カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
先述の通り、昨秋の二倍強というジュピターコーヒーの大幅値上げに伴い、我が家のコーヒー豆をこれまで定期的に購入していた同店のモカブレンドから、他の店の豆に変更することにしました。
スーパーマーケットには自分の好みに合う豆が無かったので、そこで先ずは地元の三澤珈琲で自身の嗜好に合う豆を探してみることにしました。
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三澤珈琲が自らブレンドし自家焙煎した10種類近いブレンドコーヒーの中には残念ながらモカブレンドはありませんが
、そのオリジナルブレンドや三澤珈琲が自ら生産地に足を運び選んで焙煎したスペシャルティや特定の農園から個別に契約して仕入れているシングルオリジンなど全部で30数種類の豆の中で、色々試してみて自分に一番合う豆を探してみることにしました。
三澤珈琲のオリジナルブレンドには、マイルド、レトロ、ビターなど10種類近くありますが、例えば生産地の種類別や特定農園のシングルオリジンまで、豆毎に常時30種類以上を取り扱っていて、その中で、例えばマイルドコーヒーの代表格であるコロンビアは100gで400円(以下全て100gの税込価格)、酸味の強い品種であるキリマンジャロが480円、エチオピア・モカは680円でした。因みに三澤珈琲は既に昨年7月に価格改定をしており、上記は改定後の値段です。
H/Pでチェックしてみると、コーヒーの味のバランス評価で、「苦み-酸味-コク」の5 or 4段階評価だと思われますが、個人的嗜好である酸味の強さから順に選ぶと、
・ エチオピア・チェルベサ(モカ) ・・・・1‐4‐2
・ キリマンジャロ ・・・・2‐4‐3
・ コロンビア ・・・・2‐3‐2
・ パナマ(バホモノ農園) ・・・・2‐3‐3
・ ホンジュラス(ミゲル・エンジェル農園)・・・・2‐3‐3
・ グアテマラ ・・・・3‐2‐3
・ マイルドブレンド ・・・・2‐3‐3
・ 浅煎りブレンド ・・・・1‐2‐1
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因みに、店舗で酸味の強いブレンドを伺うと、浅煎りブレンド(同530円)とのこと。仮に同じ豆であっても、確かにエスプレッソに代表される焙煎時間の長い深煎りは苦みが強くなり、逆に焙煎時間の短い浅煎りは酸味が強くなるのですが、その反面コクが無くあっさりしているので、一般的には浅煎りはモーニングコーヒー向きと云われます。しかしそうした焙煎度合いの違いだけでなく、豆の種類や品質(生産地や農園の栽培方法の違いなど)に依って、良い酸味のコーヒーはベリーやオレンジなどの果実にも例えられる様なフルーティーな感じがすると云われています。
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シングルの豆の中では、シングルオリジンのパナマ・バホモノ農園は販売終了で買えませんでしたが、同じシングルオリジンのホンジュラスのミゲル・エンジェル農園含め、上記のシングルの豆も全て購入して試してみました。
ただ、以前のジュピターコーヒーのモカブレンドの時は焙煎度合いが深かったのか、手動でのコーヒーミルを割と粗挽き気味に設定していたのですが、どうやら三澤コーヒーの豆は深煎りではなく中煎りから浅煎りに近い様な軽めの焙煎が多いのか、粗挽きでは軽めが好きな家内が「もう少し濃い目にして」と言うくらいにアッサリし過ぎていたので、色んな豆を試している途中で、少し細かくして中挽きくらいで(使っている手動ミルには目盛がありませんので、何度か試して)挽く様に変更しました。従って、飲んだ感覚(印象)は粗挽き気味のモノと、変更後の中挽き気味のモノと“ごちゃ混ぜ”になっています。
コーヒー好きの方はお分かりだと思いますが、細挽きにするとコクは増しますが併せて苦みも強まってしまい、個人的にはそれが好みではないので結果中挽きにしています。
因みに、昔会社勤めをしていた頃は朝忙しいこともあって電動ミルを使っていた時期もあったのですが、リタイアして“十二分”に時間のある今は、むしろじっくりゆっくりと挽く手動の方が何となく気分も落ち着きますし、何よりも、如何にも「これからコーヒーを淹れるゾ!」という気になれるので、カリタの手動ミルで“豆を挽く時間”も楽しんでいます。
勿論、手動の場合、電動ミルに比べて伝わる力が均一ではないので、どうしてもムラが発生しますが、喫茶店の様に淹れたコーヒーを商売にするならともかく、個人で楽しむ場合は気にする必要はありません。
(そこまで拘るなら、ハンドドリップで淹れたらと思われるかもしれませんが、一杯分なら良いのですが、家内の分も含め何杯分も一度にドリップしたいので、ずっとメリタのドリップ式コーヒーマシンを何台か続けて愛用しています)
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また、同じく酸味が強い豆のキリマンジャロは「力強さとキレのある酸」とのことですが、個人的にはもう少しコクが欲しい気がしました。
コロンビアは確かにマイルドでバランスが良く、そういえば昔結婚して赴任するまでは、松本市内のコーヒー専門店である「斎藤コーヒー」でコロンビアばかりを買っていました。
グアテマラは、以前長女が麻布台に住んでいた時に連れて行ってくれた六本木の「VERVE COFFEE ROASTERS 」で飲んだ中にシングルオリジンのグアテマラがあって、それが酸味もあって美味しかった“舌の記憶”があったのですが、買った豆は残念ながら違っていました。
三澤コーヒーの幾つかあるオリジナルのブレンドの中では、薦められた先述の浅煎りブレンドよりも、むしろマイルドブレンドの方が酸味を感じられ、コロンビア同様にその名の通りマイルドでコクもあって全体のバランスが良い様に感じました。
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この豆は標高1500mの高地にあるミゲル・エンジェル氏の農園で栽培されている豆で、2023年に三澤珈琲のメンバーがグアテマラに視察に行った際に、ホンジュラスのその農園も視察する機会があり、「ミゲルファミリーのコーヒー生産に取り組む姿勢やポテンシャルの高さに感銘を受けて、三澤珈琲として入荷することを決めた」のだそうです。
この豆の持つ「リンゴを思わせる、ジューシーで上品な酸味が特徴」という表現も納得出来る味でした。問題は常時入荷していない様で、何度目かで漸く出会ったのと、100gで600円という価格でしょうか。
「うーん、ちょっと高いなぁ。しかも、常時販売されていないしなぁ・・・。」
会社勤めだった昔ならいざ知らず、年金生活者となった今は毎日数杯飲むには少々贅沢かもしれません。
そのため、ホンジュラス(ミゲル・エンジェル農園)は、次女の婿殿から頂くゲイシャコーヒーと共に、自分にとっての特別な時用の、文字通り“スペシャルティ”コーヒーとして楽しむことにして、デイリーユースの豆は別に探してみることにしました。
因みにコロンビアとマイルドブレンドはどちらも400円、キリマンジャロが480円。モカのエチオピア・チェルベサは680円です。
因みにホンジュラスは別格として、三澤珈琲の中からコスパと好みから選ぶとすれば、やはりマイルドでありながら酸味も多少感じられてバランスの良かったコロンビアでしょうか。100gが税込みで400円という価格は出色です。
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以前は松本駅前にも販売専門の支店があって、通勤用に駅近に月決めの駐車場を借りていたので、車を停めて歩いて買いに行っていました。しかしその店が無くなり、以前は大名町通りに面していて一階が駐車場で2階が喫茶店だった本店は、今は市営の大手駐車場の一階部分に移転して、喫茶店と豆の販売コーナーを併設しています。道路を挟んで店の対面には、2年前に松本城公園から移転開館した「松本市立博物館」があります。
斎藤コーヒーでは200gずつ真空パックにしてくれるので、当時はコロンビアばかりを豆で1㎏まとめて購入して冷凍保存していました。
今回は斎藤コーヒーの各種ブレンドも含めて20種類程ある豆の中から、モカブレンドと懐かしいコロンビア(スプレモ)も購入することにしました。因みにスプレモとは、コロンビアの基準をクリアした最上級の豆に使われるスペイン語の名称で、英語で言えば supreme です。
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ただ、昔もそうでしたが、斎藤コーヒーでは常に(例え200gしか買わなくても)真空パックにしてくれるのは消費者としてはとても有難い。焙煎された豆は、挽いた粉程では無くても、やはり酸素に触れることで常時酸化していくからです。しかも、更に有難いことに、斎藤コーヒーの200gはサービスしてくれているのか良心的で、他の店の200gよりも15g程多いのです。
さて、斎藤コーヒーのモカブレンドは、モカシダモ40%、ブラジル30%、コロンビア30%という配合比率で、モカは渋味が出ない様に生豆を水で洗浄してから使用しているとのこと。焙煎も割と中煎りよりも少し深めな感じがしました。というのも、電動ではなく手動でミルで挽くと、浅煎りの豆は抵抗を感じないくらい柔らかく、逆に深煎りの豆だと力を入れないと挽けないくらいの抵抗を手に感じます。それだけ焙煎度合いの違いで、深煎りでは豆自体も水分が抜けて固くなるということなのでしょう。
味はマイルドでコクもありながら、モカらしい酸味もそれなりに感じます。ブレンドに用いたコロンビアも効いている様です。また焙煎度合いを深めにしているのも同じ配合でも味に深みを与えてくれるのでしょう。
続いて、昔これ一辺倒で購入していた、斎藤コーヒーのコロンビアを30年振りくらいに試してみました。こちらも割と中煎りから深煎りに近い感じがします。コロンビアらしいマイルドさもありながら、深いコクと酸味もモカ程ではないにしても予想以上に感じられました。ただ、先述の様に焙煎度合いが深煎りに近いせいか、当初は今までと同じ豆の量で挽いてドリップをしていたのですが、豆を挽いた段階で奥さまから「何だか焦げ臭くない!?」という指摘があり、淹れたコーヒーも「ちょっと濃過ぎる」とのこと。特にコロンビアスプレモはそう感じた様でした。従って、斎藤コーヒーは一杯分の豆の量を少し減らした方が良いかもしれません。
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暫くは、三澤珈琲のコロンビアを我が家のデイリーユースの豆にすることにしました。ただ焙煎が少し軽めに感じるので、個人役な好みで少し豆の量は多めに挽くことにしました。
斎藤コーヒーのコロンビアスプレモもモカブレンドも個人的には好みで美味しかったのですが、残念ながらここで値上げしてしまいましたので、やはり三澤珈琲のコロンビアの100g 400円という価格は年金生活者の我が家にとっては魅力的です。そして、たまの“スペシャルティ”には婿殿から頂くパナマのゲイシャコーヒーと共に、三澤珈琲のシングルオリジンであるホンジュラスのミゲル・エンジェル農園(600円)を飲むことにしました。
なお、時には気分転換で酸味の強いモカも飲みたいので、家内が次女の所に行って不在の時が良いかもしれません。その際には、全体の焙煎度合いも割と中煎りよりも少し深めな感じで、味が濃い目で家内には不向きでしたが、斎藤コーヒーのモカシダモ40%、ブラジル30%、コロンビア30%の配合比率というモカブレンドが酸味も感じられて、私メの嗜好には合う気がしました。特にモカシダモ(注記)は渋味が出ない様に生豆を水で洗浄してから焙煎しているとのことでしたが、ブレンドの味も酸味だけでなく全体のバランスも良く感じられました。一方、三澤珈琲のモカ(エチオピア・チェルベサ)は、「比較的軽めに煎り上げている」というせいか想像していた程には酸味が感じられませんでしたし、値段も値上げ後の斎藤コーヒーのモカブレンド550円に対し、モカ(エチオピア・チェルベサ)は680円でしたので除外。
ということで、地球温暖化の影響による世界的なコーヒー豆不作に伴い、昨年秋以降の大幅な値上げを受けて、我が家も巻き込まれた“珈琲豆狂騒曲”でしたが、漸く何とか自分の中では決着することが出来ました。
(ヤレヤレ・・・)
【注記】
コーヒー豆のモカとはコーヒー豆の収穫産地を指す銘柄で、イエメンのモカ港から出荷されたコーヒー豆のことを云い、モカという名前は、この港の名称に由来。
このモカ港は嘗てコーヒーの積出港として栄え、コーヒー発祥の地であるエチオピア産のコーヒー豆もイエメンのモカ港から輸出されていた。そのため、モカにはイエメン産とエチオピア産の2種類がある。
モカは世界で最も古いコーヒー豆のブランドといわれていて、果実のような酸味や甘味、コクのある味わいが特徴。
現在、モカは生産地域毎に種類が区別されていて、イエメン産は「モカマタリ」という銘柄が有名で、エチオピア産には「モカシダモ」、「モカハラー」、「モカアビシニア」、「モカイルガチェフェ」などの銘柄があり、モカシダモはエチオピアの標高約2000m以上の高地のシダモ地区で多く栽培される豆で、 熟成した赤ワインのようなコクと上品さは「コーヒーの貴婦人」とも呼ばれ、 爽やかな酸味と華やかなフレーバーが特徴・・・とのこと。
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