カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 前回の小田原漁港で食べた、そして買った魚の美味しさに、山国の人間は本当に驚き感動したのです。
 「あぁ、海の近くは本当にイイなぁ、羨ましいなぁ・・・。」
幸い、松本は本州のヘソで、大体4~6時間くらいで、北陸や伊豆などの海辺の街へ行くことが出来ます。何となくイメージ的には、海無し県の信州から海へ行く場合は、降った雨が流れ下る先が分かれる分水嶺と同じで、塩嶺峠から北側(松本辺りから北)は日本海の新潟から北陸の日本海へ、南側(諏訪から南)は伊豆半島などの太平洋へ・・・という気がします。
しかし、ワンコ連れOKという宿泊先は北陸方面は意外と少なく、むしろ伊豆半島の方が充実しています。
そこで、7月上旬の今回は同じ伊豆でも今まで行ったことが無い西伊豆に行ってみることにしました。中京圏や関西からだと分かりませんが、これまで伊豆というと専ら東側ばかり。海水浴(そういえばシンガポール赴任後はバリやタイのビーチリゾートばかりだったので、国内では赴任前に行ったのが唯一でした)での下田から、観光でも伊東や河津、伊豆高原。昔、会社の先輩が松崎だったか漁師民宿での魚料理を絶賛していましたが、堂ヶ島や土肥などの西伊豆は交通の便がわるそうなので一度も行ったことがありませんでした。 
調べてみると、西伊豆へは前回箱根へのルートと同じ御殿場まで行って、そこから沼津経由で伊豆縦貫道を経由して行くルートの様です。箱根よりは時間が掛かりますが、4時間程度で思ったよりも(時間距離は)近いことが分かりました。そこでネットで調べた結果、ペットホテルの在った土肥に行ってみることにしました。松本から概ね240㎞、4時間弱の行程です。
東伊豆には無い西伊豆観光の目玉は、新鮮な駿河湾(片や相模湾)の魚介類を別とすれば、何といっても夕日と駿河湾越しに臨む富士山でしょうか。しかしこの梅雨の時期ですので、こればかりは天候次第・・・。

 伊豆縦貫道から信州を走っている様な国道136号線経由で土肥へ。
西伊豆の土肥温泉は海辺に面した、思ったより小さな温泉街。梅雨時期で海水浴にもまだ早いせいか、海辺にも街中にも殆ど人が居ません。ここの観光スポットは江戸時代に栄えた徳川幕府直轄の土肥金山。
また周辺には、富士山と共に“日本一”とも称される夕日の絶景を望む堂ヶ島をはじめ、黄金崎、恋人岬といった風光明媚な西伊豆の海岸線が続いています。しかし、生憎滞在中はずっと雨。それにしても、いくら梅雨とはいえ、こんなに雨が降る梅雨なんてこれまでにあったでしょうか。
そのため、滞在中観光で出歩くことも無く(金山にも興味関心が沸かず)、殆どホテルでワンコと過ごしました。雨が止んだ少しの時間はワンコの散歩と、更に止んでいる時間が長ければ海辺の散策。従って、せっかくの西伊豆滞在でしたが、“日本一”の夕日も富士山も一度も見ることはありませんでした。
滞在したホテルは犬連れOKでしたので滞在客は皆さん犬連れの方ばかり。梅雨の時期でもあり、一般の観光客の方は殆ど見掛けませんでした。
今回のホテルはキッチン設備が無かったので、部屋食は無理。ホテルの食堂では鍋のコース料理だけでしたので余り食指も動かず、結局土肥の街中の食堂で食べることにしました。
土肥は小さな温泉街で、カフェどころか昔ながらの喫茶店も近くには無く、イタリアンの様なカジュアルなレストランも見当たらず。基本的には料理旅館で、滞在するホテルや温泉旅館で食べるのが前提の様でした。しかし、数は少なくとも数件は割烹や小料理店の様なお店があり、そこはさすがに海浜の街らしく、新鮮な魚介類をウリにしていて、山国から来た我々にとってはそれだけで十分です。
 今回食べたのは、全てホテルから徒歩範囲のお店でした。
ただ週末を避けて平日の滞在だったため、定休日だった店も多く、なかなか希望する店ではなく、その日開いている店に行かざるを得ませんでした。
その上で行ったのは、それぞれ磯料理を看板に掲げていた「松の家」と「しま長」。ランチでは無休で営業しているという台湾料理の「龍華」でした。
「松の家」では「上ちらし重箱」と「アジフライ定食」、「しま長」では
「ちらし丼」と「ミックスフライ定食」を選択しました。
しかし滞在中の西伊豆は連日の雨と強風でしたので、多分漁に出られなかったのでしょう。特に最終日の「しま長」では、頼んでも出来ないというメニューが多く、結局店の手持ちの材料で出来るメニューを聞いた中から頼むしかありませんでした。しかも地魚ではなく、サーモンなども使われ、またフライ用のアジが足りないのか、アジフライ定食は出来ずにミックスフライで、冷凍モノと思われるエビなども使われていましたが止むを得ません。
その意味で、一番感心したのは台湾料理店でした。家内は刀削麺を頼んだのですが、私は750円のランチ定食でメインの一品とラーメンの種類を指定するスタイルで、私はニラレバと醤油ラーメンをチョイス。それがそれぞれ普通のボリュームで更にご飯や小皿が加わっていて、結局食べきれませんでした。
味は普通で、ラー油を効かせたニラレバは辛くて美味。一方ラーメンは極々平凡で特徴無し。しかし、このボリュームでこの値段なら都会にあれば行列店になるでしょう。
 それにしても、土肥のレストランで感じたのはお店の方の不愛想でぶっきらぼうな態度。出来れば地魚の種類を聞きたかったのですが(一度聞いたら如何にも面倒臭げな態度に閉口し)、それも憚れる雰囲気。中国の方が経営していた台湾料理店はともかく、他の店はもう少しお客さんに対して愛想が良くてもイイのになぁ・・・と感じた次第です。閉鎖的と云われる信州人が偉そうなことは言えませんが、しかし店の接客はここまで酷くは無い様な気がします。
それと家内のオーダーしたちらし寿司が、せっかく地魚などのネタは新鮮なのに、酢飯がどちらも甘過ぎて且つベチャベチャだったのが残念でした。そのため家内は食べられずに、私メの定食用の白米のご飯で食べていました。勿体無いなぁ、鮮度は良いのに・・・とこちらも感じた次第です。