カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 年末年始に行われたサッカーやバレーなどの高校スポーツ、或いは大学ラグビーなどのアマチュアスポーツの中で、一番感動したのは今年のラグビーの大学選手権でした。二連覇が予想された早稲田と、 正に“三度目の正直”で、3度目の決勝の舞台での初優勝を目指す天理。
えんじと黒のジャージの闘い。準決勝で、片や帝京に勝った名門早稲田と明治を粉砕して3度目の決勝に挑む天理。結果は天理が下馬評をはねのけて、連覇を狙った早稲田を55-28と攻守に圧倒。見事、同志社以来36年振りという関西勢2校目の優勝を飾りました。

 そして試合後の優勝インタビューでの、天理大松岡大和主将の涙の絶叫インタビュー。第一声の「ありがとうございまーす!!」の大声での絶叫だけかと思いきや、更に「めっちゃくちゃ、嬉しいでーす!!」に続いて、途中、今までの苦しかった過程を想い、その時に支えてくれた大学や応援してくれた地元天理の人たちへの感謝を口にする中で頬を何筋もの涙が伝わり、時折言葉に詰まりながらも、そんな自身の“弱さ”を吹き飛ばして自らを奮い立たせるかの様に、大声で絶叫、絶叫、また絶叫・・・。
今時、これ程までに純朴な若者がまだいるのかと感動し、胸を打たれました。いつしか、こちらの頬にも涙が伝わっていました。

 思えば、昨夏の全国ニュースで流れた「天理大ラグビー部でコロナクラスター発生」の報道。部員170名が寮生活をしているラグビー部で62名が陽性となり、その結果誹謗中傷の声がネット上で広がり、ラグビー部員以外の天理大の学生がアルバイトを拒否されたり、教育実習の受け入れが中止へと追いやられたりしたという報道がありました。
部内でのクラスター発生は、集団の中での感染対策の不備として批判されても止むを得なかったと思いますが、全く接触も無かった無関係の学生までもが、バイトや、ましてや未来ある子供たちを育てる教育現場である筈の地方の教育委員会までもが天理大生の教育実習受け入れを拒否したというのは、余りに行き過ぎだろうと憤りを感じました。

 そんなコロナ禍の中での、クラスター“発生元”となったラグビー部が初の日本一。当事者故に誰にもぶつけられなかったであろうその悔しさと男の意地を以て、与えられた最高の場で最高の結果を出した天理大ラグビー部。
きっと、ラグビーの神様は、その後の彼らの反省と頑張りを見ていたのでしょう。天の配剤とはいえ、対戦相手となった早稲田の“荒ぶる魂”ではありませんが、魂が揺さぶられるような感動的な天理大ラグビー部の優勝と、そんな思いを腹の底から振り絞るかのような、松岡キャプテンの涙の絶叫インタビューでした。
 「イイなぁ~。まだこんな純朴な若者がいるんだなぁ・・・。コロナ禍の世の中、そんなに捨てたモンじゃないなぁ~・・・。」

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