カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
大規模な工事が進む、森ビルの「麻布台ヒルズ」。
6月末にメインの森JPタワーの竣工式があり、300mのあべのハルカスを抜いて330mと、暫くは日本一高い高層ビルが完成とのこと(注)。ただ330m丁度にしたのは、何となくすぐ近くの東京タワーに敬意を表して、わざと3m遠慮したのかもしれないなどと勘ぐってしまいますが・・・。
工事は、その後低層階の植栽や敷地内の外装や道路、そしてビル内の内装工事が行われていて、以前来た時と比べると、当時の建設作業員の人たちから現在は内装工事や植栽担当の皆さんへと、朝夕の現場への出勤風景も何となく変わってきました。
森ビルの最近のヒルズに共通する高層ビルの外観はともかく、麻布台ヒルズではむしろ低層階の “未来都市”の様なユニークなデザインが非常に目を引きます。これは、ロンドンオリンピックの聖火台を手掛けた英国のトーマス・ヘザウィック氏の設計なのだとか。
麻布台ヒルズは「立体緑園都市(ヴァーティカル・ガーデンシティ)」をコンセプトとして、街の中心に約6,000㎡の広さを誇る緑豊かな中央広場を配置。その周りに麻布台ヒルズ森JPタワー、2棟の麻布台ヒルズレジデンスといった3棟の超高層タワーを建設。メインタワーの横には約700人の生徒が在籍するという、都心最大規模のインターナショナルスクール「ブリティッシュ・スクール・イン東京」も併設されます。
このブリティッシュスクールの新キャンパスもヘザウィック氏のデザインで、地上7階、地下1階(屋上庭園を含む)からなる建物に、室内プールや体育館、校庭などが設けられているのだそうです
因みに、我が家の娘たちも、長女が2歳、次女は3ヶ月でシンガポールに赴任。当時は日本式の幼稚園が無かったので、ブリティッシュスクールと同じ、英国式のインターナショナルスクールであるドーバーコートに入学し(外国人は公立の幼稚園や学校には入れません)、本人たちも凄く馴染んだため、そのまま帰国するまで日本人学校には通わず(そうした日本人の子供たちのために、在外日本人学校では教科書の無償供与と夏休みなどの長期休暇中の短期通学をしてくれていて子供たちも利用させてもらいました)、そのまま(日本人学校を超える費用は全て自腹でしたが)帰国まで在学していました(娘たちの友達は殆どが外国人で、例えばホームパーティーなどで発音が聞き取りにくいインド人の友達の英語は、子供たちに通訳してもらいました)。そのため、彼女たちは(高校時代の米国へのホームステイも手伝い)英語はネイティブ並みで、その後も社会人になって仕事にも役立ちましたので、彼女たちにとっては結果として良かったかもしれません。
こうした英国式のインターナショナルスクールは世界各国に在って、この「ブリティッシュ・スクール・イン東京」もその一つです。でも、都会では珍しくはないのかもしれませんが、広い校庭も無い(いくらビルの中にプールも体育館や校庭が確保されていても)、緑も無いビルの学校ってどうなのだろうって思ってしまいます(日本ではセレブの子弟が通うのでしょうから、高級マンションが立ち並ぶ都会のど真ん中の方が通学には良いのかもしれませんが・・・)。
また、この麻布台には飯倉交差点からの外苑東通り沿いにロシア大使館があり、街宣車等が来ると飯倉交差点と飯倉片町交差点などが封鎖され、その間通行止めとなって交通が遮断されるため、麻布台ヒルズを囲む国道1号線の桜田通りと外苑東通りの交通の便の悪さが指摘されており、そのため、麻布台ヒルズの建設に合わせ、ヒルズの中を横切って桜田通り(国道1号)と麻布台の外苑東通りの間を結ぶ道路「桜麻通り」(さくらあさどおり)などが作られ、飯倉交差点を通らずに両者の間が結ばれました。その道路が秋の麻布台ヒルズオープンに先行して7月24日に開通し、車が通行出来るようになりました。
その開通日の7月24日。午前11時に開通とのことで、信州からの“お上りさん”たちは、物見遊山宜しく早速行ってみました。
高層ビルやタワーマンションなどは森ビル系のヒルズが他にもあるので別に珍しくはないのかもしれませんが、この麻布台ヒルズの特徴は何と言ってもヘザウィック氏のデザインに依る、「 立体緑園都市(ヴァーティカル・ガーデンシティ)」という約6,000㎡の広さを誇る緑豊かな中央広場でしょう。その曲線が特徴的な低層のABCDの四つのプラザが配置され、数々の木々などの緑に覆われた、まさにガーデンシティーと呼ぶに相応しいエリアが誕生しつつあります。田舎からすれば、イメージ的にはちょっとした街を創る、或いは都市を創ると言った方が良いのかもしれません。
また、この麻布台ヒルズに限らず、“自然豊かな”信州から来て思うのは、むしろ東京の方が街中に緑が多いこと。特に芝公園や日比谷公園など広大な緑のスペースの多いエリアを歩いていると、東京そのものが“公園都市”といった趣で羨ましくなる程です。以前橋下徹氏が何かのTV番組で、「嘗て大阪市長時代に、東京に緑が多いことがとても羨ましくて、大阪も緑を増やすべく街を改造したかったが、反対が多くて実現出来なかった。」と発言されていましたが、東京は本当にそう思います。一番顕著に感じたのは、信州に戻ってからですが、芝公園や日比谷公園の方が遥かにセミの鳴き声が多かったこと。以前住んでいた郊外の沢村と違い、マンションが市街地の中にあるせいかもしれませんが、家の周辺では殆どセミの鳴き声が聞こえない。東京の方が(勿論23区内全部では無いにしても)信州よりも自然が豊かだと錯覚してしまう程でした。
開通した新しい道路を歩きながら、麻布台ヒルズの工事現場の中を飯倉片町の方へ坂を上って行きながら、街路樹を始め植えられたたくさんの木々や草花がやがて緑豊かに生い茂って行くだろう景色を想像しながら、麻布台周辺もやがてそう感じる様になるのかもしれない・・・と、そんな思いにとらわれていました。それにしても凄い!
しかし、昔は“第30何番ビル”といった「ただの四角の黒っぽいビルを幾つも所有する不動産会社」という地味なイメージでしかなかった森ビルが、今ではアークヒルズを始め幾つものヒルズを作り上げているのですが、一体いつからこんなに変わったのだろう・・・?
【注記】
三菱地所が東京駅前に建設する390m のTOKYOトーチタワーが、2027年に完成予定とのこと。
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