カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
一昨年の夏、本ブログの第1833話でご紹介した通り、
『我が家のコーヒー。ずっとUCCのモカブレンドを粉で買っていたのですが、このところの値上げラッシュの中でのコーヒー豆の値上げ後、UCCのラインナップが変わりモカブレンドが無くなってしまいました(豆の配合が変わった≒モカの割合を減らしたためか、値上げした上で“リッチ・ブレンド”とかに変更・・・)。
そこで、少なくともこれ迄10年以上は購入してきた筈の(ポイントも軽く1000点を越えていたのですが、その点数では特に欲しいモノも無く)UCCを止む無く諦め、松本にも全国チェーンのジュピターコーヒーが松本駅の駅ビル内に店舗があるので、それ以降定期的にジュピターのモカブレンド(勿論UCCよりもかなり高くなりますが)を豆で買って、自分でカリタの手動のミルで挽いて、ドリップ式のメリタのコーヒーメーカーで淹れて毎日飲んでいます。』
学生時代の昔から変わらない、ちょっと濃い目で酸味が効いたコーヒーが私好みの味。ただ苦いだけの(としか私には思えぬ)シアトル系コーヒーとは一線を画します。
恐らく30年近く前だったと思いますが、昔LAに出張した時に、「最近地元で話題なんですよ!」と言って後輩の赴任者がランチの後に連れて行ってくれたのが、当時LAに進出して来たばかりという「STAR BUCKS」でした。その後日本にも進出し、コーヒーのセカンドウェーブと云われる深煎りのこのシアトル系コーヒーが、地方の県知事が地元への進出を要望する程のブームとなって、あっという間に日本中を席巻してしまいました。
するとその後、今度は日本独特の「純喫茶」をモデルにしたというブルーボトルコーヒーに代表されるサードウェーブと云われるコーヒーが或る意味日本に“里帰り”してきました。これは、謂わばコーヒーの“原点回帰”とでも言えます。
そのサードウェーブのスペシャルティコーヒーやシングルオリジンまでいかずとも、個人的には我が家でのドリップコーヒーはモカブレンドで十分でした。
というのも、これまた以前にご紹介した通り、コーヒー用の水に「平成の名水百選」に選ばれている「松本城下町湧水群」の一つで、個人的には一番美味しいと感じる「源智の井戸」の水を隔週で汲んで来てドリップ専用に使わせてもらっていますので、その水の良さも手伝ってこのモカブレンドで十分満足していました。
また一方で、昨年渡米した長女もコーヒー好きで、我々が上京すると連れて行ってくれた飯倉片町の外苑東通りに面した「VERVE COFFEE ROASTERS (ヴァーヴ・コーヒー・ロースターズ六本木)」でシングルオリジンのコーヒーをご馳走してくれたり、また松本に帰省して来た時には丸山コーヒーや市内にも何軒かある拘りの自家焙煎のコーヒーショップでスペシャルティコーヒーを買ったりしていました。
そして、次女の婿殿もお酒はあまり飲まない代わりにこれまたコーヒーが好きで、家内が次女の育児支援で孫たちの世話に毎月行く時のお礼にと、自身も飲んでいる勤務先の病院近くの自家焙煎のコーヒーショップのシングルオリジンのパナマ産「ゲイシャコーヒー」を、いつもお礼に豆で持たせてくれています。
因みに、このコーヒー豆で云うところの「シングルオリジン」とは、
『「コーヒーを農場単位で考える」ことで、シングルオリジンコーヒーという言葉の意味は、生産国という大きなカテゴリーではなく、農場や生産者、品種や精製方法などの単位で一銘柄としたコーヒーのことを指します。 ちょうどワインと同じように考えていただければ分かり易い。』とのこと。
そして、スペシャルティコーヒーは「生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされている」ことがその条件とされるなど、コーヒー豆におけるトレーサビリティやサステナビリティの概念がその背景にあります。
こうした長女や婿殿のお陰で、我々も時々はこうしたシングルオリジンやスペシャルティコーヒーの美味しさも知る様になりましたが、年金生活者の身では毎日ゲイシャコーヒーを楽しむという訳にもいきません。
・・・というのが、我が家のこれまでの“珈琲事情”だったのですが、ここで“異変”起こりました。それは、昨年6月の日経新聞でも報道されていたのですが、
『コーヒー各社が相次いで家庭用製品の値上げに動いている。味の素AGFは9月に合計116品目で最大30%価格を引き上げ、ネスレ日本は一部の商品について内容量を増やしながら値上げする。背景には気候変動による世界的なコーヒー豆の不作がある。
キーコーヒーは8月、家庭用コーヒー製品を約2年ぶりに値上げする。店頭価格は20〜30%上昇する見込みで、全国に45店舗あるキーコーヒーの直営店での価格も順次引き上げる。
価格高騰の背景にあるのは世界的なコーヒー豆の不作だ。インスタントコーヒーなどに使われるロブスタ種は、最大生産国であるベトナムで高温や干ばつなどに見舞われた。国際価格指標であるロンドン先物(中心限月)は6日、1トン4400ドル近辺まで上昇し、過去最高値を更新した。19年末比で3倍ほどに急騰している。』
こうした状況下に、更に円安と人件費や資材価格の高騰も加わってでしょうか、我が家で購入しているジュピターコーヒーも昨年秋の9月末に遂に一斉に値上げ。これまで買っていたモカブレンドが、200gで670円から1370円(税込1452円)へと、ナント倍以上に値上げされてしまいました。
ジュピターコーヒーでは四半期に一度くらいの頻度で30%OFFでの期間限定販売がされていて、この時期にはモカブレンドだと200gが470円!で購入出来たので、年金生活者としては大変有難く、その時に纏めて1㎏購入させてもらっていました(ジュピターではちゃんと酸化防止で真空パックしてくれます)。
それがいくら円安と不作の影響でコーヒー各社値上げとはいえ、またその状況の厳しさを十分理解出来たとしても、いくら何でもまさか一挙に2倍以上とは・・・。唖然として、何かの間違いかと値札を二度見して確認したほどです。しかも「イヤイヤ、どう考えても2倍は無いだろう!?」と、後日念のため再確認したのですが、残念ながら見間違いではありませんでした。
従って、値上げ後は仮に30%OFFで購入出来ても、モカブレンド200gが1000円を超え、一般販売期間では200gが1500円にもなります。これでは、例え30%OFFの割引期間ですら100gが500円前後で販売されている他のメーカーと同じで、通常価格ではむしろ他社よりも高くなってしまうどころか、下手をするとブレンドではなくモカ100%の豆が買えそうです。ジュピターコーヒーの他の輸入食品は知りませんが、これでは少なくともコーヒーを購入する意味が全く無くなってしまいました。
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ツルヤには他にも京都発祥の老舗である小川珈琲の有機栽培の豆が最近販売されているのですが、マイルド、リッチといったブレンドだけで、その中には残念ながらモカはありませんでした。
そこでスーパーマーケットでの豆購入は諦めて、今度はマンションからも近い征矢野に塩尻が本社の「三澤珈琲」の松本店があるので、時々家内が夜コーヒーを飲みたくなった時のためにデカフェコーヒー(カフェインレスコーヒー)を買いに行っているのですが、この三澤珈琲も軽井沢の丸山珈琲同様に、世界中から厳選したコーヒー豆を自家焙煎して業務用中心に家庭用でも小売りしているコーヒー専門店です。今度は、三澤珈琲で色々試して好みの豆を異探してみることにしました。
地球温暖化に伴う世界的なコーヒー豆の不作の影響で、どうやら“コーヒー豆狂騒曲”が暫く続きそうです。
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