カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
今回、保護犬だった「こゆき」を引き取るにあたって感じたこと。
各地に保健所や私設の保護団体がありますが、最近松本保健所管内でも保護された犬猫の殺処分ゼロとの報道がありました。そうした保護される犬たちの中には、多頭飼いのブリーダーからのコユキの様な“不要犬”も決して少なくないと言います。毛の抜けないシーズーなどは、保護された時に毛が伸び放題で汚れていて、どこに目があるのか分からいことも多いのだとか。
今回「こゆき」を引き取って3ヶ月間面倒を見られた保護団体の方は、今までに50匹近い保護犬を引き取って世話をされてきたそうです。勿論、新しい飼い主に譲渡される犬の方が圧倒的に多い中で、中には譲渡が成立せずに終わる犬も勿論いるのだそうで、今その方のお宅には全部で4匹のワンちゃんがおられ、最後まで面倒を見ると決められたシニア犬等を除き、2匹が新しい里親を待っています。今回お世話になったペット病院や寄贈などで支援をしてくださるドッグフードメーカーなど、協力支援をしてくださる企業や団体などもあるそうですが、基本的には保護団体の方々(ご家族の理解と協力を含めて)の使命感と善意によって成り立っているのは間違いありません。本当に頭が下がる思いでした。
今回「こゆき」を通じて、そうした保護団体の方と知り合い、その活動状況を知る中で、ブリーダー業者の全てが悪徳とは言いませんが、日本もドイツの様に、犬を飼いたい場合は基本的にブリーダーからではなく保護犬の中から選ぶという文化が根付いて、ペットたちに優しい社会になっていけば良いと思います。
但し、保護犬活動も善意だけでは継続不可能ですので、従って保護犬譲渡に当たっては、保護してから譲渡するまでに掛かった応分の経費(混合ワクチン、狂犬病予防、フィラリア予防、マイクロチップ装着、歯科・血液など健康診断、避妊手術等の医療費、また譲渡先の家庭訪問に掛かる往復交通費)は譲渡を希望する側の負担となります。
以前軽井沢で、喫茶店の女将さんが真夏の軽井沢をペット連れで歩く人たちに対し、
「ファッションじゃあるまいし、真夏の焼けたアスファルトを歩かされる犬が(肉球を火傷して)可哀そう!」
と大層憤慨されていましたが、仰る通りだと思いました。
それにあろうことか、ひと夏が終わると“ファッション”だった犬をそのまま別荘地に捨てていく輩が後を絶たないのだとか。本当に信じられない気がします。例え仏教の六道では下層の畜生道に属する小さな命であったとしても、それをまるでモノの様に扱う人間が、果たしてちゃんとした“親”になれるのだろうかとさえ思ってしまいます。
保護団体の方によれば、保護犬の中には飼育放棄をする飼い主も後を絶たないそうですが、不要犬を生み出すブリーダーだけではなく飼う側にも大きな責任があります。
“生きとし生きるもの”を飼う側の責任を自覚して、最後までその責任を全うしていきたい。彼らが突然飼い主を失って路頭に迷うことの無い様に、“虹の橋”を渡る最後まで飼い主が看取ってあげたい。今回のコユキをきっかけに、そんなことを改めて強く感じた次第です。