カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 11月19日。4年前に縁あってコユキを我が家にお世話してくださった、埼玉のワンコ保護団体の“里親会”が狭山市のドッグランで開かれたので信州から参加して来ました。
コユキを世話してくださった保護団体は色々事情があって解散されたのですが、コユキの“仮ママ”さんと、同じ保護団体で一緒に活動されていたもう一人の“仮ママ”さんのお二人は、別の埼玉の保護団体さんに加入されて活動を再会されるようになっていて、今回はその団体さんの里親さんたちと、コユキ同様そのボランティアさんにお世話いただいた里親さんの皆さんが合同で参加されました。因みに新しく加入された団体は、これまで里親会は実施されておらず、以前の団体の“仮ママ”さんお二人が主体となって初めて開催されたとのことでした。

 今回はコロナ禍もあって、3年ぶりの開催になります。前回はナナも一緒に参加しましたが、今年はコユキだけでの参加です。
埼玉が拠点の保護団体ですので、殆どの里親さん方は首都圏在住のご家族で、遠方からは今回も我が家だけかもしれませんが、コユキの時も何組か申し込みがあった中で、わざわざ家庭訪問にも来ていただいて、縁あって遠方である松本の我が家を選んでくださいました。家内は長女の所にサポートに行っていて、東京から直接の参加なので、そのため今回は私メがコユキと一緒に松本から車で参加します。
 予定より20分ほど遅れて朝7時半前に出て、途中談合坂SAに立ち寄り、こちらにはドッグランがあるのでここでオシッコ休憩。
オヤツも食べて水も飲んで、八王子から圏央道へ。東名と合流する蛯名などで慢性的に渋滞する圏央道ですが、横浜の次女の所へ行く時とは逆コースなので、上越道方面へ向かう方の圏央道はそれ程でもありません。
予定通り、10時半に狭山市のドッグランに到着。所沢からバスで来る家内を待って、受付をし、コユキの“仮ママ”さんであるボランティアさんに挨拶をして、参加されていた里親さん方とワンコ談義で談笑です。この日集まられたのは60人程か、老若男女、殆どは初対面の里親さんですが、そこは同じ里親同士でお互いのワンコ談義に花が咲きます。
コユキは上京している家内とは一週間ぶりなので、家内から離れず、また歩かないので(ナナもでしたが、コユキも歩かないので、我が家のワンコたちにはドッグランは“無用の長物”です)、ずっと家内に抱っこされたまま・・・。
集まった“元”保護犬の中には数匹シーズーも居て、事情を説明して触らせて貰ったりもしましたが、どうしてもナナを思い出してしまい涙が溢れて堪りませんでした。

 最近はNHKなどでも保護犬や保護猫の譲渡呼び掛けの番組や芸能人の方々が保護犬や保護猫を引き取って暮らしている様子が放送されるなどして、世間の皆さんにも保護活動への理解や、そうした保護犬や保護猫を迎え入れる家庭も増えてきたように思いますが、それでも我が国には欧米とは異なり当たり前の様にペットショップがあり、中には設け主義のペット業者や、多頭飼で崩壊する(繁殖犬を捨てる)ブリーダーなどもいますし、ファッション感覚や流行でペットを飼って、結局飼い切れずに飼育放棄する無責任な飼主もいて、こうした保護犬や保護猫が後を絶ちません。
幸いにも、長野県など保健所に保護された犬の殺処分ゼロを継続している自治体も増えつつあるのですが、猫についてはまだまだという自治体が多く、地域猫活動のボランティアの方々に頼らざるを得ない状況にあります。
ペット用のオムツやジャーキーなど、ペットショップを併設しているホームセンターに買いに行くと、ジャックラッセルの購入を考えておられるお子さん連れのご家族に、
 「この犬種は、それ程散歩させなくても大丈夫です。飼い易い犬ですヨ!」 
と、ジャックラッセルの性格や飼う時の留意事項とは真逆の説明をスタッフがしているのが聞こえて来て、“売らんかな!”が見え見えで驚いたことがありました。そうしたことがイヤで、「可哀想で、見るに堪えないから」と家内はペットコーナーの近くには絶対に近付きません。

 どうして、日本ではペットショップが許されるのでしょう?どうして欧米の様に禁止されないのでしょう?
 こうした集まりに参加しているワンコたちは、中には認知症になってしまったワンコや全く視力が無いワンコもいるのですが、どの里親さんも愛情を注いで最後まで世話をしているので、或る意味幸せなワンコたちなのかもしれません。
コユキもブリーダーから不要になって捨てられた推定8年間ただ子犬を生ませるだけだった繁殖用の“道具”で、埼玉県の保健所から引き取られた保護団体のボランティアの“仮ママ”さんから生まれて初めて愛情を注いでいただき、記号や番号ではなくおそらく初めて名付けて頂いたであろう「こゆき」という名を、縁あって埼玉から遠い松本の我が家に来てくれてからもそのまま引き継がせて貰いました。
幸い先住犬のナナが全く気にせず、4年間は二匹で一緒にくっ付いて眠る日々でしたが、今年の3月にナナが虹の橋を渡ってからは、今まで以上に家内に甘える様になり、寝る時も家内と一緒です。
コユキは繁殖犬時代に吠えてもうるさくない様に声帯を切られているため、気道が次第に腫れて呼吸が苦しくなってしまうため、我が家に来てからの二度の手術を含め、東京の専門医で三度手術をしていただいています。ですので、ペットショップで“健康”なワンコを“買う”方が余程安かったかもしれません。でも、我々が何かを我慢してでも(例えばワンコ連れで行ける所しか旅行には行けません)、ケージの狭い世界の中で愛情を知らずに虐待されて来たであろう年数を、せめて取り戻せるくらいはコユキを可愛がってあげたいと思うのです。

 そして我々だけでなく、保護犬を迎えた誰もが、そんな気持ちをそれぞれが抱いてワンコたちに愛情を注いでおられる里親の皆さんです。そんな皆さんを見ていると、まさに“同志”。犬を飼うなら保護犬を!という同じ“志”を持つ仲間という気がしてきます。
もし「保護犬ならタダで安いだろう」と思う方がいたら、絶対に止めた方がイイ!どの保護団体もそうだと思いますが、保護した犬は避妊手術やマイクロチップを体内に埋め込む手術をしています。保護犬を引き取って飼うためには、それに要した費用を負担する必要がありますし、我が家のコユキの様に、保護されるまでの状況、例えば多頭飼いやブリーダーの劣悪な飼育環境などで、保護された段階で健康上の問題を抱えた犬も決して少なくありません。そうしたことを理解した上で、最後まで飼うという覚悟が必要です。集まった中には保護された時には既に視力を失っていたワンコや、元気で飛び回っているワンコの中には「今まで何回も手術をして、コイツはもう何十針も縫ってるんです」と笑って話される飼主さんもおられましたが、ここに集った飼主である里親の皆さんは、皆覚悟を以て、そうしたワンコたちを最後看取るまで世話することを誓って、敢えて保護犬を引き取った飼主さんなのです。そんな里親の一人として、是非そうした“同志”が一人でも多く日本中に増えていくことを願わずにはいません。

 この日、そんな思いをまた新たにした“里親会”でした。

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