カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 長女が帰国して暫く松本の自宅に滞在していた時に、彼女のリクエストに応えて食べに行った幾つかの店。信州蕎麦は勿論なのですが、日本に居ないとなかなか食べられないモノ、それは例えば田舎の信州であっても、また住んでいる地元の我々が知らなくても、意外と「えっ、こんな店があるんだ!」とビックリしたり、その味に感心したり・・・。

 長女が連れて行ってくれたそんなお店の中で、「へぇ~!」と思った店が今回のお店。その名は、イタリア家庭料理のトラットリア「ビエーニビエーニ」という、地元民の我々が聞いたことも無かったご夫婦で営む小さなレストランでした。何でも長女が時たまチェックしているインスタグラマーの中の女性の方で、その人が松本を好きで毎年松本に訪れている中で紹介していたのだとか。そしてトラットリアとしての料理だけではなく、ワインの品揃えも激賞していたお店なのだとか。
新しいお店なのか、少なくとも地元民の我々は全く聞いたことも無いお店です。自分たちが知らないだけで、こんな何も変化が無い様な田舎でも日々変化しているのだなぁと妙な感心しきり・・・。

 そのお店は、地元的に云うと、日の出町という通りに在ります。蔵の街である中町からそのまま東に続く通りで、イオンモールへ至ります。
松本市の旧町名の解説記事に拠ると、
『明治二十三年片倉組が、当時水田であった清水の地に松本最初の製糸工場を開設。その後日本の製糸業が日の出の勢いで世界へ進出していくのにともなって、同工場も明治三十三年には片倉製糸紡績株式会社へと規模を拡大し隆盛に向かった。町名の由来は、日の出の勢いで発展する片倉にあやかり、また松本市の東に位置し日の出を拝する町という意味を込めて日ノ出町と命名された。』
とのこと。
その片倉製糸工場跡が、カタクラモールを経て現在のイオンモールになっているのです。日の出町には昔からのカレーの「キッチン南海」や「三重寿司」などの老舗が在りますが、イオンモール効果か、中町から歩いて向かう買い物客や観光客もおられるので、「ビエーニビエーニ」の様な新しい店も増えているようです。

 ランチタイム。行くと「予約で満席です」との張り紙が。都内の有名店やイタリアでも修行されたシェフのご主人が、奥さまの出身地である松本を気に入って自分の店を出店された由。因みに、店名はイタリア語で「おいで」という意味なのだそうです。
店内は狭く、カウンター含め18席とのこと。土日だけランチ営業があり、ランチは2種類のパスタのいずれかとサラダとドリンクが付くパスタセット(1,200円)に、スープと前菜、デザートがそれぞれ300円で追加可能なので、全員前菜と家内と娘がデザートも追加。更に私メと娘はビールとワインも昼飲みで注文させていただきました。
この日のスープはカボチャのポタージュ、前菜は生ハムとルッコラにチーズが添えられていて、ワインに合います。パスタはワサビ菜のジュノベーゼとトマトソースのボロネーゼの二種類でしたが、我々が3人なのでその二種類を1.5人前ずつも可能とのことで、それでお願いしました。パスタは、1.5人前をちゃんと3人分に取り分けて個別にサーブしてくれました。中では、ワサビ菜のジュノベーゼが独創的でまた美味。ワサビ菜そのものはスーパーの野菜コーナーに並んでいるのを時々見ることはありますが、こういう食べ方もあるのかと目から鱗で、美味しくいただきました。
娘に依れば、イタリアワインの品揃えも厳選されていて、婿殿が大好きな赤ワインもあったとか。我々も白赤それぞれワインを追加でオーダーさせていただきました。奥さま曰く、
 「もう、二人共昼からそんなに飲んで!」
とのことでしたが、飲まずにはいられぬ程美味しかったということでどうかご勘弁を!