カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 昨年11月からほぼ2ヶ月間に亘った母屋の片付け。
奥さまと二人で二週間ほどぶっ続けで毎日母屋の片付けや整理に追われ、「このままやれば何とかなるかも・・・」と家の中が或る程度方向性として目処が付いて来た際に、今後の英気を養うべく、少し骨休めをすることにしました。
年を取ると、こういう場合の“骨休め”は温泉です。ノンビリと温泉に浸かってリラックス・・・。云わば“湯治”でしょうか。勿論、信州にもたくさん温泉はあるのですが、出来れば日常を忘れて美味しいモノも食べたい!・・・となると、山国信州ではなく、お魚の美味しい海の近くの温泉へ・・・ということになります(本当は、元々この時期に計画をしていたので、結果、やっぱり行こうと実行しただけですが・・・)。

 そこで色々検討して選んだ先は北陸。例えば、高校野球の地区割でも「北信越」と云われる様に、新潟、富山、石川、福井は長野と同じエリアですし、ブリ街道と呼ばれる様に富山の氷見のブリや、臨海学校などで“信州の海”とも称される新潟は昔から馴染みがあります。職場旅行でも能登や金沢、山城温泉や東尋坊、永平寺などへも行きました。そこで探してみると、ドッグヴィラの在る施設が石川県の加賀温泉郷の一つである山中温泉に見つかりました。
石川県なら金沢も近い筈。そこで、今回は、北陸の加賀温泉郷を目指して行ってみることにしました。
松本から石川県の加賀市にある山中温泉までは幾つかルートがあるのですが、どれもNAVI上で凡そ250㎞で5時間の行程。最短ルートは、安房トンネルを抜け、富山から北陸自動車道に乗るか、高山経由で東海北陸自動車道から富山県の砺波で北陸道に合流するコース。或いは、松本から“塩の道”を行って新潟県の糸魚川から北陸道に乗るコース。
昔、金沢経由で和倉温泉と山城温泉に二泊し、輪島と永平寺も観光した職場旅行では、長野経由でずっと高速道を走るので、バスの運転手さんに聞くと、観光バスだと、安房トンネルを抜けるカーブの多い山道よりも、松本からずっと高速を走った方がお客さんは快適だし距離は長くなるが然程時間は変わらないという回答でした。また、以前(7年前のまだ長野新幹線時代)、バスツアーに申し込んで東京から新幹線で来られたツアーに合流した時は、途中飛騨高山と冬ライトアップをしている雪の白川郷を観光して金沢に泊まるツアー(第717話)でしたので、当然のことながら高山から東海北陸自動車道で白川郷から砺波へ北上するルートでした。
今までは自分では運転はしていないものの、松本から金沢はそれ程遠いという感覚は無く、以前も下呂へは行っていますし(第1323話)、スタッドレスタイヤを履いていても雪の安房峠越えをする気はありませんが、この時点(11月)ではまだ雪のシーズンには早かったのでそれ程心配はしていませんでした。但し、既に松本から見る白馬方面の後立山連峰は既に真っ白なので、白馬を超えていく塩の道ルートは日本海からの吹き溜まりで平地でもみぞれや降雪もあり得るので、冬タイヤ装着前ではパスです。

 11月中旬。途中、ランチとワンコたちのトイレ休憩も入れて、余裕を見て9時半に出発。NAVIの示したルートは、やはり富山経由のルートです。数年前に、松本市が主催して家族を介護している人たちを対象とした慰労を兼ねた和倉温泉に泊まる研修ツアーに奥さまが参加した時も、富山経由だった由。
ただ、途中の国道471号線が今夏の豪雨災害で通行止めになっている箇所があり、迂回路が設けられているとのこと。
安房トンネルを超えて平湯までは順調です。そこから高山方面ではなく、富山神岡方面へ。奥飛騨温泉郷の温泉街を抜け、奥飛騨温泉郷の道の駅でトイレ休憩です。

 その後も上高地へ至る山岳路の様な山道が続き、途中所々で夏の豪雨災害の復旧工事での片側通行区間があり、思いの外時間が取られます。
神通川水系を下っていくと、途中歴史教科書でも読んだ神岡鉱山やカミオアカンデの横を走り、漸く道が広くなったら富山平野です。
我が国初の公害病であったイタイイタイ病を教科書で知る程度の知識では、神岡鉱山に掲げられていた「環境保全に配慮する」という宣言も、その後の経営努力や改善効果を知らない私メには何だか皮肉にしか感じませんでした。
高速道に乗る前に、以前奥様が和倉温泉に行く時に立ち寄ったという富山の回転寿司でランチを食べて、漸く北陸自動車道へ合流です。

 富山から金沢は意外と近かったのですが、金沢から白山を過ぎると高速道路から海が見えます。山国の人間は、海を見ると異様にテンションが高まります(かと言っても、精神的には山の方が安心ですが)。
空港の在る小松を過ぎると漸く加賀市に入り、途中寄る所もあったので片山図ではなく加賀ICで高速を降りて山中温泉へ向かいました。

 休憩時間を含め、ほぼ6時間半。北陸道は、昔倒れた父を鶴岡へ迎えに行った上越から山形まではかなり路面が痛んでいた記憶があるのですが、今回は路面も補修もされていて快適なドライブでした。
しかし、他の高速道に比べるとSAやPAが些か貧弱な気がしました。ドッグランの在るSAは、富山から新潟へ行く途中の氷見だけで、富山から加賀の間にはありませんでした。
また高速道はともかく、平湯から富山までの遠いこと。松本から富山の手前までは、(上り下りは別として)何だかずうっと上高地へ行く山道を走っているイメージなのです。富山平野に出れば道路も広くなり、視界も開けるのですが、そこまでがずっと山の中。
そして富山から高速道路に乗ってしまえば、金沢はすぐなのですが、金沢を過ぎてから加賀温泉郷までも意外と遠いこと。
今回も高速道ではオートクルーズ(ACC)で快適でしたが、なにしろ高速に乗るまでが遠い。観光バスのプロのドライバーが、長野経由でずっと高速道を選択したのも、自身が楽だからではないかと思える程で、走った距離以上に疲れた“ロングドライブ”でした。
我が家の近所のサービスアパートに富山ナンバーの車が停まっていて、恐らく単身赴任なのか週末は車がありませんが、毎週この道を松本から富山まで走っているかと思うと、家族に会える喜びに勝るものは無いとはいえ、その大変さに同情を禁じえません。ですので、加賀温泉郷はと言うよりも、それに至る松本から富山までの道のりが想像以上に遠かった・・・!