カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
4月12日の日曜日。
春になったので、トレッキングの練習を兼ねて裏山の急坂を上って、旧道からアルプス公園へウォーキングです。
先日の松本城の桜は満開でしたが、標高約800mの高台(最高地点は774.9mとのこと)にあるアルプス公園は、平地にあるお城より1~2週間遅れて開花しますので、市民は二度お花見を楽しむことが出来ます。市の中心から車で10分程度ですが、高台にあるため信州の高原の様な雰囲気で、その名の通り北アルプスの絶景を楽しむことが出来ます。しかも、71haという広大な都市公園で無料ですし、都市公園でありながら火気使用もOK.なので、通常ならお花見でのBBQを楽しむことが出来ます。小動物の森や色々な遊具、更にはアップダウンを利用したマレットコースもあって、老若男女問わず楽しめる松本市民の憩いの場です。
坂を上る途中で桃の花が咲いていましたが、信州で“桃の節句”雛祭りが月遅れで行われるのが納得出来ます。
蟻ヶ崎台を抜け、途中から旧道へ入ります。ここは、昔、県の種畜場時代の道路で、当時からの桜並木が両側に続いています。私が子供の頃には既に成木でしたので、随分老木になりましたが今でも見事な桜のトンネルを作ってくれます。高台故、桜はまだ二分咲き程度でしたが、道端のスミレが鮮やかに満開でした。
『山路来て 何やらゆかし すみれ草』(芭蕉)
滝野瓢水という俳人の句に、
『手に取るな やはり野に置け 蓮華草』
という句がありますが、何となく、“やはり野に置け菫草”と読み替えたくなります。
上の公園は小さな子供さんを連れた家族連れがチラホラ。いつもの週末に比べれば閑散としています。この時期ですので、今年はお花見の場所取りでのブルーシートも見当たりません。まだ桜は早い感じですが、代わってコブシが満開でした。因みに「北国の春」の作詞家いではく氏は南牧村出身で、“北国”には行ったことが無かったため、故郷信州の春の情景を詠んだと云いますので、何となく白樺林で有名な佐久穂高原を想像します。
この日の北アルプスは雲に覆われていて、展望テラスからの峰々は望めませんでした。駐車場には、コロナ疎開か、関西や中京圏からの県外車を含めて50台程の車がありましたが、こう広い公園だと殆ど人影は疎らで3密にはなりません。
帰りに蟻ヶ崎台から我が家へ向かう途中、蟻ヶ崎台公園に寄ってみました。
ここは、現在の蟻ヶ崎台の宅地化がされた際に丘陵地帯の雑木林が切り開かれて整備された、地域の小さな公園です。
高校時代はまだ宅地化されておらず、この公園も無かったのですが、当時から林の奥に草原の様な開けた場所があり、そこから深志高校を眼下に、松本市内が良く見えたので、時々犬を連れて散歩で訪れては暫し景色を見ながらボーっと寝転んでいた場所でした。その深志高校では校庭の桜が満開。感染防止で休校中のため、グランドには野球部やサッカー部の姿もありません。そしてその先には、満開の桜に囲まれた松本城とその遠くに桜に纏われる様な弘法山。4000本という桜で、まるでピンクの雲に古墳が浮かんでいる様に見えました。
この蟻ヶ崎台公園にも10本近い桜が植えられていて、もう散り始めていましたが、公園奥の雑木林の中に2本の小梨があり、無数の小さなリンゴに似た白い花が満開でした。桜の様には誰も見て愛でてはくれませんが、信州の春を彩る見事な純白の花姿でした。
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