カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>

 前話の旧開智学校から用事のある大名町へ行くために、新旧対比となる開智小学校の横を通ってもう一つの国宝である松本城公園に向かいました。松本城には既にたくさんの観光客の皆さんが来られています。

 お堀端や場内などに320本の桜があって、春の桜の名所でもある松本城。また秋になるとケヤキや桜の紅葉もまた見事なのですが、その間の夏の時期はせいぜい城内の本丸庭園(拝観料が必要です)の白い花の小笠原牡丹(注)など、紅白の牡丹くらいだろうと思っていました。
すると、この日の公園にはハスの花や見事な藤が咲いていて、駐車場脇の花壇には珍しいナンジャモンジャ(ヒトツバタゴ)が真っ白な花を付けていました。
 ハスの花はアジアからの観光客の方々は珍しくないのか、だれも気に留める風もありませんが、藤の花は人気で藤棚の下では皆さん眺めたり写真を撮ったりしていました。藤は昔から愛でられ、万葉集にも詠まれたという日本原産の固有種。しかも藤紫というように、古来よりムラサキは高貴な色でもあります。
松本城公園の藤はそれほど広い藤棚ではありませんが、1m近くにも伸びた房は見事でした。
 また定年前の上田の事業所への通勤時、平井寺トンネルを抜け下った道端に咲いていたナンジャモンジャの木。その時の記事(第972話)によれば、
『モクセイ科ヒトツバタゴ(一葉たご)という落葉高木。「たご」というのはトネリコの一種で、トネリコが複葉なのに対し、単葉なことから名付けられたそうです。中国福建省原産で、朝鮮半島の一部、国内では対馬や木曽川流域(特に東濃地方)のみに自生(対馬の群生は天然記念物指定)している絶滅危惧種(Ⅱ類)で、岐阜県の土岐市では「市の花」に制定し、街路樹として植えられている「なんじゃもんじゃ街道」があるとか。植栽としても、神宮外苑や深大寺などに植えられた木の写真がありましたが、全国的にも珍しい木のようです。』
その珍しいナンジャモンジャが松本城公園横の駐車場脇の花壇にも植えられていて、ちょうど今、雪のような白い花を咲かせていました。
【注記】小笠原牡丹(松本城由緒書き等より)
天文19年(1550年)7月、甲斐の武田信玄に攻められた小笠原長時は、林城館にあった純白の牡丹が敵兵に踏み荒らされることを憂い、これを里山辺の兎川寺(とせんじ)に託して落ち延びて行ったと伝わる。
その後同寺の檀家であった久根下(くねした)家が、この牡丹を「殿様の白牡丹」として400年もの間秘して大事に守り、昭和32年に小笠原氏子孫の忠統氏へ贈られて初めて公になり、忠統氏から戦国時代に林城の支城だった松本城内本丸庭園の月見櫓前に移植され、 更に平成18年にも久根下家から寄贈されて、現在7株が毎年5月に白く美しい花を咲かせている。
因みに、その後譜代大名として復興を遂げた小笠原氏が、松本から明石を経て、最後の移封先となった北九州小倉城にも小笠原牡丹が株分けされているとのこと。

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