カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
彦根には朝早く着いたので、彦根城見学の前に朝食を取ってから行くことにしました。
事前にチェック済みの奥さまが選んだのは、彦根城の外堀沿いにある「ポム・ダムール」というベーカリーカフェ。朝9時オープンで、ちょうどその時間に到着しました。
外にフランス国旗があり、中はコンクリート打ちっ放しでオシャレな雰囲気です。モーニングメニューの中から、ドリンク付きのグランという焼き立てのパンとのセット(¥700)をチョイスしました。季節のサラダとベーコン、焼き立てのパンが三種類で、レンゲの様な三つの器に盛られたパンに付けるバターやブルーベリーのジャム、ハチミツがオシャレです(野菜の横に添えられていたカボチャのポテサラ風サラダが面白い!)
当然ですが、パンが美味しい!気に入られた奥さまは何種類かのパンも購入して(我々が朝一番故、まだ焼き上がったパンの種類は少なかったのですが)、いざ登城と相成りました。
江戸時代の城下町をイメージしたという、白壁と黒格子の町屋風に統一された街並みの「夢京橋キャッスルロード」を通り、途中で「4番町スクエア」へ。この4番町スクエアは「大正ロマンあふれる街」をキャッチフレーズに街づくりがされたのだそうです。ひこにゃんのショーが終わり、ちょうどランチ時。
途中のキャッスルロードにも、土産物屋さんやお菓子屋さんなどと共に、色んなジャンルのレストランが軒を連ねていました。また、お城近くには「たねや」のお店もありましたし、この4番町スクエアにも色々なお店があります。
勿論、彦根にも“三大和牛”近江牛の食べられるお店や、更には彦根がご当地麺「近江ちゃんぽん」という和風だしのちゃんぽん発祥の地とかで、その「近江ちゃんぽん」が食べられる店も何軒もあったのですが、結局選んだのはここも奥さまの事前調査によるご希望で、4番町スクエア内にあった「ジルモーリオ ディ バンブ」というパスタと創作料理の店。店名の“Germoglio di Bambu”とはイタリア語で“タケノコ”という意味だそうで、お店のH/Pに依れば「母親のような暖かいお店にと、私の母の名をイメージした店名にしました」との由(勝手に想像するに、お母上は“竹子”さんなのでしょうか)。店名の由来からも推測される通り、こちらのオーナーシェフは女性。その創作性とテキパキした仕事ぶりが、何となく松本の「食蔵バサラ」とダブります。
平日木曜日のランチタイムでしたが、予約席を含め10数席あるテーブルは既に満席で、我々は厨房を臨む5席のカウンター席へ。人気店の様で、しかも殆どが(この日は全員!)女性客。私たちよりも早く、カウンター席で一人で食事をされていたお客さんは、お子さんたちが学校に行かれている昼間の外出ついでに食事をされたのか、食後のコーヒーを飲みながら静かに読書をされていて、その女性らしい優雅な雰囲気が店内の雰囲気にとてもマッチしていました。
スタッフも接客態度が感じの良い女性で、確かに老若問わず女性に人気が出るのもナルホドと納得出来ました。
しかも驚くべきはそのメニューです。客層のメインである女性向けのランチタイム故かもしれませんが、コスパ抜群!
選べるサラダセット1150円、スープセット1200円、サラダ&スープセット1500円、前菜セット1700円。しかも、ちっちゃい子連れの若いママ友さん方が喜ぶであろう、お子さまセット700円まで用意されていました。
我々は、私メが選べるサラダセットと生ビール、奥さまは前菜セットで、5種類のサラダの中から、私はゆで卵のシーザーサラダ風、家内はいろいろ野菜のサラダをチョイス。そして、二人共パスタで、この日用意されていた5種類のメニューの中から、私がナポリタン、家内はシラス高菜豆腐のペペロンチーノをそれぞれ選びました。
そして、そのボリュームにも驚き。サラダだけでも十分な量で、他店の一般的なサラダの倍はあるでしょうか。またパスタも、ナポリタンが普通のナポリタンに非ず。むしろトマトソースと言った方が適切。単純にケチャップソースだけで炒めたのではなく、自家製かどうか分かりませんが甘味が抑えられたトマトソースをふんだんに使っている様に感じました。メニューにはトマトソースのパスタもあったのですが、一体このナポリタンとどう違うのか興味が湧きました。
家内の頼んだシラス高菜と豆腐のペペロンチーノは、素材を考えれば納得ですが、パスタメニューの中に和風が無いと思ったら、このペペロンチーノが単純にニンニクと唐辛子の効いた一般的なペペロンチーノではなく、ほんのりと醤油をベースに効かせた和風味(最後の写真で、ナポリタンの横の小皿に盛られているのが家内の頼んだペペロンチーノのお裾分け)。
セットランチが「お好きなパスタorご飯もの」とあるのですが、その“ご飯もの”がリゾットの他に「豚のパリパリ丼」。何でもお店で使っているお米は、シェフのお父上が育てられている多賀産の近江米なのだそうです。他にもきっと地産地消に心掛けておられるのでしょう、料理が盛られた素敵な器も地元の信楽焼とのことでしたから。
イタリアンやトラットリアではなく、“パスタと創作料理の店”としていた意味が何となく分かった気がしました。
写真を撮り忘れましたが、最後の自家製のデザートもそのコスパはハンパ無しで、奥さまの「本日のデザート2種」もたっぷりの生クリームが添えられたシフォンケーキとジェラート。私メが、甘くないカラメルソースのプリンでした。そしてランチセットのドリンクとして、家内が紅茶、私メがコーヒー。
家内の前菜セットが1700円で私メのサラダセットが1150円です。いくらランチの奥様族相手とはいえ、コスパ良過ぎではないでしょうか。しかも、安かろうではなく、料理も手が込んでいて、接客も丁寧で、店内もオシャレで・・・。これなら女性人気も至極当然。彦根に限らず、どこでも人気店になれるでしょう。でも、ご実家産のお米もですが、出身地の近くの彦根だからこそ出来るのかもしれませんが。夜はお酒に合う様な一品メニューもある様で、飲み会にも良さそうでした。観光客相手ではない、こんな店が家の近くに在ったらイイでしょうね。
この日、モーニングもランチも近江や彦根らしい郷土食を選んだ訳ではなく、或る意味どこにでもあるフランス風のベーカリーやイタリアンがメインの創作料理店だったのですが、そのどちらもがもし都会に打って出ても伍してやっていいけるような素敵なお店だったのです(個人的には、出来るだけ旅先ではその土地の“名物”を食べようと思うのですが、この辺が男性と女性の差か、はたまた単なる我々夫婦の個人差故か・・・?)。
彦根は軽井沢や鎌倉の様に都会から人が押し寄せる観光地ではなく、大変失礼ながら、たかだか11万人の地方都市です。それ故に、「それにしても、彦根はオシャレなお店が多い!」と夫婦共々感嘆しきりなのでした。もしかすると、新快速で50分足らずの京都から良い影響を受けているのでしょうか?
「お城だけじゃなくて、松本、何だか負けてるよね!?」
イヤイヤ、決してそんなことは無いとは思いますが(但し、高校野球に関しては、春夏1回ずつ優勝している長野県に対し、まだ甲子園で一度も優勝経験の無い滋賀県ですが、片や過去の栄光にすがるこのところの長野県に対し、最近の戦績は滋賀県勢の方が圧倒的に良く、優勝も時間の問題か・・・)、街全体の一体感というか統一感というか、そんな雰囲気が彦根全体に感じられて、大いに街づくりの参考になると感じられた次第です。