カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 覚悟の上の終活と断捨離で一戸建ての自宅を手放し、“終の棲家”として2021年末に現在の我が家であるマンションに移って来たのですが(その辺りの経緯経過は、2022年の1701話から1720話辺りをご覧ください)、分かっていたとはいえ、マンション暮らしの中で個人的に寂しいのは庭が無いこと、家庭菜園が無いこと・・・です。
日々少しずつ変わって行く庭の芝生や木々を見る癒し効果と、そして家庭菜園で朝収穫した夏野菜の瑞々しさと大量栽培でないからこその味の濃さ・・・。そんな、“生きとし生けるもの”と一緒に暮らすことの、人間としての小さな、でも大切な日々の安らぎ・・・。
些か大袈裟に聞こえるかもしれませんが、そんな気持ちになる程、身近にある“グリーン”に触れる、そして“土いじり”をして触わることの安心感。
そういう意味で、昨今のTVでタレントを起用しての家庭菜園やベランダ野菜栽培などの番組がNHKで放送されているのも、或る意味現代社会に生きる人間に必要なニーズの一つなのかもしれません。
荒れ地にならない様に、亡き父の代からJAにお願いして耕作していただいている田畑以外にも、我が家にも何もしていない山の畑もあるのですが、水利が無いので野菜栽培には不向きなのです。
そこで、一昨年ベランダでのプランター栽培で野菜を育ててみたのですが、夏の時期など毎日の水遣りが出来ずに数日間家を空けて水をあげないと、水分を土中に保持出来ない浅いプランターでは(喩え30㎝であっても)それだけで野菜は枯れてしまう、或いは枯れずともちゃんと結実してくれないのです。ですので、例えば家を空けて4泊5日で旅行に行くなどは、もしプランターで夏野菜を育てたいのであれば諦めるしかないのです。

 些か前置きが長くなりました。
マンションに暮らすというそんな状況下で、そうは言っても・・・と、もう少し緑に触れたいと思い始めたこと。
その前に、マンションの我が家に在る“植物”は、今までもご紹介したシンビジウムと、前の家の庭から鉢に移植して持ってきたクリスマスローズ。これらは、いずれも家内が長年丹精込めて世話をしてきたものですが、それぞれシンビジウムが3鉢とクリスマスローズが2鉢。それと同様に前の家から持ってきたのが、もう10数年にもなる観葉植物の、ハワイで“幸福の木”とも呼ばれる「ドラセナ・マッサンゲアナ」。これは、確か家内へのバースデイプレゼントに購入した筈。新しい葉が出ると茎も伸びて随分成長したので、一度園芸店に頼んで大きめの鉢に移し替えて貰っています。
一般家庭では、どうしても冬場は室温が下がるので、今は少しまだ黄色くなっている葉もありますが、夏になるとそれらの葉も皆緑色に回復します。やはり南国生まれの観葉植物は、夏場の方が元気が良い様です。
そしてもう一鉢。上述の寂しさを少し解消すべく、マンションへ引っ越した際に購入したのが、同じドラセナの仲間で、細長く先端が尖った葉が特徴の涼しげでオシャレな「ドラセナ・コンシンネ」の高さ150㎝以上もある大きな鉢。このコンシンネには、その葉の色に寄って幾つか種類がある中で、緑と白のストラップの葉が特徴の「ホワイトホリー」という涼し気で爽やかな印象のする品種にしました。松本市内の観葉植物専門店で、2万円近くしましたが、色々探した中で二人共気に入って購入した鉢です。




 上述のクリスマスローズはべランダに在りますし、花の時期以外は蘭のシンビジウムの3鉢もベランダに置いてあるので、室内に在るグリーンはこの観葉植物の大きな鉢が二つ。これだけでは何となくまだ寂しいので、そこで“ミニグリーン”或いは“ミニ盆栽” とでも呼べそうな小鉢を購入することにしました。
そのために、市内の寿地区に在る産直野菜中心の「アルプス市場」や郊外の大きなホームセンターなどに行った時に、併設されている園芸売り場も覗いて気に入ったモノがあると何鉢か購入しました。

先ず一つはガジュマル。沖縄など亜熱帯から熱帯地方に分布するクワ科イチジク属の常緑高木で、太い幹が特徴的なゴムの木の仲間。観葉植物の中でも、最も人気が高いと言われ、沖縄の逸話では家庭に繁栄をもたらす木として「多幸の木」とか「幸せを呼ぶ木」と称されているのだそうです。
そして次にコーヒーノキとクチナシ。どちらも光沢ある艶やかな葉が印象的です。そしてコーヒーもクチナシもジャスミンに似た香りの白い花を咲かせるのですが、それもその筈で、二つとも同じアカネ科の植物です。
ミニグリーンですので、いつになるか分かりませんし、鉢が小さ過ぎて無理かもしれませんが、もし上手く咲いてくれれば、濃い緑の中の赤い花が印象的なことに由来する“紅一点”のザクロならぬ “白一点”とも呼べそうな、コーヒーとクチナシのいずれも白い花が印象的な筈なのですが・・・。
そしてバキラ。挿し木用か水耕栽培用なのか、10㎝足らずの小さな枝が濡れたスポンジに包んで売られていたので購入し、家にあった小さな鉢とバーミキュライトで鉢植えにして、水がこぼれても構わない様にガラス鉢の中に入れているのですが、新しい葉が幾つも伸びて、3倍近く大きくなりました。(下の写真で右がクチナシ、左がバキラです)
それと、ガジュマルと一緒に買ったのですが、難しくて枯らしてしまったアジアンタム。でも生きている芽もあったので捨てるのが可哀想で、そのまま育てているのですが、果たして大きくなってくれるかどうか・・・?
最後に、観葉植物ではありませんが、たまたま行った時に花の時期が過ぎて半値に値引き販売されていたのでつい買ってしまった、ミニ盆栽とも言えそうなボケの小鉢。一本の木に紅白の花が咲く「東洋錦」という種類だそうです。結構長い間咲いていて、目を楽しませてくれました。
 以上、庭の無いマンションでの“グリーン欠乏症”とでも言えそうな状況への対処法として、購入した“ミニグリーン”の数々。
霧吹きで水分を補給したりと、少しずつでも毎朝世話をするのが多少の気休めにもなっていて、これらのミニ盆栽の様な“小さな”鉢植えが日々の潤いを与えてくれ、間違いなく少なからぬ癒しにもなってくれている気がしています。