カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
家内が次女の所に手伝いに行って一人の時、無類の(多分)麺好き人間の私メとしては、チャンスとばかり外出して好きな醤油ラーメンや信州そば、或いは「たけしや」の焼きそばでも食べに行けば良いのですが、何となく一人で外出するのも億劫で、面倒臭くて(信州弁では「ずくが無い」と言います)、「しょうがない、自分で作るかぁ・・・」と独り言を呟きながら、ランチ用に自分で作っても結構美味しくて満足している麺類、それは冷やし中華と焼きそばです(と、今回も些か前置きが長くなりました)。
自宅で冷やし中華と焼きそばを食べる時に使っているのは、どちらも“マルちゃん”でお馴染みの「東洋水産」のロングセラー商品、所謂冷やし中華の「冷やし生ラーメン」と「マルちゃん焼きそば」です。
どちらも3食入りで、近くのスーパーマーケットでは値上げ後の最近は250円前後で販売されています。
同社のH/Pに依ると、この東洋水産の「冷やし生ラーメン」は東日本(北海道、東北、甲信越、関東、静岡、中京、北陸)で販売されているとのこと。
因みに、西日本(近畿、中国、四国、九州、沖縄)向けには「冷し中華」という名称で、同じ3人前 の生麺が2013年から販売されていました。また、北海道限定で、「北の味わい 黒酢入り醤油だれ冷しラーメン」という2人前の生麺が2022年から販売されているようです。
ネット記事にあった東洋水産のコメントに拠ると、「冷し中華」という名称は1970年代頃から一般的に使われる様になったのに対して、「冷し生ラーメン」は1966年の発売だったため、当初「冷やしラーメン」という名称で販売が開始され、その後1976年(昭和51年)に「冷し生ラーメン」と改名されたとのこと。
山形を中心とする東北地方には、暑い夏に普通のラーメンを冷たくして食べる「冷やしラーメン」が存在していて、次第に全国にも広まってきたことから、それとの混同を避ける意味もあったのでしょう。しかし、北海道限定では「冷やしラーメン」が定着している様ですし、逆に西日本は10年前から「冷やし中華」として統一されているようです(但し、関西では一般的な「冷麺」という呼称は使われてはいません)。
「冷やし中華」のポイントは飽くまでスープ。個人的にはラーメンは醤油派故、冷やし中華もゴマダレでは無く、醤油ダレ一本ですが、東洋水産のこれが甘味と酸味のバランスが個人的に一番好み。しかも、マルちゃんの冷やし中華には振り掛けとして海苔、イリゴマ、フリーズドライの紅ショウガなどが小袋で入っているのが有難い。
具は、外で食べても、キュウリやハム、錦糸玉子にトマトと、自宅でも十分作れるレベルですので、スープ(醤油ダレ)さえ確保出来れば、わざわざ外で食べなくても十分自宅で満足出来る冷やし中華が作れます。
もっと酸味が強いスープが好みであれば、瀬戸内レモンだれという酸味を増して更に極細麺を使った商品も販売されています。
一方の「マルちゃん焼そば」。これも豚バラ肉やキャベツさえ用意すれば、自宅でも十分美味しい焼きそばが作れます。好みにより、青海苔やカツオ節粉、紅ショウガを振り掛ければ更にお店の味に近付きます。
東洋水産の「焼きそば」に関して、ネット検索で見つけた東洋水産への取材記事に拠ると、1975年(昭和50年)の発売開始以来50年近くもの間、驚くべきことにこれまでに一度もテレビCMをしていないのだそうです。
焼きそばは当時外食で食べるもので、家庭用のチルド麺を提供するところは殆ど無かったのだそうです。
「マルちゃん焼そば」が発売された1975年(昭和50年)当時は経済成長時代で、大都市でも町中にうどんやそばの生麺を作って販売する中小の製麺所がたくさん存在していて、業務用は勿論、家庭用の麺もこれらの製麺所が担っていたのだそうです。
「マルちゃん焼きそば」は蒸し麺だったので、町中の製麺所とは直接競合しないのだそうですが、全国の中小の製麺所との共存共栄を望んだ結果、“敢えて派手なコマーシャルはしない”と決めたのだそうです。
それまでは町の食堂や、それこそ定番の夏祭りの屋台など外食で食べるモノだった焼きそばを家庭でも十分美味しく食べることが可能にしたのは、CMなどしなくても日本中で食べられる様に広まった、この「マルちゃん焼きそば」のお陰と言っても決して過言では無いと思います。
個人的には、付属の粉末ソースに更にお多福ソースを加味して、味を少し濃い目に炒めて楽しんでいます。
今では他にも焼きそば商品はたくさんあり、家庭で作れる焼きそばの選択肢は随分増えました(個人的には太麺が好み)が、初めて家庭で楽しめる焼きそばを提供し、いまだにロングセラーを続ける「マルちゃん焼きそば」の“家食”への功績は大だと思います。
【追記】
併せて、第1178話の「カップヌードル讃歌-カップ焼きそば」も是非参照ください。