カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 もう7年近く前ですが、一度計画して直前になって断念した、世界遺産熊野古道の中辺路を歩く旅。

 その時は去年16才で亡くなったナナを妹に預けて、羽田から飛行機で南紀白浜空港へ飛ぶ予定でしたが(当時次女が勤めていた外資系航空会社のアライアンスの関係で、同じアライアンス・グループの日系航空会社の国内線もファミリーチケットで乗れたので)、記憶が定かではありませんが、確かその頃ナナの具合が一時良くない時期があって、不在中に妹に迷惑を掛けてはいけないので旅行を諦めたのだと思います。
そして、その後保護犬のコユキを二匹目のワンコとして迎え入れて、結果ナナは奇跡的に元気になってくれたのですが、一方のコユキは臆病で他人にはなつかないし、以前の檻に入れられて虐待されていただろうブリーダーを思い出させるのも可哀想で、そのためケージに入るペットホテルには預けられないので、コユキが来てからは念願だった熊野古道へ行くことは、車では遠すぎるからと諦めていました。
勿論、飛行機ではなく電車で大阪から紀勢本線の特急で行くことも可能ですが、電車移動だと途中ワンコが休憩できるポイントも無いので、行くとしたらSAなどの屋外でナナとコユキが休める車で行くしかありません。しかし車だと、松本から南紀白浜へは520㎞以上のロングドライブなのですが、今回はコユキも一緒に電車ではなく、その車で行くことにしました。
と言うのも、昨年軽井沢のドッグヴィラのあるホテルに滞在した時に、居合わせた我々よりも年配の山梨県在住のご夫婦から、車で南紀白浜迄行ってとても良かったことをお聞きして、「車で大丈夫ですよ!」と勧められ(おだてられ?)、(少なくともご夫婦よりは若輩の)我々も車で行くことにした次第です。
昔、ハワイに遊びに行く家族たちを送って、松本から成田往復600㎞を運転した時は最後疲れて本当に大変だったのですが、2年前だったか、松本へ帰省する長女と一緒に車で帰るため、旅行先の京都から彼女の麻布台のマンションまで500㎞弱運転したのですが、ACCを使ったら全然大丈夫だったのです。
今はACCさえあれば、高速道路ならアクセルもブレーキも一切不要。ただハンドルを握っていれば良いので、500㎞を超える様な長距離運転でも脚は然程疲れません。
今回の南紀白浜行はロングドライブになるので5泊としたのですが、疲労をふまえ、初日と最終日は移動のみに充てるだけにして他に予定は入れませんので、道中必要なら何度でも休みながらノンビリ行けば良いし、焦る必要もありません。従って、5泊6日の中で観光に使えるのは中4日間だけになります。
唯一の問題は5月末の天気が雨予報で、しかも台風も発生した由。地元での登山なら天気の良い日を選べば良いのですが、数少ないドッグヴィラの予約を直前になって取り直すのは不可能なので、元々計画した日程で行くしかありません。
行き帰りの日を除くと、中4日中二日間は雨予報。そこで、残り二日間を熊野古道に充てることにします。

 2004年に世界遺産に登録された熊野古道。
熊野古道の中辺路(なかへち)は、田辺市の起点からメインの熊野本宮神社までを通しで歩くと40㎞近くあるので、本来は途中民宿などに二泊くらいしながら踏破するコースなのですが、ワンコ連れだと(泊めてもらえず)無理なので、日帰りで滞在先のドッグヴィラの在る南紀白浜町まで戻らないといけません。そのため全行程歩くのは到底無理で、行程の最初と最後をそれぞれ(帰路はバスも使って)日帰りで二日間歩くつもりです。

 事前のPCの道路検索では、松本から南紀白浜へは5時間半くらいの到達時間でしたので、チェックイン時間に合わせて、余裕を見て8時半に自宅を出発しました。すると、Naviは6時間半の到達予想とのこと。
表示された経路は、中央道から東名を経由して名神、そして京都の手前から京滋バイパスに入り、第二京阪、阪和、紀勢道路へと、宇治から枚方・門真、堺を経て和歌山へ至るルートで、ゴールの南紀白浜まで520㎞ちょっとの表示です。
この日は日曜日だったので、そこそこ混んでいましたが、ルート上には特に渋滞箇所は無く、途中、いつもの名神一宮SAのドッグランで休憩し、初めての大阪府内の運転でしたが無事和歌山県に入ったので、阪和道の紀ノ川SA(和歌山市)で二度目の休憩を取りました。広々として気持ちの良いSAでした。個人的には「紀の川」と聞くと、何となく有吉佐和子が連想されます。因みに紀の川は奈良県内では吉野川と呼ばれていて、和歌山県に入ってから名称が変わります。
この辺りまで来ると、新緑を迎えた山の緑も信州などの山とは色味が違い、信州の里山には無い赤茶系の若葉の木々が所々目立つ様な気がします。そして「有田」という名前が目立つ様になると、山の急な斜面までミカン畑が道路の周りに拡がって来て、名実共に和歌山に来たことを実感させてくれます。
信州や青森の消毒や草刈りで機械が入る平地やなだらかな丘陵地のリンゴ園と違い、所に拠ってはかなりの急斜面に石垣まで組んで段々畑の様にして植えられているミカン畑。限られた平地は田んぼに使うためか、或いはその方がむしろ日当たりが良いのか・・・。ただ(嘗ては)同じ果樹農家のハシクレとして、その一方での剪定や消毒、収穫時などの農作業の過酷さを想います。
 紀伊田辺ICで高速を降り、途中、海鮮マーケットである「とれとれ市場」でこの日の夕食にお刺身等を買って、無事滞在先のホテルに到着することが出来ました。買い物に立ち寄ったこともあり、松本を出て7時間!掛かって4時半過ぎの到着。しかし6時間半のロングドライブは、ACCのお陰で脚はそれ程疲れなかったものの、イヤハヤ南紀白浜は本当に遠かった・・・。
でも夕刻、ホテルの近くから見た紀伊水道に沈む夕日はキレイで、本当に海に来たことを実感しました。

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