カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 我が家は今年新盆でした。
先日の第1920話でご紹介した「おせがき(御施餓鬼)法要」は、浄土真宗を除く仏教宗派では一般的な様ですし、地域性は余り無いと思われます。

 信州松本地方のお盆は月遅れでの旧盆で、8月の13日が迎え盆、16日が送り盆です。
因みに信州では節句は全て旧暦で行われます(信州では、4月にならないと桃の花が咲きませんし、6月にならないと柏の葉が大きくならないので、陰暦での実施には本来合理性があります)ので、8月7日の七夕が過ぎると(但し、最近では長野県内でも幼稚園などでは七夕を7月7日に実施する方が多いかもしれませんが)、すぐにお盆になります。

 お盆では、まずご先祖様の霊をお迎えする様に、三段のお棚を作って仏壇からご位牌を移し、フルーツやご馳走などをお供えします。そのお供えで信州らしく特徴的なのは、天ぷらでしょうか。
昔、「信州の年寄りは必ず天ぷらそばを注文する」とこのブログで書いたことがありますが、信州では(特に戦前・戦中派のお年寄りたちは)天ぷらが大のご馳走なのです。
以前の県庁所在地での比較調査で、小麦粉の消費量が“粉物文化”の大阪などの関西を抑えて(うどんはうどん玉で別)長野県が全国一位だったのですが、これは天ぷらがその理由だと云われていて、これまた消費量全国一番の野菜を日頃の煮物や味噌汁や漬物で食べるだけでなく、これらを天ぷらにすることでご馳走になるからなのだというのがその理由でした(第137話参照)
ですので、その天ぷらをお盆にご先祖さまにもご馳走としてお供えするのです。ナスやカボチャ、サツマイモなどの他に、きっと珍しいのはお饅頭の天ぷらでしょう。但し、これは全県ではなく、長野県でも中南信エリア(中部と南部)が主流の様です。この時期になると、スーパーにはお盆の「天ぷらまんじゅう」としてのお供え用に、お団子を一回り大きくした位の“小振り”のお饅頭がパックで売られています。
そして、ご先祖様を乗せてお連れする精霊馬を作って飾りますが、キュウリの馬とナスの牛です。これは、ご先祖様を迎えるにあたって、「少しでも早く家に帰って来られる」様にお迎えは馬に乗って、そして帰る時には牛に乗って「ゆっくりとお帰りください」という気持ちを表すと云われています。どうやらこれは東日本の風習(西日本は舟形の精霊流しとか)の様です。我が家では昔からトウモロコシのヒゲを馬の尾っぽに見立て、茹でたそうめん一本を背中に掛けて手綱に見立てます。
昔はお盆が終わると、精霊流しの様にこの精霊馬も近くの川に流してご先祖様の霊を天国に返したのですが、環境保護で現在はそれも出来ず、自宅で処分するしかありません。
 お盆のお棚には、先述の塔婆とお供え以外に、お寺(当家は浄土宗です)から戴いて来た新盆用と例年同様の先祖供養との2本の塔婆と、五色(左から紫、白、赤、黄、緑の順)の短冊の様な「ご如来」とひらひらした五色の飾りの「真幡」を竹の棒に通して生米の入ったコップに立てて飾り、仏壇からお盆の間だけ全部のお位牌をお棚に移っていただき、祖父の代の時に先々代のご住職に書いて頂いたという「南無阿弥陀仏」の掛け軸を掛け、家紋の入った灯篭を組み立て、最後に産直市場から盆花を買って来て両脇の花瓶に活けて、先述したお供えと精霊馬を飾って、これにてお迎えの準備完了です。
そして、春(秋はお盆から間が無いので)とお盆の年二回、草刈などのお墓掃除に行って来てから、迎え盆になると松本地域独特らしい白樺の樹皮を剥いで乾かしたカンバ(「樺」、白樺の意)での迎え火をお墓と家の玄関先でも焚いて霊をお迎えします。カンバの灯りで、お墓から家までの道筋をご先祖様に示すと云われています(送り火の場合は逆に玄関→お墓の順番で焚きます。防火上、ペットボトルに水を用意して、火が消えてからちゃんと水も掛けます)。
因みに、カンバはこの時期になるとホームセンターやスーパー等で普通に売っていますので、松本地域以外にもカンバを焚くエリアが長野県内にはあるかもしれません。しかし、少なくとも諏訪地域ではそうした風習は無いようです。家内の実家でもカンバは焚きませんし、婿に入った父方の茅野に住む伯父の家でも、亡き叔父はわざわざ松本からカンバを買って来て、お盆には松本流にカンバを焚いていたそうですが、茅野出身の叔母はカンバは知らなかったそうです。
昔は家から歩いてお墓に行ったので、お墓で迎え火を焚いてから、祖母に「ご先祖様をウチまで背中に負ぶってお連れするだでナ」と云われ、本当に背負う様に背中に手を組んで家まで歩いて帰ったものですが、今は車なので、そうした気持ちだけで勘弁してもらいます。
そして13日にはお寺さんが家に来られ、新盆と先祖供養の回向のお経をあげていただき、期間中に親戚からの新盆のお詣りに来られた対応をして、16日に今度は家の玄関先とお墓で送り火のカンバを焚いて、これでお盆が終わります。

 送り盆の8月16日、京都では「五山の送り火」ですが、松本ではカンバの小さな“送り火”を焚いて、ご先祖様をお送りしながら今年の“ゆく夏”を偲びます。
こうして、何とか無事に我が家の新盆を終えることが出来ました。

 マンションのベランダでの、夏野菜のプランター栽培。
一番の課題は旅行など不在時の水やりです。特にマンションのベランダは、屋根があるので雨が掛からず、自然水での給水は全く期待出来ません。一日二日ならともかく、五週間近く不在するとなると、この給水問題が一番の課題になります。そのため、昨年長女がまだ東京に居た時には、長期出張や休暇中に婿さんと会うための渡米時などで留守番が一週間以上になることから、二人目が生まれたばかりの次女の支援で家内が横浜に行っている時に時期が重なると、私メが長女の留守中は柴犬のマイの世話に行かねばならず、そのためプランターでの野菜栽培は断念しました。
しかし今年は、長女が幸いNY本社の空きポスト採用に合格してマイも一緒に連れて日本支社からの転勤が出来たので、昨年の様な長期間の東京滞在が不要になることから、南紀白浜旅行から戻った6月末に少し遅めの夏野菜のプランター栽培を開始しました。

 ところが、私も次女の戸建てへの引っ越し作業を手伝うことになり、最低でも一週間は不在になることに・・・。
 「え~っ!水やりどうしよう?・・??・・・???」
そこで、ネットで留守中の水やりについて検索して色々調べてみました。
先ず選んだのが、100均ショップで売っている「とんがりキャップ」(2個入で税込110円)で、中でも一番評判が良さそうなセリアのモノを購入してみました。

これはペットボトルに水を入れて、ふたと同じ様にキャップをねじって逆さまにプランターに刺しておくと、キャップの先の尖がっている部分に針先で開けたような小さな穴から少しずつ水が滲み出て来る仕組みです。水が早く出てしまう時は、二つの穴の一つを塞いで給水量が調整出来るとのこと。
ところが、1ℓのペットボトルだと2~3時間足らずで水が無くなってしまうのです。これでは2ℓに換えても一日と持ちません。説明書きには、『給水量が多い場合は、2ヶ所ある穴のうち1ヶ所をふさいでください。』とあり、念のため、上の穴と下の穴、両方を塞いで試してみたのですが、それだと逆に殆ど水が出ない(土の粒子の大きさにも影響を受けるのかもしれませんが)。かなり斜めに倒すと出て来るケースもありましたが、かなり微妙な調整が必要で、結局穴を塞いでの調整は(少なくとも私は)上手くいきませんでした。
そこで止む無く諦めて、ネットで別の情報を検索した結果見つけたのが、『水やり楽だぞぅ』(株式会社アーランド)という4本入りで800円程度の製品でした。
これは、白いスポンジの太い紐状の様なモノで、ポイントは、その白い棒状が化学繊維ではなく天然素材の綿。その綿の毛細管現象(細い管状物体の内側の液体が管の中を上昇する現象)で自然にペットボトルの水を吸い上げ植木鉢の土に給水していくのです。
説明に依れば、『下に置いたペットボトルから水をくみ上げてくれます。ご家庭の使い終わったペットボトルを再利用して植物に自動給水。毎日の植物への水やりが楽になり、お出かけの際にも安心です。』とのこと。
地元のホームセンターではどこも売っていなかったので、止む無くAmazonで購入。4本入りセットが760円ちょっとで、2セット(計8本)を購入しました。
試しにやってみると、24時間経って2ℓのペットボトルの1/5位減っていました。当然給水時間はペットボトルの大きさに比例するので、2ℓのペットボトルを3つのプランターに合わせて、大きな2つのプランターには各3本、小さな一つのプランターには2本の、合計8本用意して対応することにしました。これで、計算上一週間近くは給水が出来る筈です。
因みにペットボトルの水を全部給水させるには、土の面とペットボトルの高さがポイントとのことなので、発泡スチロールのブロックを購入して自分でカットして高さ10㎝程の置台にしました。
 7月上旬に、次女たちの引っ越しの手伝いで、私はちょうど一週間家を不在にしたのですが、8日目の昼過ぎに戻ってみると、2ℓのペットボトルはどれもみな空っぽになっていて水は全て給水し終わっていました。
綿棒はどれもまだ湿り気を残していましたので、空になってから然程時間が経っていないのが分かりました。そして、勿論プランターの土も乾いておらずしっとりと湿っていて、野菜苗は葉っぱも萎れておらずキュウリもミニトマトも、ナスも皆元気でした!
これなら、もし仮にもっと長期に不在になる場合は、2ℓのペットボトルより容量の大きなバケツとかを用意すれば、比例的に不在日数分をカバー出来る筈です。
なおネット記事に拠れば、麻紐などの天然素材を使って自作することも可能な様ですが、素材の違いと太さに依る給水量との調整には試行錯誤での時間と工夫が必要でしょう。

 今回の一週間不在での、留守中の水やり。
この株式会社アーランド製の『水やり楽だぞぅ』、大正解でした。

 物置に使っている部屋の空きスペースを、ミニ書斎的に“男の隠れ家”として使っていることは既にご紹介した通りです。
そこでは、メインシステムであるリビングルームのマランツのネットワークレシーバーM-CR612に対し、ミニコンポのKENWOODのK-521 のオールインワンのレシーバーをサブシステムとしてKEFの3WayトールボーイCoda-9に接続しているのですが、K-521は10年ほど前に購入した古いモデルでネットワークオーディオではないので、例えばYouTube音源はPCからK-521へアナログ接続で聴いています。ただ、YouTubeの音楽配信ではなく、例えばグルメや観光地情報などを映像をPCで見る時には、わざわざスピーカーから聞くのも大袈裟なのでPCの内蔵スピーカーかイヤホンで聞いています。しかしそれだと、PCの内蔵スピーカーの音は“しょぼい”し、イヤホンだと音自体はそれよりはイイのですが、個人的に耳を塞がれるのは生理的にあまり好きではありません。

 そこで、無駄遣いと云われればそれまでですが、PCからの音をもう少し改善することにしました。ツールはアクティブスピーカーです。
アクティブスピーカーとは、スピーカー内部にアンプを搭載している製品です。最近人気のBluetoothスピーカーや、イヤホン端子に挿して使えるPCスピーカーの大半は、このアクティブスピーカーです。
片や、K-521に繋げて聴いているKEFのCoda-9などの“通常の”スピーカーは、パッシブスピーカーです。このパッシブスピーカーとはアンプを搭載していないスピーカーなので、アンプと接続してアンプ側で音を増幅し音量を調整する様に作られています。従って、パッシブスピーカーを使用する場合には、必ずアンプに接続して使用する必要があります。
これに対し、アクティブスピーカーはスピーカーに小さなアンプを内蔵しているため、PCに繋げば直ぐに音を聞くことが出来ます。但し、アンプが小型のため、音質や音量に制約があり性能面では劣りますが、簡単に接続が出来、小型のスピーカーが多いので省スペースでスペース効率が良く、そして何より価格が安いモデルが多いのがメリットです(勿論高価なハイエンドモデルもあります)。
特にコロナ禍での在宅勤務やゲーミングPCで、テレワーク時のWeb会議での音声やゲームでの効果音など、PC内蔵のスピーカーでは聞き取りにくかったり音質が低かったりするのを改善するために、お手軽なアクティブスピーカーを使うケースが増えて来たのだそうです。(下の写真2枚はH/Pからお借りしました)

 今回の購入にあたり、口コミ評価やレビュー記事を参考に幾つか検討した中で、コスパ第一で選んだのは最近日本でも人気のCreative Pebble シリーズの中のPebble V2というUSB電源スピーカーです。
このクリエイティブテクノロジー (Creative Technology, Ltd.) という会社は、シンガポールに本社を置く多国籍のマルチメディア機器製造企業で、スピーカーやヘッドフォンなどの音響機器を手がけていて、日本法人はアイ・オー・データとの合弁会社だそうです。因みに、創業者はシンガポールのニーヤン・ポリテク(日本で云う高専)出身とのことですが、シンガポール赴任中に技術スタッフの採用面接で良く聞いた懐かしい名前だったのも選んだ理由かもしれません。
 クリエイティブのH/Pに依れば、Creative Pebble V2は
『人気のUSB電源スピーカー Creative PebbleがUSB Type-C電源に対応しパワーアップ!総合8W RMS/ピーク出力 16Wのパワフルサウンドをお楽しみ頂けます。
リスナーへサウンドがダイレクトに伝わるよう、スピーカードライバーを45°の上向きに配置し、パーソナルリスニングに適したサウンドステージを実現。また、スピーカー背面にパッシブラジエーターを備え、重低音の効いた奥行きのあるサウンドを再生します。』とのこと。
オンラインでは3000円程ですが、近くの松本のK’sデンキにもちゃんと「PCスピーカー」コーナーがあって(エディオンには殆ど無し)、このCreative Pebbleを含め20機種程各社のモデルが並んでいたので、オンラインよりも価格は少し高かったのですが、せっかくなので地元で購入することにしました。店頭価格は税込み3300円でしたが、K’sデンキの“安心パスポート”があるので5%Offの3135円で購入出来ました。
因みに、他に検討したPCスピーカーの候補モデルは、実際にK’sデンキにも実物があった、日米の老舗のオーディオ専門メーカーである、先ずオーディオテクニカのPCスピーカーの中で同額クラスのAT-SP95(3000円弱)とJBLのPebbles(7000円程度)でした。
オーディオテクニカのモデルは所謂箱型で高さ20㎝程の小型スピーカーなので、ちょっと“かさ張る”一方で音量が2wしかなく、またJBLのPebblesは同じタイヤの様な形状で(Pebbleとは英語で「小石」或いは「小さな玉石」という意味だとか)、この中では一回り大きくて音量も25wでDAC内蔵の、高音質な“JBLサウンド”モデルで且つBluetoothスピーカーでもあるのですが、“ミニ書斎”での音楽専用スピーカーはKEFがあるので、そこまで音に拘らなくても良いかと思い、またレビュー上、JBLのそれはスピーカー側の初期設定の音量が“爆音”で設定上難があるとの評価も、書斎でのPCとは別のKEFも繋げているので都度の音量設定が気に掛かり、結局コスパでクリエイティブを選びました(Creative Pebbleシリーズの中にも、上位モデルにはBluetoothスピーカーやDAC内蔵モデル、更にサブウーファー付きモデルもあります)。
 さて、家に戻って早速PCと接続します。
電源はUSB接続でPCから取れるので、コンセントに差す必要もなく、机上がスッキリします。またUSBからの電源供給はPCの電源On / Offと連動しているのが何よりも便利です。
Creative Pebbleの形状は直径11㎝程の球体を斜めにスパッと切った様な形で、とてもコンパクト。この斜めというのが、PCの左右の机上に置いて作業者の耳に向けた45°で聴くことを前提にしています。
スピーカーの背後のパッシブラジエーターで低音を強化していて、PC内蔵スピーカーに比べればちゃんと締まった低音が出ていることは分かりますが、“重低音”というには些かオーバー過ぎて無理があります。でも僅か2インチのフルレンジのスピーカーユニットで、このサイズとこの出力なら価格的には十分高音質だと云えるでしょうし、もっと高音質で聞きたい時はアンプ経由でKEFのスピーカーで聴けば良い・・・。惜しむらくは、スピーカーグリルがあれば良かったのに・・・。
 コスパ的に考えれば、小遣い程度のたった3000円でこの状況が作れるのですから、大いに満足!・・・でした。

 最近「インテリアグリーン」という言葉を聞きます。
「インテリアグリーン」とは、室内に飾って鑑賞を楽しむ植物のこと。「観葉植物」という呼び方と意味は同じなのですが、近年はインテリアグリーンという呼び方も定着しているのだそうです。
元々観葉植物は、屋外・屋内を問わずおしゃれな空間づくりに取り入れやすいアイテムとして人気でした。そして近年ではマンションをはじめ集合住宅が増えたことで、(正に我が家もそうなのですが)屋外よりも屋内で植物を育てる機会が増加。こうした変化に合わせて観葉植物のインテリア要素がフォーカスされ、インテリアグリーンという呼び方が広く浸透してきたのだそうです。

 さて、花の時期が終わったので外に出しているシンビジウムとクリスマスローズ、そしてボケを除いて、大小7鉢ある我が家の“インテリアグリーン”の一つ「幸福の木」。正確には「ドラセナ・マッサンゲアナ」。
前の家から持ってきたのが、もう10数年にもなる観葉植物で、ハワイで“幸福の木”とも呼ばれる「ドラセナ・マッサンゲアナ」。これは、確か家内へのバースデイプレゼントに購入した筈。新しい葉が出ると茎も伸びて随分成長したので、一度園芸店に頼んで大きめの鉢に移し替えて貰っています。購入した時の写真と比べてみると、その違いは一目瞭然です。
 このドラセナ・マッサンゲアナはハワイ原産の観葉植物なので、寒い信州のせいなのか、前回もご紹介した様に冬になると何枚か葉が黄色くなってしまします。
ところが、最近は信州も猛暑なので、夏になるとその黄色だった葉も全部が鮮やかな緑色に見事に復活してくるのです。
 そしてもう一つ。ミリオンバンブー、万年竹。
こちらは、前の家で家内が生け花を自宅に先生に月一回来てもらって習っていた時の材料で、数年前に活けた中でこれだけ花瓶に刺していたら、その名の通り本当に丈夫で、やがて切り口から根が出てびっしりと生え揃ったのです。時々水を換えるだけで何もしてこなかったのですが、最近葉が黄色くなってしまいましたが、根がしっかりとしていたので捨てずに切り戻して、もしかするとまた芽が出て来るかもと水だけ定期的に換えていました。
しかし、時間が経ってもなかなか芽が出て来ません。切り口も段々黄色っぽくなってきました。
時々野菜などを買いに行く産直市場の中に、演芸コーナーもあって、そこで切り花や生け花用の切り花とかを売っているので行くと覗くのですが、昔ミリオンバンブーがあったと思うのですが、最近行ってもミリオンバンブーは入荷がありません。スタッフの方に聞くと、最近良いのがなかなか無くて入荷していないとのこと。その後も見当たらず、種類は違うのですが、たまたまあったドラセナの切り枝で雰囲気が似ているのがあったので三本買って来て、ミリオンバンブーの花瓶に一緒に刺してみました。
 先日、何となく「ミリオンバンブー 万年竹」とネット検索して調べてみました。
個人的には何となく「万年竹」という名前から、てっきり中国原産の竹の仲間だろうと勝手に思っていたのですが、あに図らんや!!全く違っていたのです。
ミリオンバンブーは節のある竹のような茎が特徴ですが、竹の仲間ではなく何と「ドラセナ・サンデリアーナ」という植物の形を変えたものなのだとか。
 「えっ、これもドラセナなの!?」
そして原産地は中国ではなく熱帯アフリカ西部のカメルーンで、リュウゼツラン科ドラセナ属の常緑低木なのだそうです。
学名はDracaena sanderianaで和名は「銀葉千年木」。ミリオンバンブーは緑の葉に白い斑が入るドラセナ サンデリアーナ、濃緑色の青葉サンデリアーナ、葉がライム色で全体的に黄色っぽいサンデリアーナ ゴールデンの3つの種類があるそうで、今回買って来たドラセナは白い斑入りなのでサンデリアーナでしょう。そして、生け花用に先生が持って来られたのは、濃緑色の青葉サンデリアーナだったのでしょう。
園芸コーナーでの記載もドラセナでしたし、今回ミリオンバンブーとは知らずに似たような葉だったので「ドラセナでもイイや」と買ったのが、まさか同じ種類だったとは・・・。
因みにミリオンバンブーは、「ラッキーバンブー」、「万年竹」、「開運竹」、「富貴竹」、「億万長者の竹」、「長寿の竹」など数多くの別名があるのだそうです。
 そして、先日切り詰めて枝と根だけになってしまったので、殆ど諦め掛けていたミリオンバンブーの根っ子の中から新しい白い芽が出て来ました。そして他の一本からは、節から白いやはり芽の様モノが出て来ました。更に、3本のドラセナの切り口からもそれぞれ白い根が生えて来ました。

 幸せをもたらすと云われるそれぞれのドラセナ、「幸福の木」と「幸福の竹」。
それはドラセナが家にただあれば幸福をもたらしてくれるのではなく、その強い生命力で例え枯れそうになってもまた濃い緑が復活したり、葉が枯れても根の中からまた新しい芽が出て来る、そして切った枝も水に刺しておくだけでやがてしっかりと根が出て来る・・・。そんな強さを目の当たりにすると、小さな植物の頑張りがそれを見る人間にも諦めちゃいけないと悟らせて、人もまた頑張ることで結果幸福がもたらされて来たのかもしれない・・・。

 思いがけずも出て来た小さな芽を見て、そんな気がしてきました。
そんなことを想わせてくれた、我が家の真夏のインテリアグリーンです。

 我が家は浄土宗ですが、7月になると菩提寺からお盆の「おせがき法要」の塔婆申し込みの案内が来て、8月になって申し込んでいた先祖供養の塔婆などを受け取りに毎年お寺に伺います。
因みに、この「おせがき」というのは、仏教で死者の霊魂に食べ物や飲み物などを施して供養する法会(儀式)のことを「施餓鬼(せがき)」と云うのだそうで、その施餓鬼の目的は、飢えや渇きに苦しんでいる死者の霊魂を救済することであり、その施餓鬼には多大な功徳があるともされているので、ご先祖様へ功徳を振り向けること(「回向(えこう)」)で、追善供養にもなるとされているのだそうです。そのため、多くのお寺ではお盆の時期に盆法要と合わせて施餓鬼法要を実施しているとのこと。
今年我が家は新盆になるので、新盆と併せて先祖供養の二本塔婆を申し込み、先日お寺に受け取りに伺って来ました。

 ご住職から塔婆を受け取って帰ろうとすると、庭を掃除されていた副住職から呼び止められ、何事かとその場に伺うと、
 「これ見てください!さっき見つけたんです。」
指差す方を見ると、本堂前の古木のかつらの木の枝に、セミの抜け殻が“数珠繋ぎ”になっているではありませんか。抜け殻一つなら別に珍しくもありませんが、確かに同じ場所に7つも連続しているのはこれまで見たことはありません。
 「ナルホド、数珠つなぎというのは流石にお寺さんらしいですね!」
皆兄弟なのか、7年経ってこの真夏の同じ日に土の中から出て来て、同じ枝に登り7匹一斉に脱皮して飛び立っていったのでしょうか。
 お寺の庭の“数珠繋ぎ”のセミの抜け殻。お盆に向けて、これもお寺さんの何か功徳なのかもしれない・・・と思い、何だかチョッピリ幸せな気持ちでお寺を後にしました。

 前の家では、家庭菜園で夏野菜と食用ハーブを栽培して楽しんでいました。
“自家製”の野菜は買ったモノと比べると、例えば敢えて小指大で収穫する“姫”キュウリを、“モロキュウ”で食べる時のパリッと折れる程のみずみずしさ。そしてまだ青い内に収穫して出荷する市販のトマトとは違って、真っ赤になってから収穫する畑のトマトの、「もしかすると、トマトはフルーツかも・・・」と思える様な本来の甘さ。また、付け合わせで捨てるなどトンデモナイ!と思える程の、ハウス栽培モノとは全く別モノだったパセリの美味しさなどなど・・・。自分で育てた方が安いというよりも、その美味しさが何より格別でした。

 引っ越したマンション。当然畑に出来るような庭はありません。田んぼは父の頃から農協(JA)に貸して耕作して貰っていますし、山にも(父の代から)知り合いの方にタダで貸している小さな畑もあるのですが、引っ越して距離も離れてしまい仮に毎日車で行くのも難儀ですし、何よりそこには水利も無いので野菜栽培には不向き(植えっ放しでも栽培可能な玉ネギとか、ダイコンなどの漬け物野菜なら良いかもしれませんが)。

 以前、長女が虎ノ門のマンションに居た頃、“キッチン菜園”でバジルと青ジソを育てていて「便利だよ」と言っていたのを思い出し、どうしても家庭菜園や庭いじりが出来ないのに我慢出来ず、一昨年ベランダで野菜を育ててみることにして、ホームセンターの園芸売り場に行って、30㎝以上の深さのあるプランター2個と浅目で長さのあるプランターを1個、そしてプランター用の土(培養土)を購入。そしていつもの園芸店で購入した苗は、キュウリ、ミニトマト、ナス、バジル、パセリ、青ジソ。
一昨年初めて“プランター野菜”にトライしてみたその結果は、パセリや青じそは問題無かったのですが、肝心のキュウリは「花は咲けども実の一つだに無きぞ悲しき・・・」で、漸くナスが数個とミニトマトがちょっと収穫出来たくらいで、家内からは、
 「あらっ、買った方が安いんじゃない・・・!?」
プランター栽培は初めてでちゃんと収穫出来る自信も無かったので、自分の小遣いの中から出費しており、家内にしてみれば、無駄な出費(“百害あって一利なし”)にしか過ぎなかった昔のタバコやお酒と同じ印象だったかもしれません。
そして、昨年は夏場出張で数週間不在となる長女のために、家内と一緒にコユキも連れて麻布台の彼女のマンションで柴犬のマイの面倒を見てあげなくてはいけなかったので、その間プランターへの水遣りが出来ないことから夏野菜の栽培は断念しました。

 しかし、マンションでもやっぱり野菜を育ててみたい!
そこで、今年は一年振りに再チャレンジしてみることにしたものです。本来ですと夏野菜はGWの頃からもう植えられるのですが、ただ信州では遅霜がある可能性もあり、特にウリ科の野菜は霜に弱いので、中長期予報をチェックしてリスクがあるなら遅めに植えるか、或いは防霜対策をする必要があります。
但し今年は6月下旬に南紀白浜旅行があって、一週間不在で水遣りが出来なくなることから、少し植えるのは遅くなるのですが、戻ってから6月末に苗を買って来てプランターに植えました。キュウリとミニトマトがそれぞれ2本。あとは、青じそ、パセリ、バジルが一株ずつ。
一昨年、初めて畑ではなくプランター栽培に挑戦し失敗。或る意味完敗と言って程の状態でしたが、栽培に関しては、昔の沢村の頃の母屋の果樹園脇の家庭菜園で色々な夏野菜を植えて収穫して、市販のモノと全く違うその美味しさを楽しんでいたので、その延長線上で同じ様に管理していました。しかし、これがいけなかったのだと思います。
というのも、我が家の果樹園は昔父のリンゴ栽培の仲間の人たちから「カネヤマの畑は土がイイだで」と羨まれる程の土壌の良さだったのです。
そんな肥えた土だったので、植えてただ水遣りさえしていれば美味しい野菜が毎年採れたのです。勿論、毎年春にはトラクターで耕して有機肥料を撒いて攪拌してはいましたが・・・。
ベランダ栽培のプランターも買って来た「元肥入り」の腐葉土を入れていますが、やはり畑の土とは違うのでしょう。そこで今年は定期的に追肥をしてみることにしました。ホームセンターで所謂3要素、チッソ、リン酸、カリが1:1:1の小さな袋の肥料を購入し、それぞれのプランターに撒いて土に混ぜます。
すると数日して効き目が表れて来ました。目で見て分かる一番の違いは、特に今まで少し黄緑っぽかったキュウリの葉っぱが、上部の方から次第に緑が濃くなってきたことでしょうか。木が元気になってきた証拠かもしれません。そして、以前は雄花ばかりで時々せっかくの雌花が咲いても黄色くなって萎れて枯れて落ちてしまっていたのが、緑色のまま成長し“ちゃんと”キュウリに成長し始めたのです。ナスも結実したのは最初だけだったのが、追肥をしたらまた花が咲き出しました。
 「ナルホド、いままでダメだったのは肥料不足だったんだ!」
 子供の頃、祖父が育てていた自家用野菜畑で採ってもらって食べた真っ赤なトマトの美味しかったこと。そして父も、農家として当たり前の様に果樹栽培の傍ら自家用の野菜を作っていました。
その父が突然倒れたので、祖父からも父からも野菜の育て方は何も聞いたことが無く、見様見真似での家庭菜園だったのですが、リンゴもですが、そうかぁ、やっぱり土が一番大事なんだ!と改めて実感した次第です。
そこで、定期的に追肥をしようと思います。ミニトマトとキュウリは順調なのですが、ナスがあまり実を付けてくれません。少しケチって苗をたくさん植え過ぎたかもしれません。来年はもう一つプランターを買って、ナスとミニトマトを分けて植えて育ててみようと思います。
ただ、二回目の追肥をしたらナスも一気に6個も花が付きました。それにキュウリと同じ様に、黄色っぽかった葉も上の方の新しい葉は緑色が濃くなりました。やはり、肥料が大事。野菜の種類にもよりますが、一ヶ月おきではなく、もう少し間隔を縮めてもよさそうです。
なお、小さなプランターにたくさん生えているのは青じそです。どうやら、一昨年植えた青じその種がプランターにこぼれていたらしく、発芽して生えてきたのです。勿体無いのでそのままにしていますが、今年結実したら種を採っておいて、来年はそれを植えてみようと思います。
 見様見真似のプランター栽培なので、色んな失敗もありますし、家庭菜園とも呼べない様なプランターでのミニ菜園ですが、それはそれで面白い!
朝夕の水やり一つとっても、毎日のルーティーン化すると何だか小さなやりがいにもなります。そして、今年の失敗は来年取り返すべく、来年もやってみようと思っています。

 日経の毎週日曜日に掲載されている特集頁、「 NIKKEI The STYLE 」。
7月28日の日曜日は「藤沢周平の日記」でした。
藤沢周平が43歳にして作家デビューし45歳で直木賞を受賞したことで、それまでの業界新聞編集長との二足のわらじを止めて作家に専念します。それまでは教員退職を余儀なくされた結核療養や、生まれたばかりの長女展子さんを残しての先妻の死にあたり、「人の世の不公平への憤怒や無念さを吐き出すために書かざるをえなかった」小説から、6年後に再婚した下町育ちで飾らず明るい女性和子さんにも支えられて作家に専念し、その家族を養うために今後も作家を続けるには「作風の飛躍がなければならない」と感じていたと云います。もがき続ける中で、それまでは書くことだけを考えていた氏が、「書いたものが読まれること、つまり読者の存在に気付いた」時、自身の小説に「“大衆小説の面白さ”の大切な要件である明るさと救いを欠いていた」ことに思い至って、48歳の時に作風が変化したのだそうです。

 数ある時代小説の中で、私が一番好きな藤沢周平作品。
その中でも、市井の人々を扱った作品よりも、武家を扱った、所謂士道を扱った作品に私は特に惹かれます。中には「蝉しぐれ」の様な長編もありますが、「たそがれ清兵衛」に代表される短編も実に味わい深く感じます。
しかし、映画化された作品では、山田洋二監督による三部作は、例えば「たそがれ清兵衛」の様に、他の短編である「祝い人助八」と「竹光始末」の短編3篇を原作にして、時代設定から始まりエピソードやストーリーをかなり膨らませています。ですので、映画はあくまで藤沢周平作品をベースにした山田洋二監督の映像作品であり、この映画を見てから短編小説「たそがれ清兵衛」を原作と思って読むと、少々面食らうかもしれません。
そうした映像作品の中で、異色?なのが、1980年に発表された短編「山桜」を原作とした、2008年の篠原哲雄監督作品です。こちらは多少膨らませてはいるものの、全て本作の短編のみをベースにしているのです。

 この「山桜」という短編。藤沢周平全集で云うと僅か13頁、文庫本でもその倍程度の短編作品です。しかし、作家の田辺聖子女史曰く、『声高な主張ではなく、文章的声音は、あくまで清音で、低い。水のように素直、端正な文章だが、品高い』と評した藤沢周平作品の中で、この「山桜」は、まさにそのことを実感させてくれる短編の様な気がします。
藤沢周平の作品は、読んだ後の余韻、そして貧しくも士道の持つ気品と気高さを感じさせてくれるのですが、この「山桜」は正にそうした作品なのです。
そして、映画化された作品もそれを忠実に守っている気がします。

 藤沢周平の長女である遠藤展子さんは、この映画化された作品を見て、
『実際に出来あがった映画は、まるで父の小説を読んでいるような錯覚を覚える映画でした。本のページをめくるように父の原作の映画を観たのは初めての経験でした。父の小説は日ごろ「無駄のない文章」と言われていますが、その行間にあるものを、篠原監督は見事に映像として表現して下さいました。
桜の花びらが舞うシーン一つとっても、映像と原作が一体化し、さらに篠原監督の世界が、見る人を幸せな気持ちにさせてくれる。そして暖かく包んでくれる、そんな風に感じながら拝見させていただきました。
その気持ちを伝えると、「遠藤さん、だって原作通りですから。」と小滝氏は笑って答えてくださいました。』
因みに、文中の小滝氏というのは「山桜」の映画プロデューサーの方だそうですが、実際に短編を読んでその映画を見ると、ナルホドと感じます。出来ればこの「山桜」は、先に映画を見てから、後に短編を読んだ方が絶対に良い様に思います。
というのは、文章の方が絶対に余韻に深く浸り、そして自身で膨らませたその余韻に実際の映像以上に酔いしれることが出来るから・・・です。

 この作品、結末は書かれていませんし、主人公である野江と弥一郎の二人は、冒頭に偶然山桜の下で一度会って以降全く会っていません。しかし、遂に耐えかねて自らの意思で離縁されて家に戻っていた野江が、弥一郎不在の家を訪ねる途中、村人に頼んで手折ってもらった思い出の山桜の枝を手に訪れ、弥一郎の母に家に上がる様に促された時、
『履物を脱ぎかけて、野江は不意に式台に手をかけると土間にうずくまった。ほとばしるように、目から涙があふれ落ちるのを感じる。
とり返しのつかない回り道をしたことが、はっきりとわかっていた。ここが私の来る家だったのだ。この家が、そうだったのだ。なぜもっと早く気づかなかったのだろう。』

 結末は何も書かれてはいないのですが、弥一郎の母の「野江さん、どうぞこちらへ」という優しい声が、幸せな結末を読む者に感じさせてくれるのです。

 次女一家がアパートから戸建てに引っ越すこととなり、病院勤務と2人の育児に追われ忙しい次女夫婦のサポートに、7月上旬コユキも連れて車で横浜に向かいました。
既に家内は南紀白浜から戻ってすぐ、6月下旬から先に行って荷造りなど引っ越し準備を手伝っており、私メは飽くまで“力仕事”と、不要な家具や家電製品などの粗大ゴミの地区での収集予約が間に合わなかったため、レンタルした軽トラでの横浜市の処理場へ自分たちで運ばねばならず、次女夫婦は二人共ペーパードライバー故に軽トラドライバー兼運搬係です。
引っ越しそのものは勿論専門の引っ越し業者にお願いしてあり、アパートへのアクセス道路が狭く大型車両が駐車して作業が出来ないことから、中型トラックで二度に分けて搬送。残った廃棄物などの処理と新居での片付けなどの作業を、我々も一緒に一週間ちょっと掛かって無事終わらせることが出来、最後は庭木の剪定と手入れを済ませ、残って育児と家事のサポートを継続する家内を残して、先にコユキと松本へ戻って来ました。

 この横浜での一週間ちょっとの滞在中にランチで何度かお世話になったのが、新居の近くに在った「バーガーキング」でした(因みに、近くにはバーガーキングだけではなくて、マックもモスも、はたまたサブウェイもフレッシュネスバーガーの店舗も在ったのですが)。

その訳は・・・、マックは松本市内だけでも何店舗もあるのに対して、バーガーキングは長野県下には店舗が無いから・・・ではありません。理由は、私メにとってバーガーキングは、昔馴染んだ“懐かしの味”だから・・・なのです。
昔、家族で赴任して6年半暮らしたシンガポールで、住んでいたコンドミニアムの近くにはマックもバーガーキングも、そして赴任中に日本から進出して来て、現地でも行列が出来る程人気になったモスの第一号店もありましたが、家族でテイクアウト(シンガポールではイギリス英語のTake away を使うのが一般的)したのは専らバーガーキングでした。子供たちが通っていた英国式スクールのママ友と子供たちに人気だったのも、マックよりもやはりバーガーキングが人気だった様です。理由は単純で、マックよりもバーガーキングの方が美味しいから。それにオニオンリングがあるから。また個人的には、シンガポールではハンバーガーショップなどではオーダーすると必ず無料で付いてくるのが当たり前で、お願いすると更に何個か追加して貰えた個袋のチリソースですが(帰任してハンバーガーショップのどこにも無いのにガッカリし、家では常備しているユウキのスイートチリソースを必ず使っています)、バーガーキングのチリソースが断然美味しくて、片やマックはガーリックが効きすぎていて好みでは無かったのもその理由でした(そう云えば、長女がコンサル勤務時代、シンガポールの日系企業コンサルに3ヶ月間長期出張した際に、バーガーキングのチリソースの小袋を帰国時のお土産にたくさん貰って持ち帰ってもらって、松本でマックのハンバーガーなどをテイクアウトした時に大事に使ったことを思い出しました)。
但し、マックの店舗の中には子供用に遊具などが置かれたプレイルームを備えた店が在り、そこでマックの商品を注文する前提で、子供たちの誕生日会などに無料での貸切が可能でデコレーションもしてくれるので、子供たちもシンガポール時代に友達のバースデーパーティーではバーガーキングではなくマックに何度もお世話になった様です。
 さて、前置きが長くなりました。
新居での作業中、子供たちをあやすために気分転換に外出した次女が、ランチのテイクアウトで、「モスかバーガーキングか、どっちがイイ?」と言うので、松本には無いので迷わずにバーガーキングを希望したのですが、家内はモスの方が・・・とのこと。その選択は行った様子で娘の判断に任せることにしました。
暫くすると娘から電話があり、バーガーキングは何を買えば分からないからモスでもイイかとのこと。その時家内が二階で作業していたのをこれ幸いと、30年以上経った今のメニューなぞ私メも分かる筈もありませんが、シンガポールでの記憶を頼りに、
 「バーガーキングだったら、確かWhopper Jr.とかがある筈だから、それとオニオンリングとポテトとか、後は任せる!!」
と家内の意向は無視して、バーガーキング一択でお願いしました。
間も無く娘たちが戻り、久し振りに食べたWhopper Jr. 。実に30年振り?でしょうか、
 「あぁ、これバーガーキングの味!シンガポールで食べてたのと同じだ・・・」
懐かしい味でした。そしてこれまた懐かしのオニオンリング。
そして、娘が「これも味見してみて!」と一口食べさせてくれた、彼女と孫のために買って来たというハンバーガー。これが旨いのナンノ!
 「えっ!これ何?“肉々しくて”ペッパーも効いてて、美味しい!」
聞けば、新製品のグリルド・ビーフとか・・・。
バーガーキングに拠ると、
『2024年6月28日(金)より、直火焼きの100%ビーフパティを最大限美味しく味わえるシンプルな本格バーガー「グリルド・ビーフバーガー」を新発売いたします。
自慢の直火焼きの100%ビーフパティ2枚に、パルメザンチーズとカマンベールチーズを合わせたホワイトチーズソースで仕上げました。バーガーキング最大の特長である、ジューシーで香ばしい、直火焼きの100%ビーフパティを最大限美味しく味わえるシンプルな本格バーガーです。』
とのこと。
何となく、会社に入って生まれて初めて西海岸に海外出張した時に、米国子会社に行く前に、託された日本からのお土産を渡すために挨拶で立ち寄った兄弟会社のオフィスで、出向赴任していた先輩が「ランチで外に食べに出る時間が無いから」と、オフィス近くに来ていたキッチンカーから買って来てくれて初めて食べた本格的なハンバーガー。粗挽き肉のパティがまるでステーキを食べているかの様で、大袈裟ながら「これがアメリカか!」と感激した記憶があるのですが、何だかそれを思い出しました。
僅か一週間ちょっとの横浜滞在中、娘たちには飽きられながら、私の希望でこのグリルド・ビーフバーガーを私メが自分でテイクアウトして来て皆で三度食べました。しかも日曜日のランチタイムは大混雑で、注文して受け取るまでに優に30分以上も掛かりながら・・・。
コストか或いは食材調達の都合か、このグリルド・ビーフバーガーは残念ながら期間限定商品とのことですが、実に勿体無い!通年で販売すれば多少高くても(単品で790円)絶対に看板商品になれる筈!
 今度もし来る機会があった時に、また食べることが出来るかなぁ・・・?それよりも、バーガーキング、松本にも出店してくれないかなぁ!・・・。
(因みに、以前の日本進出時は西武系、その後はJTと組んでのフランチャイズ展開は上手くいかず首都圏のみで撤退し、その後ロッテリア傘下となった既存店舗と、併せて日本での営業権を持つ外資投資会社が設立した日本法人が新規店舗を自社展開しているとのことですが、今度は是非地方にも展開して欲しいものです)