カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 前日の夕刻には土砂降りだった雨も上がり、箱根3日目となる翌4月10日は朝から雲一つ無い快晴でした。
朝、コユキとホテル周辺の散歩に出ると、仙石原の小塚山などお椀を伏せた様な小山が連なる上に、真っ青な空を背景に真っ白な富士の頂がチョコンと覗いていました。
天気だけなら今日は絶好の登山日和。こんな日に金時山に登れば、富士の絶景が眼前にどーんと拡がっているかもしれません。しかし、昨日のあれだけの大雨でしたので、上り始めの笹原を縫うような登山道は、きっと小川の様に雨水が流れた筈で、翌日の今日ではまだ乾かずにぬかるんでいるでしょうし、もし滑ってケガでもしたらいけないので、この日の登山は止めにしました。

 そこで、この日は6年ぶりのポーラ美術館へ行くことにしました。
前回はちょうど開催中だった、青のデルフィニウムが印象的な花瓶に投げ活けされた花の絵が大好きな「ルドン展」がお目当てだったのですが、今回開催中の「モダン・タイムス・イン・パリ1925-機械時代のアートとデザイン」と題された企画展自体には然程興味は無く、むしろ奥さまのご要望に応えて、館内のレストラン「アレイ」でのランチも兼ねての再訪です。またポーラ美術館は館内だけではなく、周囲の「ヒメシャラの森」の遊歩道散策もとても素敵で、前回は初秋で大変印象深かったのですが、今回はまだ芽吹き前で些か殺風景でしょうし、園内の遊歩道沿いにはあちこちに彫刻が置かれているとはいえ、散策にはまだちょっと季節外れでしょうか。

 仙石原からくねくねした山道を上り下り、10分も掛からずに到着。この日は平日ではあるのですが、多分企画展の内容もあってか広い駐車場は思いの外空いていました。我々は車で来ましたが、仙石原からだとガラスの森美術館のバス停から観光施設巡りバスが乗り継ぎ無しの一本で行けます。また登山鉄道の終点強羅からは無料の送迎バスもあるそうです。
ポーラ美術館に限らず、箱根の観光は登山鉄道だけでなく、バスが縦横無尽に本数もたくさん走っているので、車が無くても然程困りません。我々は山国信州にいるのと然程変わらないのですが、都会から来られると箱根は山道が多いので、ホテルに宿泊されているお客さんの中には、車はホテルへの行き帰りだけで滞在中はずっとホテルに駐車したままで、専らバスで箱根観光をされている方々もおられました。
仙石原の森の中に佇むポーラ美術館は、日本最大級と云われる印象派の絵画収蔵で知られています。そして傾斜地の立地を活かした美術館そのものもガラスに覆われ、自然光が降り注ぐ近代的でモダンな建物で、建物自体が芸術作品の様です。
 今回開催されていた企画展は、第一次大戦後の復興により急速な工業化が進展し、「機械時代」と呼ばれた1920年代のパリで、それが芸術と結びついたアール・デコ様式の作品が展示されていました。個人的にそれ程関心のある内容では無かったのですが、中には知っているモディリアーニやマリー・ローランサンなどの作品もあり、また今回の常設展の中には、ポーラ美術館所蔵の作品の中から印象派を中心に、モネ、セザンヌ、ルノワールなどの画家たちや、日本人画家のレオナール・フジタ、黒田清輝の作品、更には今回は杉山寧の作品が特集されていて楽しむことが出来ました。
そして、有難かったのはフジタやピカソなどはダメでしたが、殆どの作品がフラッシュ無しでの撮影がOKだったこと。文化財保護のために科学的な理由があればともかく、もし撮影不可が著作権上の理由であれば、日本国内でも海外の美術館の様にこうした私的な撮影に限っては許可する動きが拡がれば良いと思います。
 展示を見た後、本来の目的である館内のレストラン「アレイ」へ(1階下の別フロアには、前回利用したカフェもあります)。
こちらは、入口からエスカレーターを降りたフロアにあり、美術館を鑑賞しなくても(入館料を払わなくても)利用することも出来ます。大きな窓から見えるヒメシャラの森と白く統一されたインテリアが印象的な明るい店内は、ランチタイムもあって結構混んでいました。
今回メインを選べる3種類のランチセット(¥2,700 )の中から、奥さまは「本日のお魚料理(鯛のポワレ)、私は「鶏の香草パン粉焼き(マスタードソース)」。ランチセットには野菜スープとサラダが付いていて、そして二人共パンをチョイスしました。また、+350円でコーヒーと紅茶を頼むことが出来るとのことで、それぞれ食後にお願いしました。
奥さまは、鯛のポワレの皮がパリパリで、またソースの味付けも美味しいと絶賛していました。チキンは普通でしょうか、でもマスタードのソースはベースがバター醤油か美味しかったです。
 ランチを楽しんでから、ヒメシャラの森はまだほとんどの木々が芽吹いていないので遊歩道での散策は諦めましたが、駐車場脇の植栽の珍しいピンク色の馬酔木がちょうど満開で見事でした。
 一旦ホテルに戻り、今度はコユキも一緒に車で芦ノ湖へ。
仙石原から桃源台に下り、元箱根の町営駐車場に車を停めて湖畔へ。すると芦ノ湖の遊覧船から降りて来るのは殆ど外国人観光客ばかり。芦ノ湖周辺はインバウンドの観光客で、平日ですが結構混んでいました。少し芦ノ湖周辺をコユキも一緒に散策しましたが、あまり歩いてくれないので休憩することにしました。
箱根もワンコOKという店は少なく、あってもテラス席のみ。そうした中、前回も利用した元箱根の芦ノ湖畔の道路沿いに在る唐揚げの店「KARATTO」へ。こちらは箱根では珍しい店内もワンコOKのお店です。すぐにワンコ用にもお水を持って来てくれましたが、とてもDog Friendlyです。我々はもうランチを済ませて来たので、ドリンクだけでも構わないかお聞きしたところ快く受け入れて頂きました。ドリンクメニューにあった箱根山麓紅茶を家内がオーダーしたらこの日は品切れとのことで、普通の紅茶と私メはコーヒーをチョイスしましたが、観光地らしからぬどちらも500円で美味しかったです。前回もでしたが、店内におられたのは殆ど今回も外国からの観光客の方々。申し訳ないので、夕食用に唐揚げとフィッシュ&チップスをそれぞれお願いしてテイクアウトすることにしました。この日の夕食にホテルの部屋で食べたその唐揚げは独特のスパイスが効いていて美味しく、また自家製のタルタルソースも付いていたフィッシュ&チップスは、魚のフライがナント一般的な鱈ではなくて、驚いたことに鯵!如何にも小田原が近い箱根らしくて、こちらもとても美味しかったです!

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