カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
以前、日テレ系で水曜日の夜10時から放送されていたドラマ「リバーサルオーケストラ」。
3月15日が最終回だったのですが、嘗ての「のだめカンタービレ」以来(映画では国際ピアノコンクールを舞台にした「蜜蜂と遠雷」がありましたが)久々のクラシック音楽を題材としたTVドラマでしたので、クラシック音楽好きとしては大いに楽しんで視ることが出来ました(酔って本放送の時間には寝てしまうので、結局いつも後でTVerで視聴していましたが・・・)。
「のだめカンタービレ」が、ストーリーは些かドタバタ喜劇のコメディーだったとしても、クラシック音楽の扱いや演奏は専門的で、いたって真摯に描かれていて、実際の演奏もピアニストのラン・ランなどの一流どころが吹き替えを担当していましたし、海外ロケでもチェコの国立ブルノ・フィルを使うなど本格的でした。
今回の「リバーサルオーケストラ」は、コメディタッチの演出もところどころ無いではありませんが、全体のストーリーは真面目そのもの。しかも、毎回泣かせる場面もあってストーリーとしても楽しむことが出来ました。
しかし、今のTVドラマが半年間のワン・クールという短さもあって、物語そのものも複雑化は出来ず、割とシンプルなストーリーにならざるを得ないでしょうし、従ってドラマ内で使われる楽曲なども「のだめ」に比べると曲数が限定的で、例えば「のだめ」で使われたリスト「ファウスト交響曲」からの「神秘の合唱」の様なクラシック好きも「えっ、これ何だったっけ?」と唸らされる様な選曲は無かったのですが、ドラマ主題曲が「のだめ」の“ベト7”に対し、「リバーサルオーケストラ」が“チャイ5”だったのは個人的に嬉しい限りでした。
というのも、大学に入学して生まれて初めて買ったLPがチャイコフスキーの5番でしたし、子供たちが社会人として“巣立ち”、我々夫婦二人だけになってから多少の余裕が出来たので、それまでの地元松本でだけではなく上京しても聴くようになった“ナマオケ”で、先ず最初に生で聴きたくて選んだコンサートも、東京芸術劇場での今は亡きロジェヴェン指揮読響の“チャイ5”でした。
今までTVや映画で拝見したことは無かったのですが、主演の門脇麦さんは「のだめ」の上野樹里さん同様に、コメディエンヌとしての才能も大いに評価出来ましたし、またチェロ主席を演じられた瀧内公美さんはこれまで出演されたのが薄幸というか汚れ役?しかなかったそうですが、今回のTV(失礼ながら初めて拝見しました)の中で見せる“への字”風の笑顔がとても素敵で癒されました。
今回の「リバーサルオーケストラ」は、ストーリー展開上、憎まれ役は居ても悪人が誰も居ないのが、或る意味安心して視られた一因かもしれません。
「リバーサルオーケストラ」を視終わって、何だかまた “ナマオケ”で“チャイ5”を聴きたくなりました。
コメント追加