カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
最近の車に装着されている、アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)。
日本語では「定速走行・車間距離制御装置」と呼ばれる安全運転支援システムで、予め設定した車速内でクルマが自動的に加減速して、先行車との適切な車間距離を維持しながら追従走行し、ドライバーの運転負荷を軽減する仕組みです。最近では、軽自動車でも装着されている車もあります。
中には、「オートクルーズで走り続けると居眠り運転を誘発して危険」。さらに、「アクセルペダルを踏む必要がなくなるため、右足をダッシュボードの上に上げて運転するなど、危険回避行動が遅れて却って事故を誘発する危険性がある」との指摘もされているのだそうです。
確かに、発信停止を繰り返す様な信号が多い市街地や、狭くカーブの多い一般道ではACCは不要かもしれません。それに、自動車に限らず色々な事故や故障のニュースでプログラムのバグが原因という報道もあると、電脳社会においてはコンピュータを過信するリスク(ハードもソフトも元を作るのは人間)もあって、万が一を考えてしまいがちです。そのため、私メも全く使ったことはありませんでしたし、自分の運転の方が(精神的に)安心なので使おうとも思いませんでした。
一方、我が家のデジタル担当の奥様(長女はスマートスピーカーを盛んに勧めていますが、そこまで先進的ではありません)は、むしろACC推奨派。実際、カーディーラーの担当者も、
「女性で(その年齢で)、そこまで熟知して使いこなしている人はいません!」
と驚く程で、定期的に実家のお義母さんを面倒見に行く時は、松本から諏訪ICまでとはいえ高速道を走るので積極的にACCを使う様で、その便利さを絶賛しています。そのため、近間の県内とはいえ、高速を走る際に一切使おうとしない私メに対し、
「使えばいいのに・・・。絶対に便利だから!」
「でもなぁ・・・。何か不安じゃん!」
という会話の繰り返し・・・。
「イヤ、これ便利!スッゴイなぁ」
何が一番イイかって、何より右足が疲れないことです。例えば、日帰り登山に車を運転して行って、帰り道の運転で右足のふくらはぎが疲労のためにツルことがあります。また、足の前側である「前脛骨筋(ぜんけいこつきん)」という、足首を曲げる(足先が上に移動する)方向に力がかかる際に使われる筋肉もツルこともあります。
歩いて足を使った登山後だけではなく、長距離を運転することで、足首を曲げる方向に常に緊張させている状態でアクセルペダルをコントロールしているために、同様にツルことがあるのです。
若い時に家族を成田空港まで送って行って、日帰りで往復(600㎞)した際の独りでの帰路。諏訪ICを過ぎた時に急に手が震えてきて、慌てて諏訪湖SAで手の震えが止まるまで30分以上休憩を取った記憶があります。それ以降、個人的に一日の運転は400㎞を一応の目途として来ました。
今回は400㎞近い距離でしたし、若い時とは体力も違うので、足の疲労を考えて、高速道路に入ってから初めてACCを使ってみることにしたのです。車の流れを乱さぬよう、制限速度+10㎞に設定し走行しました。
前の車が減速すると自動的にこちらの車も車間距離を保つために自動的に減速します。その後、例えば前の車がICを降りたりSAに入ったりしていなくなると、自動的に設定した速度まで加速します。勿論、その間全くブレーキもアクセルもペダルを踏むことはありません。さすがに、右足をダッシュボードに載せることはありませんが、右足を使わない、筋肉を緊張させないことが、長距離の運転時に本当にどれほど楽かを実感しました。足の疲労度が全く違うのです。
「イヤ、こりゃホントに楽だワ!!」
そういえば、以前高速バスで新宿に行った時にたまたま左側の最前列に座ったことがありましたが、その際に運転手の方が頻繁にACCを使っていたのを思い出しました。これなら一日二往復くらい、プロのドライバーなら走れるかもしれない(安全を踏まえての実際の運行体制は知りませんが)と感じた次第です。
従って、今までは「ちょっと遠い」と躊躇していた遠距離の観光地へも、ACCを使えば車で行けるかもしれません。過信は厳に禁物ですが、何となく、ACCが中高年のドライブでの活動範囲を拡げてくれる様な気がしました。
思えば、若い頃は「車は絶対マニュアル車!」とオートマチックを馬鹿にしていましたが、今やAT車だけの免許証も存在しますし、オートマの便利さを体感してからはマニュアル車を選ぶことは無くなりました。
ACCもそれと同じなのかもしれません。
「こりゃ、使わな損、ソン!」
勿論システムへの過信はいけませんし、どんなに先進的なシステムでもFail Safeが重要にもなりますが、本当に技術の進歩は凄いですね。
その意味で、特に信州の様な田舎での買い物弱者を助け(スピードの出ないカートで良いので)、高齢者による誤発信や踏み間違えによる悲惨な事故を避けるためにも、自動運転の実現に期待します。出来得れば、遅くとも自分自身が“モミジマーク”になる頃には完全な自動運転になっていると有難いですね。そうすれば、高齢者も車で遠出することが可能になるかもしれません。若者に出来るだけ迷惑を掛けない、アクティブなシニアが増えるかもしれません。
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