カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
60歳以上対象のシニア割引。
オジンやジイサンに見られることに抵抗はあっても、年を取って安くなるなら「ま、イイかぁ~」となります。
シニア割の中にも色々な特典はあるのですが、その中で些か気に入らない(腑に落ちない)のは、JRの「大人の休日倶楽部」。というのも、女性は60歳以上に対して男性は65歳以上、吉永小百合さんのCMから思うに女性客がターゲットなのかもしれませんが、それにしても腑に落ちません。
そりゃ、確かにお友達同士で平日でも出掛けられる女性客をターゲットにした方が、高級レストランも平日のランチがお得な様に営業戦略としては正解(お財布を握る女性を落とせば、次に家族連れでも来てもらえる?)だとは思いますが、しかし女性よりも寿命の短い男性の方が適用年齢が上というのは納得し難い気がします。もし国営なら公平性確保と性差別批判も出来るでしょうが、民営化された今では致し方無いかな・・・とは思いますが。
閑話休題。
シニア割でお得なのが映画です。映画館で多少異なるかもしれませんが、通常2000円近い一般料金が60歳以上のシニア割引だと1100円で見られます。
一時期世間同様に、DVDレンタルや大画面TVなどの登場などで映画館への足が遠のいた時期もあったのですが、(シニア割になったので)また最近見に行くようになりました。いくら家庭でも大画面化やサウンドバーなどAV機器の性能向上は顕著でも、シネコン化で昔よりも画面は小さくなったとはいえ、それでも映画館の大画面の迫力は音響的にも圧倒的です。
最近見たのは、「ラジエーションハウス」、「シン・ウルトラマン」、「太陽とボレロ」、そして「トップガン・マーヴェリック」。
最初に奥さまのご要望で、或る意味期待せずに(ただ)ついて行った「ラジエーションハウス」。事前に見に行きたいと言っていたので、制作側のTV局系列で過去のTVドラマが再放送されていたこともあって、一応事前に何本か過去の番組を見て一応の背景やドラマとしての性格は把握出来てはいましたが、劇場版は更に硬軟取り混ぜて二重三重にもストーリーを絡ませて展開させていて、最初から最後まで飽きずに、しかも予想以上に楽しむことが出来ました。
次に、これも奥さまのリクエストで見に行った「シン・ウルトラマン」。“有事における政府のリーダーシップの見本”とまで評価された「シン・ゴジラ」並み(映画は見ていません)の期待もあったせいか、或いはそうした見る前の期待値が高過ぎたのか?・・・。
おっと思ったのは、最初のタイトル表示がウルトラQの様に創られていたところと、怪獣(劇中では禍威獣)が壊すお城が珍しく松本城だったところだけ。日本の外交下手を揶揄した政府の対応も、地球最後の日へのカウントダウンも、ベータボックスで対策室の女性スタッフが巨大化されてしまい、助かった後も汗臭いと仲間から云われる(場合によっては、セクハラやモラハラと受け取られかねないのに)下りも、シリアスなのかパロディーなのか、ラジエーションハウスの様に硬軟取り混ぜてとなっておらず、笑うに笑えず観客席からは冷めた失笑を買うばかり・・・。
同じ人間型同士のウルトラマンと悪役の外星人との戦いよりも、むしろ冒頭の巨大怪獣との戦いの方が、特撮技術が進歩した現代の映像の迫力もありつつ戦い方は旧来のウルトラマン的で、当時TVにかじりついていた大昔の子供の目には懐かしかった気がしました。自身が筋金入りの“ウルトラマンおたく”でないからかもしれませんが、どうしてヒットしているのか、見終わった後も私には皆目その理由が分かりませんでした。でも、世間的にはヒットしているならきっと良いのでしょう(自分が分からないだけなので)。
そして地元松本が舞台となった「太陽とボレロ」。こちらが(地元民としては)一番楽しみにしていた映画だっただけに、その意味で一番ガッカリした作品でした。あの映画の、クライマックスに向けたワクワク感が全く湧いてこないのです。見終わった後、暫し溜息しか出ませんでした。
その理由は、映像(カメラワーク)はともかく、脚本が酷過ぎる。細切れのちっぽけなエピソードをパッチワークの様に継ぎ接ぎしただけ。ラジエーションハウスの様に(例えあり得ないと思っても)二重三重に張り巡らされた複雑なストーリー展開の工夫も、ムム、そう来たか!という様な唸らされる捻りも無く、途中からは映画に出て来る場所や街角がどこかという興味のみ・・・。外れたのが、豊科の日赤病院かと思った(他にビルらしいビルが無いので)病院屋上と市役所が、(市民でないので行ったことが無い)安曇野市役所庁舎だったこと(各自治体の協力するフィルムコミッションを考えれば当然でした)と、最後のコンサートホールとなる馬蹄形の劇場が松本市民芸術館だと思っていたら、横須賀芸術劇場だったこと。これも考えてみれば、100人近いオケ(今回はイルミナート・フィルが協力)のメンバー全員を松本まで移動させるよりも、首都圏で撮影した方が安上がり故、こちらも当然といえばそれまででした。
出演者全員に吹き替えではなく、実際に自身でボレロの楽器演奏をするように求めたという厳しい監督(ある意味、スタントマンを使わないトム・クルーズ的に?)であるならば、自身には更に厳しく、もっと真剣に視る者をあっと言わせるような脚本を練り上げて欲しかったと残念でなりませんでした。
どちらも大元のTV局の番組や俳優との関係性故か、バックアップするTV局の番宣が大袈裟過ぎた様な気がします。ロケ地となった地元民は馴染みの景色やエキストラで知人が出るといった楽しみ方がまだあるのかもしれませんが、そうじゃない人はただガッカリするのみ・・・。せっかくコロナ禍明けで戻ったファンなのに、また映画館から足が遠のかなければ良いが・・・などとあらぬ危惧までしてしまいました。
果たして(家内ではなく私メが希望した)「トップガン・マーヴェリック」は如何に?
【注記】
同じく松本がロケ地になった「流浪の月」は、全体が辛そうなストーリーだからということで(最後に希望の光が見えるとしても)残念ながら見には行っていません。
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