カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 『海洋汚染問題で、死んで打ち上げられた海洋生物を解剖すると、意の中に大量のプラスチックごみが含まれていた。』、『胃に堆積したプラゴミのために死に追いやられた。』・・・云々。
地球上の生物界において全くの新参者である筈のホモサピエンスがその秩序を乱している以上、現代のホモサピエンスである我々新人類が生存している地球という世界に悪影響を及ぼした自らの原因を、自制と反省の元に一つ一つ除去していこうとうする行動は新参者としては当然の行動です。

 そうした意味も踏まえてでありましょうか、7月1日よりスーパーやコンビニなどで買い物をした際のレジ袋(ポリ袋)が有料化されました。
買い物の際にもしこれまでの様にレジ袋を請求すれば、大きさによりますが2円~5円という料金が加算されることとなりました。そのため、有料化以降は買い物の際は自分の袋を持参するというエコバッグが世間常識として浸透しつつあります。
個人的に、それそのものの動きに決して異を唱えるものではありません。

 しかし、世の中で廃棄されている所謂“プラゴミ”の中で、スーパーなどで無料配布されていたレジ袋が一体どれ程の原因となっていたのでしょうか?個人的にも、以前本ブログで書いたことがあります(第1244話を参照ください)。
そうしたレジ袋を製造している企業である「清水化学工業」という会社のH/Pに掲載されたレジ袋有料化に対する内容が、最近話題になりました。
この会社は、ポリ袋製品をはじめとして産業・工業・農業用資材などを製造しているそうです。その内容を紹介した記事を掲載します。
『ポリ袋が海洋ゴミに占める割合が僅か(容積ベースで0.3%、重量ベースで0.4%)であるといったデータを示しながら、海洋汚染の象徴であるかのように非難されていると主張。「レジ袋有料化による海洋プラごみ削減の効果はほぼない」と説明している。
更には、「石油精製時にポリエチレンは必然的にできるのでポリエチレンを使用するほうが資源の無駄がない」し、「ポリ袋は薄いので資源使用量が少量で済む」などとして、エコ商材だと訴える。紙袋と比較しても、3割も少ないエネルギーで製造が可能で、輸送に必要なトラックも7分の1だという。
他にも、買い物に使われたあとはゴミ袋として使われるなどリユース率が高く、ゴミとして焼却しても理論上、発生するのは二酸化炭素と水と熱であり、ダイオキシンなどの有害物質は発生しないという。』

 我が家では、家庭ゴミをゴミステーションに出す際に、生ゴミと可燃ゴミをそれぞれ別のレジ袋で分別した上で、市指定のゴミ袋に入れていました。
理由は、特に生ゴミは二重にしないとカラスが突いて散乱してしまうこと(襲撃防止のために黄色いネットで覆う様にしてから被害は減りましたが)と、生ゴミから汁がでたりして一重だと破れて回収する作業員の方の迷惑になることを防ぐためです。
我が家だけではなく、そうした使い方をされてきたご家庭は多かっただろうと思います。

 個人的に思うに、海洋汚染に繋がるプラゴミとして問題なのは、我が家周辺でもそうなのですが、例えばアイスやスナック菓子の包装やコンビニのレジ袋、或いはペットボトルが良く道路脇に捨てられていること。こうしたプラゴミが、川に落ちればそのまま下流へ流され、最後は海にまで行き着くのかもしれません。海辺の街であればもっとその可能性は高まります。キチンと分別して、焼却されるのであれば良いのではないか?道路脇などに捨てられるプラゴミが一番の問題ではないのか?とすれば、(特に若者への?時にはビールや酎ハイの空き缶まで捨てられていますので若者だけではないかもしれませんが)道徳意識の向上の方がむしろ効果的ではないでしょうか?
また、最近はかなり複雑な折り方がされた紙製(段ボール製)の緩衝材が増えましたが、以前小型家電などの梱包に多く使われていた発泡スチロールは、それこそプラゴミとして捨てる際に、割って小さくしようとすると、細かな破片が飛び散り本当に厄介でした。良く川に浮かんで流れていたりしましたので、ポリ袋よりこうした発泡スチロールの方がゴミとしては問題だろうと思います。

 そうした中、ゴミの分別用に使うために捨てずにとっておいたスーパーのレジ袋の在庫が底をついてきたので、止む無くホームセンターへポリ袋を購入しに行きました。すると、あろうことか、持ち手のついたポリ袋(今までスーパーのレジで配られていたモノと同じ形状の)がS・M・Lサイズと幾つかあるのですが、全て売り切れで在庫ゼロ・・・。持ち手のない袋は売っていたのですが、それだと特に生ゴミ用には汁などがこぼれぬ様にしっかりと口を縛れた方が良いので、持ち手があった方が重宝します。しかも、別の店舗にも行ってみたのですが、そちらも同様に在庫無しだったのです。
 「結局、皆考えることって同じなんだなぁ・・・」
きっと多くの家で我が家と同じようにレジ袋を使っていて、有料化以降はまとめ買いをして、以前と同じようにポリ袋を使いたいと思っているのです。
しかしそうだとすると、レジからポリ袋を追放しても、その代わりにホームセンターで購入していたらそれこそ本末転倒で、ポリ袋を削減するという目的は一体どうなるのでしょうか?
であるとすれば、一部菓子メーカーが実施しているように、スナック菓子やアイスクリームの包装をプラスチックから紙製に変えた方が(仮に若者が道路脇に捨てて川から海に流れても)、環境的には遥かに効果があるのではないかと思うのですが、如何??

 レジ袋の有料化、本当に効果があるのか、暫くして政府は検証することが必要だと思います。

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