カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
空梅雨気味だった梅雨明け後、今度は逆に梅雨の戻りの様な日が続き、なかなか快晴の日が望めない中で、やはり曇りや雨マークばかりの日々の間で、たまたま未明から午前中まで晴れマークが並んだ7月29日の金曜日。この日を逃してはならじと、塩尻と辰野町の間にある霧訪山(1305m)へ登ってみることにしました。
霧が訪れる山と書いて「きりとうやま」。なかなかロマンチックな名前が付けられた山です。里山ですが、数年前の「信州の里山総選挙」なるもので1位を獲得し、また昨年だったかの登山専門の雑誌“ヤマケイ”で絶景の里山として紹介されるなどして最近人気の山で、そのため最近は地元だけではなく県外からも登山客が訪れるのだとか。
まだ人気になる前ですが、何年も前に昔の会社の同僚から「初心者向きだけど、頂上からは360°の展望が効いてイイ山だ」と薦められた記憶がありました。
霧訪山の主な登山ルートは3つあるようですが、ネットで得られた登山コースの地図で一番分かり易かったこともあり、今回の初登山は一番距離の短い北小野地区からの小野コース
後で分かったのは、駐車場までの矢印を始め、唐山道に沿った頂上までの距離を示す100m毎の工程表など、地元の両小野中学の子供たちが手書きで制作したモノで、それ以外にも「霧訪山友会」の方々なのでしょう、きちんと整備された登山道など、霧訪山が地元の大切な里山として地域の皆さんから愛されていることが良く分かりました。
8時過ぎに着いた時には駐車場には既に5台程停められていて、平日でしたがやはり人気の山の様です。
8:30ちょうどに駐車場を出発し、100m歩いて赤松に覆われた登山口に到着。ストック(トレッキングポール)を忘れた人のためか、貸し出し用の木製の杖が20本近く用意されていました。
頂上まで1500mの看板に見送られて登山開始です。登山口から、いきなり257段と書かれた階段の急登が始まります。しかし、硬質ゴム製だと思いますが、よくぞ階段状にステップを埋め込んだものです。登山道を整備された地元の方々に頭が下がります。
階段を登り切って、1100mという看板辺りから赤松の根が張った登山道が階段変わりとなって、急登ですが意外と歩を進め易い気がします(ここまで20分)。御嶽信仰の石碑やその先に送電線の鉄塔が立っていて、そこが「かっとり城跡」とあり、鉄塔の立っている平らな場所が戦国時代の小笠原氏の家臣の山城跡らしいのです。ここ辺りがコースの中間地点で、少し展望が開け、辰野の小野地区が眼下に見渡せます(9:00)。
そこからなだらかな登りが少し続き、青いトタンで覆われた三角屋根の非難小屋(十分風雨が防げます)を過ぎて暫くすると、後半の急登が始まります。
登山道は最初から茸の止め山なので、コース以外へは侵入禁止とのことから、両側にロープが張られていて、中には三ヶ所程鎖の場所もあるなど結構な急登であってもロープや鎖の助けで登ることが出来ます。100m毎に、「山頂まで〇〇m」という手書きの標識に励まされて、コースタイム通りの1時間10分で霧訪山1305mの山頂に到着しました。
山頂の直前までずっと林の中だったので、本当に展望が開けるのかと疑心暗鬼だったのですが、山頂はあまり広くこそありませんが入笠山と同じ様に木々が切り払われていてパッと視界が開け、“一望千里”のキャッチフレーズの通り360°の展望が開けていました。ただ、北と中央アルプスは雲が掛かり、南も僅かに仙丈が望める程度。八ヶ岳も雲の中。残念ながら、やはり夏山は雲が掛かってその姿を拝むことはこの時期はなかなか難しい。
すると、塩尻の下西条と善知鳥峠の分水嶺の別ルートからという二組の方々がそれぞれ登って来られました。少しお話ししましたが、かっとりコースは最短ですが急登なので避ける人も多いのだとか。後で調べたら駐車場からの標高差が430mでしたので、確かにちょっとした登山気分が味わえます。登山口へはJR(飯田線ですが)小野駅からも歩いて行けますので、人気の里山登山で県外から来られるというのも良く分かります。
下りも、それこそロープを頼りに急坂に気を付けながら歩を進め、コースタイム通り50分で無事下山して駐車場へ戻りました。
今まで気になっていた初めての霧訪山。評判に違わぬ楽しめた山行でした。もし今度来る時は、松本からだと小野地区までは車で結構遠かったので、手前の塩尻の下西条からのコースで登ってみようと思います。
帰りに弥彦神社の手水舎の湧水が美味しいと聞いたので、そこで喉を潤してから松本へ戻りました。
後で考えてみれば、毎年登る三城からの百曲がりコースでの美ヶ原(百曲がり園地まで。但し、広小場までの1㎞程は緩やかですが・・・)が標高差500mちょっとで距離3㎞を2時間なのですから、かっとりコースの霧訪山が標高差430mの1.6㎞を1時間10分というのは、小学校の算数的にも距離は(直線として)斜辺で底辺ではないので倍までいかずとも(注)、傾斜角的に急勾配になって当然でした。その意味でも、身近な里山とはいえ、霧訪山の「かっとりコース」が登り応えがあったのもナルホドで、“然もありなん”と納得した次第。
【注記】
小学校で出て来る三角形は底辺と高さだけですが、高さと斜辺が分かっている場合に三角関数で計算すると、
美ヶ原=9°で、霧訪山(かっとりコース)=15°と計算出来ます。
但し、広小場からの本格的な百曲がりは道がつづら折りでジグザグ故に距離があります(1700m)ので計算上は12°となりますが、(直線距離が分からないので)実際の傾斜角的には同じくらいだと思います。
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