カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
年齢ということもあるかもしれませんが、我々の“晴れの日のご馳走”と云えば、もしかしたら、若い頃はステーキや焼き肉、シンガポールに赴任してからはしゃぶしゃぶだったかもしれませんが、いつの頃からか、肉ではなく専ら寿司になった様な気がします。
昔は、今の様に回転寿司がありませんでしたし、支店まであるような大手チェーンは信州にはありませんので(カッパ寿司は元々長野市で創業ですが)、所謂“大将”がやっている個人経営の寿司屋に行くしかありませんでした。
もしかすると、昔の松本にも高級店があったかもしれませんが、若い頃の記憶では、寿司ネタの中で光物やウニはただ生臭いだけで一度も美味しいと思った記憶が無く、もしカウンターで好きなネタを頼めと言われてもウニや光物は決して注文するネタではありませんでした。
学生の頃だったか、高校近くの寿司屋が移転改装して以降、大将自ら軽トラの保冷車を運転して築地で仕入れて来るとかで美味しいと評判になり、帰省した折か、一度だけ父が連れて行ってくれた記憶があるのですが、光物やウニを食べた記憶はありません。
そうした中、社会人になって、会社が急拡大し人手不足の中、若手だった私メも担当する仕事を全て任され、発注した業者さんの東京本社に出張する機会があり、初めて有楽町の本社ビルを訪ねました。
当社の担当の方と上司の方と打ち合わせをし、昼時になって、上司の方が近所の寿司屋に連れて行ってくれたのです。おそらく上にぎりだったのでしょう。頼んでくれた寿司のセットメニューの中にウニがあり、まさか残すのも失礼故、意を決して口の中に入れた途端、
「あっ、ウニってこんなに美味しいんだ・・・!」
それまで食べたウニとは全く違い、生臭い様なニオイは全くせず、濃厚な甘味だけが口の中一杯に拡がったのでした。
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「えっ、イワシってこんなに美味しいんだ・・・!」
以来光物の美味しさに目覚め、イワシだけではなく、アジやコハダ、〆サバといった光物を中心に注文するようになりました。
その次女も、松本にいた頃はサーモンやイクラ、エビ、サラダ軍艦といった様な所謂“お子ちゃまネタ”しか食べなかったのが、成田に住んで一緒に寿司屋に行くようになったからか、途中からキンメやノドグロなど、それまで一度も食べなかった様なネタを頼むようになりました。これも、私が東京で初めて新鮮なウニの美味しさに目覚めたのと同じだったのかもしれません。そういう意味では同様に、子供の頃、お祭りの時とか亡き父が良く買ってきた松本の老舗「本間」のウナギ。しかし、次女はウナギが嫌いでいつもニジマスの甘露煮でした。それが、成田に住んでからは、友達と食べに行ってからとのことでしたが、
「ウナギって美味しいね!」
と、成田の名店「川豊」のウナギを食べるのにはビックリ。単なる「食わず嫌い」だけだったのかもしれません。
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「活」は炙りのネタが豊富だった中で、とりわけ炙りの“トロイワシ”は絶品でした。
どんな苦手な食材も、出来得れば、先ずは産地で旬の本当に新鮮なモノを食べてみる・・・何よりも、結局それが一番大事なのではないでしょうか。
【注記】
寿司ネタの写真は、これまで紹介させていただいた中から選んだ、上から「江戸ッ子寿司」のイワシとコハダ(ヒラメも写ってますが)、続いて「活美登利」の炙りトロイワシ(ポン酢と塩)、〆サバ、アジ。そして最後に「金沢まいもん寿司」の光物三種(イワシ、アジ、コハダ)です。