カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 伊豆高原三日目。観光はこの日が最後になるので、大室山だけで昨日行かなかった隣接する伊豆シャボテン公園へ行くことにしました。メインのサボテンよりも、カピバラたちがお風呂に入る“カピバラ温泉”で有名なのだそうです。

 この日も、朝散歩をしてからノンビリと(カピバラならぬ私メも)温泉にも入り、早昼をホテルの部屋で食べて、ゆっくりと11時過ぎに出発です。
犬などのペットも入園OKで、園内は当然全て舗装されています。高原故に坂道などの傾斜はありますが、車椅子の方も観覧出来るようにバリアフリーになっているので(途中階段がある場所には車椅子用に迂回路もあり)、ワンコたちもこの日は歩かずにドッグバギー(ペット用カート)で園内を見て回ることにしました。
来て分かったのは、単に“シャボテン公園”だと思っていましたが、正式名称は「伊豆シャボテン動物公園」とのこと。そのため、カピバラだけではなく他にも140種という色んな動物が飼育されているそうで、それならばと名称にも納得です。
園内には放し飼いの動物もいる様なので、念のためワンコたちがカートから飛び出すことの無いように、メッシュのカバーを閉めておきました。
後で知ったメインゲートは反対側にあったのですが、我々はこの日も大室山の第2駐車場に車を停めて、大室山側のゲートから入場しました(こちらからはかなりの急傾斜の坂道を上がらないといけないので、犬用のカートならいざ知らず、車椅子やお年寄りは反対側のメインゲートからの入場の方が無難)。
 坂を上って入園すると、すぐにミーアキャットの檻とカピバラの広場がありました。因みに、カピバラ温泉は11月の23日から4月の5日までの冬季限定なのだとか。行ったのが21日でしたので、あと二日遅かったら見られたのにとチョッピリ残念でした。
カピバラの広場へは、人間は柵の中に入って一緒に写真も撮れるのですが、犬は入園禁止。カートに入って閉めてあってもダメとのこと。理由は病気予防のウイルス対策などではなく、ライオン同様に強いオス一匹が数匹のメスで群れを作るカピバラは自分の縄張り意識が非常に強く、もし外敵が(他のオスも)自分の縄張に侵入して来ると追い払うために攻撃し、小型犬などは噛み殺してしまう程力が強いのだそうです。おっとり、ノンビリした風貌に似合わず、カピバラは見掛けによらぬものだと感心した次第。
因みに、カピバラはネズミ目テンジクネズミ科とのことで、ネズミの仲間。つまり来年の干支なので、飼育員の方が「年賀状用に写真を撮って行ってください!」と薦めてくれ、早速我々もパチリ。
モンキーハウス、バードパラダイス、レッサーパンダ館など、園内の幾つか建物に入っている施設はペット入館禁止とのこと。レッサーパンダ館と、ウサギやペレットなど手で触れられる所は家内と順番で入館。ただし、レッサーパンダはずっと上の梁で寝ていてビクともしてくれませんでしたが・・・。
途中、やはりカートにフレンチブル君を入れて観覧中のご婦人とワンチャン談義になりました。その時は、ナナとコユキが一緒にドッグバギーに入っていたので、
 「二匹で仲良くてイイですね!」
とのこと。そこで、ナナが病気になった時にペットロスが怖くて、チロルの時にナナに助けられたことから、今回コユキを引き取った経緯を家内がお話ししました。その方も、「そうですよね、良く分かります!」とのことでしたが、フレンチブルは大変神経質で多頭飼いに拒否反応を示す子も多く、中には“先住犬”が鬱になってしまって逆効果だったケースもあるのだとか。
 「だから、分かってはいても、怖くてもう一匹をウチでは飼えないんです!」
とのこと。
ですので、あまり関心を示さなかったにしても、ナナがコユキをすんなり受け入れてくれたのは本当にラッキーだったようですし、その上コユキのお陰で、奇跡的と動物病院の先生も驚く程にナナも元気になれたのですから、本当に我が家のワンコたちは(勿論我々もですが)ハッピー!ですし、お話を伺って本当にコユキで良かったと感謝しました。
他にもワンコ連れの方々がたくさん入園されていました。犬連れで行くところ(行ける場所)は限られるので、結局は同じ所に決まってしまうんですね。
ジャックラッセルを連れられた同年輩くらいのご夫婦ともやはり犬談議になり、コユキが保護犬と知ると、一度保護犬のトライアルが上手く行かず、その時は断られてしまったそうで、奥さまが、
 「だから、主人に保護犬の譲渡会に一緒に行こうって誘うんですけど、嫌がって行ってくれないんです!」
とのこと。
 「イヤ、私も全く同じで、地元の保健所主催の譲渡会には行けなかったんです。もし行けばどの犬も可哀そうで、そうかと言って全部は連れて帰れないし・・・。でも一匹だけを選ぶのは他の犬たちに悪くて辛いので、だからご主人のお気持ちは良く分かります!」
しかし一匹でも多くの保護犬が救われれば嬉しいので、コユキの時の様に保護団体のH/Pから探すことをお勧めしました。

 さて、シャボテン公園のメインのサボテンは、幾つかの温室で原産地毎に分けられて(環境を管理して)育てられていました。そこに行くためには、大きな鳥の様な形をしたオブジェ?の入り口から入っていきます。
説明を見ると、ウルトラマンに登場した怪獣ヒドラの模型なのだとか。何でも1966年に放送された回で、大室山の火口からヒドラが地上に現れるという設定だったようです。ウルトラマンは欠かさず見ていた筈ですが(個人的にはウルトラQの方が好きでしたが、放送が終わってから毎週書道教室に行っていた筈)、当時10才だった子供心にヒドラはあまり記憶には残っていませんでした。
 南米、マダガスカル、メキシコと続く各シャボテン館の温室を繋ぐトンネルの様な地下通路は、壁が工事で掘った時に現れた大室山の溶岩なのだそうで、ヒドラから入るのに相応しい雰囲気です。本来の主役のサボテンの温室は、とりわけメキシコ館がなかなか見事。ここは確かに見る価値がありました。
最後に、シャボテン狩り工房で記念に小さなサボテンの鉢を買いました。最近多肉植物がブームになっていますが、自分の好きなサボテンを選んでオリジナルの鉢植えを作ってもらうという“シャボテン狩り”で、赤や黄色、ピンクなどの色鮮やかなサボテンを選ぼうとしたら、それは人工的に別の種類をくっつけているので寿命は単体のモノよりどうしても短いとのこと。そこで、諦めて既に出来合いの鉢植えの中から、小さな鉢の普通のサボテンにしました。
出口付近では、前日の大室山では雲に隠れて見えなかった富士山がこの日は頭だけが雲の上に見えていました。
 最後に出口のカフェのテラス席で、ワンコも一緒におやつを食べて一休みしてからホテルに戻りました。家内は娘の処に上京した折に、人気のタピオカミルクティーの行列店に並ぶ気がせず、今まで飲んだことが無いからとタピオカミルクティーをチョイス。慣れないせいか、むせながら飲んでいました。
昔赴任中に、シンガポールでは中華料理のデザートに決まってマンゴープリンかハニデュー・サゴ(“ハニーデュー”、要するに“Honey-dew ”「蜂蜜の滴」と名付けられた、それ程甘くないがシャキシャキした食感が特徴のメロン・キューブとサゴにココナッツミルクが掛けられたデザート)が出されて(母娘は)食べていましたが、(サゴそのものは無味?で)そんなに美味しかったかなぁ?と、私メが、
 「タピオカって要するにサゴでしょ!?何で、今になって日本でそんなに流行るんか、よう分からん!」
 「サゴヤシは高級なので、今日本で流行っているタピオカって、安いキャッサバの粉から作られてるらしいよ・・・」
 「ふーん、タピオカってサゴじゃなくて芋のデンプンなんだ・・・。」
(・・・と、一つ物知りになりました・・・)

 20万㎡の広さという伊豆シャボテン公園。正直、然程期待していなかったのですが、ワンコ連れで入園も出来ますし、4時間程掛けて園内を見て回りましたが、カピバラ以外もメインのサボテンを含めて結構楽しむことが出来ました。
ワンコたちはカートに入っていたとはいえ、広い園内を連れ回されて結構疲れたでしょうから、この日の観光はこれで終わり。その後はまた温泉にも入ったりして、夕方の散歩までノンビリと過ごすことにしました。