カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
昨年11月に北アルプスを望む新居に引っ越して、毎日朝晩常念を始めとする北アの峰々を眺めるのが日課となりました。
空気が澄む冬の白き峰々、残雪から雪形に変わる春山。そして、里の新緑に遅れながらも、少しずつ青から緑に裾の色を変えていく前山。朝、頂まで見えていても、すぐに雲に覆われてしまう夏山・・・。
毎日一度として同じ様子がない山容を眺めては、都度々々新鮮な気持ちを感じられる日々です。
(幻想的な夕方の空:7月4日)
以前通勤の朝に偶然見られた、紅に染まったモルゲンロートの常念岳。そして、学生時代に亡き父と一緒に行った松本城の入り口にあったビヤガーデンで、ビルの屋上から見た,黒き屏風の峰々の背後にオレンジ色に染まった夕映えの空。
決して大袈裟でもなく、涙が流れる程に地元民でも見惚れる程のこうした絶景に、もし毎日眺めていればきっとまた会える筈!・・・と思っていたのですが、なかなか会えない日々・・・。特に、今年の夏が異常なのか、スカッと晴れて、北アの絶景の夏山が姿を現してくれることは稀。殆ど雲が掛かり、北アルプス全体を見られる日が殆どありませんでした。朝、スッキリと姿を見せてくれ、今日こそは!と思っても、昼前には雲に覆われてしまうのです。
(奈良井川や梓川から発生する川霧:7月28日朝5時)
(夕方の西山の空:7月30日)
(朝の常念と乗鞍:7月31日朝5時10分)
ただ、そうして毎日眺めていると、例え北アルプスの絶景が見られなくても、まさに“千変万化”とも言える様な“天空”の変化に目を奪われることも決して少なくは無いことに気が付かされるのです。そして、この時期の変化は太陽と雲が織りなす一瞬の映像美が多い様に感じます。
(朝北アの峰々の上に雲だけが赤く染まった空:8月8日4時51分)
(8月14日モルゲンロートの乗鞍岳と北アの全景:朝5時8分)
初夏からこれまで撮った写真で見ても、実際の景色とは感じ方が違い、写真からではそう感動は感じられないとは思いますが、実際には思わず目の前に拡がる光景に見惚れることも決して珍しくは無いのです。しかも“千変万化”という様に、本当に秒単位で変化していく自然の映像美に目を奪われています。
(夕映えの北アルプス方面:8月23日18時31分)
松本に生まれ育ち、外に出た期間を除いても少なくとも半世紀以上松本には暮らしていたのですが、これまでは北アルプスを常に眺めていられる場所では無かったせいか、日々刻々と変化する北アルプスの峰々の様子はまさに“千変万化”で、見飽きることの無い素晴らし映像作品の様で、“岳都”松本に暮らす人間として初めて実感する幸せを感じています。
“人生六十にして 日々新た也”
(朝の局地的な雨の後に現れた虹:6月27日&9月1日)