カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
次女たちが横浜に戻るのに当初は家内が付き添って送って行くことも考えたのですが、夜勤明けの休みを利用して婿殿が迎えに来てくれるとのこと。
それならば・・・と、横浜から松本へ来るよりも新幹線が使える軽井沢の方が横浜からの時間距離が短いことから、家内と次女もアウトレットで買い物がしたいという希望もあって、軽井沢で合流することになりました。
そして、美ケ原温泉の金宇館とその後二週間の松本滞在のお礼にと、娘たちが宿泊費を負担するので、軽井沢で一泊してゆっくりと買い物を楽しみたいとのこと。
そこで、いつものドッグビラは既に予約で一杯だったので、娘が調べて、軽井沢プリンスホテルにドッグコテージがあるので、ドッグコテージと通常のホテルサイドに朝食付きで2部屋取って宿泊することになりました。
車一台に孫を含め5人全員乗れるのですが、後部座席にチャイルドシート二つが固定されているので、真ん中に大人が座って行くのは近距離ならともかく軽井沢までの2時間はキツイので、上の3歳の孫が電車好きということもあって、次女と上の孫は二人で電車で軽井沢へ向かい、そこで新幹線で来る婿殿と合流。我々は次女たちの荷物を全部車に積んで、1歳の下の孫とコユキを乗せて、同じ頃の軽井沢到着を前提に車で向かうことになりました。
先行して、娘と上の孫が渚駅からアルピコ交通の上高地線で松本駅に向かいました。そこから今度は特急「しなの」で長野駅に向かい、そこで北陸新幹線の長野始発の「あさま」で軽井沢へ。婿殿は新横浜から東京経由の新幹線で軽井沢へ来て、駅で合流しアウトレットへ。
我々は、カーブが続く三才山峠の峠道は左右に揺れて孫が寝られないといけないので、松本から長野道に乗り、更埴JCTで上信越道に入る高速ルートで軽井沢へ向かいます。途中どこかのSAでコユキのトイレ休憩をと思っていたのですが、幸い孫が寝ていてくれたこともあり、コユキも大丈夫そうだったのでノンストップで軽井沢のアウトレットへ。
軽井沢では10月下旬には本来見頃の紅葉が例年より一週間以上も紅葉が遅れていて、11月5日のこの日、プリンス通りのモミジが真っ赤に紅葉していました。
イメージではお客さんの半分は中国系中心のインバウンド客ではないでしょうか。また、さすがに軽井沢はワンコ連れも目立ちます。
先に来た彼らもフードコート内でランチを食べていたので、彼らに下の孫を預けて、我々はコユキが居るのでフードコートの屋外席で食べることにしました。他にもレストランは幾つもあるのですが、小さい子連れや、ワンコ連れは“Dog Friendly”の軽井沢と雖もどうしても店は限定されてしまいます。他の観光地に比べれば遥かにワンコOKのテラス席の多い軽井沢ですが、この11月1日には軽井沢プリンスのスキー場がスノーマシンを使って今年も国内で一番早くオープンしたとのことで、本来ならもうこの11月は寒くて屋外で食べるのはシンドイのですが、それでも紅葉の遅れに見られる様に、今年は11月上旬とは思えぬ程暖かく、外で食べていても(風が無ければ)然程気になりませんでした。
その後、車に積んできたベビーカーとドッグカートを降ろして、二組に分かれ、お互い女性陣が目当てのアウトレットでのショッピングへ。色々見て回った結果は、お互い“明日のための品定め”とか・・・(ヤレヤレ)。
チェックイン時間の15時も過ぎたので、隣接するホテルへ向かいます。車に全員は載れないので荷物を車に積んで、次女一家はベビーカーに孫たちを乗せて歩いて行きました。
予約してくれた次女が、ドッグコテージは大人4人と子供では狭いだろうからと、我々とコユキが森の中に点在するログハウス風のドッグコテージで、彼らは二つあるホテル棟の中で、コテージに近いイーストに別室を確保。
林の中に20数棟が点在するドッグコテージ。広いドッグランもありますが、コユキには不要。周囲の林の中を歩くだけで十分散歩になります。またスキー場のゲレンデがすぐ近くなので、スキーやスノボーを楽しむ人たちもグループでコテージに泊まっている様です。しかし、せっかくのこのドッグコテージですが、残念ながら老朽化により来年には取り壊すのだとか。でも“Dog Friendly”の軽井沢ですので、また是非新しく立て替えて欲しいと思います。ログハウス風のコテージは寝室が二部屋あり、大人4人で泊るには充分。無理すれば二部屋取らなくても良かったかもしれません。次女たちには散財させてしまいました。
そのため、この日の夕食は我々が負担することにして、歩いて行けて個室のあるレストランを探した結果、肉好きの婿殿のことをふまえて、アウトレット内にあるフレンチビストロの「サクレ・フルール」にしました。個人的には以前娘が選んでくれたスペイン料理店「ホセ・ルイス」も気に入っていたのですが、駅から10分位歩かないといけないので、今回は諦め。
因みに広大なホテル内と系列のアウトレット(ショッピングプラザ)と軽井沢駅の間にはホテルのシャトルバス(ピックアップバス)が30分おきくらいに走っていて、利用者は無料で乗ることが出来ますので、移動にはバスを使いました。この日は時折小雨が降ったりしていたので、濡れずに済みました。
こちらの「サクレ・フルール」は、以前ドッグビラに滞在した時にも夕食をテイクアウトしたことがあるのですが、パリのモンマルトルに本店が在るステーキなどの肉料理がメインのフレンチビストロで、都内にも2店舗在り、軽井沢が日本での2号店とか。
アウトレットの中でドーム型の形状が目立つ建物で、店内には西部劇に出て来そうなアメリカインディアン風のテントが幾つかあって、個室感覚でグランピング風に床に座って食事をすることが出来ます。店のイチオシであるメインのステーキ、は熱々の焼き石“ホットストーン”に乗せてご提供され、今流行りのグランピングでBBQをしている様な感じ。
我々のオーダーは、グリーンサラダ、ライムギパン、ガーリックライスにフライドポテト。メインが黒毛和牛のサーロンイン、信州牛のウチモモをそれぞれ300g、そして子羊のモモ肉のグリル。
子供連れには有難いことに、フライドポテトはお代わり自由。また熱々の焼けたホットストーンに肉が載せられてくるので確かに保温効果はあるのですが、レアで頼んでも時間が経つと次第に火が通ってしまい、最後はウェルダンぽくなってしまうのが玉に瑕でしょうか。
子供たちも飽きたらテント内を這い回ったりして楽しそうでした。ただ惜しむらくは、布製なのでフワフワで当たっても痛くはないのですが、テントの背が低く立つと頭がつかえてしまい、184㎝ある婿殿には少し気の毒でしたが・・・。
翌朝は、イーストよりもウエストの「プリムローズ」での朝食ブッフェの方がレストランも大きくて内容も充実しているとのことで、娘が事前に予約してくれてあり、バスでそちらへ。
朝の早い我々が先に食事を済ませ、その後で次女一家が来て、我々が子供たちを見ている間にゆっくり朝食を食べてもらいました。
ホテルには団体客もいて、途中から中国からの団体さんが来られました。昔、シンガポールや東南アジアのホテルで、中国人の旅行客がブッフェでは食べ切れない程の料理を皿に山盛りにして、結局最後食べ切れずに残しては周囲から顰蹙を買っていましたが、彼等の旅行のマナーも向上したのか、少なくともこちらに宿泊された団体さんについては、さすがに今ではそうしたことは無くなったようです。但し、周囲の他のお客さんなど気にしない程の会話での声の大きさは相変わらずでしたが・・・。
朝食を済ませ、チェックアウトまでゆっくりしてから、再度アウトレットへ。
それにしても、軽井沢プリンスの敷地の広くてホテルとしてのステイも快適なこと。イヤ、お見逸れしました。プリンス系ホテルの発祥の地とはいえ、この軽井沢プリンスはアウトレットやゴルフ場等を合わせると110万坪の広さだと云います。ホテル棟も林の中に分散して立地していて、自然の森の中にいる様な気がして来ます。とりわけ、一棟貸しの「ザ・プリンス・ヴィラ」なら、小さい子が居ても気にならないので、一家総出での滞在には最適かと思いますが(金宇館の「離れ」よりも安い棟もあります)、残念ながらペットは不可とのことでした。
さて、アウトレットで女性陣は前日品定めをしておいたらしいそれぞれお目当ての品を購入し、我々はコユキが一緒なのでアウトレットの中で唯一ワンコ連れでも室内で食事が食べられる「Dog Dept」のカフェでランチを済ませ、最後皆で合流して、軽井沢から新幹線で横浜に帰る彼らを改札口で見えなくなるまでお見送り。
「ジイジ、バアバ、バイバーイ!」
「また、おいでネ!待ってるからネ!!」
・・・漸く、長かった二週間に亘った孫たちとの日々が終了しました。
「ダ、ダメだ! あぁ~シンド・・・。ふぅ~っ、疲れた!体力が持たん・・・」
「もう、何言ってるの!私なんか、毎月なんだから、ネ!!」
「お、お見逸れしました・・・」
次女と孫たちが、亡き母の一周忌法要に合わせて、毎月育児の手助けに行っている奥さまが戻って来るのと一緒に松本へ来てくれました。
そこで、もう90歳を超えて足が弱くなって来られない家内の実家のお義母さんに初めて曾孫の顔を見せるために茅野に行くことになり、せっかくの茅野ですので、孫たちを白樺湖ファミリーランドで遊ばせてからお義母さんを実家に迎えに行って、どこかのレストランでランチを一緒に食べることにしました。
「白樺湖ファミリーランド」は、白樺湖畔に立地している「池の平ホテル&リゾーツ」が運営するホテルに隣接し、メリーゴーランドやジェットコースター等の乗り物、パターゴルフ、プール、乗馬体験、アスレチック等が出来るアミューズメント施設です。
運営する池の平ホテルは、1955年開業と云いますから、我々と同世代。会社に入った頃、忘年会で泊りがけで行った記憶がありますが、正直余り良い印象は残っていません。奥さまに依れば、昔ファミリーランドに小さかった頃の娘たちを連れて来たこともあった由。
そんなこともあってか、近年では小さな子供のいる家族向けのためのキャラクタールームなどを備え、どちらかというとファミリー層狙いで、あの手この手で誘客している印象がありました。
しかし開業が私と同世代ですので施設が大分老朽化したこともあって、最近大幅リニューアルをして、新たに10階建ての本館が新築されてからは、TVCMから受ける印象では、むしろ“高級リゾート感”を(勿論宿泊料金も大幅アップし)前面に(或る意味“必死”に)押し出している様に感じられます。
ファミリーランドには結構車が停まっていましたが殆どは県外ナンバーで、皆さん勿論小さな子供さんたちを連れたヤングファミリーです。
この日は平日でしたが、入場料は全ての施設の入場やアトラクション全て乗り放題という平日フリーパスが大人料金だと5100円から入場券だけの1700円まで、内容によって料金が幾つにも分かれていました。
孫たちは上の子がまだ3歳で引っ込み思案で、アトラクションも乗るかどうかも分からないため先ずは入場券だけを購入し、乗りたいアトラクションがあったらその都度チケットを購入することにしました。
すると、案の定メリーゴーランドなどのアトラクションは「やだ~!」の一言で全て拒否・・・。そこで、少し離れた所にある森林鉄道に皆で乗ることになり、歩いて行くと1時間に一本しか運転が無くちょうど出発したところ。そこで止む無く、近くのポリーランドという北欧アスレチックとミニ動物園(どうぶつ王国)へ行って時間を潰して森林鉄道に乗車することにしました。すると、どこかの幼稚園か、保護者同伴でお揃いのジャージを着た大集団の子供たちが居て、アスレチックや動物園は園児で大混雑。そのため滑り台などの遊具は3歳児の上の孫は遊べず、結局見ているだけ。
そのため早めに森林鉄道の所に行って順番待ち。お陰で先頭の席に乗ることが出来ました。パターゴルフコースを囲むように線路が敷かれていて、色付き始めた林の中を10分程走る森林鉄道は結構楽しめた様です。
その後遊園地に戻って、アミューズメント館内にある室内のキッズルームへ。こちらは滑り台など幼児向けの室内遊具があり、まだ歩けない1歳児の下の孫も含めて楽しめました。最初からここに来れば良かったのです。
そして孫たちが気に入って終わりそうもないので、その間に家内がお義母さんを迎えに行ってくることになりました。
でもさすがに飽きて来たので、孫たちをベビーカーに載せて白樺湖畔の遊歩道を少し散策してみました。
残念ながら到着した時から一帯は霧に覆われていて、青空は望めませんでしたが、紅葉の色付きを増した高原の湖は幻想的な雰囲気でした。
因みに標高1400m、周囲約4㎞のこの白樺湖は、茅野市と北佐久郡立科町の境にあって、八ヶ岳中信高原国定公園に属する蓼科高原の池の平地区に在る高原の湖ですが、実はため池です。
元々は農業用水を確保するために建設された人工のため池で、そのため、この白樺湖は湖の周囲一帯全て茅野市北山柏原財産区が所有していて、水利権、漁業権、管理権の全てを持っているのだそうです。
なお、東山魁夷の「緑響く」で描かれて最近人気の御射鹿池も、同じこの北山地区に在るため池ですが、北八の麓、標高2100mに在り、この時期紅葉で人気の「白駒の池」は天然の堰止湖です。
一時間ちょっとしてお義母さんも到着して合流。孫たちも教えられて「ひぃ~ばぁちゃん」と呼びながら、一緒にホテルの本館1階にあるダイニングレストランへ。
朝夕はバイキングで、ランチはアラカルトの由。孫たちがキッズルームで喜んで遊んでいたこともあり、知りませんでしたが14時のオーダーストップの10分前の入館で、急いでメニューを決定。そんなランチタイムを過ぎていたこともあり、広いレストランには我々含め3組ほどしかお客さんがいませんでした。窓も大きく自然光がたっぷり入る館内は明るくて、円形にカーブした窓側席からは白樺湖が見下ろせます。
失礼ながら料理も然程期待していなかったのですが、意外と本格派でビックリ。特にお子様ランチは、横浜に住む次女にして今までの中でもトップクラスとの評価でした。
それにしても驚いたのは、殆どは県外からの家族連れのお客さんだろうと思いますが、平日というのにファミリーランドの混んでいたことと、新しく本館が出来た効果か、池の平ホテルの人気ぶり。
しかも白樺湖周辺は殆どの施設が老朽化して全体に活気は無く、中には閉鎖して廃墟となったホテルや旅館も湖畔には何軒もあるのです。
池の平ホテルも、昔の(泊った時に個人的に感じた)安っぽかったイメージとは様変わり。ホテルのエントランス付近にいるベルボーイやドアマンが、何だか小田急系列のリゾートホテルを連想させるようなブラウン系の制服と帽子で、昔を知る人間には何となくしっくりきませんでした。
恐らく40年振りくらいに来た池の平ホテルとファミリーランドですが、その様変わりに感心し、特に県外からの家族連れのお客さん向けの観光スポットとしての人気にビックリした次第です。
何日か秋雨が続いた後、久し振りに北アルプスが朝くっきりと見えた10月中旬。今年も新栗のモンブランを求めて、家で独りお留守番をさせておくのは可哀そうなので、コユキも一緒にドライブがてら小布施に行って来ました。
小布施に行く前に、奥さまのリクエストで、翌々日からまた横浜に孫の世話に行くので、次女の所に送るリンゴと自家用のブドウを買うために須坂の産直市場に立ち寄りました。
小布施へは小布施PAのスマートICが便利で降りるとすぐ到着するのですが、須坂へは長野東ICで降りて暫く一般道を走ります。
長野東ICのすぐ近くでは、県下最大のショッピングモールというイオンモールが建設工事中でした。前評判でどんなに大きいかと思いましたが、3棟ある松本と比べてそんなに変わらない感じ。松本はあがたの森の近くで駅から歩いても10分足らずと市街地に在るので便利ですが、こちらは高速を降りてすぐではありますが、長野市の中心街からだと車で30分以上と結構離れていますので、長野市の商工会議所が「イオンが出来てパルコや地元デパートが閉店に追い込まれた松本の二の舞になる」と出店に反対している様ですが、果たしてどうなのでしょうか?イオンモールの影響がゼロとは言えないのかもしれませんが、(飽くまで私見ですが)パルコはセゾングループ全体のリストラの一環ですし、地元デパートは経営努力不足が真の原因でしょう。
京都の錦市場はインバウンドの影響もあって特殊でも、出町今出川の枡形商店街の様にインバウンド客など関係無く地元のお客さんで賑わっている商店街だってあるのですから、長野商工会議所も他責にではなく、自らの知恵と工夫で経営努力しないと所詮先はありますまい。
ただ須坂(長野?)のイオンモールの開店に依って、松本のイオンには結構長野ナンバーも多いので、それをこのイオンモールが吸収してくれれば、いまだ平日でも駐車場が混んでいる松本も多少駐車場に停め易くなるので有難い気もします。
さて、須坂の産直市場には1時間ちょっとで到着。家内が買い物をしている間、コユキにおやつを上げて駐車場を少し散歩。
須坂には県の果樹試験場があり、長年に亘る品種改良の中からブドウではナガノパープルやクイーンルージュ、リンゴでは“りんご三兄弟”を構成しているシナノスイートやシナノゴールドを始め、最近栽培が増えているシナノドルチェなど、シナノと冠した品種がここで誕生しています。その背景には、この“須高”地区と呼ばれる須坂と下高井郡から中野に掛けての一帯が、“フルーツ王国・信州”の中でも、リンゴ、ブドウ、更に長野市川中島の桃も含め、県下では最も果樹栽培の盛んな地域だからなのです。
65年位前でしょうか・・・、幼い頃、戦前からリンゴ栽培を始めていた祖父に連れられて、汽車に乗ってこの方面へリンゴ苗を買いに来て、その帰りに善光寺に立ち寄ってお詣りした時に境内で鳩に群がられて泣いたらしいのですが、そんな半世紀以上も前からリンゴ栽培でも北信地方のこの辺りは松本エリアの果樹栽培の先輩でした。
ですので、今でも同じ産直に並ぶブドウもリンゴも、残念ながら味も価格もこの“須高”エリアの方が松本エリアよりも上。そのため次女の家では、須坂がご実家という家内の友人の方に紹介していただいた須坂の果樹農家から、シャインマスカットやナガノパープルなどのブドウを毎年取り寄せているそうです。須坂の産直に並ぶブドウやリンゴは、値段で言えば、例え産直であってももし松本で買ったら1.5倍はするでしょうか(但し、そのためだけにここへ来るのは、高速代を考えると全くのナンセンス。飽くまで小布施や長野に来たついでに買うのであれば・・・です)。そこで、この産直で独自品種であるナガノパープル、クイーンルージュとシャインマスカット、そして旬を迎えつつあるシナノスイートも購入してから、今回の目的地である小布施に向かいました。
須坂からだと、国道403号線を来るとそのまま小布施の中心を通り抜けます。10年程前に「一度食べてみたい」という新栗の時期の期間限定商品、「小布施堂」の“和栗の点心”「朱雀」を食べるために、一時間並んで整理券をゲットしたことがありました(第797話)が、その朱雀はコロナ禍で事前の完全予約制となり、小布施堂本店前には次の予約時刻を告げる看板を持ったスタッフが立っていました。我々は一度食べてもたれてしまい、「もう(食べなくても)イイね!?」となりましたが、相変わらずの人気の様です。
その我々が新栗のこの時期、小布施に来ると「朱雀」に代わって食べているのが「栗の木テラス」のモンブランと、家内に依るとモンブランには合うというポットで供される紅茶・・・です(私メは頑固にコーヒーですが、第1772話を参照ください)。
この日は混雑を避けるべく平日なのですが、県下で面積の一番狭い自治体で市街地もこじんまりした小布施とはいえ、新栗の季節ということもあり、女性客を中心にこの集客力は大したものだと感心します。
NTTのCMで使われている、北斎が小布施滞在中に描いた岩松院の天井の鳳凰図や、彼の作品を集めた北斎館もあるとはいえ(個人的には中島千波館の方が好きですが)、或る意味“栗だけ”でのこの小布施人気はオドロキです。小布施は、国内の“町おこし”の代表的な成功例ではないでしょうか!
「桜井甘精堂」の駐車場に車を停め(栗の木テラスを含め店舗で2000円以上購入すると、駐車料金が2時間無料になります)、先ずは栗菓子の一番の老舗である本店に行って、ちょうどこの日の夕刻の例会(単なる飲み会ですが)に集まる友人たちへのお返しのお土産を購入。今回はコユキも一緒なので、私はコユキと外のベンチで待機。すると横の広場のテントで焼き栗を売っていて(桜井甘精堂自身でやってらっしゃる様でした)、半世紀近くも前ですが、新婚旅行で行ったパリでシャンゼリゼのマロニエ通りで買った焼き栗の香ばしい匂いが懐かしくて、一つ購入(300円)しました。
それからお目当ての桜井甘精堂の洋菓子・喫茶部門である、ケーキと紅茶の専門店「栗の木テラス」へ。カフェの方は8組ほどの順番待ちとか。残念ながらこちらにはワンコOKのテラス席はありませんので(残念ながら、小布施全体が“Dog Friendly”な街ではありません)、最初にナナと来た時は車でナナに待っていてもらいましたが、こちらはモンブランを食べるだけでなく併せて紅茶を注文するお客さんが多く、紅茶はポットで供されるので優に3杯分くらいはあって、しかも失礼ながら女性客が殆どなので“話に花が咲いて”食べ終わるのに優に一時間近く掛かります。
そこで、今回はコユキを車で待たせておくのは可哀そうなので、テイクアウトならすぐ買えますので、モンブラン(520円)を二つ購入して持ち帰ることにしました。帰りは駐車場へ店舗沿いに抜けていく小道を進みます。店舗の隣が洋菓子工房でガラス越しに眺められ、ちょうどマロンのロールケーキなどが作られていて、外までバニラエッセンスの良い香りが漂っていました。
帰りは市街地から栗畑とリンゴの果樹園の中を走り、たった5分で小布施PAのスマートICから高速へ。ホント近くて便利です。
1時間ほどで自宅に戻り、コユキにもおやつを上げてから早速焼き栗とケーキを頂きました。家内はコーヒーではなくモンブランには合うからと紅茶。焼き栗が香ばしいのは勿論ですが、甘くて美味しい。モンブランは二つとも家内に。一つは翌日に回して美味しくいただいたそうです。
以上、我が家の今年の“小布施の新栗”でした。
9月の敬老の日と秋分の日で、二週続けての三連休の狭間の平日。諏訪湖畔の渋崎に在る「原田泰治美術館」に一人で行って来ました。
家内は横浜の次女の所に行っていて留守。横浜に行く前に、ドライブがてら行かないか聞いたところ、興味無しとのお答え。原田泰治美術館には、開館してすぐ家内と一度見に行った記憶があるのですが、1998年に開館したそうですので、今回は四半世紀ぶりの再訪ということになります。
これは、新居のマンションの玄関からリビングへの廊下に、ピクチャーレールを壁側の天井に設置してもらい、そこにワイヤーとフックを5本10個購入して、とりあえず郷土の画家の絵や版画などの9枚の額と季節に応じて架け替える1枚を段違いに各々バランス良く“ギャラリー風”に展示しているのですが、その季節毎に入れ替えている一枚が先述の原田泰治と東山魁夷の複製画です。
しかし、残念ながらその複製画の手持ちの中には夏と冬に相応しい絵がありません(魁夷の「年暮る」は年末年始には相応しいとしても、冬の間ずっとでは間が抜けてしまいます)。
そこで夏と冬に飾れる複製画を求めて、(山種は買いに行くには遠いので)近間の「原田泰治美術館」へ行くことにしました。
年金生活者の独り身ですので、夏休みは過ぎたとはいえ混むだろう三連休の週末を避け、二つの三連休の狭間の平日に行って来ました。
岡谷ジャンクションの高架橋の補修工事で、松本からだと塩嶺トンネルから岡谷JCTを過ぎるまで4~6㎞の渋滞が慢性的に発生しています。
この日も塩嶺トンネル入り口付近から渋滞しており、諏訪ICまで40分との表示。そこでノロノロと1700mのトンネルを抜けて岡谷ICで降り、岡谷市街地を抜けて釜口水門から諏訪湖畔を走る通称“西街道”で向かいました。諏訪湖畔は最近一周16㎞のサイクリング道路が全線繋がった由。この日も、観光客の方々も含めてか、たくさんの人たちが思い思いにぺダルを漕いでいおられました。
11時過ぎに「原田泰治美術館」の駐車場に到着すると、広い駐車場には車が5台程。いくら平日とはいえ、些か寂しい感じです。
入館すると、ミュージアムショップと二階のティールームは無料で利用可能とのこと。そこで、先ずはショップで複製画の品定めで、夏と冬に相応しい絵を探しました。
選んだのは、夏用には入道雲が背景に描かれた「ボンネットバス」と冬が四季を描いた連作の中で「ふるさとの四季・冬」の雪景色を描いた一枚。
ご厚意でショップで絵を預かっていただいて、入館料(大人840円)を払って展示を見に行きました。
美術館ではちょうど開館25周年の特別企画展として「原田泰治が描く 美しい日本の童謡・唱歌展」が開かれていました。これは、館のパンフに依ると、
『「日本の歌100曲」という童謡や唱歌を集めた100曲のリストがあります。亀田製菓株式会社が設立40周年を迎えるにあたり文化事業として、全国から「21世紀に残したい童謡・唱歌」を募集(応募総数21万2,403通)したものをもとに、5名の選者(永六輔氏・服部克久氏・黒柳徹子氏・さだまさし氏・Toshi氏)により選考されたものです。
それに連なる企画の一つとして100曲ひとつひとつに合った作品を原田泰治氏が自身の作品から選出・描きおろしたものが[日本の童謡・唱歌100選]という名前で発表され、画集やCDなどの形で展開しました。』
とのこと。
“あられ、おせんべい”の亀田製菓の当時の社長が、「豪華な社史を作るくらいなら、同じ予算で何か社会に貢献出来ることを」として企画された文化事業だったそうです。2000年に100曲が選ばれ、2006年に原田泰治が描いた絵が本として出版されたそうです。
常設展と併せて、今回二つの展示室に分けてその歌を題材にした100点の絵画が展示されていました。
美術館に行くと毎回思うのですが、海外ではルーブルやオルセーなど、個人使用でフラッシュを使わなければ「モナリザ」でさえ写真撮影が可能という美術館が殆どなのに、残念ながら日本の殆どの美術館では絵画については一切写真撮影が禁止なこと。今までで全部ではありませんでしたが、その数少ない例外は、2023年5月に行った国立近代美術館の特別展「重要文化財の秘密」では、明治期以降の重要文化財の殆どが一堂に会していて、その絵画も含め7割もの作品が撮影OKだったこと(第1821話)。そして、今年の春に久しぶりに云った箱根の「ポーラ美術館」でも、その多くの所蔵作品の撮影が認められていて、ビックリしました(第1891話)。
残念ながら、今回の原田泰治美術館も勿論撮影禁止でした。
見終わってから、ショップでもう一枚早春の絵として、春の伊那谷の下条村で描いたという「梅の咲く頃」も購入し、秋の風情が漂い始めた諏訪湖畔を少し散策してから帰途につきました。
車が無いと生活出来ない信州では当たり前なのですが、 “日常生活上” 基本的に車の台数は人数分必要で、最低でも一家に2台。その内1台は冬に備えて4WD が必須で、使用区分的に云うと、1台はどちらかと云うと買い物などの“街乗り”中心の下駄替わり。そしてもう1台は、どちらかというと遠出用でしょうか。
会社勤めを終え、子供たちも巣立ち、断捨離と終活でスーパーマーケットまで歩いて行けるマンションに移った我が家ですので、もうそろそろ1台に集約してしまっても良いのですが、孫たちが来ることもあるので今でも車は2台保有していて、その2台分確保しているマンションの駐車場は縦列駐車。従って、後ろに駐車している車を使う時は、出し入れしないといけなくて、我が家だけではありませんが、その間場合によっては他の方に迷惑を掛けてしまうこともあります。
しかし、下駄替わりばかりの車ばかりを使っていては、時々は他の車も乗らないとバッテリーが上がってしまうこともあります。ある程度走行しないとアイドリングストップが効かないくらいならまだ良いのですが、その結果ドライブレコーダーが録画出来ないと万が一の時に支障があります。そのため、ある程度定期的に2台とも使用する必要があります。
家内が居る時はまだ良いのですが、家内が次女の所に行っていて不在の時は一人で車を出し入れしないといけないので、他の方の迷惑にならぬよう気を使って結構大変です。
今回目的地に選んだのは、有明山神社に隣接するという「そば処 くるまや」。
この穂高有明地区にはたくさんのお蕎麦屋さんが点在していますが、同じ山麓線沿いにある「天満沢」同様に、“気狂いざる”で知られる大盛りのざるそばで有名なお蕎麦屋さんです。
山麓線からは少し奥まった処に在りますが、有明山神社を目指して行けば良いでしょう。因みに有明山神社はその名の通り背後に聳える有明山をご神体としている神社です。この神社は本宮で、有明山の山頂には奥宮の祠が鎮座しているそうです。祭神はそれぞれ異なりますが、奴国発祥の海洋民族安曇族を祖とし、上高地に奥宮が在って明神池でお舟祭りを営む穂高神社の不思議さと対比するように、片やこの有明山神社は修験道の山岳信仰の社であり北アルプスの麓に鎮座するのに相応しい神社でもあります。 さて、「くるまや」は11時開店とのことですが、我々が11時半頃到着すると、神社と共有という結構広い駐車場には県外車も含め既に10台くらい停まっていて、次から次へとお客さんが訪れていました。
幸い行列は無く、すぐにテーブル席に案内頂きました。店内はテーブル席と畳敷きの小あがりの座卓、そして奥にさらにまたテーブル席とかなりの席数がある様ですが、この日は平日なのにほぼ満席。今では来る途中の山麓線沿いに在った「天満沢」よりも、こちらの方が人気店の様です。
普通の紙のメニュー表もありますが、効率化か、昔ながらの蕎麦店には珍しく、注文は直接各テーブルに置かれたタブレットから。家内はとろろざる、私メはざるの大盛り。馬肉のもつ煮などの一品も美味しそうでしたが、車では飲めないので我慢我慢。因みに我々は、母たちの世代の信州のお年寄りとは異なり、蕎麦を食べる時に天ぷらは頼まず、蕎麦のみで勝負。
メニューは、ざるそばが650円、大盛りが930円、二人前ざるが1300円、三人前の大ざるが1950円、そして五人前の“気狂いざる”が3250円とのこと。なお半ざる(450円)もあったので、小食の女性やちょっと物足りなかった時に後で追加するには有難いかもしれません。
因みに、メニューの表記に依れば、一人前が“生麺”で180gとのことでしたので、茹でれば優に200g超、大盛りだと1.5人前だとして300gはあるかもしれません。ですので二人前でもかなりの量ですし、“気狂いざる”に至っては1㎏超ということでしょうか・・・。
後で後悔したのは、最近は“もりそば”を“ざる”と称する店も多い中で、ちゃんとチェックすると、メニューには「ざる」と「もり」がしっかりと区別されていたこと。海苔は蕎麦の香りを邪魔するので、「あぁ、盛りの方が良かったなぁ・・・」とは後の祭り。
最初に運ばれて来たのは、最近の“有名店”にありがちの僅かばかりの量ではなく、小皿にたっぷり盛られたネギと生ワサビの薬味。
松本市内の蕎麦屋の中には、長ネギの青い部分と芯は捨ててしまい、薬味に使うのは白ネギの外側部分だけを僅か数切れと、お灸のもぐさと見紛うばかりの小指の先っぽ程の生わさびと大根おろしなど、蕎麦の香りの邪魔をする薬味は不要とばかりに変に通ぶる店もありますが、「蕎麦屋はこうでなくっちゃ!」と一人合点(余談ながら、駅前の“立ち食いソバ”の「イイダ屋」は、冷凍麺なのでざるよりもむしろ温蕎麦向けですが、今でも薬味のネギは自由に入れ放題。その意気やヨシ!)。
二人分徳利に入ってきた蕎麦つゆは、信州らしくなく塩辛いのは良しとして、ただ節の香りは弱くて醤油の塩味が勝ち過ぎの様な気がしましたが、ただこれは個人の嗜好次第。
嬉しかったのは、さすがは地元穂高のたっぷりの生わさびで、卸し立てか、非常に香りが強かったこと。
さて、肝心の蕎麦はどうやら二八の様ですが、感想はこれまた個人のお好みで評価が分かれるかもしれませんが、新そば前の夏なので蕎麦に香りが無いのは止むを得ないとしても、捏ねる水が多いのか或いは茹で過ぎなのか、余りにコシが無さ過ぎたこと。ですので、大盛りを頼んで時間が経つと、半分位食べた後の残りの麺がのびて、更に麺が柔らかくなってしまいます。
「うーん、これじゃあなぁ・・・。」
コスパの良いのは大いに認めるとしても、何とも残念でした。案の定、家内曰く、
「もう、ここは来なくてイイかな・・・。」
惜しいなぁ、これで麺にもう少しコシさえあれば・・・。この店は雰囲気を含めて薬味も良心的ですし、蕎麦湯も蕎麦粉を別に溶いたのかドロドロでしたし、何よりコスパが最高なのですから・・・。