カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
素人が料理をする中で、憧れる調理テクニックは“フライパン返し”ではないでしょうか。
上手くやらないと、フライパンの中の具材が外に零れてしまいますが、上手く出来ると、炒めている具材がまるで空中で宙返りをする様で、その鮮やかなテクニックに惚れ惚れします。
一見すると素人には難しいのですが、出来てみると、意外に簡単だったことに気付きます。
最初は、どうしても具材をひっくり返そう(宙返りさせよう)として、手の動きそのものも弧を描くように回してしまうのですが、そうすると却って失敗して中の具材がフライパンから勢い良く飛び出してしまいます。むしろ弧を描くのではなく、ある程度の勢いで前に振り出したフライパンを少し後ろにさっと引くと、中の具材だけが前に行く勢いが付いているので、フライパンから離れて空中で宙返りをしてくれます。従って、必要なのは“円運動”では無くて、前後の“ピストン運動”。ひっくり返すイメージが強すぎると何となくフライパンそのもので弧を描けば良いように思うのですがそうではなく、中の具材だけが戻る様な動きをさせるのがコツ。
この「フライパン返し」は、勿論単なる調理中の“カッコ付け”が目的ではなく、フライパンの表面を擦ることなく、炒めている中の具材を自然に混ぜ合わせることが一番の目的。従って、理に適った調理方法であることが分かります。勿論、フッ素コーティングやテフロン加工された様な最近の焦げ付きにくいフライパンでないと、動作が合っていても上手く出来ないのは言うまでもありません。またどんな料理でも必要なのではなく、チャーハンなど混ぜることが必要な料理に向いています。従って、例えばお好み焼きを裏返すのにこれを使う必要は無く、むしろフライ返しを使ってしっかりとひっくり返した方が良いでしょう。
成功したことに気を良くして奥様に聞いてみると、
「出来るに決まってるデショ!!」
さも当然!とばかりのお言葉でした。
「ナルホド、料理をしていると誰でも自然に身につくのか・・・」
と些かガッカリはしたものの、この“フライパン返し”。一度出来てしまうと、意外と簡単だったことに気が付きます。調理が上手くいくだけでなく、何となく、料理そのものも上手くなったような気分に錯覚させてくれますので、どうぞお試しあれ!
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