カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 夕飯は、一度来てみたかった郷土料理の「山びこ」へ。
これまで、飛騨牛のひつまぶしなどがウリの店とか飛騨名物という鶏ちゃんが名物の店などに伺ったのですが、正直それ程の満足感はありませんでした。
今回の「山びこ」は、地産地消の地元の食材を使う郷土料理の店です。
温泉街の真ん中付近を飛騨川へ流れ下る、急流の阿多野谷に架かる橋で林羅山と何故かチャップリンの像がある白鷺橋の近くです。
 夕方6時前でしたが、テーブル席は観光客や地元の方か一人で夕食を食べている方などで埋まっていて、我々は小上がりへ。
生ビールを注文し、料理は、大ナスの丸太焼(600円)、清流で知られる地元の飛騨川(益田川)で釣れた天然鮎の塩焼き(大小の大きさに関係なく、一尾1000円とのこと)、アマゴの唐揚げ定食(1550円)をお願いしました。
定食には、唐揚げのアマゴが4尾、山菜の煮付けの小鉢と、お団子が付いています。そして、お昼に飲んで美味しかったので、冷酒で「天領」の小瓶もお願いしました。

 信州ではヤマメの塩焼きはあっても、アマゴは殆ど見たことがありません。そこで店の大将にお聞きすると、アマゴはヤマメと同じ渓流魚で、ヤマメと同じ様にイワナより少し下流に棲むそうですが、どちらかと言うと、ヤマメは東日本で、アマゴは西日本の河川が中心なのだとか。そのため長野県はヤマメで、アマゴはあまり見聞きしないのだろうとのこと。
更に下流域だと、長野県ではウグイ(注)になり、例えば千曲川では今でも「つけば」漁でウグイや鮎を捕まえていて、この時期は上田の千曲川の河川敷に設けられた「つけば小屋」で食べることが出来るのですが、ご自身でも小さい頃からオヤジさんに連れられて渓流釣りをされるという大将に依れば、ウグイはこの辺りでは猫も除けて通るという意味での“ネコマタギ”と呼ばれ見向きもされないそうです。
 「ナルホド、処変われば・・・なんですね。」
 唐揚げにされたアマゴは骨ごと食べられる程、身もほくほくと柔らかくて美味しかったです。家内も天然の鮎の塩焼きに満足の様子。
また、種類は分かりませんが、田楽の様な大ナスの丸太焼も素朴ながら熱々で美味でした。
 二人共お腹一杯になって、これで〆て酒代含め4千円ちょっと。
フ~ム、昼間の蕎麦で6千円て一体何だったんだろう・・・と、ここでも些か疑問が再燃してきました・・・。
ただ、「天領」は残念ながら美味しくはなく、お昼に頂いた生酛純米でないとダメなようです。日本酒は、個人的には甘い吟醸酒よりもむしろ純米酒の方が好みなのですが、酒米や勿論精米歩合、また仕込み方法や酵母などによって同じ蔵でも全然違うので、例え銘柄であってもなかなか自分好みのお酒を見つけるのは難しい・・・。
【注記】
産卵期にはお腹が赤くなることから、アカウオとも呼ばれます。亡くなった父方の叔母に依れば、父の実家のある島内平瀬地区の拾ヶ堰(平瀬地区にこの拾ヶ堰の奈良井川からの取水口があります)からの用水路には、昔はアカウオが群れになって遡上してきたとのこと。
また、三才山を源流に、松本市内を流れる女鳥羽川にもウグイが生息しているそうですが、市街地の川にウグイがいるのは珍しいそうです。