうして色々試した三澤珈琲の豆の中で、一番酸味が効いていて個人的に一番全体のバランスも良くてコクも感じられたのは、シングルオリジンのホンジュラス(ミゲル・エンジェル農園)でした。
この豆は標高1500mの高地にあるミゲル・エンジェル氏の農園で栽培されている豆で、2023年に三澤珈琲のメンバーがグアテマラに視察に行った際に、ホンジュラスのその農園も視察する機会があり、「ミゲルファミリーのコーヒー生産に取り組む姿勢やポテンシャルの高さに感銘を受けて、三澤珈琲として入荷することを決めた」のだそうです。
この豆の持つ「リンゴを思わせる、ジューシーで上品な酸味が特徴」という表現も納得出来る味でした。問題は常時入荷していない様で、何度目かで漸く出会ったのと、100gで600円という価格でしょうか。
 「うーん、ちょっと高いなぁ。しかも、常時販売されていないしなぁ・・・。」
会社勤めだった昔ならいざ知らず、年金生活者となった今は毎日数杯飲むには少々贅沢かもしれません。
そのため、ホンジュラス(ミゲル・エンジェル農園)は、次女の婿殿から頂くゲイシャコーヒーと共に、自分にとっての特別な時用の、文字通り“スペシャルティ”コーヒーとして楽しむことにして、デイリーユースの豆は別に探してみることにしました。
因みにコロンビアとマイルドブレンドはどちらも400円、キリマンジャロが480円。モカのエチオピア・チェルベサは680円です。
因みにホンジュラスは別格として、三澤珈琲の中からコスパと好みから選ぶとすれば、やはりマイルドでありながら酸味も多少感じられてバランスの良かったコロンビアでしょうか。100gが税込みで400円という価格は出色です。
 次に、今度は海外赴任前に定期的に購入していた松本の街中に在る「斎藤コーヒー店」にも久しぶりに行ってみることにしました。こちらは多分50年以上も松本市内で自家焙煎をしている、古くからのカフェ兼コーヒー販売店です。
以前は松本駅前にも販売専門の支店があって、通勤用に駅近に月決めの駐車場を借りていたので、車を停めて歩いて買いに行っていました。しかしその店が無くなり、以前は大名町通りに面していて一階が駐車場で2階が喫茶店だった本店は、今は市営の大手駐車場の一階部分に移転して、喫茶店と豆の販売コーナーを併設しています。道路を挟んで店の対面には、2年前に松本城公園から移転開館した「松本市立博物館」があります。
斎藤コーヒーでは200gずつ真空パックにしてくれるので、当時はコロンビアばかりを豆で1㎏まとめて購入して冷凍保存していました。
 今回は斎藤コーヒーの各種ブレンドも含めて20種類程ある豆の中から、モカブレンドと懐かしいコロンビア(スプレモ)も購入することにしました。因みにスプレモとは、コロンビアの基準をクリアした最上級の豆に使われるスペイン語の名称で、英語で言えば supreme です。
コロンビアスプレモが100gで480円(税込)、モカブレンドも同じく100gで480円(税込)だったのですが、残念ながら値上げされて、この2月からそれぞれ100g 550円になってしまいました。更に残念だったのは、こちらでの支払いは現金のみで、カードも今主流のQRコード決済も不可とのことで、ユーザー的には今時どうかという疑問を感じないではありませんが、それが店の主義であれば致し方ありません。
ただ、昔もそうでしたが、斎藤コーヒーでは常に(例え200gしか買わなくても)真空パックにしてくれるのは消費者としてはとても有難い。焙煎された豆は、挽いた粉程では無くても、やはり酸素に触れることで常時酸化していくからです。しかも、更に有難いことに、斎藤コーヒーの200gはサービスしてくれているのか良心的で、他の店の200gよりも15g程多いのです。
さて、斎藤コーヒーのモカブレンドは、モカシダモ40%、ブラジル30%、コロンビア30%という配合比率で、モカは渋味が出ない様に生豆を水で洗浄してから使用しているとのこと。焙煎も割と中煎りよりも少し深めな感じがしました。というのも、電動ではなく手動でミルで挽くと、浅煎りの豆は抵抗を感じないくらい柔らかく、逆に深煎りの豆だと力を入れないと挽けないくらいの抵抗を手に感じます。それだけ焙煎度合いの違いで、深煎りでは豆自体も水分が抜けて固くなるということなのでしょう。
味はマイルドでコクもありながら、モカらしい酸味もそれなりに感じます。ブレンドに用いたコロンビアも効いている様です。また焙煎度合いを深めにしているのも同じ配合でも味に深みを与えてくれるのでしょう。
続いて、昔これ一辺倒で購入していた、斎藤コーヒーのコロンビアを30年振りくらいに試してみました。こちらも割と中煎りから深煎りに近い感じがします。コロンビアらしいマイルドさもありながら、深いコクと酸味もモカ程ではないにしても予想以上に感じられました。ただ、先述の様に焙煎度合いが深煎りに近いせいか、当初は今までと同じ豆の量で挽いてドリップをしていたのですが、豆を挽いた段階で奥さまから「何だか焦げ臭くない!?」という指摘があり、淹れたコーヒーも「ちょっと濃過ぎる」とのこと。特にコロンビアスプレモはそう感じた様でした。従って、斎藤コーヒーは一杯分の豆の量を少し減らした方が良いかもしれません。
 以上4ヶ月間、飽くまで自分の嗜好をベースに、色々悩んだ末に出した結論。
暫くは、三澤珈琲のコロンビアを我が家のデイリーユースの豆にすることにしました。ただ焙煎が少し軽めに感じるので、個人役な好みで少し豆の量は多めに挽くことにしました。
斎藤コーヒーのコロンビアスプレモもモカブレンドも個人的には好みで美味しかったのですが、残念ながらここで値上げしてしまいましたので、やはり三澤珈琲のコロンビアの100g 400円という価格は年金生活者の我が家にとっては魅力的です。そして、たまの“スペシャルティ”には婿殿から頂くパナマのゲイシャコーヒーと共に、三澤珈琲のシングルオリジンであるホンジュラスのミゲル・エンジェル農園(600円)を飲むことにしました。
なお、時には気分転換で酸味の強いモカも飲みたいので、家内が次女の所に行って不在の時が良いかもしれません。その際には、全体の焙煎度合いも割と中煎りよりも少し深めな感じで、味が濃い目で家内には不向きでしたが、斎藤コーヒーのモカシダモ40%、ブラジル30%、コロンビア30%の配合比率というモカブレンドが酸味も感じられて、私メの嗜好には合う気がしました。特にモカシダモ(注記)は渋味が出ない様に生豆を水で洗浄してから焙煎しているとのことでしたが、ブレンドの味も酸味だけでなく全体のバランスも良く感じられました。一方、三澤珈琲のモカ(エチオピア・チェルベサ)は、「比較的軽めに煎り上げている」というせいか想像していた程には酸味が感じられませんでしたし、値段も値上げ後の斎藤コーヒーのモカブレンド550円に対し、モカ(エチオピア・チェルベサ)は680円でしたので除外。

 ということで、地球温暖化の影響による世界的なコーヒー豆不作に伴い、昨年秋以降の大幅な値上げを受けて、我が家も巻き込まれた“珈琲豆狂騒曲”でしたが、漸く何とか自分の中では決着することが出来ました。
(ヤレヤレ・・・)

【注記】
コーヒー豆のモカとはコーヒー豆の収穫産地を指す銘柄で、イエメンのモカ港から出荷されたコーヒー豆のことを云い、モカという名前は、この港の名称に由来。
このモカ港は嘗てコーヒーの積出港として栄え、コーヒー発祥の地であるエチオピア産のコーヒー豆もイエメンのモカ港から輸出されていた。そのため、モカにはイエメン産とエチオピア産の2種類がある。
モカは世界で最も古いコーヒー豆のブランドといわれていて、果実のような酸味や甘味、コクのある味わいが特徴。
現在、モカは生産地域毎に種類が区別されていて、イエメン産は「モカマタリ」という銘柄が有名で、エチオピア産には「モカシダモ」、「モカハラー」、「モカアビシニア」、「モカイルガチェフェ」などの銘柄があり、モカシダモはエチオピアの標高約2000m以上の高地のシダモ地区で多く栽培される豆で、 熟成した赤ワインのようなコクと上品さは「コーヒーの貴婦人」とも呼ばれ、 爽やかな酸味と華やかなフレーバーが特徴・・・とのこと。
【追記】
三澤珈琲は、この2月21日付けで概ね50円程値上げされました。
コロンビアが100g税込みで、400円⇒450円、ホンジュラス(ミゲル・エンジェル農園)は600円⇒650円でした。

 一昨年の夏、本ブログの第1833話でご紹介した通り、 
『我が家のコーヒー。ずっとUCCのモカブレンドを粉で買っていたのですが、このところの値上げラッシュの中でのコーヒー豆の値上げ後、UCCのラインナップが変わりモカブレンドが無くなってしまいました(豆の配合が変わった≒モカの割合を減らしたためか、値上げした上で“リッチ・ブレンド”とかに変更・・・)。
そこで、少なくともこれ迄10年以上は購入してきた筈の(ポイントも軽く1000点を越えていたのですが、その点数では特に欲しいモノも無く)UCCを止む無く諦め、松本にも全国チェーンのジュピターコーヒーが松本駅の駅ビル内に店舗があるので、それ以降定期的にジュピターのモカブレンド(勿論UCCよりもかなり高くなりますが)を豆で買って、自分でカリタの手動のミルで挽いて、ドリップ式のメリタのコーヒーメーカーで淹れて毎日飲んでいます。』
学生時代の昔から変わらない、ちょっと濃い目で酸味が効いたコーヒーが私好みの味。ただ苦いだけの(としか私には思えぬ)シアトル系コーヒーとは一線を画します。
恐らく30年近く前だったと思いますが、昔LAに出張した時に、「最近地元で話題なんですよ!」と言って後輩の赴任者がランチの後に連れて行ってくれたのが、当時LAに進出して来たばかりという「STAR BUCKS」でした。その後日本にも進出し、コーヒーのセカンドウェーブと云われる深煎りのこのシアトル系コーヒーが、地方の県知事が地元への進出を要望する程のブームとなって、あっという間に日本中を席巻してしまいました。
するとその後、今度は日本独特の「純喫茶」をモデルにしたというブルーボトルコーヒーに代表されるサードウェーブと云われるコーヒーが或る意味日本に“里帰り”してきました。これは、謂わばコーヒーの“原点回帰”とでも言えます。
そのサードウェーブのスペシャルティコーヒーやシングルオリジンまでいかずとも、個人的には我が家でのドリップコーヒーはモカブレンドで十分でした。
というのも、これまた以前にご紹介した通り、コーヒー用の水に「平成の名水百選」に選ばれている「松本城下町湧水群」の一つで、個人的には一番美味しいと感じる「源智の井戸」の水を隔週で汲んで来てドリップ専用に使わせてもらっていますので、その水の良さも手伝ってこのモカブレンドで十分満足していました。
また一方で、昨年渡米した長女もコーヒー好きで、我々が上京すると連れて行ってくれた飯倉片町の外苑東通りに面した「VERVE COFFEE ROASTERS (ヴァーヴ・コーヒー・ロースターズ六本木)」でシングルオリジンのコーヒーをご馳走してくれたり、また松本に帰省して来た時には丸山コーヒーや市内にも何軒かある拘りの自家焙煎のコーヒーショップでスペシャルティコーヒーを買ったりしていました。
そして、次女の婿殿もお酒はあまり飲まない代わりにこれまたコーヒーが好きで、家内が次女の育児支援で孫たちの世話に毎月行く時のお礼にと、自身も飲んでいる勤務先の病院近くの自家焙煎のコーヒーショップのシングルオリジンのパナマ産「ゲイシャコーヒー」を、いつもお礼に豆で持たせてくれています。
 因みに、このコーヒー豆で云うところの「シングルオリジン」とは、
『「コーヒーを農場単位で考える」ことで、シングルオリジンコーヒーという言葉の意味は、生産国という大きなカテゴリーではなく、農場や生産者、品種や精製方法などの単位で一銘柄としたコーヒーのことを指します。 ちょうどワインと同じように考えていただければ分かり易い。』とのこと。
そして、スペシャルティコーヒーは「生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされている」ことがその条件とされるなど、コーヒー豆におけるトレーサビリティやサステナビリティの概念がその背景にあります。
こうした長女や婿殿のお陰で、我々も時々はこうしたシングルオリジンやスペシャルティコーヒーの美味しさも知る様になりましたが、年金生活者の身では毎日ゲイシャコーヒーを楽しむという訳にもいきません。

 ・・・というのが、我が家のこれまでの“珈琲事情”だったのですが、ここで“異変”起こりました。それは、昨年6月の日経新聞でも報道されていたのですが、
『コーヒー各社が相次いで家庭用製品の値上げに動いている。味の素AGFは9月に合計116品目で最大30%価格を引き上げ、ネスレ日本は一部の商品について内容量を増やしながら値上げする。背景には気候変動による世界的なコーヒー豆の不作がある。
キーコーヒーは8月、家庭用コーヒー製品を約2年ぶりに値上げする。店頭価格は20〜30%上昇する見込みで、全国に45店舗あるキーコーヒーの直営店での価格も順次引き上げる。
価格高騰の背景にあるのは世界的なコーヒー豆の不作だ。インスタントコーヒーなどに使われるロブスタ種は、最大生産国であるベトナムで高温や干ばつなどに見舞われた。国際価格指標であるロンドン先物(中心限月)は6日、1トン4400ドル近辺まで上昇し、過去最高値を更新した。19年末比で3倍ほどに急騰している。』
こうした状況下に、更に円安と人件費や資材価格の高騰も加わってでしょうか、我が家で購入しているジュピターコーヒーも昨年秋の9月末に遂に一斉に値上げ。これまで買っていたモカブレンドが、200gで670円から1370円(税込1452円)へと、ナント倍以上に値上げされてしまいました。
ジュピターコーヒーでは四半期に一度くらいの頻度で30%OFFでの期間限定販売がされていて、この時期にはモカブレンドだと200gが470円!で購入出来たので、年金生活者としては大変有難く、その時に纏めて1㎏購入させてもらっていました(ジュピターではちゃんと酸化防止で真空パックしてくれます)。
それがいくら円安と不作の影響でコーヒー各社値上げとはいえ、またその状況の厳しさを十分理解出来たとしても、いくら何でもまさか一挙に2倍以上とは・・・。唖然として、何かの間違いかと値札を二度見して確認したほどです。しかも「イヤイヤ、どう考えても2倍は無いだろう!?」と、後日念のため再確認したのですが、残念ながら見間違いではありませんでした。
従って、値上げ後は仮に30%OFFで購入出来ても、モカブレンド200gが1000円を超え、一般販売期間では200gが1500円にもなります。これでは、例え30%OFFの割引期間ですら100gが500円前後で販売されている他のメーカーと同じで、通常価格ではむしろ他社よりも高くなってしまうどころか、下手をするとブレンドではなくモカ100%の豆が買えそうです。ジュピターコーヒーの他の輸入食品は知りませんが、これでは少なくともコーヒーを購入する意味が全く無くなってしまいました。

 そのため、身近なスーパーマーケットで買えるコーヒーの中に使えるコーヒー豆があるかどうか探してみることにしました。すると、近くのスーパー「ツルヤ」だと、UCCは相変わらずモカブレンドは復活していませんが、軽井沢が本拠の丸山珈琲(松本の信毎メディアガーデンの中にショップとコーヒースタンドがあって時々利用していたのですが、残念ながら2年半前に撤退してしまいました)のコーヒー類の中に「モカブレンド」があり、豆100gで479円(税抜き)で販売されていました。そこで試しに買ってみたのですが、残念ながら個人的にはもう少しモカの割合を増やして更に酸味とコクがあった方が好みでしたので、先ず丸山珈琲は諦めました。
ツルヤには他にも京都発祥の老舗である小川珈琲の有機栽培の豆が最近販売されているのですが、マイルド、リッチといったブレンドだけで、その中には残念ながらモカはありませんでした。

 そこでスーパーマーケットでの豆購入は諦めて、今度はマンションからも近い征矢野に塩尻が本社の「三澤珈琲」の松本店があるので、時々家内が夜コーヒーを飲みたくなった時のためにデカフェコーヒー(カフェインレスコーヒー)を買いに行っているのですが、この三澤珈琲も軽井沢の丸山珈琲同様に、世界中から厳選したコーヒー豆を自家焙煎して業務用中心に家庭用でも小売りしているコーヒー専門店です。今度は、三澤珈琲で色々試して好みの豆を異探してみることにしました。

 地球温暖化に伴う世界的なコーヒー豆の不作の影響で、どうやら“コーヒー豆狂騒曲”が暫く続きそうです。

 諏訪発祥のラーメン店「ハルピンラーメン」。
40年前に諏訪に住んでいたこともあって、当時飲んだ後の〆に必ず食べに行っていたラーメンです。しかし、以前にもご紹介したことがあるのですが、今の「ハルピンラーメン」とは当時は経営が異なっていました。第525話でご紹介したその内容は、
『ハルピンラーメン・・・終戦で満州から引き上げて来られたご夫婦が、諏訪で屋台を引いて始めたラーメン。その味に感激した町の素封家婦人が出資をして、並木通りの踏切近くに店を出したのが始まり。この並木の店が、諏訪で飲んだ後に〆で必ず食べに行った店なのでした。
しかしご夫婦には跡継ぎが無く、出資をした素封家が経営権も取得して、その婦人の孫が経営を引き継いで、それまでの並木通りから新たに諏訪の中洲に移転したのが現在のハルピンラーメン。しかし、その際一つだけレシピの調味料を教えなかったという真(まこと)しやかな噂、諏訪の“都市伝説”があるのです。』
また、第997話では、
『まだ「ハルピン(哈爾濱)ラーメン」が諏訪の並木通りにあった頃(30年近く前ですが)は、飲んだ後の〆は決まってここでした。
その後(戦後屋台から始めたというご夫婦がリタイアして経営を譲り)中州に移転したために行けなくなりましたが、今では諏訪地区だけでなく、松本の並柳や塩尻の広丘にも出店し、松本エリアでもハルピンラーメンが食べられるようになりました(30年以上前の一時期、松本駅のすぐ横にカウンター席だけの小さな店がありましたので、松本平には再出店)。
昔懐かしのハルピンラーメン。ニンニクをベースに二年以上寝かせたという、他店にはない、醤油とも、味噌とも、醤油トンコツとも違う独特のタレ。基本は醤油がベースだとは思いますが、何年か熟成された結果、一見すると味噌の様に濁っています。移転後、少し味が変わったという評価も諏訪では時々耳にしましたし、実際に下諏訪で食べた時も、昔とは確かに違うかな?(昔の方が美味しかった)と感じました。
しかし、この日のスープは殆ど昔の味!(だと思えました)。
その日の舌(体調?)や下拵えでも、微妙に味は変化するとは思いますが、舌に残った味わいは30年前の記憶を呼び覚ましてくれました。かなり甘味の残る一方で、唐辛子系の辛さも舌に残るハルピン独特のスープです。細い縮れ麺に良く絡みます。そう、この味です。ただ、昔良く食べたハルピンラーメンに比べると、以前のチャーチューは、丼が隠れる程大きくて、煮豚的な味付けがされていて、しっとりとしたモモ肉のチャーシューだったように思いますので、全てが昔と同じではありませんが、ラーメンはやはりスープが命ですので、その意味では懐かしいこの味だったと感じました。』

 そんなハルピンラーメンを久し振りに無性に食べたくなりました。
ラーメンが好きではない奥さまは誘っても絶対一緒に行ってはくれませんが、その奥さまは長女に会いに行っていて不在。そこで、平日庄内のホームセンターへ買い物に行ったついでに、近くに在る「ハルピンラーメン松本並柳店」へ食べに行くことにしました。
最近ではメニューも色々ある様ですが、個人的には「ハルピンラーメン」一択です(税込825円)。嬉しいことに、平日は大盛り無料とのことで、勿論大盛りでお願いしました。
先ずはスープから。そう、この味です。最初は甘く感じるのですが、飲むほどに辛味も感じられて、段々汗ばんできます。麺はスープが良く絡む細縮れ麺。トッピングは、メンマに茹でモヤシにネギ、そしてもも肉か、低温調理された様な感じで、しっとりしたハムの様なチャーシューが二枚と海苔。昔、並木通りにあった頃は、丼を覆う位に大きくて、味付けされて柔らかなチャーシューだった様に思います。
スープもしっかり飲み干して、お会計の時にメニューにあった「並木」についてお聞きすると、にんにくを熟成させたタレがハルピンラーメンの3倍入った濃厚ラーメンで、並木に店舗があった頃のオリジナルレシピなのだとか。
経営権を取得して、元々の並木通りから諏訪の中洲通りの四賀に移って以降、ずっと「ハルピンラーメン」と称してやってきた筈なので、今更オリジナルは3倍と云われることに些か疑問を感じないでもないのですが、モノは試しに、自分の舌の記憶をふまえながら次回は「並木」を食べてみようと思いました。

 さて、片や同じく諏訪発祥のラーメンチェーン「テンホウ」。
実は、こちらにも「ハルピンラーメン」に良く似たラーメンがあるのです。それが「特製にんにくラーメン」。
メニューの説明に依ると、諏訪市の「中華そばてんほう城南店」の店長が、「かぜをひかないように」と開発したメニューとのこと。
勿論「ハルピンラーメン」を意識したとは書いてはありませんが、これが結構ハルピンにスープが似ているのです。
「にんにくラーメン」というメニューそのものは、他のラーメン店にもありますので、もしかするとレシピ的に似ることがあるのかもしれませんが、いずれにせよ、食べる側としては車で遠い「ハルピン」まで行かずとも、歩いて行ける近くの「テンホウ」で「ハルピンラーメン」に味の似たラーメンが食べられるのであれば、「ハルピンラーメン」好きとしては、それはそれで有難い・・・と、そんな気がします。しかも2年か4年か(昔は2年というキャッチだったと思いましたが、今は4年になっています)知りませんが、そこまでハルピンの様に年数を掛けずともここまで熟成っぽく(?)出来るのであれば、それでもいいのでは?と素人考えで思ってしまいます。
ということで、テンホウでラーメンを食べる時は大概「特製にんにくラーメン」(税込760円)を注文しています。テンホウでは、大盛りが+100円というのも有難い!従って、にんにくラーメンに限らずですが、スープ麺を頼む時はいつも大盛りでお願いしています。
テンホウの「にんにくラーメン」は、スープはやはり醤油ベースだと思いますが、味噌の様にこってり感と甘味もあります。テンホウの麺は中細麺。そこに、にんにくラーメンは茹でモヤシ、メンマ、豚バラチャーシューにきくらげと、こちらも海苔がトッピングされています。惜しむらくは、テンホウのバラチャーシューはホロホロと柔らかくて持ち帰り用に別売りしている程美味しいので、もう少し大きめのチャーシューにするか或いは枚数を増やすとかしてくれると、個人的には大変有難いのですが・・・。
双方の値段を比べると、ハルピンが税込みで825円(但し平日は大盛り無料)、テンホウは税込み760円で、大盛りだと860円。どちらもイイ勝負でしょうか。

 どちらも諏訪発祥で、地元では“諏訪のソウルフード”とまで讃え称されるハルピンとテンホウ。もし仮に、目の前にハルピンとテンホウと両方あったらどちらを選ぶかと聞かれれば、そこはやはり本家のハルピンラーメンを選びます。でもテンホウのにんにくラーメンもこれだけ食べられるのなら、歩いて食べに行けるという飽くまで我が家の至便性でテンホウのにんにくラーメンを選んでも、それはそれでイイのでは・・・と思っています。

 今回、私にとっては長かった、初めての次女の家での四日間の“横浜滞在”。前回も引っ越しの手伝いに一週間程は来ていたのですが、アパートと新居で同じ場所ではありませんでしたし、引っ越し作業に追われ“気分的にも”ゆったりとは出来ませんでした。
しかし今回の滞在の目的は、念願だった上野での「田中一村展」を観ることだけでしたので、“気分的には”随分ゆったりと過ごすことが出来ました。
そして、その今回の“横浜滞在”での楽しみだったのが、毎日のお昼の“バーガーキング三昧”だったのです。
前にもご紹介したのですが(第1917話)、その訳は・・・、マックやモスは松本市内だけでも何店舗もあるのに対して、バーガーキングが長野県下には一店舗も無いから・・・ではありません。それは、私にとってのバーガーキングは、昔馴染んだ“懐かしの味”だから・・・なのです。
昔、家族で赴任して7年間暮らしたシンガポールで、家族でテイクアウト(シンガポールではイギリス英語のTake away を使うのが一般的)したのは、専らバーガーキングでした。
シンガポールで住んでいたコンドミニアムの近くには、マックもバーガーキングも、そして赴任中に日本から進出して来て、現地でも行列が出来る程人気になったモスの第一号店もあり、はたまたサブウェイもフレッシュネスバーガーやウェンディーズの店舗もシンガポール島内にはあったのですが、我が家での一番人気はダントツでバーガーキングでした。

 バーガーキングのフランチャイズに依る1993年の日本進出以降、その後の店舗展開には紆余曲折があったようですが、ここ数年で資本形態が変わって、意欲的な商品開発や店舗展開を含め、特に最近になってかなり積極的な拡大戦略を展開しているそうなのです。
そんな中で、前回7月の引っ越し作業で来た時に食べた「グリルド・ビーフバーガー」(790円)は、昔入社して初めての海外出張でのアメリカ西海岸で食べたハンバーガーを思い起こさせてくれた、懐かしくて本格的なハンバーガーでした。
そこで今回の滞在中のランチには、松本では食べられないバーガーキングから毎日持ち帰って食べることにしました。





 残念ながら、前回絶品だった期間限定商品のグリルド・ビーフバーガーは既に販売終了で、この時の期間限定商品は「にんにく・ガーリックバーガー」(690円)でした。
これは、『直火焼きの100%ビーフパティに、ガーリックペースト・フライドガーリック・ガーリックパウダーの3タイプのにんにくをたっぷり使用した「特製ガーリックソース」を合わせたハンバーガー』とのこと。更に、「スパイシーガーリックフレーク」を追加し、辛さと旨さがアップしたという「スパイシーにんにく・ガーリックバーガー」(790円)も期間限定で発売されていました。
そこでどちらも試して食べてみたのですが、個人的にはソースが勝ち過ぎていて、せっかくの直火焼きのパティの味を殺してしまっているという感じがしました。そして「スパイシー・・・」のソースは確かに辛いインドカレーの様な感じで、尚更でした。
因みに、その時の娘のリクエストは、「ビッグベット」(1190円)なる特別商品とのこと。これも期間限定バーガーで、公式H/P曰く「社運をかけて開発した」という商品なのだとか。内容は『ビーフ100%の直火焼きパティ2枚にスライスチェダーチーズ×2、レタスとスライスオニオンを特製オーロラソースでまとめたビッグサイズな一品で、味の決め手となるオーロラソースは、トマトペーストにマスタードや白ワインビネガー、刻んだピクルスをブレンド。濃厚な旨みとコクが特徴で、ビーフパティの美味しさをより引き立てるこだわり仕様』・・・とのこと。英語で”Big Bet”は「大勝負」とでも訳せるでしょうから、“社運をかけて”というのもあながち冗談では無いのでしょうか。
味見をさせてもらった感じは、確かに「ナルホド」と言えなくもないのですが、個人的にはニンニクソース程では無いにしても、オーロラソースでソースの味を効かせるよりも、むしろスモーキーBBQワッパー(450円)の方がシンプルで直火焼きビーフが味わえて好みでした。
また娘のビッグベットもそうですし、ワッパーにも使われている生のスライスオニオンがバーガーキングの特徴で、シャキシャキした食感に辛味や甘味も感じられて実に美味。別に特許でもないでしょうから、マックも入れれば良いのにと思います。
サイドメニューでは、婿殿のリクエストのアメリカン・スモーキーチキン(500円/4個)は、ヒッコリーのチップで燻製にしたというだけあってなかなかの逸品(日頃あまり食べない婿殿ですが、前回の引っ越しの時に私メのリクエストでのバーガーキングで、どうやら“ジャンクフードの禁断の魅力”の一端に触れてしまったようです)。
あとはバーガーキングと云えば・・・で、オニオンリング(350円)は必須。ただ、前回も感じたのですが、シンガポールに比べて揚げ過ぎで、衣が黒っぽくて固くなっている様な気がすのですが、果たして・・・?シンガポールでのそれはもっとシットリしていた様な気がします。
またバーガーキングのフレンチフライ(180円/Sサイズ~)は、マックのそれよりもポテトが太切りなので食べ応えがあります。
一方、バーガーキングのナゲットは粉っぽく感じてしまい、ナゲットはむしろマックの方が肉々しくて、味も含めて美味しい気がしました。
 皆に呆れられながら、ランチで毎日買いに行ったバーガーキング。そこで、一度は朝食でも食べてみました。
選んだのは、シンプルなBBQレタスバーガー(350円)のセットで、このBBQレタスバーガーは朝メニューにしかないメニューなのだそうですが、
BBQソースがかかった直火焼きビーフパティとシャキシャキのレタスが、とてもシンプルでイイ!
もし松本にバーガーキングがあったら、毎日とは言いませんが、週一で食べたい気がします。いつか松本にも出店してくれることを心から期待しています。

 因みに、今回のこのバーガーキングの代金は、次女たちの分も含め、毎回全て私メの自腹・・・でした。
しかし、その分婿殿が(孫たちのニ週間の松本滞在のお礼も兼ねてですが)、
 「じゃあ、代わりにお義父さんの好きなまいもん寿司に食べに行きましょう!」
と、最終日の夜に「金沢まいもん寿司」を予約してくれてあり、お陰さまで思う存分に光り物やノドグロの炙りなど食べさせて貰ったので、まさに“エビで鯛を釣る”結果となってしまい、「誠にオカタジケ」・・・でありました。

【注記】
商品の写真の幾つかは、バーガーキングのH/Pに掲載されたモノを使わせていただきました。

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