カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 石割神社は石割山の八合目とのことですが、そこまでは参道ですので、キツイ階段を除けば結構幅広い緩やかな登山道でしたが、神社から先の山頂までは細く、思いの外急登が続きます。

     (写真は、神社から登山道に入って振り返った地点で写したもの)
急坂に木の根が張り出していたり、補助のロープが張られていたりして、それらを掴んで登る箇所が幾つもあったりと、ハイキングというよりもむしろちょっとした登山気分が味わえます。
そして急に目の前が開けると空き地が現れて、そこが1413mの石割山の山頂でした。神社から20分で到着しました。いきなり目の前に、ドーン!と富士山が現れます。箱根の金時山も目の前に富士山が眺められましたが、山中湖のすぐ北に在る石割山からは、金時山よりも富士山がとにかくデカイ!しかも、富士山の右肩に雪を被った南アルプスまでの眺望が拡がっていました。この日は快晴とまではいきませんでしたが、一週間前までは雨模様の予報だったことを考えると、流石は我が奥様の(2年間参加した「女性のための登山教室」で崇められたという)“晴れ女”振りは健在です。
 暫くすると石割神社に居た方々もそれぞれ到着され、お互いの中高年の登山話で談笑。「いや、健脚ですね!」とのお褒めの言葉に、
 「いえいえ、ただ家内の後を付いて来ているだけです・・・。」
その方はリタイア後の健康とお金の掛からぬレジャーとして登山を始め、寝泊まりできるようにワゴンカーを自ら改造し、各地の日帰りで登れる山を選んで巡っているのだとか。それだったらと、少ない経験の中から唐松岳を推薦させていただきました。
 我々は先に行くことにして、次にトレッキングで平尾山を目指します。
平尾山は1318mと石割山からは100m低いことから、ずっと下りが続きます。しかもかなりの急坂で、昨日の雨もあって滑り易いので補助ロープを掴んで気を付けて進みます。暫くすると尾根道で平坦になり、平野へ下る分岐点の標識を過ぎると平尾山はすぐそこ。
ここからも、富士山が目の前に聳える絶景です。しかも、石割山よりも少し富士山に近づいたので、心持ち富士山が大きくなったようにも感じます。
山頂にはベンチもあったので、ここで行動食を食べて暫し休憩。すると賑やかな声がして、二人組の別の男性陣が到着。
私メが、富士の裾野に見える広大な草原を家内に、
 「あれって自衛隊の演習場だよね、きっと」
と言っているのを彼らが聞いて、
 「そうか、あのドカン、ドカンという音は自衛隊の砲撃訓練なんだ!」
と言うので、思わず私も、
 「ナルホド、そうか、そうですよ!」
と相槌。というのも、昨日からドン、ドンという大きな鉄の扉を閉める様な音がホテルの部屋の中にいても聞こえていて、まさか山中湖付近に鉄工所や造船所がある筈も無く、一体何の音なのだろうと訝しく思っていたのですが、地元の方々は何の違和感も無いようにさえ感じられて、不思議な気持ちでいたのです。「そうか、自衛隊の演習なら理解できる・・・」。以前も富士吉田から御殿場間の富士五湖道路を走っていると、ちょくちょく迷彩色をした自衛隊のトラックや装甲車(今回は軽装甲機動車の車列)などの車両とすれ違うのですが、そういえばこの富士の裾野には北富士、東富士などの広大な演習場が拡がっていて、昔「戦国自衛隊」などの映画のロケも行われた筈です。定期的に実施される演習での砲撃訓練で、きっと地元の方々は慣れっこなのでしょう。
 その男性二人組は、これから大平山に向かうとのことで、
 「大平山ヘ行くと、石割神社の駐車場へは戻れませんよ」
 「そうなんですよね。でも今日は富士山もしっかり見えるので、せっかくだから大平山まで行ってみます。帰りはタクシーでも拾って戻りますヨ。」
と、お互いの山道の無事を祈って、我々は先程の分岐へ戻り平野方面へ下ることにしました。実際、このハイキングコースは石割山から平野山を経て大平山までがトレッキングコースになっています。
 我々は来た道を少し戻り、分岐から平野への道を下っていきます。途中、整備された下記の階段の坂が続き、木々の林の中を下っていきます。
暫くすると標識が現れ、トイレ・駐車場と書いてある広い道の方を下っていきます。しかし、何となく違うような気がして、ちょうど森林調査をしている調査員の方がおられたのでお聞きすると、この道は石割神社ではなく別荘地の方に向かう道で、遠回りになるとのこと。そこで、5分程でしたが標識まで戻りました。その標識、どう見ても指し示す方向がずれています。そこで、他の登山者が同じ様に道を迷わぬために、刺してある杭を折れない様にねじって矢印を本来の方向に出来るだけ近づけておきました。そういえば、このコースは、道そのものは遊歩道として木製の階段が所々に設けられていてかなり整備されているのですが、山頂までの距離などの案内の標識が少なく、分岐点にあるだけくらいなので、登山道としては些か不親切な気がしました(今までで、一番案内が親切だったのは那須岳でしょうか・・・?)
本来の道はかなり狭い道で、10分ほど下ると無事駐車場に到着しました。
すると、石割山におられた方が車で休んでおられたので、お聞きすると、その方は平尾山には寄らずに石割山から下山されたそうですが、やはり道を間違えてそのまま下り、民家の点在する中を歩いて駐車場まで戻って来らたとのことでした(「そういえば、調査員の方がおられました。」との由)。

 朝は10台程だった駐車場は満車で、停められずに溢れた車は道端に何台も駐車していました。石割山は手軽に登山気分を味わえる人気の山の様です。
キツイ階段を上り、神秘的な石割神社にお参りをしての石割山と平尾山登山。朝8時半に出発し、最後10分程道に迷いましたが、下山は11時半過ぎ。概ね3時間程の行程で、登山というよりもトレッキング、地元の観光案内ではハイキングでしたが、石割山山頂付近は結構な急坂もあってちょっとした登山気分も味わえますし、勿論石割山と平尾山からは(天気が良ければ)富士山の絶景を眺められますので、結構変化もあって楽しめるコースでした。
我々にとって、コロナ禍でのシーズン締め括りとなった富士の絶景を楽しめた山旅でした。