カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
冬の方が安くて混まないからと、2月上旬の四泊五日での京都行。
元々は家内が長女と行く筈(娘は6年前のMBA卒業後、米国で事業支援のコンサルをしていて、その際に顧客である京都創業の大手企業の西海岸でのスタートアップ事業立ち上げ支援のため、その事業内容習得目的で出張帰国して京都に三ヶ月間滞在し、その間に地元の方々に所謂「一見さんお断り」のお店などに連れて行っていただくなど、貧乏学生御用達だった「王将」や喫茶店くらいしか知らぬ私メよりも、“古寺巡礼”はとも角、ことグルメに関しては遥かに“京都通”)が、娘が海外からの急な重要来客があり、滞在中のミーティングやアテンド等のため東京を離れられそうも無いとのこと。そのため急遽代理で、私メがワンコも連れて車で行くことになりました。
滞在先はいつもの岡崎なので、ワンコもOKです。年寄り夫婦故、そうガツガツと観光で歩き回る訳ではありませんが、四泊なら内三日間は落ち着いて京都でゆったりと過ごすことが出来ます。
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浄土宗の総本山知恩院は、徳川家康が浄土宗の信徒であったことから将軍家の手厚い庇護を受け、徳川時代になって現在の様な壮大な伽藍が整えられましたが、二条城建築の前の将軍上洛の際の滞在先としての役割もあり、石垣などお城並みの堅固さです。
我が家にとっても総本山故、祖父や父は菩提寺の檀家のツアーで参拝していますが、我々はこれまで何度か私的に参拝をしています。
しかし今回は、来る2024年が浄土宗開宗850年を迎えることもあってか、「京都 冬の特別公開」の一つとして、知恩院も普段は見ることの出来ない「上段の間」や「鶴の間」、「知恩院七不思議」の一つ「抜け雀」の襖絵で有名な「菊の間」など、狩野派が手がけた金碧障壁画で飾られている大方丈(重文)や、水墨障壁画で飾る小方丈(重文)。更に東山々麓の地形を活かした回遊式庭園(名勝)など、今回の冬の特別公開として拝観することが出来、特に「鶴の間」「松の間」などの襖8面は16年ぶりに寄託先の国立博物館から元の大方丈に戻って来たのだそうです。そうしたことから、今回は檀家としてのみならず、京都の冬の特別拝観を併せて、先ずは我が家の総本山でもある知恩院に参拝することにした次第です。
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「お数珠を持ってくれば良かったね。」
因みに、浄土宗のお数珠は二つの輪が交差して重なる二連の特殊な形です。
そう云えば、幼い頃、毎朝欠かさずに仏壇にお参りをする祖母の横に正座して(信州弁の方言ですが、松本で言う“おつくべ”をして)、木魚を叩きながら唱える祖母の念仏に合わせた口真似で、「ナンマイダー、ナンマイダー」と意味も分からずに一緒にお念仏を唱えていたことを思い出します。
その後、中学生になった頃か歴史の授業の中で、
「何だ、ナンマイダーは、“南無、阿弥陀佛”だったのか・・・」
と得心した記憶もありますが、一方で、法然上人により開宗された浄土宗では、身分に関係なく念仏を毎日唱えれば皆救われるという浄土信仰が、昭和の時代になっても、末端の農民でもあった明治生まれの祖母の日々の営みにもしっかりと反映していたことを知り、ある種感慨深いものがありました。
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恐らく信心深い知恩院の信徒の方々なのでしょう(学芸員という感じではないので)。大方丈、方丈、それぞれの場所で説明を担当される年配のご婦人がおられ、拝観者が来るとそれぞれの持ち場で襖絵や部屋毎の解説をしてくださいました(室内は撮影禁止です)。
大方丈は狩野派の華麗な彩画によって部屋が間仕切られており、襖絵の題材で名前が付けられています。特に狩野探幽の弟、信政が描いた「菊の間」の襖絵は、紅白の菊の上に数羽の雀が描かれていたのですが、まるで生きているかの様に描かれたので、一羽の雀が生命を受けて飛び去ったと云われる「知恩院七不思議」(他には御影堂を火事から守るためにワザと置いたともされる「左甚五郎の忘れ傘」など)の一つとしても知られています。
一方の小方丈は対照的に狩野派の水墨画で間仕切られていて、下段の間の「山水図 襖12面」を描いたのが久隅守景。この久隅 守景は、狩野探幽の弟子で、最も優秀な後継者と云われ、その後狩野派から独立するのですが、彼の描いた代表作が「夕顔棚納涼図屏風」(単に「納涼図屏風」とも。国宝、東京国立博物館蔵)で、時に「最も国宝らしく無い国宝」と云われることもありますが、棚には瓢箪(ヒョウタン)がぶら下がった軒下で、庶民の親子3人が夕涼みでのんびりと涼む姿を深い愛情をもって詩趣豊かに表現した傑作とされ、東博だったかで実物を見た記憶があります。
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今回の知恩院は、冬の特別公開の一つでもあったことから、我が家の総本山としてだけではなく京都観光の一つとして楽しむことが出来ました。
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家内はこれまで娘の子宝祈願や安産祈願で何度もお参りに来ているそうですが、今回は、今年が卯年だということもあり、遅ればせながらとはいえせっかくですので別名「ウサギ神社」とも呼ばれる岡崎神社へ初詣を兼ねてのお参りです。
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祭神が子宝に恵まれたことや、創建当時この辺り一帯が野ウサギの生息地で、多産なうさぎは古くから氏神様の神使いと伝えられたこともあって、「ウサギ神社」という愛称でも親しまれていて、子授け、安産、縁結び・厄除けにご利益がある神社なのだそうです。
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京都を発ったのが2月10日。京都は朝から雨模様だったのですが、今季二度目の寒波襲来に伴い、関東甲信地方では早くから降雪予報が出されていて、TVでは盛んに大雪に警戒するよう事前にアナウンスがされていました。
本来なら京都からまっすぐ松本へ帰る予定が、たまたま長女が国内の住所を松本に置いたままなので松本で確定申告をする必要があり、今回東京経由で彼女をピックアップして一緒に松本へ帰ることにしていました。
そのため、今回は10日に京都から松本へは直接帰らず、この日は京都から東京へ行って長女の所に一泊し、翌2月11日に皆で松本へ帰ることにしました。
当日、京都から東京へNAVIの示したルートは、新名神から伊勢湾岸道を経由し新東名の終点まで行って東名に合流するルート。途中の新名神の御在所岳付近の菰野町周辺は、前回の大雪で長時間立ち往生したという報道がされた記憶があります。
この日、西日本から東海は幸いずっと雨模様。名古屋を過ぎ新東名に入っても雨が降り止まず、浜松のSAでワンコたちも含めトイレ休憩に立ち寄ったのですが、結構強い雨。そのため我々は昼食も諦め、ここから先はノンストップで東京を目指すことにしました。
というのも、名古屋付近で「中央道は中津川以北雪で通行止め」の表示が出されて以降、豊田付近から土岐で中央道にリンクする東海環状でも「中央道通行止め」の表示が出されていて、もしこの日松本へ帰ろうとしたら、中津川で高速を降ろされ、国道19号で木曽路を通って行くしかありませんでした。
(後日ニュースで、中央道と長野道だけではなく長野県内の国道も通行止めになったと知りましたので、結局その日は松本へは辿り着けませんでしたが・・・)
予報では長野県の平野部で20㎝程度の積雪とのことでしたが、通行止めになるというのはそれ以上の積雪かもしれず、従って、もし関東地方も予報通り、いやそれ以上の積雪なら都内の雪も心配です。勿論我々はスタッドレスタイヤを履いていますが、東京はノーマルタイヤの車も多いでしょうし、少しの積雪でも立ち往生する車が出たりしますので、今回も混乱を避けるため首都高の計画的通行止めが事前に予告されています。そのため、一刻でも早く都内に入った方が良いだろうと判断した次第です。
浜松から静岡、新清水と新東名を走る中で、東名の静岡から中央道に山梨の双葉JCT繋がる中部横断道も雪で通行止めとの表示。中央道は西からだけではなく、東側からもこの日は甲府昭和から先が中津川まで降雪で全線通行止め。当然岡谷から分かれる長野道も雪で通行止めになっていました。
「しかし全線通行止めって、長野県の中南部はそんな大雪なんだ・・・」
幸か不幸か、結果としてこの日松本には直接帰らずに東京経由にしたのは大正解だったのです。
東名に合流する御殿場周辺では、みぞれや場所によっては雪になり、路肩にも除雪された雪が見られるようになりました。この様子だと箱根も雪で真っ白でしょう。我々は信州に住んでいるので、例え雪が降ろうが降るまいが冬の間中スタッドレスタイヤを毎年必ず履きますが、ノーマルタイヤで雪道を走るのは自殺行為です。例えスタッドレスを履いていても、体験上凍結路での「急」の付く運転は“ご法度”と、雪国のドライバーは皆知っています。ですので、降雪予報の中、周囲の迷惑を顧みず警告を無視し、ノーマルタイヤで雪道を走行して立ち往生した場合などは言語道断で、迷惑行為として処罰するというのも当然だと思います。
東京23区でも降雪の可能性という予報で、降雪時の混乱を避けるために交通量を減らすべく、この日は実際に首都高の一部が通行止めになっていましたが、御殿場を過ぎてからは幸い港区までずっと雨。NAVIの誘導に従い無事港区の娘のマンションへスムーズに到着することが出来ました。
娘の所に着いてニュースで確認すると、高速道路だけではなく、長野県内の国道は松本から塩尻、塩尻から木曽、岡谷諏訪間、松本上田間の三才山峠などあちこちで通行止めになっていて、スリップに依る事故も多発していた様なので、この日は松本へ帰らずに良かったと家内と胸を撫でおろした次第です。
翌朝、中央道は甲府昭和から先の通行止めが一向に解除されなかったのですが、朝8時に早めに出発することにしました。
一旦NAVIをセットすると、ルート案内が示したのは関越道から上信越道経由のルート。しかし、更埴JCTからの長野道は安曇野インターから先は通行止めになっていますので、松本へはそこから一般道の筈。そこで、遠回りはせず甲府昭和から先の通行止め解除を待って、通常ルートで首都高から中央道で松本へ向かうことにしました。
しかし一向に通行止めは解除されません。そこで、八王子の石川SAで朝食を兼ね休憩することにしました。八王子辺りからは昨日の雪が残っていました。石川SAの駐車場は、スノボーを積んだ車や、諏訪ナンバーなど長野方面に向かうと思しき車も駐車中で、パーキングエリアはほぼ満車。皆さん同様に解除を待っているのでしょう。
1時間近く待っていても甲府昭和から先の通行止めはまだ解除されていませんでしたが、アルピコ交通のバスが1台下り線を走って行きました。高速バスが一番道路事情に詳しいでしょうから、高速バスが走り始めたということは間も無く解除されるやも知れず、我々も出発することにしました。すると案の定、暫く走行すると甲府昭和から先の通行止めが加除され、全線通行可能(但し伊北飯田間の上下線の何れかは翌日まで通行止めだった様ですが・・・)になりました。
途中、上野原の手前から談合坂辺りまで冬用タイヤ規制のためのチェックが行われていて7㎞近い渋滞が発生。抜けるのに30分以上を要し、ワンコたちのためにトイレ休憩で双葉SAで休憩。甲府盆地も20㎝位の積雪で、駐車場はしっかりと除雪されていましたがSA周辺は真っ白。この辺りまで来ると、雪の影響か普段よりも交通量がかなり少なく、高速道路も走り易い感じで順調に松本へ到着することが出来ましたが、途中通行止め解除の時間調整や渋滞もあって、普通なら3時間のところ、いつもよりかなり時間も掛かって、都内から5時間半のドライブでした。
後日ローカルTVや地方紙の報道で分かったこと。
松本市の積雪は測候所のデータで27㎝。長野県の中部(中信地方)や諏訪や伊那谷(南信地域)に雪が降るのは、西高東低の気圧配置となる冬の季節では無く“カミ雪”と呼ぶ春の時期。日本海側の意影響を受ける長野県北部(長野以北の飯山や大町以北の白馬など)と違い、北アルプスに遮られる中南部で雪が降るのは、春先の南岸低気圧が関東に雨を降らせる時に、まだ寒い信州中南部では雪になるというパターン。通常は2月中旬から3月にこの“カミ雪”が振るのですが、今回の2月10日の“カミ雪”は確かに5年ぶりの20㎝を超える“大雪”ではあったのですが、各地で多発した大雪に依る道路での立ち往生を防ぐべく、今回高速道路と主要国道などを“計画的”に通行止めにして、その間で24時間後の通行止め解除を前提に除雪作業を集中させるためだったとのこと。
そこで思い出したのが亡き父の四十九日の法要があった2014年の2月8日。忘れもしない40㎝を超える前日からの大雪で、確かに高速道路は通行止めだったかかもしれませんが、その時のブログ記事を参考まで。
『(前略)前日(8日)にあろうことか、松本は過去3番目という49㎝の記録的な大雪(これが、もし一週間後15日の70㎝超の大雪でしたら、交通も麻痺してアウトで法要も延期せざるを得なかったでしょうから、不幸中の幸い)。前日は、朝から高速道が上下線とも通行止めになる中、往復6時間掛かって(国道で)茅野まで実家の両親を迎えに行って来てからの雪掻き。当日も、朝5時から法要開始直前まで雪掻きをして、何とか参列者用の通路と駐車スペースを確保しました。前日途中から運休していた新宿からの特急も、遅れながらも運行され、東京組も終了前には合流出来て、法要の終わるまでには全員揃って旅館のマイクロバスで金宇館へ。雪の中でしたので、バスでの送迎は大助かりでした。(後略)』
この時も確かに雪に依る混乱はありましたが、8日の日の国道は通行出来ましたし、あずさも遅れたとはいえ運行されたので、東京から電車で来る長女と従弟も法事に参加出来ました。
しかもこの時の大雪は49㎝だったのです。そして混乱を避けるとはいえ、今回は27㎝での高速道路と中南部の国道全線(19号、20号、伊那谷から善知鳥峠を越える153号、上田から三才山峠越えで松本への254号)が通行止め。果たして高速道路だけでなく全ての国道を通行止めにする必要があったのでしょうか。中には、その結果いち早く除雪作業がなされたことを評価する声もある様ですし、当方は地元では無く東京(当日までは京都)にいたから分からなかっただけかもしれませんが、事前に「積雪が何㎝を超えた場合は、高速道路のみならず主要国道も通行止めにして除雪作業を優先する」旨のアナウンスがちゃんとなされていたのかどうか・・・?しかも運送事業者などのことも考えると、ある程度広域に告知されないと意味がありませんが・・・。
個人的には、49㎝の雪でも国道は走れた2014年を思うと、雪にはある程度慣れている筈の信州で、そこまでの対応は些か“over‐anxious”ではなかったかと感じた次第です。
年金生活者ということもありますが、60歳以上はシニア割引で、しかも混んでいない平日の好きな時間に見られるという手軽さもあって、リタイア後は映画を見る機会が増えました。やはり大画面と立体音響での迫力は、いくらシネコンの画面が昔の映画館よりも小さくなったとはいえ、ホームシアターとのそれとは全く違います(いやぁ、マーベリック良かったなぁ~!)。
今回は、奥さまが1月になって封切りとなった映画「イチケイのカラス」を見たいとのこと。更に、その前後でカキフライを食べたいとの仰せ。
そこで、この二つを順番はともかく同時に満たすべく、先ずイオンモールの「イオンシネマ」で朝イチでの映画を見て、その後でカキフライを食べることにしました。
松本では高宮の「シネマライツ」で映画を見て、その前後に「大戸屋」で食べるという選択もありそうですが、出来ればカキフライは久しぶりに「かつ玄」で食べたい!というので、選んだのは「イオンシネマ」と久しぶりの「かつ玄」の本店です。
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「かつ玄」は、1973年の創業とか。私が卒業して戻った1979年には既に地元で知られていたようですが、少なくとも1974年卒業の高校時代までは聞いたことはありませんでした。ですので、初めて食べに行ったのは結婚してからだと思います。
「かつ玄」は、その名の通り「とんかつ」がメインで、松本城に近い日銀の一本南の一方通行沿いに本店があり、その後島内の国道19号線沿いに古民家を移築した「麓庵かつ玄」を出店。さらに北松本の城西病院近くには「仕出し部」もあって、地元では有名店です。昔からの「本店」は、十人ちょっと座れる大テーブルと四人掛けのテーブルが4卓。しかも、その椅子は背もたれが直角の昔深志高校で使われていた固い木製の椅子。ですので、大柄な方やお年寄りの方は座り心地に不満を持たれるかもしれませんので、事前に覚悟されて行かれた方が良かろうと思います。片や「麓庵」の方は移築された本棟造りの古民家故に広くて座敷もあり、家族連れやお客さん連れには遥かに良いと思いますが、私は本店の椅子に座ると何故か背筋がピンと伸びるので、個人的に本店の方が好み。もし車なら駐車場が広い「麓庵」の方が良いと思いますが、歩いて行くには遠いし、交通量の多い国道沿いなので歩くのも大変・・・。
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平日では無く、敢えて混むだろう土曜日を選んだのには理由があります。というのは、通常のメニューに加え土日祝日限定の特別メニューがあるのです。そして、冬には季節限定のカキフライも提供されています。我々が入店して暫くすると、東南アジアからと思しき観光客の方々も含めすぐに満席になりました。さすがは人気店。
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お皿には、親切にも「よそい順」と書かれた小さなメモがあり、その順番で右側からヒレ、ロース、海老フライ、カキフライと並べられ、たっぷりの千切りキャベツが添えられています。更にサツマイモの天ぷらがサービスで付いていました。定食ですので、これにご飯と味噌汁が付きます。
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各テーブル上に、辛子、ドレッシングとトンカツソースの入った瓶が置かれています。ドレッシングはリンゴ果汁が入っている感じでアッサリめ。またソースは通常の甘口のトンカツソースでは無く、かなり塩味が強く辛目のソースで濃さはウスターの様な感じなので、好き嫌いが分かれるかもしれません。斯く言う私メも普通の甘目のトンカツソースの方が好み。
カキフライは“大粒”では無く“大玉”というのがナルホドで、四味定食のカキフライは一粒でしたが、大玉は四粒のカキを纏めて揚げてある感じでした。
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寒い冬だからこそのイベント、「松本城氷彫フェスティバル」が1月末の週末、27日~29日に松本城公園を中心に行われました。
また、12月のXmasシーズンから2月末まで、松本城のレーザーマッピングと大名町や女鳥羽川の千歳橋などの街中のイルミネーションが併せて行われていたのですが、イルミネーションと松本城のレーザーマッピングは今までも行こう行こうと言いながら、年寄り故の早めの夕食でお酒も飲んでしまうと、「今日はもうエエわ・・・」と出るのが億劫になり、結局これまで一度も見に行っていませんでした。
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そして、この作品制作中は氷の彫刻と国宝松本城レーザーマッピングを同時に楽しむことが出来るので、寒波襲来の寒い日でしたが重い腰を上げて、今シーズン初めての松本城のレーザーマッピングと、併せて氷彫の様子も見に自宅から歩いて松本城へ出掛けてみました。
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パートワーク形式と呼ばれる所謂“分冊百科”。TVCMなどを見て、面白そうだと興味関心をそそられる企画も無くはないのですが、これまで買い揃えたのは一度だけ。内容を見て、これは絶対にお買い得と感じた小学館の「クラシック・プレミアム」全50巻でした(第830話)。高音質のSHM‐CDが毎号付いて1200円(税別。創刊号は800円)。買いそびれてはいけないので、一括予約して小学館から毎号送ってもらっていました。音源は40年以上前のモノも多かったのですが、殆どが私の学生頃に評判となった歴史的名盤で、それがSuper High Materialという高音質CDで蘇ったので、本当に買い揃えて良かったと今でも満足しています。
最近TVCMなどで目にした、分冊百科大手デアゴスティーニ社のジャズのブルーノートの名盤を揃えた「ベスト・ジャズ・コレクション」。
調べてみると、以前発刊された内容の高音質版の様です。創刊号がマイルス・デイビスで490円(税込み)。以降、分冊百科の常道で1590円とのこと。全何巻かは不明ながら、中には興味ある演奏家もいそうなので、高音質なら何枚かは買っても良いかと思い、取り敢えず創刊号のマイルス・デイビスを本屋さんで購入してみました。
TVのビフォアアフター的に言わせてもらうならば、「何ということでしょう!!」
付属の(と言ってもマガジンの内容などいくらでもネットで集められる情報ですので、本来こちらがメインである筈の)高音質CDに録音されている曲が全5曲で合計が僅か31分・・・。これってあり得ますか!?これじゃ、まるで詐欺じゃないでしょうか!?
確かに、良く広告を見ると、収録曲は5曲しか記載されていません。最初からちゃんと記載済み・・・ということなのでしょう。しかし、常識として通常70分を超えるCD一枚の収録時間が、いくら高音質とはいえたったの30分などと誰が思うのでしょうか?先述の小学館の「クラシック・プレミアム」も高音質を謳いっていますが、50巻全て70分以上です。ですので「してやられた!」・・・と思ったのは私だけ???いずれにせよ、もう買うことは無いでしょう。もし欲しかったら、別にデアゴスティーニの分冊百科ではなく、普通に販売されているフルサイズのCDを買えばイイだけですから・・・。
今回の滞在でも楽しみにしていた、金宇館の懐石料理の夕食。
改装に伴う二年間の休業中、老舗の銀座の割烹で更なる修業を積まれたという四代目のご主人が作られる一品一品は、休業前に比べ更に洗練さを増したように感じます。前回は初夏でしたが、今回は冬ですので〆にはご飯物に代わってご主人が打つ手打ち蕎麦が供される筈。
我々のグループには小さな子供がいますので、他のお客様の迷惑にならぬよう、一階の大部屋のダイニングルームでは無く、前回同様に2階の個室ダイニングを占有させていただいての夕食です。
金宇館の懐石コースは、地産地消で出来るだけ地の季節の旬の食材を使った創作料理です(頃合いを見計らって一品毎サーブされ、「お品書き」が無い代わりに都度スタッフの方が丁寧に説明してくださるのですが、酔いに任せてのウラ覚えなので、もし違っていたらお許しください)。
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デザートに干し柿とレーズンのアイスクリームでコースの終了です。
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年を取ると量より質なので十分に満足の料理内容ですが、若い人は例えば〆の蕎麦などはもう少し量が(追加料金で構わないので)増やせたら更に良いかもしれません。
毎回感じる器と盛り付けの素晴らしさも相まって、信州松本で頂ける懐石料理としては、今回も個人的には十二分に満足でした。
翌日、私メは早朝のお風呂の後、一旦家に帰ってワンコたちの朝食を済ませてから金宇館にまた戻り、8時から朝食です。こちらも二階の個室ダイニングで全員揃って頂きました。
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器毎に盛られた厚揚げと根菜の煮物、鰊の煮付け、ホウレンソウのお浸し、切り干し大根、香の物として自家製の野沢菜漬けと蕪漬け、そして山形村産長芋のとろろ汁。地元松本産の麦味噌のお味噌汁と、お櫃に入れられた安曇野産のコシヒカリ。そして食事の最後の方で、熱々の茶わん蒸しも出て来ます。
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炊き立ての安曇野産コシヒカリのご飯も含めどれも美味しくて、ここではいつも食べ過ぎてしまいます。でもせっかくなので、二杯目のご飯をとろろ汁で。
結局今回も食べ過ぎてお腹が一杯になって・・・。信州松本的には、「ご馳走さま」よりも、ここは「いただきました!」でしょうか。
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深夜の降雪で白く薄らと化粧した中庭では鯉の泳ぐ池からは湯気が立ち上っていて、松本の冬のこの時期に池が凍っていないのはおそらく温泉が引かれているからなのでしょう。三つあるという美ヶ原温泉の源泉の一つ「御母家の湯」は、子供の頃は他に「おぼけ荘」とかが在った記憶があるのですが、今では「金宇館」だけだそうですので、源泉も余っているのかもしれません。
中庭を見ながら寛いでいると、娘たちもお風呂から上がってきて、チェックアウトの準備にそれぞれの部屋へ。
チェックアウトが少し遅めの11時というのは有難い限りですが、他のお客様方は他にも観光目的があるのでしょう、10時前後には皆出立されて行かれ、最後は我々だけになったようです。先に車に荷物を積み込みます。
金宇館では必ずご主人や女将さんが出て来られ、お客さんの車が見えなくなるまで見送りをされるのですが、我々はチャイルドシートに孫を乗せたりするのに手間取ったりしますので、その旨お伝えしてご挨拶いただいてお引き取りをいただきました。
「では、またのお越しをお待ちしています。」
「次回は必ず連泊で来ますネ!」
たった一泊ではありましたが、今回も満足の松本美ヶ原温泉の“鄙の宿”「金宇館」でした。