カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
8月6日。 “歌の早慶戦”と題し、早稲田大学グリークラブと慶應義塾大学ワグネルソサィエティー男声合唱団の合同演奏会として「松本特別公演会」が松本市の中央公民会(通称Mウィング)の6階ホールで、行われ、聴きに行ってきました。
市中にあるMウィング(中央公民館)の6階ホールは、何度か松本落語会で聞きに来ていますが、今回も階段状の席とパイプ椅子が並べられ、席数にして300席くらいでしょうか?
大学の男声合唱団と云えば、ネット検索に依れば『最初1899年には日本で関西学院グリークラブが誕生、続いて同志社大学にもグリークラブが誕生し,1902年に慶応義塾大学ワグネルソサエティが結成され,おもに大学合唱団が中心になっていた』とあるように、東京混声など歴史と伝統あるプロの合唱団もありますが、少なくとも私が学生の頃は、男声合唱では大学のグリークラブがトップ水準を誇っていて、100人近い団員を抱えた大学のグリークラブもあり、例えば当時発売されていた合唱曲の東芝EMIの「現代合唱曲シリーズ」のレコードでは、男声合唱曲は関学やワグネルなどのグリークラブが演奏を担当していました。そうした大学のグリークラブの出身のOBが、例えば早稲田からはボニージャックスが、そして慶應からはダークダックスが活躍するなどしたそんな全盛期も、今ではそうした老舗の大学グリークラブも、例えばこの早稲田もワグネルも団員が僅か20人足らずという現状で、往年の全盛期を知る人間としては見る影もない程の寂しさでした。
当時各パート20人以上もいたのが、今や5人ほど。そうした人数の減少が全体の声量も比例して減ってしまうのは当然のこと。早稲田はベースの低音部が良く、逆にワグネルはテナーの高音部が良かったので、合同ステージで漸く合計40人で各パートのバランスも良くなり、ナントか聞けるレベルでしょうか。それにしても、合同演奏では全員マスクをしながらの歌唱で、聴いている方も何だか息苦しく感じてしまう程。合唱に限りませんが、コロナ禍での音楽の演奏の大変さに同情を禁じ得ません。
両大学の校歌、応援歌に始まり、黒人霊歌や昔懐かしい男声合唱の定番曲である「秋のピエロ」や「柳川」、そして「見上げてごらん夜の星を」や「遥かな友に」(何れも早大グリーの定番アンコール曲)といった愛唱歌まで。
最近はTVの影響もあってか、“ハモネプ”に代表されるようなボイスパーカッションなどを取り入れたアカペラコーラスの方が大学では人気があるのか、ハモネプサークルの方が合唱団よりも団員が多い大学もあるのだとか・・・。グリークラブに限らず、昔ながらの同声合唱や混声合唱は嘗ての様な人気が無いのか団員数も減少の様で、老舗のグリークラブである早稲田も慶應もこの人数では往年の迫力ある分厚いハーモニーを望むべくもありませんが、それでも半世紀前と変わらずに必死に一生懸命に歌う若者の姿に清々しさを感じ、また若者から大いにエネルギーも貰って、何だかほのぼのした気分で会場を後にしました。
「イイなぁ~、若いって・・・。コロナなんかに負けずに、みんなガンバレ!」