カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
唐突な書き出しで恐縮ですが・・・、漸く一ヶ月が経って、何とか心の整理が出来つつあります。
3月7日、我が家の愛犬ナナが“虹の橋”を渡って行きました。
15歳と11ヶ月、16歳の誕生日を目前にしての旅立ちでした。
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そして、亡くなってから一ヶ月も過ぎましたし、昨日がちょうど節目ともなるナナの16歳の誕生日でしたので、ここでナナのことを振り返りながらまたブログを綴ることにしました。
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そして、血管点滴をしながらその後1週間入院。入院中は毎日病院には面会に行っていたのですが、治療の結果「持病である心臓と腎臓の数値は戻って来て、水は自力で立ち上がって自分で飲むようにはなったものの食事は一切食べない」という先生の説明もあり、今後はそのまま入院して血管点滴を継続するか、一旦退院してその後は二日に一度の皮下点滴をしながら治療を継続するという選択肢もあるとのとこ。
そこで家内と娘たちとも相談し、夜も病院にナナを独りにしておくのは可哀想だし、またもうこれ以上痛い思いをさせて、ナナの小さな体に負担を掛けるのは止めようと決断。
そして、その旨を動物病院に伝え、その日だけは皮下点滴をしてもらっていましたのでそれを最後に、ナナを退院させて家に連れて帰り、家内と私で夜も代わる代わるナナの傍らで4日間見守っていました。
娘たちからも帰省しようかとの申し出もあったのですが、特に次女の婿殿は今まで取ったことも無いという有給を取って自分が孫娘の面倒を見ているから、ナナに最後のお別れをして来たらどうかと勧めてくれたとか・・・。
しかし二人共帰省はせず、家内とのLINEのビデオ通話で定期的にナナの様子を確認しながら、都度お互いに涙にくれていた様です(“貰い泣き”をしたくないので、私はLINEには参加しませんでした)。
コユキも、いつもと違うナナの様子に何か異変を感じたのでしょう。普段はペットベッドでナナにくっ付いて寝ているのが、ナナの邪魔をしてはいけないと思ったのか、時折気になるのか様子を見には行くのですが、一緒には寝ずに少し離れたソファーに跳び乗って健気にじっと静かにしていました。
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そんな日が続いた、退院させて4日目の3月7日。もう立たせてあげないと、水を飲むために自力では立ち上がることも出来なくなっていました。
その日は松本も快晴で、4月並みの春の様な暖かさ。天気が良かったので、お昼前に、この日もナナを抱いてコユキと一緒にいつものコースを散歩しました。
退院後、ナナはマナーウェアを常時付けてはいたのですが、お尻が汚れていたので、家に戻ってからお風呂場の温かいシャワーでお尻をキレイに洗ってあげました。
その後温風でしっかり乾かしてから、家内と代わる代わるベッドで寝ているナナを撫でながら様子をみていました。
そして、家内がベッドからナナを抱き上げて、ソファーに座ってずっと抱いていました。すると次第に呼吸が小さくなり、やがて静かに呼吸が止まりました。最後は家内の腕の中で、穏やかに、静かに“虹の橋”を渡って行きました。午後3時40分でした。
ペット火葬をお願いするために松本市の葬祭センターに連絡すると、4日後の11日まで予約で一杯とのこと。「えっ、どうしよう?」と一瞬途方にくれたのですが、電話口の係の方が、
「松本広域連合なので、安曇野市でも受け付けてくれますよ!聞いてみられたらどうですか?」
と教えてくれ、すぐに安曇野市の葬祭センターに電話したところ、幸いにも翌日の午前中に対応可能とのこと。しかも安曇野市民だけではなく、松本市民も松本市からの補助があるので双方同料金で対応してくれているのだそうです。また、化繊でなければタオル等で包んであげて、数輪であれば周りに花や少しであればドッグフードを置いてあげても構わないとのこと。
そこで綿100%のタオルで包み、ちょうど満開だった我が家の蘭の花を6輪切って、ナナの周りに飾ってあげました。
翌朝、お留守番をするコユキと棲家にも最後のお別れをして、ナナを豊科にある安曇野市の葬祭センターへ連れて行き、火葬にしていただきました。
チロルの火葬の時は「自分も見送りたい」と東京から戻って来た長女ですが、今回は仕事で戻れませんでしたので、都度LINEで様子を娘たちにも知らせながら我々だけで見送ってあげることにしました。
ここは父方の叔母の葬儀の際に一度来たことがありますが、松本市からも近く、旧四賀村との境の豊科の山の中にあって施設も新しく、広々としていて周囲を赤松林に囲まれた静かな環境。指定された時間に行くと、ペット火葬の場所で職員の方が我々を待っていてくださり、そこでナナへの最後の見送りをしてからロビーで受付をし、ナナが天国へ上って行く間から収骨まで実に丁寧に対応いただきました。
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以前チロルが亡くなった時に、昼間独りになる母の話し相手にと飼っていたナナが一緒に居てくれたおかげで、ペットロスも多少は救われたのですが、それでも或る日、朝のワンコの散歩仲間の年配の女性の方がご自身の体験からと、
「“ペットロス”を我慢しないで、大いに悲しんであげればイイんです。それも亡くなったワンちゃんへの供養ですから!」
と云われて気持ちが救われ、散歩中の家内がその場で号泣していたことを思い出します。
ですので、ナナが亡くなった後も、コユキが居てくれるものの、今回もペットロスを我慢せずに、毎日ナナを思い出しては涙に暮れています。でも、チロルの時と同様に、それもナナへの供養と大いに悲しんであげたいと思っています。
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朝、先に起きてリビングへ行っていたナナや、散歩から帰って先に足を拭いてリビングにいるナナの所に、いつもダァーっと走り寄って行くコユキでしたが、ナナがいなくなるとそれもありませんし、まるで“赤ちゃん返り”の様に家内に甘える様になりました。
コユキは3年前にブリーダーから“不要犬”として捨てられ、保護されたのが“推定8歳”の時。それまでは声帯まで切られ、ただ繁殖させるための“商売道具”として、人間に甘えることなど出来なかったのですから、保護されるまでの8年分を取り戻すまで、そしてこれからは更にナナの分までコユキを大いに可愛がって甘えさせてあげればイイと思っています。コユキもここで(埼玉県の保健所に保護されたという4月12日を誕生日として登録しています)11歳になりました。
ナナが亡くなってから漸く一ヶ月が過ぎました。そして、昨日4月16日がナナの16歳の誕生日でした。
従って、まだ喪が明けぬ、人間で云えば“四十九”前ですが、“虹の橋”を渡ったナナは、きっと天国でチロルに会ってチロルと一緒に我が家を見守ってくれていると思います。
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因みに、ペットが先に単独で「虹の橋を渡る」となると、実際の元々のストーリーとは異なるのですが、そんな原作との違いよりも、愛するペットが“虹の橋”を渡って“ちゃんと”「天国へ旅立って行った」というイメージの方が、恐らく多くの飼い主の人たちに優先されて定着したのだろうと云われています。
また、同じく米国には“ Rainbow Baby ”という言葉があり、このレインボーベイビーとは、死産や流産などで子供を失ったことがあるご家族に生まれてきてくれた赤ちゃんを指すのだとか。
その意味では、“虹の橋”を渡って行ったチロルの時に私たちの傍らにいてくれたナナ。そして今回はナナが“虹の橋”を渡った後に残ったコユキが、さしずめ我が家にとっての“ Rainbow Dog ”なのでしょうか。
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ナナのお陰で、たくさんの思い出を作ることが出来ました。
さすがはチャンピオン犬の孫という血筋か、或いはチベット原産で元々清朝の宮廷犬だったシーズー(獅子狗)という犬種故の“我関せず”という“孤高”の性格なのか、ナナは人や他の犬に吠えたことが無く(唯一、先住犬のチロルの真似をして、ご飯を催促する時のみ)、本当に手が掛からないワンコでした。だからこそ先住犬だったチロルや、また3年前に我が家にやって来た保護犬のコユキとも何のトラブルも無く、一緒に暮らせたのだろうと思います。
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2023年3月7日15時40分 ナナ永眠 15歳11ヶ月