カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
先週のNHKの朝ドラ「なつぞら」で、主人公の女性アニメーターが手掛ける初めてのTVアニメとして「百獣の王子サム」なる作品が登場。何となく「ウン?・・・」と思っていたのですが、実際のその作品のTV放送場面になって・・・、
「おぉ、やっぱり!!」。
それは、その「百獣の王子サム」のモデルが、自分が子供の頃大好きで毎週欠かさずに(多分)視ていた「狼少年ケン」に間違いなかったからです。
「狼少年ケン」は1963年~65年、現テレビ朝日系列(長野県では当時は民放1局しかなかったため、TBS系列であるSBC信越放送が放送)で放送されたTVアニメ。
「なつぞら」では、主人公の所属する「東洋動画」(モデルは東映動画)が、「鉄腕アトム」に対抗して手掛ける初めてのTV向けのアニメーション作品が「百獣の王子サム」という位置付けです。
長野県では毎週日曜日の朝10時頃からの放送だったように記憶しているのですが、「百獣の王子サム」でも、「狼少年ケン」の、あの“♪ボバンババンボン、ボンババンバボン」・・・いつもオイラは泣かない、どこまで燃える命・・・”という懐かしい主題歌をしっかりと彷彿させるテーマソングが画面から流れ、モノクロの動画が放送されました(勿論、アニメ上の舞台は、狼のいるチベットからライオンのいるアフリカに変更されています)。
「いやぁ、懐かしい!」
裏覚えながら、今も記憶に残る“♪歌えよ!ケン、叫べよ!ケン、太陽に届くまで・・・”という少年合唱団が歌う主題歌が、TVを見終わった後もずーっと頭の中で流れていました。
個人的には、劇中に登場する「川村屋」が新宿中村屋で「角筈書店」が紀伊國屋書店であることはすぐ分かりましたが、それ以外の登場人物が実在の誰なのか、そのモデルとなっている方々に対する知識は全く無いのですが、ただ一人気になっているのが、主人公なつの幼馴染である山田天陽。
というのも、農耕馬の絵を好んで描いた、十勝の農民画家と云われた神田日勝が天陽のモデルに他ならないからです。
十勝の鹿追町にある彼の作品を集めた「神田日勝記念美術館」。そこに展示されている筈の、彼の絶筆となった未完の半身だけが描かれた「馬」。是非、一度生で本物を観てみたい作品です。
山田天陽がTVに登場し、その名前からして神田日勝を連想させたのですが、神田日勝は32才という若さで病死してしまうので、出来れば5年前に「日本美術院再興100年記念特別展」で初めて観て感動した「道産子追憶之巻」(北海道立近代美術館蔵)を描いた、同じく屯田兵を父に持つ北海道出身の日本画家である岩橋英遠であればと、劇中で天陽の描く絵を見るまではそう願ったのですが、残念ながらそうではなく・・・。
それともう一つ、個人的な勝手なお願い。それは・・・、
今回の京都アニメーションの惨事に際し、たまたま偶然にも同じ我が国のアニメーションの業界とその歴史を描いているだけに、公共放送としての制約(商業的な応援/支援はしない)があるだろうことは理解しますが、どこかで犠牲となった方々への追悼や被災された方々への応援、残された方々や会社への激励を、どんなに短いテロップででも何でも良いので是非とも「なつぞら」として流していただけないでしょうか。