カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 三年前に初めて小田原漁港(早川漁港)に行った時は、魚市場の2階にある行列の「魚市場食堂」で食べたのですが(第1563話)、ネット評判程の感激が無く、二度目となる一昨年は小田原漁港仲卸「やまや水産」直営という漁港隣の地魚専門食堂「めし家やまや」へ(第1653話)。
L字型のカウンター席のみの10席程の狭い店なのですが、若い店主のお嬢さんはじめ、女性中心のスタッフの働きぶりがきびきびしていて、実に気持ちが良く、そして何より、ここで食べた10数種類の地魚が載った海鮮丼“どど丼”が新鮮プリプリで絶品だったので、昨年も漁港の無料駐車場に停めて「やまや」へ向かったのですが、ナント「本日臨時休業」の貼紙で、止む無く他店を探すことに。しかし「やまや」の入っているビル「小田原水産会館」の同じ一角にある鰺専門店「大原」(アジフライの評判店の由)は行列で、ナント一時間待ちとのことで諦め。
そこで、昨年は「やまや」の2軒隣に「港のごはんやさん」という食堂を発見し、その日のお薦めの中から私メと長女がシラス丼と鯵のセットで、光物の苦手な奥さまは今回もミックスフライをチョイス(第1726話)したのですが、こちらの食堂もアジフライを始め、どれも山国の“海なし県”では食べられない鮮度と美味しさでした。

 そして今年。昨年まさかの臨時休業で食べられなかった、あの“海鮮どど丼”を何としても食べたいと、二年振りの「めし家やまや」一択・・・です!
12時前に到着。この日は平日の火曜日だったのですが、漁港の無料駐車場は既に満車。空くのを待って狭い駐車スペースに何とか駐車し、いざ「やまや」へ。
既に10人くらいのお客さんが外の椅子に座っていて、記帳すると何組もが順番待ち。そこで時間潰しに鮮魚や干物のお店を見て回りました。一時間位はと覚悟したのですが、思いの外回転が速く、30分程で名前を呼ばれて着席することが出来ました。
「やまや」はL字のカウンター席のみ。カウンター越しの厨房も狭く、お客さんが帰られた後の食器の片づけ等に、スタッフは一旦店の外に出てから、お客さん同様に各席の真後ろのガラス戸を開けて入って対応するという不便さ。しかし、そんな不便さも気にならぬ程にテキパキと対応。そしてこの日はスタッフ4名全員が女性のみ。板長を務める若き店主が全ての魚の調理を担当し、汁物や、揚げ物、配膳、洗い場を他のスタッフが各々担当されていました。前回来た時は、女性スタッフに加えて男性スタッフも2名いたのですが、本社の水産会社のスタッフが手伝いに来ていたのでしょうね、きっと。
 この日の注文は、二人共“海鮮どど丼”とアジフライ二枚のサービスセット(税抜き1900円)にしました。前回はミックスフライを頼んだ家内も、今回はせっかくなので、もしアジフライもセットになるならと、相模湾の地魚が載った“どど丼”をチョイスとのこと。ご飯の量を聞かれるので私メは普通盛り、家内が小盛りでお願いしました。
今回も、全て捌いてくれた若き店主さんが“どど丼”に盛られたこの日の地魚10数種類を今回もマグロのほほ肉(写真ではワサビの両側)から始まり、ヒラメ、スズキ、タイ、アジなど順番に説明してくれるのですが、残念ながら全部は覚え切れませんでした。どの地魚も新鮮でプリプリなのですが、特にヒラメはシコシコ、アジはコリコリした食感で身が締まっていて絶品でした。さすがは“日本三大深海”相模湾の地魚です。その十数種類の地魚の中で、家内の苦手な光り物は私が戴きます。
セットメニューで付くこの日のアジフライ。タルタルソースで(好みでカウンターのトンカツソースでも)戴くのですが、サクサクでふっわふわ。やはり地物のアジの鮮度と美味しさは、“海無県”の信州人からすると、羨ましくて溜め息が出る程に全く以て別物です。
それにしても、イワシやアジの光り物がこんなに好きになったのは、考えてみると次女が最初の勤務が成田空港で住んだのが成田だったから。
地元の成田山の参道沿いのお寿司屋さんで食べた、銚子で水揚げされたというイワシとアジ(は銚子では無かったと思いますが)が目から鱗の全くの別物だったのです。いくら流通が発達してもやはりまだまだ敵わない。嘗ての“呼子のイカ”の様に、現地で新鮮なモノを食べてこその本当の美味しさだと感じた次第です。勿論同様に、もぎたてのフルーツなど信州でこそ味わえるホンモノもあると思います。
 二人共、ご飯(丼用は酢飯です)も完食し、漸く二年越しでの念願が叶った「めし家やまや」の“海鮮どど丼”に大満足でした。
 「あぁ、美味しかった・・・ごちそうさまでした!」

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