カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 今回の蓼科へのプチ旅行の目的の一つである北横岳登山。
北横岳へは北八ヶ岳ロープウェイで1771mの山麓駅から一気に2237mの坪庭駅に行って、名所の坪庭を経て2480mの北横岳へ登頂するコースが一般的で、ロープウェイを降りてから山頂往復の所要時間は3時間とのこと。
ロープウェイを使わない登山コースもあったのですが、事前に見た登山MAPの登山道がロープウェイのコースとは違ったので、車で麓まで行く関係上、今回は往復ロープウェイを利用することにしてホテルで往復前売り券を購入。現地では1900円のところ、蓼科のホテルでの前売り券は1600円で購入出来ました。
蓼科湖が標高1,250ⅿとのことですので、すずらん峠に至るビーナスラインから途中で別れるルートの蓼科湖から10㎞程の距離を標高差500ⅿの結構な急坂を上って山麓駅に到着。北八ヶ岳ロープウェイという名称ですが、その場所はスキー場であるピラタス蓼科スノーリゾート。昔はロープウェイも確か蓼科ピラタスの名称ではなかったかと?・・・。

100人乗というロープウェイは20分毎の運航で始発が8:40。ちょうど8時半に到着し、既に10台程が駐車していた広い600台の無料駐車場に我々も車を停め、靴を履いたりトイレを済ませたりして始発に乗車。
すると、ロープウェイ脇に登山口の標識があり、家内が、
 「ちゃんと、登山道もあるじゃない!だったら、那須岳みたいに最初は(登山らしく)しっかりと登山道を登って、帰りだけロープウェイで良かったのにィ!」
と非難の声・・・(どうもスンマセン)。
考えてみれば、もしロープウェイを使わなければ始発時間まで待たずに車を停めて早朝から縞枯山などへの縦走登山も可能なので、(縦走するかは別として)次回はそうしたいと思いました。
 ロープウェイは2237mの坪庭駅までの標高差500mを、僅か7分で一気に登ってしまいます(歩けばコースタイムは2時間強とのこと)。途中、ロープウェイから眺めるゲレンデに沿った登山道にキツネが歩いていました。この日が一応朝の曇りから昼前に一旦晴れに変わる予報で、雨は降ってはいないのですが八ヶ岳は雲に覆われていてその姿は見えません。
ロープウェイの坪庭駅でトイレを済ませ(無料です)、8:50に登山開始。
坪庭は広大な溶岩流で覆われた窪地で、2500mの森林限界が逆転し、2200mの坪庭にはハイマツ帯が拡がっていて、この坪庭を過ぎるとシラビソの樹林帯が山頂付近まで続いています。
この日は平日で、我々同様の中高年の登山者が三組。坪庭を15分で半周し登山口から北八への登山道へとゆっくりと歩を進めます。
登山道は途中北八の縞枯山、三ツ岳への分岐点があり、我々は北八の中の北横岳を目指す片道1時間のコースです。
 坪庭から登山道へ入ると、すぐにシラビソの樹林帯が続きます。30分程は先程までの坪庭とは違って登山道らしい上りの坂が続きますが、ずっと見通しの利かない林の中を進んでいきます。登山道は良く整備されてはいますが、如何にも火山群である八ヶ岳らしい石や岩でごつごつした歩き辛い登山道で、その後一旦坪庭が見渡せる高台を経るとまた林の中へ。
         (下の写真は坪庭越しに望む縞枯山)
北八の名の通り、白駒池周辺の苔の森同様に、こちらもシラビソやコメツガの湿った森には美しい苔の絨毯が所々に拡がっています。
山小屋の北横岳ヒュッテが見えたら山頂までは残り15分。9:50にヒュッテ到着ですので坪庭駅を降りての登山開始からちょうど1時間で、ほぼコースタイム通りです(坪庭の周回路からの登山道入り口に立っていた案内標識に、北峰山頂まで60分との標示あり)。この日ヒュッテは臨時休業とのことで、広場のベンチには登山者は誰もおらず、我々だけで小休憩。こちらには戸外にもトイレ(勿論有料です)が用意されています。
ヒュッテから最後の階段などの急坂を10分登ると最初の南峰2471.6ⅿの山頂です。北横岳は2500ⅿの森林限界より低いので、山頂まで樹林帯が続いていて登山道から眺めを楽しむという山ではありませんが、独立峰なので周囲に遮るモノはなく、山頂からは360度のパノラマが広がります。但し、この日は生憎南峰の南側に広がる八ヶ岳は雲の中。そしてそこからアップダウン5分で北横岳山頂である2480ⅿの北峰に到着。生憎ここ北峰からも、南峰からの八ヶ岳のみならず、残念ながら南も北も中央もアルプス山系は全て雲に隠れていました。ただ、南峰の山頂で休憩していると、次第に雲が晴れて眼前に同じ北八の蓼科山の雄姿が拡がりました。
この日は平日でしたし、ピークの夏山シーズンも過ぎ、且つ蓼科高原の紅葉もまだ少し早いためか、北横岳山頂は我々だけでほぼ貸し切り状態。ここで軽食を取り、北横岳山頂からの蓼科山の絶景を暫し楽しんでから10:30に下山を開始しました。
 蛇足ながら、今回の北横岳登山で感じたのは、所々に建っている標識に次のポイントまでの距離や時間の記載が坪庭からの登山口(ここには北横岳山頂60分との標示)以外には無かったこと。
例えば、箱根の金時山の健脚者向けとしか思えぬ早すぎるコースタイム表示はご愛敬(「えっ、そんなに遅いのか!?」と逆にショックを受けるので、むしろ無くてもいい)ですが、これまで一番親切だったのは全てにポイントまでの距離と経過予想時間がきちんと表示されていた那須岳(茶臼岳)でした。唐松岳や三城からの美ヶ原も少なくとも距離はちゃんと表示されていましたが、北横岳は「至〇〇」という殆ど方角のみ。我々の様な登山初心者もいますので、例えば「至北横岳南峰〇〇m、10分」とか、もう少し親切であってもイイのでは?と感じた次第です。登山道は、木道や木製の階段などもあっったりと本当に良く整備されていたので、その点だけが少し残念でした。
【注記】
写真が多くなってしまうので、下山の様子は別(帰路編)にします。