カネヤマ果樹園 雑記帳<三代目のブログ>
滞在したホテルが、箱根観光の中心地である宮ノ下や強羅、また芦ノ湖畔の箱根町などからは離れた仙石原。更にロマンスカーに乗ることも目的で、車では無く電車で行ったことも手伝い、今回の旅はあまり機動性はありませんでした。
そこで、箱根には高名な料亭やグルメスポットも色々ある様ですが、遠くまで足を延ばせず、必然的に、昼はランチ目的ではなく訪れたい場所付近の食事処が前提になりますし、夜もホテルからの徒歩範囲か、せいぜいバス一本で行ける範囲内が行動範囲。そのため、今回の“旅先グルメ”に関しては、かなり狭まった中でのチョイスとなりました。
平日でしかも2時近くなっていても、我々の前に4組ほどが順番待ち。我々の順番になり、案内されたのは幸い川を望む窓側の席。奥さまが湯葉丼と湯葉刺しのセット(1520円)、私メは湯葉丼(980円)。
それぞれキクラゲとコンニャクの佃煮に香の物の小鉢、奥さまのセットにはお豆腐も付いています。丼とありますが、グツグツ煮に煮えた湯葉がご飯とは別々の器で供されます。一般的な親子丼の様に、卵でとじた湯葉がご飯に載せられてくるより、別々だと鰹出汁の良く効いた湯葉だけでも楽しめますし、アツアツの出汁と一緒にレンゲで都度ご飯に載せて丼風にも楽しめますので、この方が良いと感じました。小鉢の佃煮が美味でした(自家製の様で、もし帰りだったらきっとお土産に購入したと思います)。
二日目の昼は、金時山登山の後。
早朝7時から登り始めたので、下山は昼前。登山口の長安寺を参拝した後、仙石原でのランチに選んだのは、箱根ラリック美術館の中のカフェ・レストラン「LYS(リス)」。ルネ・ラリックは、アール・ヌーヴォーからアール・デコに掛けて活躍したフランスのガラス工芸家だそうです。そしてありがたいことに、ここのカジュアル・フレンチのレストラン「リス」は、美術館に入館しなくても(入場の際にその旨伝えれば)レストランだけの利用も出来るのです(また館内には、ラリックが装飾を依頼された「オリエント急行」の車両もティールーム「ル・トラン」として展示されていて、その車内で一日に何回か行われる「茶会」が楽しめるとか)。
登山の恰好のままでは不釣り合いでしたが、そこは勘弁していただいて、登山の疲れを癒すべく選んだのは、プチ贅沢でランチ・プレート(1950円)。私メはビールも所望。
ガラスに覆われた明るい室内。美術館の色付いた林と芝生の庭を望むテラス席もあるのですが、少し寒そうだったので我々は室内で。
この日のランチ・プレートは、『牛ホホ肉とキノコの煮込み・秋刀魚のコンフィ』とのこと。登山の後ではチョットお洒落で上品過ぎて、“腹六分目”くらいだったでしょうか?でも明るくて眺めの良く素敵なレストランでした。
三日目のランチは、雨の仙石原すすき草原にある「銀の穂」。近くには姉妹店のお蕎麦屋さんもありましたが、信州から来てお蕎麦というのも・・・。しかも寒い雨の日に冷たい蕎麦ではなく、こちらは地元産の食材を使った暖かい釜めしと蒸したわっぱ飯のお店とのこと。周囲には余りレストランもなさそうで、中国人の観光客も多くて結構混んでいましたが、相席でも良ければとすぐに通していただけました。
鮭釜めしと山菜わっぱ飯(各1510円)をオーダー。雨に濡れて寒かったので日本酒一合も注文させていただきました(旅先でビールでは無くいきなり日本酒を注文したのは、吹雪の中の白川郷と雨中でのここ仙石原のみ。それだけ寒かったんです)。
釜めしもわっぱ飯もどちらも温かく蒸してありますし、お澄ましは、旅館での宴席の様に、固形燃料に火が付いた小さな鍋で出て来ますので、今日の様な寒い日は何より。杉やヒノキの木の板を曲げたわっぱは抗菌作用もあることから昔から良く弁当箱に使われ、木曽にも木曽ヒノキを使ったわっぱが昔からありますが、色々な材料を載せて蒸すわっぱ飯というのは会津や新潟の郷土料理なのだそうです。ま、こんなものでしょうか?味はまぁまぁ、特段の感激はありませんでした。
さて、夜は疲れたこともあり、一旦温泉に浸かると、しかも上がってからビールを飲むと(歩いて)出るのも億劫になります。そこで、ホテルでの食事か、ケータリング或いは事前にテイクアウトにして、ゆっくりと自室で食べることにしました。また仙石原にはAコープのスーパーがあって(思いの外、小さな店舗でしたが)、箱根の別荘族御用達の店なのだとか。きっと軽井沢のツルヤや、蓼科を抱える茅野のAコープの様な位置付けなのでしょう。
そこでネットで検索し、一日は仙石原で評判という「相原精肉店」のローストビーフ。一緒にミートローフとコロッケも買って来て、付け合わせには、朝食用に持参した我が家のケールとミニトマトでサラダも。ローストビーフは柔らかくて美味でした。
また別の日は、Aコープで買って来た地魚の刺身中心に。特に真鯵が新鮮で、こりこりと歯応えもあって、旨!日本酒に良く合いました。
箱根は山の中とはいえ、近くの小田原は日本の三大深湾(深さ1000mとか。他に駿河湾と富山湾)で深海に住むキンメを始め魚の種類の多いことで知られる相模湾に面していますから、新鮮な海の幸も届くのでしょうね。
もし今度来る機会があったら、箱根から電車やバス一本でも行けるので、小田原で海鮮料理を楽しむのも良いかもしれません。