カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
開花宣言があった翌日27日、朝のウォーキングの帰り。
松本城のお堀の桜を見たせいもあるのでしょうか。
「桜餅、買って帰ろうか?」
という話になり、開智に在る「開運堂 松風庵」(日本茶と和菓子の喫茶室もあり)に寄って買って帰ることにしました。開運堂では、普通の桜餅と道明寺の二種類が販売されています。
松本は食文化も含めて関東風の文化圏ですので、昔は関東風の桜餅しか見かけなかったと思うのですが、何故か、桜餅に関しては関西の道明寺も販売されているのが不思議に感じます。開運堂のH/Pの説明に由れば、
『和菓子の桜餅には、「道明寺」と「長命寺」の2種類があります。桜餅と言われて思い浮かべるものは、お住まいの地域によって違うようです。
「長命寺」は、関東風・江戸風の桜餅
「道明寺」は、関西風・上方風の桜餅
という違いがあります。
関東風と言われている「長命寺」。皮の材料には小麦粉が使われており、小麦粉に水を混ぜて薄く焼いた皮で餡をくるんでおります。「長命寺」と呼ばれているのか由来は諸説ありますが、その一つをご紹介します。
江戸時代に、東京の隅田川沿いにある長命寺では、川沿いの桜の木から落ちる葉の掃除に日々頭を悩ませていました。そこで桜の葉を塩漬けにし、それにお餅を包んだのが始まりと言われております。「長命寺」というお寺で初めて作られたことから、この名前がついたそうです。
一方の関西風の桜餅が道明寺と呼ばれている理由は「道明寺粉」という材料を使用している事に由来しております。道明寺粉とは、もち米を一度蒸して、乾燥させて粗く砕いた物です。これを蒸して色付けしたもので餡を包んで作ります。お米の食感が残るぶつぶつとした食感が特徴です。
道明寺粉の歴史は古く、戦国時代に大阪の道明寺というお寺で作っていた保存食「干飯(ほしいい)」が元になっているそうです。長期間保存ができることから、武士の携帯食として用いられ、水やお湯でふやかすなどして食べられていたそうです。次第に干飯を挽いて粉にしたものを、「道明寺粉」と呼ぶようになり、それを使った餅が道明寺と呼ばれるようになったそうです。
また、京都の物産をあつめた『京之華』(1926)によると、嵯峨町の奥村又兵衛が「嵯峨名物桜餅」として売り出したのがはじめだったと記されております。桜の名所である嵯峨に桜に因んだ名物を、という思いだったのでしょう。
ちなみに、桜の葉で餅を包む工夫は江戸時代に発案されたと言われております。道明寺・長命寺に共通しているのが、餅を包んでいる「塩漬けの桜の葉」の存在。桜の葉で包むことで、香り付けだけではなく、お餅の乾燥を防ぐ目的もあることで伝わっております。葉は食べる人と食べない人で意見が分かれるようですが、正式な食べ方は決まっておりませんので、食べる・食べないはお好みによって。香りだけ楽しんで、葉は剥がして中の餅部分だけを食べても構いません。正解はなく、お好みでお楽しみいただくのが一番です。』とのこと。
開運堂が道明寺を始めたのは20年前だそうです。以降、この関西風の桜餅が松本でも評判になり、他の和菓子店も作る様になって、松本地方では道明寺の桜餅も定着してきた由。ただ開運堂では、関東風の桜餅に比べて道明寺は量(かさ)が小さく目方はあっても見栄えがしないので、開運堂では桜の葉を2枚使っているのだとか。個人的には、学生時代関西にいたせいでもありませんが、何となく道明寺の方が好みです。
そして、もう一つ開運堂の桜餅で気になったこと。それは、桜餅の包装紙。他の和菓子とは包装紙が異なり、桜餅だけに使われている様な気がします。そして、その包装紙には何やら意味有り気に筆時で書かれています。
H/Pにその紹介がありました。
『開運堂で桜餅専用にご用意している掛け紙には、独特な風合いで桜餅が描かれ、高浜虚子の俳句が添えられているのをご存じですか。
「灯火の下に 土産や さくらもち」
桜餅は春の季語として他にも多くの俳人が句を詠んでいます。
この掛け紙に引用された掛け軸がこの時期にだけ開運堂本店店内に飾られています。桜餅を購入がてら是非一度、足を運んで観るのも楽しみのひとつですね。』
俳人虚子は大変な甘党でもあったとか。
因みに、関東風とされる長命寺の桜餅は古典落語の「花見小僧」にも登場していて、落語の中でも日本橋の大店の旦那さんが丁稚の定吉に説明する形でその由来が紹介されています。
他の桜餅に比べ、開運堂の桜餅の塩漬けの桜の葉は塩味が少し強い気がします。しかも一回り大きくて、更に道明寺は二枚使われていますので十二分に食べた気がします。家内は長命寺の方が好みだそうですが、私メは餡を包む皮が食べ応えのある道明寺の方が好みかな・・・。
今年は松本も桜の開花が史上最速で早かったのですが、松風庵に依れば、開運堂では例年2月の立春の日から桜餅の販売が開始されていて、松本城の桜が満開になる4月の中旬まで販売。以降は草団子に切り替わるとか。従って、ここ信州松本では、桜の花が咲くより先に“花より団子”ならぬ桜餅で春を感ずる次第・・・です。
因みに、個人的には桜餅の後に出て来る開運堂の草団子(こちらは草餅ではなく団子だそうです)の方が好きで、むしろ春を感じます。
草餅は、昔祖母が毎年作ってくれた懐かしい“お祖母ちゃんの味”だということもありますし、塩漬けの葉よりも摘んだばかりの新鮮で柔らかなヨモギの若葉の香りの方が、何となく春の訪れをより実感する気がします。いつでも使える塩漬けの葉よりも、その時期だけしか摘むことが出来ない季節限定のヨモギの若葉の方が貴重で、季節感をより強く感じるからだと思います。
松本城のお堀の桜を見たせいもあるのでしょうか。
「桜餅、買って帰ろうか?」
という話になり、開智に在る「開運堂 松風庵」(日本茶と和菓子の喫茶室もあり)に寄って買って帰ることにしました。開運堂では、普通の桜餅と道明寺の二種類が販売されています。
松本は食文化も含めて関東風の文化圏ですので、昔は関東風の桜餅しか見かけなかったと思うのですが、何故か、桜餅に関しては関西の道明寺も販売されているのが不思議に感じます。開運堂のH/Pの説明に由れば、
『和菓子の桜餅には、「道明寺」と「長命寺」の2種類があります。桜餅と言われて思い浮かべるものは、お住まいの地域によって違うようです。
「長命寺」は、関東風・江戸風の桜餅
「道明寺」は、関西風・上方風の桜餅
という違いがあります。
関東風と言われている「長命寺」。皮の材料には小麦粉が使われており、小麦粉に水を混ぜて薄く焼いた皮で餡をくるんでおります。「長命寺」と呼ばれているのか由来は諸説ありますが、その一つをご紹介します。
江戸時代に、東京の隅田川沿いにある長命寺では、川沿いの桜の木から落ちる葉の掃除に日々頭を悩ませていました。そこで桜の葉を塩漬けにし、それにお餅を包んだのが始まりと言われております。「長命寺」というお寺で初めて作られたことから、この名前がついたそうです。
一方の関西風の桜餅が道明寺と呼ばれている理由は「道明寺粉」という材料を使用している事に由来しております。道明寺粉とは、もち米を一度蒸して、乾燥させて粗く砕いた物です。これを蒸して色付けしたもので餡を包んで作ります。お米の食感が残るぶつぶつとした食感が特徴です。
道明寺粉の歴史は古く、戦国時代に大阪の道明寺というお寺で作っていた保存食「干飯(ほしいい)」が元になっているそうです。長期間保存ができることから、武士の携帯食として用いられ、水やお湯でふやかすなどして食べられていたそうです。次第に干飯を挽いて粉にしたものを、「道明寺粉」と呼ぶようになり、それを使った餅が道明寺と呼ばれるようになったそうです。
また、京都の物産をあつめた『京之華』(1926)によると、嵯峨町の奥村又兵衛が「嵯峨名物桜餅」として売り出したのがはじめだったと記されております。桜の名所である嵯峨に桜に因んだ名物を、という思いだったのでしょう。
ちなみに、桜の葉で餅を包む工夫は江戸時代に発案されたと言われております。道明寺・長命寺に共通しているのが、餅を包んでいる「塩漬けの桜の葉」の存在。桜の葉で包むことで、香り付けだけではなく、お餅の乾燥を防ぐ目的もあることで伝わっております。葉は食べる人と食べない人で意見が分かれるようですが、正式な食べ方は決まっておりませんので、食べる・食べないはお好みによって。香りだけ楽しんで、葉は剥がして中の餅部分だけを食べても構いません。正解はなく、お好みでお楽しみいただくのが一番です。』とのこと。
開運堂が道明寺を始めたのは20年前だそうです。以降、この関西風の桜餅が松本でも評判になり、他の和菓子店も作る様になって、松本地方では道明寺の桜餅も定着してきた由。ただ開運堂では、関東風の桜餅に比べて道明寺は量(かさ)が小さく目方はあっても見栄えがしないので、開運堂では桜の葉を2枚使っているのだとか。個人的には、学生時代関西にいたせいでもありませんが、何となく道明寺の方が好みです。
そして、もう一つ開運堂の桜餅で気になったこと。それは、桜餅の包装紙。他の和菓子とは包装紙が異なり、桜餅だけに使われている様な気がします。そして、その包装紙には何やら意味有り気に筆時で書かれています。
H/Pにその紹介がありました。
『開運堂で桜餅専用にご用意している掛け紙には、独特な風合いで桜餅が描かれ、高浜虚子の俳句が添えられているのをご存じですか。
「灯火の下に 土産や さくらもち」
桜餅は春の季語として他にも多くの俳人が句を詠んでいます。
この掛け紙に引用された掛け軸がこの時期にだけ開運堂本店店内に飾られています。桜餅を購入がてら是非一度、足を運んで観るのも楽しみのひとつですね。』
俳人虚子は大変な甘党でもあったとか。
因みに、関東風とされる長命寺の桜餅は古典落語の「花見小僧」にも登場していて、落語の中でも日本橋の大店の旦那さんが丁稚の定吉に説明する形でその由来が紹介されています。
他の桜餅に比べ、開運堂の桜餅の塩漬けの桜の葉は塩味が少し強い気がします。しかも一回り大きくて、更に道明寺は二枚使われていますので十二分に食べた気がします。家内は長命寺の方が好みだそうですが、私メは餡を包む皮が食べ応えのある道明寺の方が好みかな・・・。
今年は松本も桜の開花が史上最速で早かったのですが、松風庵に依れば、開運堂では例年2月の立春の日から桜餅の販売が開始されていて、松本城の桜が満開になる4月の中旬まで販売。以降は草団子に切り替わるとか。従って、ここ信州松本では、桜の花が咲くより先に“花より団子”ならぬ桜餅で春を感ずる次第・・・です。
因みに、個人的には桜餅の後に出て来る開運堂の草団子(こちらは草餅ではなく団子だそうです)の方が好きで、むしろ春を感じます。
草餅は、昔祖母が毎年作ってくれた懐かしい“お祖母ちゃんの味”だということもありますし、塩漬けの葉よりも摘んだばかりの新鮮で柔らかなヨモギの若葉の香りの方が、何となく春の訪れをより実感する気がします。いつでも使える塩漬けの葉よりも、その時期だけしか摘むことが出来ない季節限定のヨモギの若葉の方が貴重で、季節感をより強く感じるからだと思います。
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